7 / 41
1章 あらたなる挑戦
第7話 初めてのこと
しおりを挟む
翌日、出社した紗奈に与えられたデザイン仕事は、名刺やはがきなどの「小さな」ものだった。基本的なビジネスマナー研修は昨日一日で終え、今日から実際の仕事に取り掛かるのである。
この「小さな」と言うのは、単にサイズだけの話では無い。デザイン事務所の大半は、クライアントからの依頼があって初めて仕事が発生する。そのクライアントの癖も様々で、おおまかに楽クライアントと難クライアントとに分かれる。
楽クラとは、基本こちらの提案やデザインを異論無く受け入れてくれる率が高いクライアントである。もちろん相手の意向に沿って作成するのだが、それを元にスムーズに制作が進む、こちら視点で言えば仕事のしやすいクライアントだ。
難クラはその逆で、良く言えばこだわりが強いクライアントである。大なり小なりのリテイクが何度も生じ、仕上がりまで作業時間も掛かってしまうのだ。
今回紗奈に振られたお仕事は、どれも楽クラのものである。クライアントからヒアリングしたのは所長さんや先輩方。その場でタブレットで描かれたラフのデータをいただき、クライアントの要望を伝えてもらい、紗奈は(よし、やるか)と気合いを入れ、アプリを立ち上げた。
まずは名刺から取り掛かる。写真も使うので、イラストレーターとともにフォトショップも立ち上げる。
名刺やはがき、AB規格でサイズが固定されているものは、テンプレートが用意されている。トリムマークや裁ち切りガイドなどがすでに入れられているものだ。紗奈は共有サーバのフォルダから、名刺テンプレートを自分のiMacのデスクトップに複製する。
この名刺はラフの段階でレイアウトがほぼできあがっていた。ヒアリングをしてラフを描いたのは畑中さんである。潔癖気味とご自分で言っていたが、几帳面なところもあるのか、ラフも分かりやすいもので、紗奈の仕事はそのレイアウトを整えて、印刷に適したデータを作成すれば良いと思わせるものだった。
とは言え、細かなバランスやフォントひとつで仕上がりは変わる。配置はコンマ単位で調整するし、フォントも有料のものから商業利用可能なフリーフォントまで膨大だ。明朝体ひとつ取っても新聞や小説本などに使われる様な整ったものから、少し柔らかく崩した様なものまで様々ある。それらの中からクライアントの意に沿ったものを探し出す。それもまた骨の折れる作業だ。
だが作り手のこだわりが滲み出るフォントを見るのもまた楽しい。紗奈はマウスを繰りながら、前のめりでフォント一覧を凝視した。
「天野さん、きりが良かったら昼の準備しよか」
岡薗さんから声を掛けられ、仕事に没頭していた紗奈ははっと意識を戻す。
「あれ、もう11時ですか?」
「そうやで。集中しとったら時間過ぎるん早いもんな。行けるか?」
「あ、はい。大丈夫です」
「まずは米仕掛けなな。給湯室行くで」
紗奈は作成途中のファイルを保存して閉じ、iMacをシステム終了する。名刺の作成は終わり、今ははがきに取り掛かっていた。名刺は少し時間を置いてから推敲するつもりだ。きちんとクライアントのお好みに沿う様に仕上げられたら良いのだが。ほんの少しの不安がもたげる。だが今はまずお昼ごはんだ。
今日のお料理部、さっそく紗奈が当番になった。だが奥薗さんに教えてもらうので、実質当番はふたりである。
紗奈と岡薗さんは給湯室に入る。紗奈の家など、一般家庭ほどでは無いが、立派なキッチンが設えられていた。シンクも広めだし、小振りな水切りかごが置かれていても作業できるスペースがある。コンロも2口あって、料理初心者である紗奈の目から見ても充分に見えた。冷蔵庫も大きなものが置かれている。
「米は野菜室に入れてんねん。重いから、少なくなったら俺が5キロの袋買うて来てな」
岡薗さんは紗奈の家のものよりも小振りの炊飯器を開けて内釜を出し、そこからお米専用の計量カップを出した。
「今日から3人やから、2合で行けるかな。いつもは牧田さんとふたりで1合半やねんけど。天野さん、米、どれくらい食う?」
「いつもお茶碗1杯ぐらいです」
「ほな2合でええな」
岡薗さんは野菜室に入れたままのプラスチック製の米びつに軽量カップを突っ込み、2合を計り内釜に入れる。
