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祝杯
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2106年の春に親友の雪平翔が総理大臣になった。まだ17歳でこの日本という国を任された翔は笑ってた。
50年前に就任した雪平倫太郎元総理によって法律、主義、外交などは大きく変えられた。科学力と経済力で他の大国を押しのけ世界第1位の大国となり、誰もが雪平倫太郎総理を支持した。その支持力もあり次々と大規模な改革を実行した。それにより民主主義は撤廃され雪平政権の独裁となった。
俺は風見春樹。昔から雪平一族の友人として雪平一族を支えてきた風見一族の子、それが俺。
変わったことはいろいろあるけど、俺が知ってるのは今の日本だけだ。
独裁ではあるけど、悪いことばかりじゃない。裕福な暮らしは出来てるし、日本がよくなってると思う。それは教科書を見ても明らかだ。
父親は50年前のことをいろいろ教えてくれた。例えば、軍事のことに関しては最初はかなりの反発があったこととか。でもそれはすぐになくなったらしい。雪平倫太郎元総理は軍事力を平和の為に使い、日本を大国にのし上げたからだそうだ。そりゃ大国にのし上げてくれたなら文句の一つもなくなるだろう。
「就任おめでとう、翔」
就任式典後の豪華絢爛な部屋は春樹と翔の2人だけになっていた。高級ホテルのセレモニーホールの様な部屋は赤いカーペットと丸いテーブルが数個。ステージにはマイクと、その壁には「「雪平翔総理大臣就任式典」」と書かれたきらびやかな布が飾ってあった。高級感と凡人には近づき難い部屋の中で春樹はスーツで整えられた翔に声をかけた。
翔の細身で不健康そうな白い肌と銀髪は部屋の照明に照らされて余計に異質な感覚を醸し出していた。
「ありがとう、まさかこの歳で総理大臣になるなんて思わなかったなぁーキヒッ」
不敵にも見える笑みを浮かべ、奇怪な笑い声を上げた翔は赤ワインの入ったグラスを弄ぶ。
翔の祖父倫太郎が亡くなり、その遺言には正当な血族が総理大臣となるように書かれていた。翔の父親は婿として翔の母親と結婚したため父親に次期総理大臣の権利はなく、母親は小さい頃に亡くなったため翔が次期総理大臣に選ばれた。17歳という未成年が総理大臣になるなど有り得ない事だが、遺言は絶対だった。
「俺も鼻が高いよ。」
「よしてくれよぉ、僕はまだ実感ないんだからさぁー。それに、僕達親友だろ?」
「そうだよな。」
春樹は照れくさそうに頭をかく。
「乾杯でもしよう。」
翔が赤ワインの入ったグラスを春樹に向ける。
「あ、あぁ。」
春樹が自分のグラスを翔のグラスに近づける。
「「乾杯」」
ピンッという高い音と共にグラスは離れ2人の口に運ばれる。
未成年がワインを飲むのはちょっと気が引けた春樹だったが、今日だけはと翔に言われて飲むことにした。初めてのワインは正直そんなに美味くはなかった。
翔は赤ワインを堪能していたが、春樹はすぐにグラスを近くにあった丸いテーブルに置いた。
それから2人は懐かしの話で就任に花を添えた。
50年前に就任した雪平倫太郎元総理によって法律、主義、外交などは大きく変えられた。科学力と経済力で他の大国を押しのけ世界第1位の大国となり、誰もが雪平倫太郎総理を支持した。その支持力もあり次々と大規模な改革を実行した。それにより民主主義は撤廃され雪平政権の独裁となった。
俺は風見春樹。昔から雪平一族の友人として雪平一族を支えてきた風見一族の子、それが俺。
変わったことはいろいろあるけど、俺が知ってるのは今の日本だけだ。
独裁ではあるけど、悪いことばかりじゃない。裕福な暮らしは出来てるし、日本がよくなってると思う。それは教科書を見ても明らかだ。
父親は50年前のことをいろいろ教えてくれた。例えば、軍事のことに関しては最初はかなりの反発があったこととか。でもそれはすぐになくなったらしい。雪平倫太郎元総理は軍事力を平和の為に使い、日本を大国にのし上げたからだそうだ。そりゃ大国にのし上げてくれたなら文句の一つもなくなるだろう。
「就任おめでとう、翔」
就任式典後の豪華絢爛な部屋は春樹と翔の2人だけになっていた。高級ホテルのセレモニーホールの様な部屋は赤いカーペットと丸いテーブルが数個。ステージにはマイクと、その壁には「「雪平翔総理大臣就任式典」」と書かれたきらびやかな布が飾ってあった。高級感と凡人には近づき難い部屋の中で春樹はスーツで整えられた翔に声をかけた。
翔の細身で不健康そうな白い肌と銀髪は部屋の照明に照らされて余計に異質な感覚を醸し出していた。
「ありがとう、まさかこの歳で総理大臣になるなんて思わなかったなぁーキヒッ」
不敵にも見える笑みを浮かべ、奇怪な笑い声を上げた翔は赤ワインの入ったグラスを弄ぶ。
翔の祖父倫太郎が亡くなり、その遺言には正当な血族が総理大臣となるように書かれていた。翔の父親は婿として翔の母親と結婚したため父親に次期総理大臣の権利はなく、母親は小さい頃に亡くなったため翔が次期総理大臣に選ばれた。17歳という未成年が総理大臣になるなど有り得ない事だが、遺言は絶対だった。
「俺も鼻が高いよ。」
「よしてくれよぉ、僕はまだ実感ないんだからさぁー。それに、僕達親友だろ?」
「そうだよな。」
春樹は照れくさそうに頭をかく。
「乾杯でもしよう。」
翔が赤ワインの入ったグラスを春樹に向ける。
「あ、あぁ。」
春樹が自分のグラスを翔のグラスに近づける。
「「乾杯」」
ピンッという高い音と共にグラスは離れ2人の口に運ばれる。
未成年がワインを飲むのはちょっと気が引けた春樹だったが、今日だけはと翔に言われて飲むことにした。初めてのワインは正直そんなに美味くはなかった。
翔は赤ワインを堪能していたが、春樹はすぐにグラスを近くにあった丸いテーブルに置いた。
それから2人は懐かしの話で就任に花を添えた。
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