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現代のあるお話
♡Dangers―vol.1―(R18)♡
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※本編の前に※
こちらのワンシーン、直接的な性的描写はありませんが、物語上薬物使用の場面がありますのでR18指定とさせていただいております。ご了承ください。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「随分細っこいけど、大丈夫かよ?」
対面してすぐ、腕を組んでため息をついた短髪の男の視線が、私を上から下まで舐めまわす。
「あら、そこだけは同意見ね。誰? こんな作戦に私を駆り出したトンチンカンは」
「お前のBOSS、だろ?」
「あんたの上司、でしょ?!」
ふたりで思い切りインカムに向かってやり合うと、すぐに苦笑いが漏れ聞こえてきた。
『申し訳ありませんね』
耳触りのいいバリトンが丁寧に謝ってくる。が、
「冗談じゃないわ。こいつはともかく、私は」
『分かっていますよ沙月姫。しかし、唯一顔を知られていないであろう貴女が適任なんですよ』
「こんな格好じゃ武器も仕込めやしない」
すぐ近くで口笛を鳴らした男を一瞥し、自らを見下ろしてため息をつく。
長年鍛え上げた身体を包んでいるのは、えげつない開きをした胸元に、太ももまでスリットが深く入った赤のロングドレス。
胸元に注意を向けないといつはだけるかわからないわ、足を上げることもままならないわで、求められるパフォーマンスが出来るかは未知数だ。
「報酬はいつもの倍で頼むわよ」
「あ、ずりぃ。俺も」
「あんたは元々の持ち場でしょ。本来私は」
『ストップ。誰が聞いているかわかりません。慎重に』
これだから表の実働部隊には足を踏み入れたくなかったのに。
私は最後に始末をつける方が性に合ってる。
「ま、仕方ねぇや。参りましょ、お嬢さん」
いつもは声だけでやり取りをしている男が、手を差し伸べてきた。
どこか軽薄そうに見えるこいつと一緒で作戦遂行なんて出来るのかしら?
(ま、どうにかなるでしょ)
「頼んだわよ、宏司」
黒のタキシードを細身にまとう彼の手を取ってそっと腕を絡め、揃って歩き出す。
かすかに抱いた不安が現実のものになるなんて、
この時の私は露ほどにも思っていなかった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
『大丈夫ですか?!』
インカムから、焦りを隠さない声が聞こえた。
「何とか、な。とりあえずこいつと隠れるわ。後頼んだ」
『了解。例の部屋へ。至急救援を向かわせます』
「ラジャー」
「立てるか」
宏司が差し伸べてきた手を引いて立とうとするが、力が入らない。
「っ、と……」
いきなり膝裏に手をかけられて、身体が浮く。
「ちょっと!」
「我慢しろ。ここであいつらに好き勝手されたいか?」
「冗談じゃないわ……よ」
声も出しづらくなってる。麻酔系の薬でも盛られたか。
「やっぱ身元割れてたみたいだな、俺らも」
「……え?」
「同業者が何軒か依頼を受けて飛び込んだものの、全員死体で見つかってる。男は全員ほぼ即死なのに、女は……あんたなら言わなくてもわかるだろ」
苦虫を噛み潰したような声に、背筋が冷えた。
もし、あの場でこんな状態になっていたら───。
「ここだな」
私を膝の上に座らせた宏司が、何やら取り出してキーを打つ。腕を引かれ部屋に飛び込み扉が閉まった途端、廊下を走る音が近づいてきた。
「あっぶね」
肩を竦めた宏司に改めて抱えあげられ、ベッドに座らされると、急に視界が定まらなくなってきた。
おまけに、身体が熱い。甘い痺れがせり上がってくるこの感覚は───。
「……出て、って」
「あ? お前何言って」
「いいから!」
とにかく正気を保とうと、自分の腿に仕込んでおいたナイフに手を伸ばす。しかし、上手く取れなくて指を滑らせてしまい、
「ふ、ぁ……っ」
身を震わせると同時に声が漏れてしまった。
「お前……まさか」
「早く出てって!」
寸断なく襲ってくる疼きに、身体が震える。陰部に伸ばしたくてたまらない手でかろうじて自分を抱きしめる。
(いやだ)
こんな淫らな私、これ以上見られたくない。
「おねが、い……。はやく」
まだ正気でいられるうちに。
そして、奴らに見つかる前に。
「にげ、……っ!!」
途中で、いきなり唇を塞がれた。
侵入してきた濡れた感触に、全身が泡立つ。
「ふ、っ……ぅん」
はねのけなきゃと思ってるのに、身体がいうことを聞いてくれない。
嫌だと思っているのに、自ら舌をアイツのそれに絡めて。
キスだけなのに、熱が暴発しそうな花芯から蜜が流れ出るのを止められない。
もっと。もっと欲しい──。
宏司の首に腕を絡めて身体をすり付ける。
それに応えるように、やつの唇が私のうなじを這う。
「は、ぁ……っ!」
これから先もたらされるであろう快楽に期待が込み上げた次の瞬間。
みぞおちに衝撃が走る。
「……、っ」
