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1章【緑の竜と新しき伝説】
5話─魔力について
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前話、誤字報告してくれた方々、本当にありがとうございます
自分でも「これで大丈夫だろ」って思ってあまり見返さないので「あれ、これ日本語文合ってるのか?」みたいなのがありましたらどんどん報告してください
────────────────────────────────────────────────────────────
そして場所は変わりとある寮の部屋、この部屋はリュークの部屋となっている。
「あー、やってしまった」
リュークはベッドの上で伏せて横になっている。
「自重しろって言われたのに思わぬ不覚を取ってしまった…誰が予想したか!数学で100点を取ってしまうと!」
リュークはああああと唸り声を出しながらシュミアになんと説明するか考えていた。
「つーか魔術でも90超えってやばいじゃん、自重しろって言われたのにこれじゃあ自重してないって思われるだろう…いや実際プライドのために自重しなかったけどさ!」
魔術に関しては、点数の採点方法はは学年で1番魔法の質・火力が大きい魔法が100点となり、それと比べての点数なのだ。
よって、リュークの上には何人かいるのだが、魔術の採点方法を知らないために自分が魔術だけなら主席・次席なのではないかと考えていた。
「…はぁ、正直に書くか」
リュークはシュミアから入学式を終えたら手紙を書くように言われている。
「これ何か絶対言われるだろうな…」
すっかり昼間のことはほとんど忘れているリュークは、手紙の返信よりも面倒なことが来ることは考えていなかった。
──────というかもう覚えていなかった。
☆☆☆
翌日の朝。
リュークは毎日の日課であるランニングを行っている。
まずは普通に5キロ走り、その後強化魔法と魔力循環を行い5キロ走る方法をとっている。
これにより、体力の増加はもちろん。強化魔法の強化値向上などがある。
強化値向上といっても、数値化される訳では無いためどれくらい上がるかは普通ならばわからないものの、いつも使うことにより「昨日より○○秒早く走れている」といったような感じでどれくらい上昇したのか分かる。
だが上昇値が低いため、数百キロと走らなければ何秒縮んだかなどわからない。
例え小さな数字でも日に日にやることて他者との差が生まれる─とリュークの父であるレルクは言っていた。
「ふう、もう終わりでいいかな」
ランニングを終えると、学校内を歩き始めた。
リュークが学校の中に入ったのは試験の時と入学式の時だけだ。
他の時間も入れる機会はあったのだが、学校内より街を歩き回っていたためにリュークにとって学校内は未知の領域となっている。
「ふむ、ここは魔法訓練所か」
本校舎から少し離れたところには魔法訓練所がある。
ここは魔術の試験でも使われた場所のためリュークも知っていた。
「的は魔法防御上昇と魔法軽減結界がついてるって言ってたけど試験の時みたやつと同じなら結構な威力防げてるし相当強い結界があるんだろうな。どれぐらいまでなら防げるか試して……ん?」
リュークはそこで見た事のある顔を見た。
猫の獣耳と尻尾のある獣血種の少女だ。
獣血種。名前から連想はできるであろう。いわば獣人だ。
獣の血が流れているとされ、獣の力をつかう事ができる。
といっても、獣の力を存分に使えるわけではない。
例えば、彼女のように猫の獣血種であれば、猫の反射神経や動体視力を使える。
だが、猫と同等の力が使えるかと言われたら否なのだ。
猫と比べたら反射神経などは劣るし、赤と緑の判別がすこしだが難しくなる。
前者は人としての劣化により、後者は猫としてのデメリットを受け継いだのだ。
このように、獣血種は獣としてのメリットをすべて受け継いでいるわけではないのだ。
