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アガメムノーン

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ダメですか?

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「きっと疲れているのでしょう!さっカレン家に帰ろうか…」
父親が耳元でこっそり「帰ったら覚えていろよ」低い声で囁いた。
「はい。かしこまりました。旦那様。」

「!?」
「ねぇ、今父親に“旦那様”って言ったの聞いた?そこは“お父様”だよね?」
「確かに…なにかおかしくない?カレン様前ほど笑わないにあんなに水色のドレスが似合っていたのに、最近は黒で質素なものばかり。」
「妹のフローラ様は色とりどりのドレスをなん着も着替えたりして華やかなのに…いつからだったかしら?」

「さぁ、カレン帰ってゆっくり休んでなさ…」
ボギッ!っと何が折れる音がした。それも立て続けに何度か… 
カレンの顔は苦痛に歪みつつ笑顔を張り付けていた。

「だから帰りたかったのに…アバラ折れる時間なのよね…黒で正解だったわ。足は火傷状態になるし背中も血が出てくるから…」
「何を言っている…」
顔が青くなり始める父親。

「まだ帰らないで貰えますか?カレン?私がなんとかすると言ったはずですよ?」
女性の声が聞こえた。見ると第一王女エレノアと第二王女ルーシェがいた。
「痛いし、この床血で汚したら私が掃除しないと…」
「カ・レ・ン!大丈夫だって!姉様がなんとかしてくれるって!さてどこまで話した?」
近くに来て体を支えて、こっちを見るルーシェ。体の痛みが消えた。
「もういたくないでしよ?話してくれる?」
ルーシェは促すが、カレンは話そうとしない。
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