「これ無洗米やから、洗わんでええねん」
「あ、聞いたことあります。研がんでええんですよね」
「そうそう。今は無洗米で無くてもな、そんなしっかり研がんでもぬかが取れるんやけど、無洗米の方が楽やからな」
岡薗さんは内釜の2の数字のところまで水を入れ、炊飯器にセットして炊飯ボタンを押した。
「これで、おかずができるころに炊き上がるわ。じゃあ買い物行こうか」
「はい」
紗奈は食材の買い物にも慣れていないので、岡薗さんが付き添ってくれることになっていた。紗奈は生成りのサコッシュに財布とエコバッグ、スマートフォンを入れてたすき掛けにした。
「所長、行って来ます」
「行って来ます」
声を掛けて、紗奈と岡薗さんは事務所を出た。エレベータで下に降り、並んであべのハルカスに向かう。
「天野さん、ハルカスの地下行ったことある?」
「お菓子とかの売り場はちょくちょく行くんですけど、お野菜とかはほとんど見たこと無くて」
「そうか。ハルカスっちゅうか近鉄やな。あそこの八百一はなかなかやで。安いしな。買い物も楽しゅうなるわ。ほな地下2階はあんまり行ったこと無いか」
「はい」
「ウイング館で惣菜とか見てると、ほんまにええ匂いやし美味そうやしで、口がだらだらになるで」
岡薗さんはご機嫌でネイビーのエコバッグを振り回す。こだわって毎日スーツで出勤している人なので、落ち着いた人なのかと思っていたら、どうやら子どもっぽい一面もある様だ。
岡薗さんの年齢を聞いてはいないが、多分今年新卒の紗奈とそう変わらないのでは無いかと思っている。言葉使いから畑中さんはさらに上で、いちばん年上が牧田さん。所長さんですら丁寧語で話しをするのである。とは言えそうかしこまった風では無いのだが。
「今日は何を作ろうか。天野さん何か食べたいのとかある?」
「いつもどうやって決めてはるんですか?」
「んー、基本作る人間の食べたいもんやな。でも買い物に行って肉とか見て、特価品が使える様にしたりな。まぁやりくりやわな」
そういうものなのかと紗奈は感心する。毎日買い物に行っている万里子もそうなのだろうか。子どもがふたりいて、ふたりとも大学まで出せて、万里子が専業主婦でいられるほど稼いで来る隆史だが、そのお給料だって上限がある。
普段スーパーなどに行くことの無い紗奈は、きゃべつひと玉の値段もろくに知らない。
昔、中学生のころだっただろうか、家庭科で食材の買い出しから作って食べるところまでする授業があって、学校近くのスーパーに班で行った。その時にいろいろな野菜などの値段を見たはずだが、さすがに記憶に無く、覚えていてもあれから数年が経っている。物価も変わっているだろうし、参考にはならないだろう。
「じゃあいつもの様に決めたいです。私、どうしたらええんか良う分からへんので」
「そうやな、初めてやもんな。買い物しながら決めようか」
そんな話をしながら、紗奈と岡薗さんはあべのハルカスに到着した。
この「小さな」と言うのは、単にサイズだけの話では無い。デザイン事務所の大半は、クライアントからの依頼があって初めて仕事が発生する。そのクライアントの癖も様々で、おおまかに楽クライアントと難クライアントとに分かれる。
楽クラとは、基本こちらの提案やデザインを異論無く受け入れてくれる率が高いクライアントである。もちろん相手の意向に沿って作成するのだが、それを元にスムーズに制作が進む、こちら視点で言えば仕事のしやすいクライアントだ。
難クラはその逆で、良く言えばこだわりが強いクライアントである。大なり小なりのリテイクが何度も生じ、仕上がりまで作業時間も掛かってしまうのだ。
今回紗奈に振られたお仕事は、どれも楽クラのものである。クライアントからヒアリングしたのは所長さんや先輩方。その場でタブレットで描かれたラフのデータをいただき、クライアントの要望を伝えてもらい、紗奈は(よし、やるか)と気合いを入れ、アプリを立ち上げた。
まずは名刺から取り掛かる。写真も使うので、イラストレーターとともにフォトショップも立ち上げる。
名刺やはがき、AB規格でサイズが固定されているものは、テンプレートが用意されている。トリムマークや裁ち切りガイドなどがすでに入れられているものだ。紗奈は共有サーバのフォルダから、名刺テンプレートを自分のiMacのデスクトップに複製する。
