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#46 コンシャリド村プチツアー。その2
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「さて、次に行くかの」
そうして進んで行くと、川に設置された水車が見える。これが村の電力を賄っている水力発電の源だ。
かなり立派なものだ。数台が並び、川の水流に合わせて回っている。壱はつい口を開けて見上げてしまった。
「凄いじゃろ。これが途絶えれば、冷蔵庫は勿論じゃが、各家庭の灯りも消えてしまうでの。重要なものなんじゃ」
水車の足元を見ると、村人がひとり。
「ほいほい、調子はどうかの」
茂造が声を掛けると、その村人が笑顔を浮かべる。
「あ、店長さん。はい、問題無いですよ」
若い男性だった。大人しそうな線の細いイメージ。
「それは良かった。儂の孫に村を案内しとるんじゃ」
「あ、そうなんですね。こんにちは。ハリムと言います」
ハリムが大きく腰を曲げる。また礼儀正しい青年だ。
「電気は村の生命線とも言えるからの。ハリムが常に監視して、修繕なんぞもやっておるんじゃ」
それはまた大変そうな仕事だ。壱は感心して、へぇ、と口を開いた。
「万が一何かあったら、すぐに来るんじゃぞ。まぁハリムが見ていてくれるからの、大丈夫じゃと思うがの」
茂造が言うと、ハリムは顔を赤くして首を振った。
「そ、そんな、とんでも無いです。でも、僕頑張ります!」
そしてまたハリムに見送られながら、次に向かう。するとすぐに畑が広がった。数人の年齢もばらばらな男女が雑草を抜いたり水を撒いたりと、作業に勤しんでいる。
「ここは見ての通り畑じゃの。野菜を育てておるの」
地上に育っている、トマトにきゅうりなど。地中には、出ている葉の形から、恐らくじゃがいもに玉ねぎに人参など。そして数々のハーブが。
「おや店長さん。どうしたんです?」
畑の手入れをしていた壮年の男が気安く近付いて来る。
「孫の壱に、村を案内しておるんじゃ」
「ああ、会うのは初めてですねぇ。よろしく、スカナです」
「初めまして。壱です」
また丁寧で、感じの良さそうな人である。
「野菜、食べてくれました?」
「はい。どれも美味しかったです」
壱が素直な感想を言うと、スカナは嬉しそうに頬を緩ませる。
「そうですかそうですか。穫れたてはもっと旨いですよ。ちょっと待っててくださいね」
スカナは畑に戻ると、たわわに実るトマトの中から、プロの眼で納得したであろう幾つかをもいだ。そのひとつを壱に差し出す。
「さぁどうぞ。良い完熟具合ですよ。ささ、店長さんも、サユリさんもどうぞ」
「ありがとうございます」
壱は遠慮無くそれを受け取ると、早速噛り付いた。歯が弾力のある薄い皮を噛み切り、中の柔らかい身が口の中に飛び込んで来ると、その瑞々しさと甘さに、壱は眼を見開いた。
トマトは、プチトマトなどの様に、小さくなる程に甘さが凝縮されると聞いた事がある。しかしこのトマトは普通のサイズなのに、酸味控えめでしっかりと甘い。まるでフルーツトマトの様である。壱たちの世界では贅沢品だ。
昨日の朝食のサラダで食べたトマトは、その前日に収穫したものだった。勿論充分に新鮮で甘かったが、流石獲れたてはそれ以上だった。
「凄い! 美味しいですスカナさん!」
壱が嬉しそうに言うと、サユリに手ずからトマトを食べさせていたスカナはますます口角を上げた。
「トマトやきゅうりなどは、穫ってすぐに鮮度が落ちて行きますからねぇ。なので、出来るだけマメに納品する様にしてます。店長さん、また後で夜の分持って行きますから」
「よろしくのう。じゃ、次に行くでの」
