紋章最強の転生者はほのぼの生活したい(希望形)

燕上ゆうき(旧名:クゲルブ)

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1章【緑の竜と新しき伝説】

3話─二人の旅立ちと入学試験

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「じゃあ行ってくるね!」

「「「「いってらっしゃーい!」」」」


 アミリは15となり、家を出ることとなった。

 理由としては、冒険者として生活していきたいとのことでだ。


「お姉ちゃん大丈夫かな…案外おっちょこちょいだからなぁ」

「大丈夫でしょ、いざとなったらこっちに戻ってくればいいし」

「ようだよ。心配ならリュークに頼んで見てもらえばいいしね」

「そうだぞ、リュークの祝福は便利だからな」

「羨ましいわ…そうだリューク、話は変わるけど最近お父さん浮気してない?」


 唐突なシュミアの発言にリュークとレルクが少し肩を動かした。


「大丈夫だよ(今は)」

「そ、そうだぞ、浮気なんてありえないからな!」

「ふーん、今は…ね…ならいいわ」


 その後、レルクはすこしビクビクしながら生活することになったことをアミリは知らない。




☆☆☆




「服やお金は持ったね?」

「大丈夫、全部持ってるから」


 アミリが旅立ってから数日後、リュークは13歳となった。

 リュークは11歳の時にシュミアやレルクからこの世界にも学校があることを聞き、そこに行きたいと言ったのだが、学校自体が13からではないと受け入れないためそれまで待っていたのだ。


 そして、リュークが13歳になり、念願の学校へ行けるようになった。


「行くのはいいが…ここからだとぎりぎり間に合うような位置にある学校で良かったんか?」


 レルクの疑問はリュークの行こうとしている学校と家との距離にある。


 リュークが行くのはクルアーサル魔術学校というところだ。

 クルアーサル魔術学校は、魔法に関する学校ではトップ10に入るほどの学校で、国営学校を除いた場合は3本指に入るほどのハイレベルの学校だ。

 だが、距離は通くリュークたちのいる家からは徒歩では20日かかるだろう。

 だが、リュークの宙に浮く魔法──家族みんなで考えた結果、飛行ではなく浮遊魔法となった──とレルク程ではないが強化魔術を使えば2~3日で付くだろう。


 この学校には入学試験があり、その試験日が5日後なのだ。

 時間があまりないため、他にもやりたいことはあったものの渋々リュークは今日行くこととなった。

 というか今日行かないと最悪遅刻をしてしまうのだ。


「遅刻だけはしないようにするよ」

「お兄ちゃん!私もすぐそっちに行くから待っててね!」

「おう、まってるぞ!」


 そう言ってリュークはシャルの頭を撫でる。

 するとシャルは目を細め喜んだ。


「じゃあ最後に一つだけ。
 いい、リューク。あなたのその魔法は、今の人類の魔法レベルを優に超えてる。変にその魔法を言いふらしたりしないようにね」

「分かってるよ!」


 その話はかなり前から常に言っていたことだ。

 ちなみにだが、シュミアの魔法レベルも今の人類のレベルを軽く超えている。


「それじゃあ行ってくるから!」

「「「気をつけてねー(なー)」」」」


 そしてリュークは大空を飛んでいった。




☆☆☆




 リュークが家を出てから4日、リュークは目的の街へと着いた。

 到着予定より1日過ぎてしまったのには、彼が「まあそこまで早くなくても大丈夫だろう」と思い本気で走って来なかったためだ。

 2日目になってようやく間に合わないかもと思ったリュークは魔力が切れる寸前で飛んできた。


 目的の街、この街の名前はコンルース。アレサタネ王国の王都だ。


 王都であるだけあって、街の大きさは広く、人も多い。


 その王都にあるルクアーサル魔術学校ではリュークが入学試験の申請をしていた。


「……はい、受験料はちょうどお預かりしました。このチケットを無くさずに明日来てください。ちなみにですが、この学校には寮があるので無理に家を買わなくても大丈夫ですよ」


 今リュークが渡したお金はレルクがたちが魔物の肉などを売って得た金だ。

 ただし、入学後返せるお金があれば返すようにとのことでお金を得た。

 つまりは利子なしの借金をした訳だ。


「ただし入学が確定するまでは寮は使えませんので間違わないようにお願いします」

「入学が確定するのはいつですか?」

「明日の午前に座学、午後に魔法の試験を行い、全員の試験が終わり点数が決まり次第確定しますので試験日に分かるようになります」

「そうですか、では明日まで宿をとろうと思うのですが近くの宿ってどこにありますか?」

「低額であればここから結構歩いたところにありますククアという所があります。ただし、ここは宿としての最低限度の設備しかありません。しかも、持ち物はもちろん、最悪命の保証はありません。高級な所となりますと貴族地区の東側にありますコーファルという所があります」


