異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈

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#108 完全無欠?の和食の朝食(昆布と鰹無双)。その2

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「では、頂こうかの」

「頂くカピ」

「はいどうぞ」

 茂造は早速味噌汁のスープボウルを手に取り、サユリも味噌汁のサラダボウルに口を寄せる。

「おお……! 旨いのう! 昨日の昆布出汁の豚汁もとても旨かったが、鰹節が入るとこんなにも変わるんじゃな……!」

「ふむ、なるほどカピ。これが和風出汁というやつカピか。成る程、成る程……」

 サユリも茂造も、味噌汁にがっつく。どうやら相当お気に召した様だ。

 壱も一口すする。そして眼を見開いた。

 これは旨い! 上品な昆布と鰹の出汁。元の世界にいた時には日常的に食べていたものではある。しかしどうしても手間が掛かるので、顆粒かりゅう出汁に頼ってしまっていた。

 きちんと出汁を取ったらこんなにも美味しいのか。驚いた。

 そしてふりかけを米に乗せて食らう。これもまたふくよかな良い味が出ている。出汁殻だしがらではあるが、充分に旨味を残しているのだ。

「壱、このふりかけとやらを我の米に乗せるカピ」

「はいよっと」

 乗せてやると、サユリは早速口に含む。じっくりと咀嚼そしゃくし、満足そうに眼を細める。

「残りのふりかけとやらを米に万遍なく米に乗せておくカピ」

「はいはい」

 その通りにしてやると、サユリは味噌汁と米のループを始める。

「サユリ、それも良いけど、和え物と出汁巻き卵も食べてやってな」

「ふむ。これはいつもの卵焼きとは違うのだカピか。この人参とブロッコリは何味カピ?」

「おかかマヨ。鰹節とマヨネーズで和えてあるんだ。合うよ」

「ほう、おかか。鰹節の別名カピか……」

 サユリが興味を示す。茂造は既に口にして、目尻を下げていた。

「おかかとマヨネーズなんてハイカラな味付けじゃの。しかしこれは旨いのう。マヨネーズがまろやかで、おかかの風味が良く合っておる。しかしこのマヨネーズはあまりしつこく無いんじゃな」

「全卵使って作ってるし、量も控えめだからね。鰹節の風味を生かしたいから、野菜全体に軽く絡まる程度」

「成る程のう。いろいろな食べ方があるんじゃのう」

「出汁を取るだけじゃ無いよ。味付けにも使えるからね」

「ほうほう」

 茂造が嬉しそうに笑う。

「ほう、では我も食べてみるとするカピ」

 サユリがおかかマヨネーズ和えに口を寄せる。ブロッコリを口に含んでじっくりと咀嚼。

「うむ、成る程カピ。これは良いカピな。マヨネーズと鰹節が良く合っているカピ。両方甘いカピが、違う甘さだカピ」

「良かった、気にいってくれて」

 壱は笑みを浮かべる。

「もうひとつのこれは、出汁巻き卵と言うカピか」

「うん。いつもの卵焼きの卵液に、出汁を加えてあるんだ。焼き方は一緒なんだけど、出汁が入るから卵が柔らかくなっちゃって難しいんだけど、折角出汁が取れたから挑戦してみた」

 ターナーで返し、形を整えながら焼いて行った。やはり卵焼きより難しかったのだが、どうにか形になったのでは無いだろうか。断面もなかなか綺麗に出来ていた。

 まな板の上でぷるんと色艶良い、形もそれらしく出来ていた出汁巻き卵を見た壱は、安堵あんどの小さな息を吐いていた。

 味は勿論だが、やはり見た目にも美味しそうなご飯を作りたい。特に、これから働こうというタイミングの食事である。そこはこだわりたい。

「明日からもいろいろ作ってみたいものがあるから、実験的になっちゃってごめんだけど、食べてくれたら嬉しい」

「うんうん、楽しみじゃのう」

「ま、付き合ってやるカピ」

 茂造はほっほっほっと笑い、サユリはフンと鼻を鳴らした。



 さて朝食を終え、まずは米の種籾たねもみの状態を見に行く。今日も無事に川の中でさらされていた。

 そして昼営業の仕込みに混ざる。

 昼営業は相変わらずの忙しさ。途中でまかないのバジルソースのパスタも食べて。

 やがて休憩時間に入る。

 壱は様々な調べ物をしようと、部屋に入った。
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