「あ、おはよう」
「あ、ああ、おはよう」
彼女は気づいたらしくリュークに挨拶をする。
「リューク君だよね?私はエマール、エマでいいよ」
「わかった、エマは何をしてたの?」
「何って…魔法の特訓だけど?」
魔法の特訓と聞いてリュークは首をかしげた。
「魔法の特訓でなんで魔法ばっかり打ってるの?」
「え?魔法を打つ以外の魔法の特訓ってあるの?」
リュークはますます分からなくなってきたが、この世界の魔法の特訓の常識が違うのではと思い、頭を抱える。
「…質問だけど、この特訓ってどんな効果があるの?」
「え?えーっと、魔法の威力の向上と魔力の上昇…だったかな?」
やはり、と思いため息をつく。
「それ、あまり意味無いよ」
「え!?そ、そうなの!?」
「ああ、魔法の威力の向上なら魔力循環をやった方が効率いいし魔力切れ起こさないから。魔力の上昇ならまずは体力を上げなければ意味がないよ」
「……???」
「…はぁ、とりあえず魔力循環を覚えようか。
魔力循環の方法は簡単。体中に流れてる魔力を把握して、その流れを止めたり流したりすること。
魔法をつかうときは体内の魔力をある程度操作して魔法を作り出してるけど、それをしないで体内で回すだけ。
まずは魔力を左手に集めて、それを一気に流す。今度は左足に集めて流し、右足に、右手に、最後に目のあたりに魔力を集めて流す。
これを何度も行うことにより出来る…んだけどできてる?」
「ん、んー、難しい…溜めるはできるけど流すが出来ない」
「集めるのができるなら左手に溜めたあと流す作業をするんじゃなくて左足に集めるっていう方法をやってみて」
「こう…か…な……?……おお、今の感じかな?」
「魔力循環は自己強化の基本中の基本となるんだ。無詠唱魔法では魔力操作よりもイメージを重要視してる人が多いって本で読んだことあるけど、イメージよりも魔力循環を使って魔力操作を主として置いた方が格段に威力が上がるよ。イメージが重要なのは無詠唱を始めたばかりの人だけ」
エマはへぇーと感心したようにリュークの話を聞いた。
「魔力循環を使って体内に流れている魔力を一点に集めて魔法を使う。イメージじゃなくて操作を主として魔法をやってみて」
「わ、わかった」
リュークが言っていることに半信半疑だったが。エマは体内に流れてる魔力を一点に集めて魔法を放った。
風の魔法だ。リュークからしてみれば魔力の余剰というか無駄が多く、威力もそこまで無いのだが、エマからしたら相当上がったらしくジャンプして喜んでいる。
「すごいすごい!今までの魔法より格段に威力が上がってる!」
「これを行うことにより魔法威力向上と最大魔力の向上かあるよ」
「最大魔力?そういえばなんで体力をあげた方が魔力が上がるの?」
教えていいものかと迷ったが、教えることにした。
迷うことに消費した時間、わずか0.5秒。
「…たぶん、あまり知られてないことなんだけど、魔力には2つあるんだ。
行使魔力量と最大魔力量の2つ。
行使魔力量は自分が使える魔力の量で、最大魔力量は自分の最大限の魔力の量」
「何が違うの?」
「行使魔力量は体力の量に比例する。
もともと体っていうのは自分が余計に魔力を使わないようにセーブをかけるんだ。かける理由としてはまだ不明だけど、体力を増やすことにより行使魔力量が増えることは証明されてるんだ」
一番有力な説は体力と行使魔力量は同じものという説だが、この説だと魔力がなくなった時に気絶したりする症状が説明出来ないことにより、不明とされている。
リュークは筋肉と同じようなものではないかと考えている。
理由は筋肉もセーブをかけるようになっているためだ。
だが、筋肉とは違い最大魔力量と行使魔力量の差は訓練することによりほぼ0にすることが可能となる。
なぜそのようなことが出来るのかは未だに謎である。
「魔法を沢山使った人が息切れすることがあるでしょ?あれは体力が少ないせいで起こると言われてるんだ。行使魔力量を超えて魔力を使ったために体力を使って回復させようとしてるからなんだ」