この名刺はラフの段階でレイアウトがほぼできあがっていた。ヒアリングをしてラフを描いたのは畑中さんである。潔癖気味とご自分で言っていたが、几帳面なところもあるのか、ラフも分かりやすいもので、紗奈の仕事はそのレイアウトを整えて、印刷に適したデータを作成すれば良いと思わせるものだった。
とは言え、細かなバランスやフォントひとつで仕上がりは変わる。配置はコンマ単位で調整するし、フォントも有料のものから商業利用可能なフリーフォントまで膨大だ。明朝体ひとつ取っても新聞や小説本などに使われる様な整ったものから、少し柔らかく崩した様なものまで様々ある。それらの中からクライアントの意に沿ったものを探し出す。それもまた骨の折れる作業だ。
だが作り手のこだわりが滲み出るフォントを見るのもまた楽しい。紗奈はマウスを繰りながら、前のめりでフォント一覧を凝視した。
「天野さん、きりが良かったら昼の準備しよか」
岡薗さんから声を掛けられ、仕事に没頭していた紗奈ははっと意識を戻す。
「あれ、もう11時ですか?」
「そうやで。集中しとったら時間過ぎるん早いもんな。行けるか?」
「あ、はい。大丈夫です」
「まずは米仕掛けなな。給湯室行くで」
紗奈は作成途中のファイルを保存して閉じ、iMacをシステム終了する。名刺の作成は終わり、今ははがきに取り掛かっていた。名刺は少し時間を置いてから推敲するつもりだ。きちんとクライアントのお好みに沿う様に仕上げられたら良いのだが。ほんの少しの不安がもたげる。だが今はまずお昼ごはんだ。
今日のお料理部、さっそく紗奈が当番になった。だが奥薗さんに教えてもらうので、実質当番はふたりである。
紗奈と岡薗さんは給湯室に入る。紗奈の家など、一般家庭ほどでは無いが、立派なキッチンが設えられていた。シンクも広めだし、小振りな水切りかごが置かれていても作業できるスペースがある。コンロも2口あって、料理初心者である紗奈の目から見ても充分に見えた。冷蔵庫も大きなものが置かれている。
「米は野菜室に入れてんねん。重いから、少なくなったら俺が5キロの袋買うて来てな」
岡薗さんは紗奈の家のものよりも小振りの炊飯器を開けて内釜を出し、そこからお米専用の計量カップを出した。
「今日から3人やから、2合で行けるかな。いつもは牧田さんとふたりで1合半やねんけど。天野さん、米、どれくらい食う?」
「いつもお茶碗1杯ぐらいです」
「ほな2合でええな」
岡薗さんは野菜室に入れたままのプラスチック製の米びつに軽量カップを突っ込み、2合を計り内釜に入れる。
「これ無洗米やから、洗わんでええねん」
「あ、聞いたことあります。研がんでええんですよね」
「そうそう。今は無洗米で無くてもな、そんなしっかり研がんでもぬかが取れるんやけど、無洗米の方が楽やからな」
岡薗さんは内釜の2の数字のところまで水を入れ、炊飯器にセットして炊飯ボタンを押した。
「これで、おかずができるころに炊き上がるわ。じゃあ買い物行こうか」
「はい」
紗奈は食材の買い物にも慣れていないので、岡薗さんが付き添ってくれることになっていた。紗奈は生成りのサコッシュに財布とエコバッグ、スマートフォンを入れてたすき掛けにした。
「所長、行って来ます」
「行って来ます」
声を掛けて、紗奈と岡薗さんは事務所を出た。エレベータで下に降り、並んであべのハルカスに向かう。
「天野さん、ハルカスの地下行ったことある?」
「お菓子とかの売り場はちょくちょく行くんですけど、お野菜とかはほとんど見たこと無くて」
「そうか。ハルカスっちゅうか近鉄やな。あそこの八百一はなかなかやで。安いしな。買い物も楽しゅうなるわ。ほな地下2階はあんまり行ったこと無いか」
「はい」
「ウイング館で惣菜とか見てると、ほんまにええ匂いやし美味そうやしで、口がだらだらになるで」
岡薗さんはご機嫌でネイビーのエコバッグを振り回す。こだわって毎日スーツで出勤している人なので、落ち着いた人なのかと思っていたら、どうやら子どもっぽい一面もある様だ。
岡薗さんの年齢を聞いてはいないが、多分今年新卒の紗奈とそう変わらないのでは無いかと思っている。言葉使いから畑中さんはさらに上で、いちばん年上が牧田さん。所長さんですら丁寧語で話しをするのである。とは言えそうかしこまった風では無いのだが。