 そして受付の人は一つの紙を取り出した。

 そこにはコーファルの料金表が載っていた。

 書かれているの金額は、受験料の1割程度…ものすごく高い。


「…そこまで高く無くてもいいので夕食と出来れば朝食、それと荷物の保証とプライバシーの確保のあるところはどこがありませんか?」

「となりますと…そうですね、この学校を出てから北に歩くと大通りに出ます、その大通りにあるルリーフという所がありますよ」

「ありがとうございます」


 言われた通りに行くと、ルリーフというところはあったのだが、見た目宿には思えない。その見た目は貴族ではないが、ちょっとしたお金持ちや商売人が買ってそうな家に近い。

 ここは宿ではなく商売人の家なんじゃないか…そんな考えが頭をよぎるが、たしかに案内されたのはここなのだ。

 恐る恐るドアを叩く。すると扉が空いた。

「いらっしゃいませ」


 ドアを開けたのは燕尾服なども来ていない普通の男性だ。


「ここは…ルリーフという名前の宿であってますか?」

「はいそうですよ。今回はどのようなご利用で?」


 ここが誰かの家だと恐れていたリュークは安心からほっと息をつく。


「2食つきで1泊お願いします」

「はい、分かりました。料金は先払いとなりますがよろしいですか?」

「はい、大丈夫です。」

 入ってみれば宿であり、リュークは興味本位からなぜこのような作りにしたか従業員に聞いてみると、見た目が宿じゃなければ宿だってわからないためプライバシーが確保しやすいとのこと。

 そしてリュークは一部屋頼み、魔法の行使などの疲れからか夕食も食べないで寝た。

 本人は軽く寝るつもりだったが、ここ2日分の疲れが一気に来て朝まで起きれなくなっていた。



☆☆☆




 次の日、試験日。

 リュークは夕食のある宿を頼んだのに夕食を食べなかったことを後悔しつつ、宿を出た。


 人混みをかき分けて進み、目的の学校、クルアーサル魔術学校へときた。

 ルクアーサル魔術学校には、リュークと同じく入学試験を受けに来たのか、沢山の人達がいる。


 その中には人種以外もいる。


 ファンタジー作品によくある森精種エルフ獣血種セリアンスを始めとした、様々な種族がいる。

 その中には忌み嫌われている種族もいるのか、汚らわしい目でその種族の人を見る人も中に入るが、学校の職員はそんな身振りは見せなかった。

 心のなかでは嫌っているだろうが、それを表面に出さない。それだけでも彼らからしたら救われてるように感じているだろう。

 リュークは人種差別をしないこの学校にある程度、好感が持てた。


「午前中は座学となります!以前渡された紙に書かれている部屋へと移動してください!」


 学校の校舎前には、多くの女性が座学の試験場所の説明をしている。


 リュークは紙に書かれている部屋に行き、部屋に貼られている席に座った。


 座学の試験は語学(いわゆる国語)、歴史、算数の3教科だ。


 リュークは歴史を勉強していなかったためほぼ0に近いだろう。

 対して算数に関してはほとんどの問題が小学校程度の問題で、一部「あれ?この世界の人にこれ解けるのか?」という問題があるものの、リュークは問題なく解いた。


 昼食を挟み、午後。


 こんどは魔術の試験だ。


 シュミアに魔法は気をつけろと言われているためどうしようか悩んだ結果、前の人たちで一番いい人の威力を1回り大きくすることにした。

 なぜ1回り大きくするのかと言うと、単にリュークのプライドのためだ。

 それとそこまで上手い人達と同じ試験会場にはならないだろうという考えもあった。


 魔術は別の場所に移動して行う。

 同時に試験をするメンバーは座学の時のクラスと同じだ。


 そして試験が開始した。


「……マジかよ」


 リュークは少し失望した。

 なぜなら、他の人が放ってる魔法はリュークが軽く放つだけの魔法の何十倍も低いためだ。

 中には小石程度の土を出す人、ろうそくほどの火を出す人がいた。

 酷いと雨粒程度の水、そよ風程度の風しか起こせないひともいた。


 リューク観点からして酷い具合にレベルに低い魔法の試験は進みんだとある時


「学園長!?」


 試験監督が大きな声を上げた。

 受験監督につられて入口を見てみると、学園長と木製の名札らしきものをつけた人が来た。

 学園長は白ひげ生やした老人で、老人魔術師のテンプレみたいな人だ。


「わしの事はほっておいて試験を進めてくれ」

「わ、分かりました!」


 その後、すぐにリュークの番が来た。

 リュークは同時に試験を行う人の最大威力の1.3倍ほどの魔法を魔法陣の魔法で使った。


「…以上です」

「わ、わかった。次!」


 次々と進む中、学園長はというと、

「………」

 無言でリュークを見ていたがそれはリュークは知らなかった。
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