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7 二人で朝食を
しおりを挟むぐっすり眠ったら、スッキリ目覚めた。
ぼくが女の子だってことはまだしっくりこないしショックだけど、ぼくはぼくのままで何にも変わっていない。
お嫁さんじゃなくてお婿さんを探すこと……はすぐには気持ちが切り替えられないけど。
そしてちょっとおかしいと思ったのは、ソファで寝ていたはずなのにロイクさんのベッドで眠っていたこと。
隣にロイクさんの顔があって驚いた。
「おはようございます……ぼく、どうしてここにいるんですか?」
「覚えていないのか? 夜中に床に落ちたんだ。それで、元に戻したんだがまた落ちたから、ここへ連れてきた。すごく寝相が悪いんだな」
怒っている様子はなくて、笑っているけど迷惑ばかりかけて恥ずかしい。
「……ごめんなさい、ぼく覚えてません。だけど山の家のベッドには柵があります。だから落ちたことありませんでした」
壁にピッタリと寄せられたベッドの奥で寝ていて、ロイクさんが反対側の柵の代わりになったのかもと思って、すぐに謝った。
「いや大丈夫だ。ジョゼフが嫌じゃなければ今夜もここで眠ればいい。ベッドは十分広いし、夜中にソファから落ちる音を聞くのは心臓に悪い」
「あの、ぼくはちゃんと休めましたけど……ロイクさんは疲れがとれました?」
「あぁ、問題なく眠れたよ」
そう言われて気持ちが明るくなる。
みんなで仲良く並んで眠るおやすみ絵本みたいだ!
ばあちゃんとは別々に寝ていたから憧れていたんだ……。
「よかった……一人だけのびのび寝ていたとしたら申し訳なかったので、本当にお邪魔していいですか?」
「もちろん。さて。食事にして街に出よう」
「はい!」
ロイクさんが寝室を出ていき、ぼくの荷物を持ってきてくれた。
「ここで着替えて。俺は下で準備してくるから」
着替えを持って、さっと出て行ってしまった。
申し訳ないなぁと思いつつ、鞄から着替えを取り出して支度を整える。
簡単に大きなベッドを整えて、キッチンへ向かった。
「ジョゼフ、卵はいくつ食べる?」
「一つで大丈夫です」
そう答えたのにロイクさんは五個も六個も卵をフライパンに割り入れている。
朝からすごい食べるんだなぁとぼんやりしていると、パンを切ってほしいと頼まれた。
「ジョゼフが食べれる厚さで卵をはさめるように二枚、俺は……ジョゼフの小指の長さで四枚頼む」
じっと小指を眺めてから四枚切り、自分の分は薄く二枚とった。
卵の下にベーコンが敷いてあるのが見えたから、本当に肉食らしい。
「ジョゼフが足りなかったら、街でおやつを食べてもいいな」
そう言って、パンの上に卵とベーコンを乗せてくれた。
「もしかしてロイクさんにとって軽めの朝食なんですか?」
「朝だからな。……卵がなければ肉を焼くこともある」
「へぇ……体が大きいとやっぱり食べる量が違うんです、ね」
ふと昨日のお風呂を思い出して顔が熱くなった。
ロイクさんは気づかないようで、香ばしい香りのお茶を二人分用意して席に着く。
「それぞれ体に合った量が必要だと思うぞ。ジョゼフはそのままでいいと思う。……ところで、名前はジョゼフのままなのか?」
そう言われてピンとこない。
「ずっと、ばあちゃんにジョゼフと呼ばれていました」
「もとがジョゼフィーヌかと思ったんだが、そうではないのか」
記憶をたどっても、そんなふうに呼ばれた記憶は一度もない。
それになんだかその呼び名は女の子っぽくて気恥ずかしすぎる。
「ジョゼと呼んでいいか?」
「はい!」
それなら嫌じゃない。
この街で頑張ってみるなら、新しい自分を受け入れるのがいいよね!
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