「今日は何を作ろうか。天野さん何か食べたいのとかある?」
「いつもどうやって決めてはるんですか?」
「んー、基本作る人間の食べたいもんやな。でも買い物に行って肉とか見て、特価品が使える様にしたりな。まぁやりくりやわな」
そういうものなのかと紗奈は感心する。毎日買い物に行っている万里子もそうなのだろうか。子どもがふたりいて、ふたりとも大学まで出せて、万里子が専業主婦でいられるほど稼いで来る隆史だが、そのお給料だって上限がある。
普段スーパーなどに行くことの無い紗奈は、きゃべつひと玉の値段もろくに知らない。
昔、中学生のころだっただろうか、家庭科で食材の買い出しから作って食べるところまでする授業があって、学校近くのスーパーに班で行った。その時にいろいろな野菜などの値段を見たはずだが、さすがに記憶に無く、覚えていてもあれから数年が経っている。物価も変わっているだろうし、参考にはならないだろう。
「じゃあいつもの様に決めたいです。私、どうしたらええんか良う分からへんので」
「そうやな、初めてやもんな。買い物しながら決めようか」
そんな話をしながら、紗奈と岡薗さんはあべのハルカスに到着した。
11
あなたにおすすめの小説
お隣さんはヤのつくご職業
古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。
残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。
元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。
……え、ちゃんとしたもん食え?
ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!!
ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ
建築基準法と物理法則なんて知りません
登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。
2020/5/26 完結
花嫁御寮 ―江戸の妻たちの陰影― :【第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞】
naomikoryo
歴史・時代
名家に嫁いだ若き妻が、夫の失踪をきっかけに、江戸の奥向きに潜む権力、謀略、女たちの思惑に巻き込まれてゆく――。
舞台は江戸中期。表には見えぬ女の戦(いくさ)が、美しく、そして静かに燃え広がる。
結城澪は、武家の「御寮人様」として嫁いだ先で、愛と誇りのはざまで揺れることになる。
失踪した夫・宗真が追っていたのは、幕府中枢を揺るがす不正金の記録。
やがて、志を同じくする同心・坂東伊織、かつて宗真の婚約者だった篠原志乃らとの交錯の中で、澪は“妻”から“女”へと目覚めてゆく。
男たちの義、女たちの誇り、名家のしがらみの中で、澪が最後に選んだのは――“名を捨てて生きること”。
これは、名もなき光の中で、真実を守り抜いたひと組の夫婦の物語。
静謐な筆致で描く、江戸奥向きの愛と覚悟の長編時代小説。
全20話、読み終えた先に見えるのは、声高でない確かな「生」の姿。
【完結】皇帝の寵妃は謎解きよりも料理がしたい〜小料理屋を営んでいたら妃に命じられて溺愛されています〜
空岡立夏
キャラ文芸
【完結】
後宮×契約結婚×溺愛×料理×ミステリー
町の外れには、絶品のカリーを出す小料理屋がある。
小料理屋を営む月花は、世界各国を回って料理を学び、さらに絶対味覚がある。しかも、月花の味覚は無味無臭の毒すらわかるという特別なものだった。
月花はひょんなことから皇帝に出会い、それを理由に美人の位をさずけられる。
後宮にあがった月花だが、
「なに、そう構えるな。形だけの皇后だ。ソナタが毒の謎を解いた暁には、廃妃にして、そっと逃がす」
皇帝はどうやら、皇帝の生誕の宴で起きた、毒の事件を月花に解き明かして欲しいらしく――
飾りの妃からやがて皇后へ。しかし、飾りのはずが、どうも皇帝は月花を溺愛しているようで――?
