74 / 92
幕間7 筋肉を鍛えてみよう
それを有効活用出来たらと思ってんだよ
しおりを挟む
「なぁ、アサギ」
「ん、なぁに?」
それはルーシーの減量合宿が終わり、数回めの停滞期を乗り越えた頃の事。昼食の洗い物をしながらカロムが何気無く聞いて来た。
「ルーシーの減量って、言っちまえば肉体改造って事だよな」
「ああ、そうだよね」
「じゃあさ、筋肉を作る飯ってのも作れるものなのか? 何かそう言う食材とかさ」
「うん、あるよ。筋肉を作るには蛋白質を中心にすれば良いから、鶏のささみとかかなぁ。でもカロム、そんなに筋肉付けたいの? 確かに普段から鍛えてるみたいだし、良い筋肉が付いてるなって感じするけど」
「そこまで執着してる訳じゃあ無いさ。けど俺は錬金術師の世話係だろ。いざと言う時にロロアと、勿論アサギを護れる様にしておきたいんだ」
「お世話係ってそんな事までするの?」
浅葱が驚いて聞くと、カロムは「いやいや」と首を振る。
「人に寄ると思うぜ。世話係は家事能力と人格が重視されるからな。それに何かを足すかしないかは人それぞれだ。俺は昔から運動とか身体を鍛えるのが楽しかったから、それを有効活用出来たらと思ってんだよ」
「そっかぁ。頼もしいなぁ。じゃあ今日の晩ご飯、少し意識してお献立考えてみようか」
「そりゃあ助かる。頼むな」
「うん」
そうしてふたりは洗い物を進めて行った。
村で買い物を済ませ、夕飯作りである。手っ取り早く鶏のささみをたっぷり購入して来た。
「ささみかぁ」
カロムが感心した様に、包装されたままのささみを持ち上げる。
「鶏肉の中で1番脂が少ない部位だけど、1番蛋白質が含まれてるんだよ」
「その蛋白質って言うのが筋肉を作る訳か」
「そう。今日はささみにしたけど、お魚とか大豆、卵、チーズとかの乳製品にも良い蛋白質が含まれてるよ。お肉だったらこのささみみたいに脂が少ないお肉が良いね。でも食べ過ぎは良く無いからね。偏るのもね。ぶっちゃけて言うと、普段の食事とあまり変わらないかも」
「そうなのか?」
「うん」
話をしながら、浅葱は調理を始める。先ずは人参を皮ごと乱切りにし、鍋で水から茹で始める。水が沸き始めたら塩を入れる。
ブロッコリを小房にしておき、人参に粗方火が通ったら鍋に加える。
「ええと、うちでも美味しいからって豚とかでもばら肉使う事あるでしょ。ああいうのをヒレとかの赤身肉に変えるだけで効果あると思うよ。それが減量の時とは違うよね。それと、お米とかパスタとかの炭水化物もちゃんと食べる事。運動とかするなら必要なものだからね」
「そっか、減量の時は過剰エネルギーを消費する為に控えてたが、運動をするなら必要だよな」
人参ブロッコリともに火が通ったので笊に上げて、同じ湯で今度はささみを茹でて行く。火加減を極弱火にし、湯の表面が静かになったらささみを入れる。
「でね、効果的なのが、運動をした1時間以内に食べるのが良いんだって」
「そうなのか? そんな時間帯があるのか?」
カロムが驚いた様で、眼を見開く。
「うん。それが効率良く筋肉が鍛えられるんだって。カロムはいつ運動してるの?」
「家からこの家の往復走ってるのと、後は夜に腕立て伏せと腹筋と全身の屈伸をやってるかな」
「じゃあ朝は丁度良いとして、お昼は家事が運動代わりって無理があるかな」
「確かにあれぐらいじゃなあ。けど運動する時間も無いしなぁ」
「午前中は確かにねぇ。じゃあ晩ご飯の時、運動の時間を作ろうか。作った後に屈伸運動を皆でやろう」
「でも飯が冷めちまうだろ」
「少しぐらいなら大丈夫だよ。考えてみたらロロアも僕も運動不足だしね。それぐらいやっても良いと思う。それに身体を動かした後のご飯美味しいよ」
「はは、そうだな。じゃあそうさせて貰うか」
次に大きめなボウルににんにくと玉葱を擦り下ろす。それに胡椒、白ワインビネガーとオリーブオイルを加えて混ぜて、ドレッシングを作っておく。
ささみが茹で上がったので取り出し、粗熱が取れたら手で割いて行く。それを野菜と一緒にドレッシングのボウルに入れて良く和える。
「で、家に着いたらナッツとかチーズを軽く食べると良いよ」
「運動後の蛋白質ってやつだな。それぐらいなら手軽だから続けられるな」