「そうなんだ…よし、今日の夜からランニングを始めようかな」
「無理のしないようにね、僕は学校散歩中だから」
「わかった、じゃーねー」
そう言ってリュークは訓練所を出た。
次にリュークが来たのは錬工第1実験室。
ここは錬金術を発展させた錬金工学という科目の実験室となる。
その部屋の中では1人の男性が岩と岩を付けたり外したりしている。
「こうじゃない……こうでも…あーもう」
リュークはそれを見て何を作っているのかはすぐに分かった。
彼の作っているのは岩のゴーレムだ。
「こうでも……ん?誰だ?」
「え、あ、失礼します」
離れてみていたが、腰が机にあたり、机の上にある瓶が音を発してしまった。
その音に気づいた彼はリュークを見た。
「新入生か…何の用だ?…まさか錬金工学志望の人か!?」
「ちょ、ち、ちがいます。いやまだ分かりませんけどまだ取れませんよ」
この学校の教育は初期、中期、後期というように分かれている。
1月から3月までが初期、4月の1ヶ月は休みで5月から7月まで中期、1ヶ月の休みを挟み9月から11月が後期となる。
初期の教育科目は決まっており、中期と後期は科目の一部を選択することができる。
錬金工学は中期にて選択可能科目なのだが、選択する人はあまりにも少ない。
そのため、彼がリュークを勧誘しようとしたのはしょうがないと言えるだろう。
「ゴーレムを作っているのですか?」
「え?ああ、ゴーレム自体は作れるんだが、魔力消費が多くて私じゃ操作できないのだ…いや、出来なくはないが少ししか操作ができないのだ」
リュークはゴーレムに近づき、岩を見る。
「どうすればいいか分かるか?……って、分かるわけないよな…うーん」
「魔力管は通ってるんですよね?」
「…あ、ああ」
魔力管とは、魔法具やゴーレムの様な物にはなければならないものだ。
その管から魔力を通し、作用があるところまで魔力を届かずのに必要となるのだ。
「この管って空気と触れてますか?」
「どういうことだ?」
「接続部分意外に外に出ている所はありますか?」
「そういうことか。それは大丈夫だぞ」
それを聞いたリュークは、近くにあったビーカーに水魔法で水を入れた。
「であればこれを管に流してみてください」
「水…?」
「はい。水は魔力伝導率がいいのは知ってますよね?」
「ああ、空気中より水の中の方が魔力が進むのがは…ああ!そういうことか!」
「そういうことです。できれば高純度魔力水が良いですが、普通の水や魔法水などでも充分に魔力が伝わりやすくなると思います」
高純度魔力水とは、井戸水のように地中にあるものだ。
だが、井戸水とは違いその水には魔力が含まれている。そのため、魔力回復薬に使う素材でもあり、他にも様々な素材に使われている。
だが、人工的に作れるものではないため魔力水には謎が多い。
魔法水とは、その名前の通りに魔法で作った水だ。普通の水とは違い多少は入っている栄養やミネラルというのが全くない。
この魔法水を闇魔法を使い何万分の一というサイズまで圧縮することにより、低純度魔力水ができる。
この低純度魔力水を再び何万分の一まで圧縮することにより、魔力水となる。
だが、この魔力水を圧縮しても何も変わらないし、高純度魔力水と比べると全く違う。
高純度魔力水は無色透明に対し、魔力水は真っ青な色だ。
入っている魔力も桁違いであり、高純度魔力水は一滴で2~3本の魔力回復薬が作れるのに対し、魔力水出作るのには何万本と必要になる。
男性はリュークの言っていたことを試すために魔力管に水を入れた。そして手をつけ動かし始めた。
「……お、おお!入れる前より魔力消費が圧倒的に低いぞ!ありがとうな!…そういえばまだ名前を聞いていなかったな。私はターロルだ」
「僕はリュークです」
「そうか、リュークか。ぜひ君には錬金工学に入ってほしい!」
ターロルはリュークの両手を握り頼んできた。
彼がそういう性癖を持っている訳では無い。ただ毎年志願する人が少なく、彼も必死なのだ。わかってあげてくれ。