これは、月花と皇帝の、食をめぐる謎解きの物語だ。
あやかし警察おとり捜査課
紫音みけ🐾書籍発売中
キャラ文芸
※第7回キャラ文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
二十三歳にして童顔・低身長で小中学生に見間違われる青年・栗丘みつきは、出世の見込みのない落ちこぼれ警察官。
しかしその小さな身に秘められた身体能力と、この世ならざるもの(=あやかし)を認知する霊視能力を買われた彼は、あやかし退治を主とする部署・特例災害対策室に任命され、あやかしを誘き寄せるための囮捜査に挑む。
反りが合わない年下エリートの相棒と、狐面を被った怪しい上司と共に繰り広げる退魔ファンタジー。
Bravissima!
葉月 まい
恋愛
トラウマに悩む天才ピアニストと
俺様キャラの御曹司 かつ若きコンサートマスター
過去を乗り越え 互いに寄り添い
いつしか最高のパートナーとなる
『Bravissima!俺の女神』
゚・*:.。♡。.:*・゜゚・*:.。♡。.:*・゜
過去のトラウマから舞台に立つのが怖い芽衣は如月フィルのコンマス、聖の伴奏ピアニストを務めることに。
互いの音に寄り添い、支え合い、いつしか芽衣は過去を乗り超えていく。
✧♫•・*¨*•.♡。.:登場人物:.。♡.•*¨*・•♫✧
木村 芽衣(22歳) …音大ピアノ科4年生
如月 聖(27歳) …ヴァイオリニスト・如月フィルコンサートマスター
高瀬 公平(27歳) …如月フィル事務局長
美味しいコーヒーの愉しみ方 Acidity and Bitterness
碧井夢夏
ライト文芸
<第五回ライト文芸大賞 最終選考・奨励賞>
住宅街とオフィスビルが共存するとある下町にある定食屋「まなべ」。
看板娘の利津(りつ)は毎日忙しくお店を手伝っている。
最近隣にできたコーヒーショップ「The Coffee Stand Natsu」。
どうやら、店長は有名なクリエイティブ・ディレクターで、脱サラして始めたお店らしく……?
神の舌を持つ定食屋の娘×クリエイティブ界の神と呼ばれた男 2人の出会いはやがて下町を変えていく――?
定食屋とコーヒーショップ、時々美容室、を中心に繰り広げられる出会いと挫折の物語。
過激表現はありませんが、重めの過去が出ることがあります。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
私はバーで強くなる
いりん
ライト文芸
33歳、佐々木ゆり。仕事に全力を注いできた……つもりだったのに。
プロジェクトは課長の愛人である後輩に取られ、親友は結婚、母からは元カレの話題が飛んできて、心はボロボロ。
やけ酒気分でふらりと入ったのは、知らないバー。
そこで出会ったのは、ハッキリ言うバーテンダーと、心にしみる一杯のカクテル。
私、ここからまた立ち上がる!
一杯ずつ、自分を取り戻していく。
人生の味を変える、ほろ酔いリスタートストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる