お嫁さんを探しに来たぼくは、シロクマ獣人の隊長さんと暮らすことになりました!

能登原あめ

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「すまない、ここを使ってくれ」
「いえ、すこく助かります。本当にありがとうございます」

 食事の後、リビングの大きなソファにシーツと毛布を用意してくれた。
 ロイクさんがゆったり寝転がれるくらいあって、ぼくのベッドよりちょっと狭いくらいで足も伸ばせるし問題ない。

「風呂はここだ。みておけよ」
「はい!」

 ぼくの家と同じで、薪をくべるやり方だった。
 これなら問題なさそう。

「浴槽が大きいから温まるまで時間がかかりそうですね」
「いや、そんなことはない。特別な金属でできているから、逆に熱くなりすぎないように気をつけないといけないかもな。温まったら、火は消して大丈夫だ」

 うちのはばあちゃんの時代からあって石で作られていたから、小さいけれど温まるのに時間がかかった。
 お湯は冷めづらかったけど。

「ロイクさんが二人いても入れる大きさですね!」
「一緒に入るか?」

 多分笑っていたから冗談だったんだと思う。
 でもぼくは、小さい頃にばあちゃんと入って以来誰かと風呂なんて入ったことない。

「入ります! ぼく、田舎の風呂の入り方で恥をかきたくないですから!」
「風呂の入り方に恥も何もないだろう」
「でもこんなに大きい風呂ですよ? 男同士でなにかまずいことあります?」

 ロイクさんが一度口を開いて閉じた。

「うちにみんなでお風呂に入る絵本があったんです。ばあちゃんが大きな街には大衆浴場というのがあるって言ってましたけど、この近くにもありますか? あるなら今度見よう見まねで体験してきます!」
「……大衆浴場はまだ早い。いろんな奴がいるから行かなくていいと思う。……じゃあ、一緒に入る、か?」

 少し長く考えていた様子のロイクさんだけど、頷いてくれた!

「はい、ぜひ! ロイクさんが先に入って下さい! 着替えの準備をしたらぼくも入ります」
「わかった……」

 ロイクさんが脱衣所に向かい、ぼくは一旦リビングへ戻った。
 着替えとタオルを持って、浴室へ行く。
 少しでもお礼がしたいから絵に描かれていたみたいにロイクさんの背中を洗ってみよう。
 
 すっぽんぽんになって、ガラッと扉を開けるとぼくに背を向けるロイクが椅子に座って石鹸を泡立てている。

「……早かったな」

 一瞬鏡越しに目かあったと思うけどすぐに視線を下げてしまった。
 もしかしてロイクさんはものすごい恥ずかしがり屋なのかな?

「ロイクさん、ぼくが洗います!」
「…………」

 だめって言われなかったから、ぼくは近づいて泡をすくいとって背中に塗った。
 
「おっきい背中ですね~。大型の獣人さんだからかな。うらやましい……ぼくももっと成長するんでしょうか……」
「どうだろうか……」
「やっぱり無理でしょうか……大通りで見かけた男の人達は大きく見えました。さっき見た女の子達よりぼくのほうが背は高かったですけど……」

 女の子達に見上げられるほど大きくはなかった。

「人それぞれだから気にするな」

 一応なぐさめてくれているのかな。

「そうですね、気にしても仕方ないですよね! 今のぼくを受け入れてくれる子を探します。ありがとうございます、ロイクさん! じゃあ、髪も洗いましょうか?」
「いや、いい。あとは自分でやる。ジョゼフも隣で洗え」
「あ、はい! ありがとうございます」

 いつの間にか用意されていた椅子に腰かける。
 ロイクさんが黙々と体を洗うのを横目に、小さなバケツに湯をくんで自分の体を洗い始めた。
 ロイクさんはこっちを一度も見ないけど。

「もっと筋肉がついたらいいんですけど……」
「…………」
「髪ももっと短いほうが男らしいんでしょう
か……」

 肩につくくらいの茶髪を一つにまとめていたけれど、ロイクさんの短髪のプラチナブロンドと見比べる。

「長いのも流行っているぞ」
「そうですか……」

 ぼくが髪を洗っている間に、ロイクさんは湯船に浸かった。
 ぼくも全身を流して向かい合わせに湯に浸かる。

 あれはなんだろう?
 ロイクさんの脚の間にゆらゆら揺れる棒みたいなものがあるんだけど……?

「それなんですか?」
「男には皆ついているものだ」

 ぼくにはついていないんだけど!
 どこかで落とした⁉︎

 
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