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再会の娘
しおりを挟むここはとある町の花屋。フィオーレ。
駅に近いため、地元の人じゃない初見さんもよく訪れる。
「あれ、今何時?」
「今12時過ぎです。掛け時計見てください。腕時計つけてください。もう二度と遅刻しないでください」
「ごめんなさい…」
年下の私に怒られて、シュンとしたこの人は店長の、佐藤岳。
今日の朝、8時前には来ると言っていたこの人は約束より4.50分ほど遅れて来た。
まったく、私がオープンにいない日はどうしてるんだか。
「お昼、先どうぞ」
「いいよ、香澄ちゃん、先に食べて!」
「いえ大丈夫です。まだお腹空いていないので。」
ぐぅぅう~…
「…では、お先失礼します。」
ああなんでこんな時に!!
店長の目がみるみる細くなる。
右手で口を塞いで顔を半分隠してはいるが、その顔は明らかにニヤけを含んでいる…
恥ずかしい。頬が熱くなるのを感じた。
私は眉間にしわを寄せ彼をにらんだ。
チリンチリン。
そこで、来客を知らせるベルが鳴る。
「こんにちはぁ…」
「こんにちは、いらっしゃいませ!!」
私はその羞恥を振りはらうようにいつもより大きな声で挨拶した。
その子は、制服を着ていた。高校生のようだった。
肩あたりで毛先が軽く内側に巻いてある黒髪は、真っ黒過ぎて黒光りしているようにも見えた。眉毛がまったく見えない分厚い前髪もまっすぐに切り揃えられている。
心配になるくらいの真っ白な肌に、薄い唇には真っ赤な口紅、大きなクリクリした目…これは、カラーコンタクトなのかな。
イマドキの高校生、という感じ。
この辺の高校ではなさそう。
「何かお探しですか?」
「あ、えと…」
そう言って彼女はキョロキョロしてから私と店長を交互に見て、しばらく無言になった。
そして俯き、呟く。
「え、と、やっぱ、いいです、すみません失礼します」
チリンチリン。
「…」
…なんだなんだ?
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思ったことはねー題名かな
題名に惹かれません
もっと題名を変えたらおもしろいな