ターロルの真剣な眼差しに、リュークはというと───
「か、考えておきます」
───としか言えなかった。
自分でも「これで大丈夫だろ」って思ってあまり見返さないので「あれ、これ日本語文合ってるのか?」みたいなのがありましたらどんどん報告してください
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そして場所は変わりとある寮の部屋、この部屋はリュークの部屋となっている。
「あー、やってしまった」
リュークはベッドの上で伏せて横になっている。
「自重しろって言われたのに思わぬ不覚を取ってしまった…誰が予想したか!数学で100点を取ってしまうと!」
リュークはああああと唸り声を出しながらシュミアになんと説明するか考えていた。
「つーか魔術でも90超えってやばいじゃん、自重しろって言われたのにこれじゃあ自重してないって思われるだろう…いや実際プライドのために自重しなかったけどさ!」
魔術に関しては、点数の採点方法はは学年で1番魔法の質・火力が大きい魔法が100点となり、それと比べての点数なのだ。
よって、リュークの上には何人かいるのだが、魔術の採点方法を知らないために自分が魔術だけなら主席・次席なのではないかと考えていた。
「…はぁ、正直に書くか」
リュークはシュミアから入学式を終えたら手紙を書くように言われている。
「これ何か絶対言われるだろうな…」
すっかり昼間のことはほとんど忘れているリュークは、手紙の返信よりも面倒なことが来ることは考えていなかった。
──────というかもう覚えていなかった。
☆☆☆
翌日の朝。
リュークは毎日の日課であるランニングを行っている。
まずは普通に5キロ走り、その後強化魔法と魔力循環を行い5キロ走る方法をとっている。
これにより、体力の増加はもちろん。強化魔法の強化値向上などがある。
強化値向上といっても、数値化される訳では無いためどれくらい上がるかは普通ならばわからないものの、いつも使うことにより「昨日より○○秒早く走れている」といったような感じでどれくらい上昇したのか分かる。
だが上昇値が低いため、数百キロと走らなければ何秒縮んだかなどわからない。
例え小さな数字でも日に日にやることて他者との差が生まれる─とリュークの父であるレルクは言っていた。
「ふう、もう終わりでいいかな」
ランニングを終えると、学校内を歩き始めた。
リュークが学校の中に入ったのは試験の時と入学式の時だけだ。
他の時間も入れる機会はあったのだが、学校内より街を歩き回っていたためにリュークにとって学校内は未知の領域となっている。
「ふむ、ここは魔法訓練所か」
本校舎から少し離れたところには魔法訓練所がある。
ここは魔術の試験でも使われた場所のためリュークも知っていた。
「的は魔法防御上昇と魔法軽減結界がついてるって言ってたけど試験の時みたやつと同じなら結構な威力防げてるし相当強い結界があるんだろうな。どれぐらいまでなら防げるか試して……ん?」
リュークはそこで見た事のある顔を見た。
猫の獣耳と尻尾のある獣血種の少女だ。
獣血種。名前から連想はできるであろう。いわば獣人だ。
獣の血が流れているとされ、獣の力をつかう事ができる。
といっても、獣の力を存分に使えるわけではない。
例えば、彼女のように猫の獣血種であれば、猫の反射神経や動体視力を使える。
だが、猫と同等の力が使えるかと言われたら否なのだ。
猫と比べたら反射神経などは劣るし、赤と緑の判別がすこしだが難しくなる。
前者は人としての劣化により、後者は猫としてのデメリットを受け継いだのだ。
このように、獣血種は獣としてのメリットをすべて受け継いでいるわけではないのだ。
「あ、おはよう」
「あ、ああ、おはよう」
彼女は気づいたらしくリュークに挨拶をする。
「リューク君だよね?私はエマール、エマでいいよ」
「わかった、エマは何をしてたの?」
「何って…魔法の特訓だけど?」