頭を小さく下げたスカナに見送られ、壱たちは並んで、また茂造の案内で歩き出した。
そうして進んで行くと、川に設置された水車が見える。これが村の電力を賄っている水力発電の源だ。
かなり立派なものだ。数台が並び、川の水流に合わせて回っている。壱はつい口を開けて見上げてしまった。
「凄いじゃろ。これが途絶えれば、冷蔵庫は勿論じゃが、各家庭の灯りも消えてしまうでの。重要なものなんじゃ」
水車の足元を見ると、村人がひとり。
「ほいほい、調子はどうかの」
茂造が声を掛けると、その村人が笑顔を浮かべる。
「あ、店長さん。はい、問題無いですよ」
若い男性だった。大人しそうな線の細いイメージ。
「それは良かった。儂の孫に村を案内しとるんじゃ」
「あ、そうなんですね。こんにちは。ハリムと言います」
ハリムが大きく腰を曲げる。また礼儀正しい青年だ。
「電気は村の生命線とも言えるからの。ハリムが常に監視して、修繕なんぞもやっておるんじゃ」
それはまた大変そうな仕事だ。壱は感心して、へぇ、と口を開いた。
「万が一何かあったら、すぐに来るんじゃぞ。まぁハリムが見ていてくれるからの、大丈夫じゃと思うがの」
茂造が言うと、ハリムは顔を赤くして首を振った。
「そ、そんな、とんでも無いです。でも、僕頑張ります!」
そしてまたハリムに見送られながら、次に向かう。するとすぐに畑が広がった。数人の年齢もばらばらな男女が雑草を抜いたり水を撒いたりと、作業に勤しんでいる。
「ここは見ての通り畑じゃの。野菜を育てておるの」
地上に育っている、トマトにきゅうりなど。地中には、出ている葉の形から、恐らくじゃがいもに玉ねぎに人参など。そして数々のハーブが。
「おや店長さん。どうしたんです?」
畑の手入れをしていた壮年の男が気安く近付いて来る。
「孫の壱に、村を案内しておるんじゃ」
「ああ、会うのは初めてですねぇ。よろしく、スカナです」
「初めまして。壱です」
また丁寧で、感じの良さそうな人である。
「野菜、食べてくれました?」
「はい。どれも美味しかったです」
壱が素直な感想を言うと、スカナは嬉しそうに頬を緩ませる。
「そうですかそうですか。穫れたてはもっと旨いですよ。ちょっと待っててくださいね」
スカナは畑に戻ると、たわわに実るトマトの中から、プロの眼で納得したであろう幾つかをもいだ。そのひとつを壱に差し出す。
「さぁどうぞ。良い完熟具合ですよ。ささ、店長さんも、サユリさんもどうぞ」
「ありがとうございます」
壱は遠慮無くそれを受け取ると、早速噛り付いた。歯が弾力のある薄い皮を噛み切り、中の柔らかい身が口の中に飛び込んで来ると、その瑞々しさと甘さに、壱は眼を見開いた。
トマトは、プチトマトなどの様に、小さくなる程に甘さが凝縮されると聞いた事がある。しかしこのトマトは普通のサイズなのに、酸味控えめでしっかりと甘い。まるでフルーツトマトの様である。壱たちの世界では贅沢品だ。
昨日の朝食のサラダで食べたトマトは、その前日に収穫したものだった。勿論充分に新鮮で甘かったが、流石獲れたてはそれ以上だった。
「凄い! 美味しいですスカナさん!」
壱が嬉しそうに言うと、サユリに手ずからトマトを食べさせていたスカナはますます口角を上げた。
「トマトやきゅうりなどは、穫ってすぐに鮮度が落ちて行きますからねぇ。なので、出来るだけマメに納品する様にしてます。店長さん、また後で夜の分持って行きますから」
「よろしくのう。じゃ、次に行くでの」
頭を小さく下げたスカナに見送られ、壱たちは並んで、また茂造の案内で歩き出した。
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