異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈

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#47 コンシャリド村プチツアー。その3

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 次は1メートル程高さに茂る小振りの植物の脇を通り、その近くの建物に入る。

「ほいほい、邪魔するぞい」

「あら、店長さん」

 数人の女性が中で作業をしていて、全員が気付いて笑顔で頭を軽く下げてくれる。その中のひとりが立ち上がって来てくれた。

「どうされたんです?」

「孫の壱に村を案内中での。壱よ、ここでは綿わたの木を育てていて、ここで綿めんの糸にしておるんじゃ。家畜かちくの羊の毛を刈ったのも、ここで毛糸にしておるんじゃな」

「この村って年中暖かいって聞いたけど、毛糸っているのか?」

「近くの街に売っておるんじゃ。そこから北の国に売られたりの。なかなか評判も良いんじゃぞ。糸を染めるのもここでしておっての」

「腕の良いデザイナーがいるんですよ。シャノ、シャノー」

「はぁい」

 女性の呼び掛けに、奥の大きなテーブルに向かっていた女性が立ち上がった。小走りでこちらに駆けて来る。

 ショートカットだが、大人しそうな印象。中性的な容貌ようぼうで、ボトムがスカートで無ければ性別に迷ったかも知れない。耳が横に長くとがっている。

「こちらはシャノ。コンシャリド村唯一のデザイナーなの。で、ユミヤ食堂で働いているメリアンのお姉さんでもあるのよ」

「へぇ?」

 女性の紹介に、壱は声を上げる。壱にとって、ふたり目のエルフとのご対面である。だから中性的だったのか。

「弟がお世話になってます。姉のシャノです」

「こちらこそお世話になってます。よろしくお願いします。壱です」

 小さく頭を下げ合う。メリアンが天真爛漫てんしんらんまんな感じなのに、シャノはその正反対のイメージだ。スカートを履いているので、メリアンの様に性別とは違う格好をしたい訳でも無いのだろう。

 失礼だとは思うが、思い切って率直に聞いてみた。

「メリアンは女装しているのに、シャノさんは男装とかしていないんですね。でもショートカットなんですね」

「だって、仕事に邪魔ですから」

 ストイックな理由を、にっこり笑えて応えられた。

「シャノはしっかりしておるぞ。メリアンとふたつしか違わんのに、まるで保護者じゃの」

「メリアンは少しルーズなところがあるカピ。仕事は頑張っている様だカピが」

「へぇ、そうなんだ」

 思わぬところで明かされる、従業員の実態。

「さてさて、邪魔したの。次に行くかの」

「あ、はーい。お気を付けて」

「はい。ではまた、夜に」

 女性ふたりに見送られ、次に向かった。



 次に案内された所では、酪農らくのう畜産ちくさんを行なっていた。牛や豚、羊に馬がひとつの大きな柵の中に放し飼いにされている。どれも綺麗な毛並みで健康そうだ。臭いも殆どしない。

 地面には青々とした草が生えていて、家畜たちは思い思いにそれを食んでいる。点々と藁も置かれていて、それを食べている家畜もいた。隅には木の大きな箱が置かれており、何やら壱が見た事の無い飼料しりょうらしきものが入れられていて、それは主に豚が顔をうずめている。

 そして横には家畜たちの寝床だと思われる大きな建物。さらにもう1軒の建物が。

「あの建物で家畜を潰したりチーズを作ったりしておるんじゃ。牛乳なんかはしぼったそのままを飲むでの」

「それって食中毒とかは大丈夫なのか?」

「我の加護があるから、この村内で食中毒は無いカピよ。勿論そうで無くても衛生はそれなりにきちんとしているカピ。腐敗したものは別カピが」

「サユリの魔法チート過ぎる!」

 そんな会話をしていると、家畜を監視していた若い男性がこちらに気付いて、駆け寄って来た。
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