魔法の特訓と聞いてリュークは首をかしげた。
「魔法の特訓でなんで魔法ばっかり打ってるの?」
「え?魔法を打つ以外の魔法の特訓ってあるの?」
リュークはますます分からなくなってきたが、この世界の魔法の特訓の常識が違うのではと思い、頭を抱える。
「…質問だけど、この特訓ってどんな効果があるの?」
「え?えーっと、魔法の威力の向上と魔力の上昇…だったかな?」
やはり、と思いため息をつく。
「それ、あまり意味無いよ」
「え!?そ、そうなの!?」
「ああ、魔法の威力の向上なら魔力循環をやった方が効率いいし魔力切れ起こさないから。魔力の上昇ならまずは体力を上げなければ意味がないよ」
「……???」
「…はぁ、とりあえず魔力循環を覚えようか。
魔力循環の方法は簡単。体中に流れてる魔力を把握して、その流れを止めたり流したりすること。
魔法をつかうときは体内の魔力をある程度操作して魔法を作り出してるけど、それをしないで体内で回すだけ。
まずは魔力を左手に集めて、それを一気に流す。今度は左足に集めて流し、右足に、右手に、最後に目のあたりに魔力を集めて流す。
これを何度も行うことにより出来る…んだけどできてる?」
「ん、んー、難しい…溜めるはできるけど流すが出来ない」
「集めるのができるなら左手に溜めたあと流す作業をするんじゃなくて左足に集めるっていう方法をやってみて」
「こう…か…な……?……おお、今の感じかな?」
「魔力循環は自己強化の基本中の基本となるんだ。無詠唱魔法では魔力操作よりもイメージを重要視してる人が多いって本で読んだことあるけど、イメージよりも魔力循環を使って魔力操作を主として置いた方が格段に威力が上がるよ。イメージが重要なのは無詠唱を始めたばかりの人だけ」
エマはへぇーと感心したようにリュークの話を聞いた。
「魔力循環を使って体内に流れている魔力を一点に集めて魔法を使う。イメージじゃなくて操作を主として魔法をやってみて」
「わ、わかった」
リュークが言っていることに半信半疑だったが。エマは体内に流れてる魔力を一点に集めて魔法を放った。
風の魔法だ。リュークからしてみれば魔力の余剰というか無駄が多く、威力もそこまで無いのだが、エマからしたら相当上がったらしくジャンプして喜んでいる。
「すごいすごい!今までの魔法より格段に威力が上がってる!」
「これを行うことにより魔法威力向上と最大魔力の向上かあるよ」
「最大魔力?そういえばなんで体力をあげた方が魔力が上がるの?」
教えていいものかと迷ったが、教えることにした。
迷うことに消費した時間、わずか0.5秒。
「…たぶん、あまり知られてないことなんだけど、魔力には2つあるんだ。
行使魔力量と最大魔力量の2つ。
行使魔力量は自分が使える魔力の量で、最大魔力量は自分の最大限の魔力の量」
「何が違うの?」
「行使魔力量は体力の量に比例する。
もともと体っていうのは自分が余計に魔力を使わないようにセーブをかけるんだ。かける理由としてはまだ不明だけど、体力を増やすことにより行使魔力量が増えることは証明されてるんだ」
一番有力な説は体力と行使魔力量は同じものという説だが、この説だと魔力がなくなった時に気絶したりする症状が説明出来ないことにより、不明とされている。
リュークは筋肉と同じようなものではないかと考えている。
理由は筋肉もセーブをかけるようになっているためだ。
だが、筋肉とは違い最大魔力量と行使魔力量の差は訓練することによりほぼ0にすることが可能となる。
なぜそのようなことが出来るのかは未だに謎である。
「魔法を沢山使った人が息切れすることがあるでしょ?あれは体力が少ないせいで起こると言われてるんだ。行使魔力量を超えて魔力を使ったために体力を使って回復させようとしてるからなんだ」
「そうなんだ…よし、今日の夜からランニングを始めようかな」
「無理のしないようにね、僕は学校散歩中だから」
「わかった、じゃーねー」
そう言ってリュークは訓練所を出た。