「悪ぃ。少し眠っててくれ」
宏司の声と共に首の後ろにも衝撃が走って、私の目の前が暗くなった。
こちらのワンシーン、直接的な性的描写はありませんが、物語上薬物使用の場面がありますのでR18指定とさせていただいております。ご了承ください。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「随分細っこいけど、大丈夫かよ?」
対面してすぐ、腕を組んでため息をついた短髪の男の視線が、私を上から下まで舐めまわす。
「あら、そこだけは同意見ね。誰? こんな作戦に私を駆り出したトンチンカンは」
「お前のBOSS、だろ?」
「あんたの上司、でしょ?!」
ふたりで思い切りインカムに向かってやり合うと、すぐに苦笑いが漏れ聞こえてきた。
『申し訳ありませんね』
耳触りのいいバリトンが丁寧に謝ってくる。が、
「冗談じゃないわ。こいつはともかく、私は」
『分かっていますよ沙月姫。しかし、唯一顔を知られていないであろう貴女が適任なんですよ』
「こんな格好じゃ武器も仕込めやしない」
すぐ近くで口笛を鳴らした男を一瞥し、自らを見下ろしてため息をつく。
長年鍛え上げた身体を包んでいるのは、えげつない開きをした胸元に、太ももまでスリットが深く入った赤のロングドレス。
胸元に注意を向けないといつはだけるかわからないわ、足を上げることもままならないわで、求められるパフォーマンスが出来るかは未知数だ。
「報酬はいつもの倍で頼むわよ」
「あ、ずりぃ。俺も」
「あんたは元々の持ち場でしょ。本来私は」
『ストップ。誰が聞いているかわかりません。慎重に』
これだから表の実働部隊には足を踏み入れたくなかったのに。
私は最後に始末をつける方が性に合ってる。
「ま、仕方ねぇや。参りましょ、お嬢さん」
いつもは声だけでやり取りをしている男が、手を差し伸べてきた。
どこか軽薄そうに見えるこいつと一緒で作戦遂行なんて出来るのかしら?
(ま、どうにかなるでしょ)
「頼んだわよ、宏司」
黒のタキシードを細身にまとう彼の手を取ってそっと腕を絡め、揃って歩き出す。
かすかに抱いた不安が現実のものになるなんて、
この時の私は露ほどにも思っていなかった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
『大丈夫ですか?!』
インカムから、焦りを隠さない声が聞こえた。
「何とか、な。とりあえずこいつと隠れるわ。後頼んだ」
『了解。例の部屋へ。至急救援を向かわせます』
「ラジャー」
「立てるか」
宏司が差し伸べてきた手を引いて立とうとするが、力が入らない。
「っ、と……」
いきなり膝裏に手をかけられて、身体が浮く。
「ちょっと!」
「我慢しろ。ここであいつらに好き勝手されたいか?」
「冗談じゃないわ……よ」
声も出しづらくなってる。麻酔系の薬でも盛られたか。
「やっぱ身元割れてたみたいだな、俺らも」
「……え?」
「同業者が何軒か依頼を受けて飛び込んだものの、全員死体で見つかってる。男は全員ほぼ即死なのに、女は……あんたなら言わなくてもわかるだろ」
苦虫を噛み潰したような声に、背筋が冷えた。
もし、あの場でこんな状態になっていたら───。
「ここだな」
私を膝の上に座らせた宏司が、何やら取り出してキーを打つ。腕を引かれ部屋に飛び込み扉が閉まった途端、廊下を走る音が近づいてきた。
「あっぶね」
肩を竦めた宏司に改めて抱えあげられ、ベッドに座らされると、急に視界が定まらなくなってきた。
おまけに、身体が熱い。甘い痺れがせり上がってくるこの感覚は───。
「……出て、って」
「あ? お前何言って」
「いいから!」
とにかく正気を保とうと、自分の腿に仕込んでおいたナイフに手を伸ばす。しかし、上手く取れなくて指を滑らせてしまい、
「ふ、ぁ……っ」
身を震わせると同時に声が漏れてしまった。
「お前……まさか」
「早く出てって!」
寸断なく襲ってくる疼きに、身体が震える。陰部に伸ばしたくてたまらない手でかろうじて自分を抱きしめる。
(いやだ)
こんな淫らな私、これ以上見られたくない。
「おねが、い……。はやく」
まだ正気でいられるうちに。
そして、奴らに見つかる前に。
「にげ、……っ!!」
途中で、いきなり唇を塞がれた。
侵入してきた濡れた感触に、全身が泡立つ。
「ふ、っ……ぅん」
はねのけなきゃと思ってるのに、身体がいうことを聞いてくれない。
嫌だと思っているのに、自ら舌をアイツのそれに絡めて。
キスだけなのに、熱が暴発しそうな花芯から蜜が流れ出るのを止められない。
もっと。もっと欲しい──。
宏司の首に腕を絡めて身体をすり付ける。
それに応えるように、やつの唇が私のうなじを這う。
「は、ぁ……っ!」
これから先もたらされるであろう快楽に期待が込み上げた次の瞬間。
みぞおちに衝撃が走る。
「……、っ」
「悪ぃ。少し眠っててくれ」
宏司の声と共に首の後ろにも衝撃が走って、私の目の前が暗くなった。
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