次にリュークが来たのは錬工第1実験室。
ここは錬金術を発展させた錬金工学という科目の実験室となる。
その部屋の中では1人の男性が岩と岩を付けたり外したりしている。
「こうじゃない……こうでも…あーもう」
リュークはそれを見て何を作っているのかはすぐに分かった。
彼の作っているのは岩のゴーレムだ。
「こうでも……ん?誰だ?」
「え、あ、失礼します」
離れてみていたが、腰が机にあたり、机の上にある瓶が音を発してしまった。
その音に気づいた彼はリュークを見た。
「新入生か…何の用だ?…まさか錬金工学志望の人か!?」
「ちょ、ち、ちがいます。いやまだ分かりませんけどまだ取れませんよ」
この学校の教育は初期、中期、後期というように分かれている。
1月から3月までが初期、4月の1ヶ月は休みで5月から7月まで中期、1ヶ月の休みを挟み9月から11月が後期となる。
初期の教育科目は決まっており、中期と後期は科目の一部を選択することができる。
錬金工学は中期にて選択可能科目なのだが、選択する人はあまりにも少ない。
そのため、彼がリュークを勧誘しようとしたのはしょうがないと言えるだろう。
「ゴーレムを作っているのですか?」
「え?ああ、ゴーレム自体は作れるんだが、魔力消費が多くて私じゃ操作できないのだ…いや、出来なくはないが少ししか操作ができないのだ」
リュークはゴーレムに近づき、岩を見る。
「どうすればいいか分かるか?……って、分かるわけないよな…うーん」
「魔力管は通ってるんですよね?」
「…あ、ああ」
魔力管とは、魔法具やゴーレムの様な物にはなければならないものだ。
その管から魔力を通し、作用があるところまで魔力を届かずのに必要となるのだ。
「この管って空気と触れてますか?」
「どういうことだ?」
「接続部分意外に外に出ている所はありますか?」
「そういうことか。それは大丈夫だぞ」
それを聞いたリュークは、近くにあったビーカーに水魔法で水を入れた。
「であればこれを管に流してみてください」
「水…?」
「はい。水は魔力伝導率がいいのは知ってますよね?」
「ああ、空気中より水の中の方が魔力が進むのがは…ああ!そういうことか!」
「そういうことです。できれば高純度魔力水が良いですが、普通の水や魔法水などでも充分に魔力が伝わりやすくなると思います」
高純度魔力水とは、井戸水のように地中にあるものだ。
だが、井戸水とは違いその水には魔力が含まれている。そのため、魔力回復薬に使う素材でもあり、他にも様々な素材に使われている。
だが、人工的に作れるものではないため魔力水には謎が多い。
魔法水とは、その名前の通りに魔法で作った水だ。普通の水とは違い多少は入っている栄養やミネラルというのが全くない。
この魔法水を闇魔法を使い何万分の一というサイズまで圧縮することにより、低純度魔力水ができる。
この低純度魔力水を再び何万分の一まで圧縮することにより、魔力水となる。
だが、この魔力水を圧縮しても何も変わらないし、高純度魔力水と比べると全く違う。
高純度魔力水は無色透明に対し、魔力水は真っ青な色だ。
入っている魔力も桁違いであり、高純度魔力水は一滴で2~3本の魔力回復薬が作れるのに対し、魔力水出作るのには何万本と必要になる。
男性はリュークの言っていたことを試すために魔力管に水を入れた。そして手をつけ動かし始めた。
「……お、おお!入れる前より魔力消費が圧倒的に低いぞ!ありがとうな!…そういえばまだ名前を聞いていなかったな。私はターロルだ」
「僕はリュークです」
「そうか、リュークか。ぜひ君には錬金工学に入ってほしい!」
ターロルはリュークの両手を握り頼んできた。
彼がそういう性癖を持っている訳では無い。ただ毎年志願する人が少なく、彼も必死なのだ。わかってあげてくれ。
ターロルの真剣な眼差しに、リュークはというと───
「か、考えておきます」
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