野菜とささみを茹でた湯にトマトの粗微塵切りと、カレー用にブレンドしたスパイスを入れ、オリーブオイルを垂らしたら、ざく切りにした玉葱ときゃべつ、厚めにスライスしたマッシュルームとエリンギを入れて、弱火に掛けておく。
盛り付けの前に研究室にいたロロアを呼び、食前の運動の事を伝えてみる。するとロロアは笑顔になった。
「それは良い案なのですカピ。僕も確かに運動不足なのですカピ。そう言えばラジオ体操をしていた時は、あまり感じなかったのですカピ。そう難しい事で無くても、解消出来るのですカピね」
「そうだな。ま、今からやろうとしているのは、ラジオ体操よりは少しきついかもだけどな」
「何ですカピか?」
「全身の屈伸運動だ。こうして両腕を前に伸ばして、上半身を真っ直ぐに保ったまま膝を曲げて腰を下ろして行く、と」
カロムが言いながら見せてくれた運動は、浅葱たちがスクワットと言っているものだった。これなら浅葱でも出来る。が。
「この運動って、ロロアって言うかカピバラでも出来るものなの?」
浅葱が聞くと、ロロアは少し思案する様に眼を閉じる。
「そうですカピね……。カピバラの場合でしたら、2本足では無く、4本足でした方が全身運動になりそうですカピ。腕立て伏せに近くなってしまうのですカピが」
「成る程な。じゃあやってみるか。まずは10回。浅葱、しっかりと腰を落とせよ」
「うん」
いーち、にーい、さーん、とカロムの掛け声に合わせてスクワット。
しっかりと腰を落とせば落とす程、上半身を真っ直ぐに保つのは難しい。そして完全に落としてしまい座る様な格好になってしまえば効果は半減だ。
浅葱は回を追う毎に全身を震わせ、少しカロムから遅れながらもどうにか10回やり切った。
「うわぁ~、久しぶりだったから結構身体に来るなぁ」
「本当ですカピね。自分の身体を支えると言うのはなかなか大変なのですカピ」
浅葱とロロアが溜め息とともに言うと、カロムが「ははっ」と笑う。
「本当に運動不足だなぁ。だったら習慣付けたら良いかもな。うかうかしてたら身体もたるんじまうぜ」
「本当だ。もうご飯が冷めるかもなんて言ってられない。いや勿論出来立てが良いとは思うんだけど。こんなに体力が落ちてるなんて吃驚だよ。明日から晩ご飯の前には屈伸運動だ」
浅葱が気合いを入れて言うと、ロロアも「はいカピ」と頷いた。
「僕も研究室に篭ってばかりなのですカピ。それだときっといけないのですカピ。明日からも頑張るのですカピ」
「その意気だ。よし、じゃあ飯にしようぜ」
「うん。ロロア待っててね。すぐに持って来るから」
ロロアは「はいカピ」と返事をすると、ひらりと椅子に上がった。
浅葱とカロムは台所へ入り、冷暗庫を開いて和えておいたものを取り出して皿に盛って行く。
葉物野菜を使っていないのと、既に火が通っているので、ドレッシングの様な塩分のあるものと和えておいても水っぽくならないのだ。代わりに馴染んで良い感じになっている。
カレーの鍋はこれから仕上げである。火を強め、くつくつとして来たところに溶き卵を入れて、ふんわりと固めたら。
茹でささみと野菜の玉葱ドレッシングのサラダと、きゃべつときのこと卵のカレースープ、完成である。
食堂に運び、テーブルに料理を置いて行く。わくわく顔のロロア。皿を見て顔を輝かせた。
「今夜はサラダとスープなのですカピね! 玉葱のドレッシングが美味しそうですカピ! スープもお野菜がたっぷりなのですカピ」
「この献立になったのも理由があるんだよ。食べながら説明するね」
「はいカピ」
神に感謝を捧げ、いただきますと手を合わせ。
まずはスープを啜る。野菜とささみから出た出汁に加え、きのこの出汁がしっかりと出ており、それらと合わさったカレーの風味がきのこに含まれていて、噛むとじゅわっとスパイシーな旨味が滲む。卵もふわふわである。
玉葱ときゃべつは歯応えを残していてしゃきっとしていた。これらもカレー味に良く合う食材だ。
サラダはあっさりといただける味付けだ。材料もシンプルで、カレースープと合わせると丁度良い。口の中をさっぱりとしてくれる。
サラダとは言え、筋肉作りの為にささみを多めに入れたので、食べ応えがある。
浅葱とカロムは口を動かしながら、ロロアに筋肉を鍛える食事の事やその摂り方などを説明した。
「成る程、そう言う事だったのですカピね。カロムさんのお気持ちも、とても嬉しいですカピ。是非僕もご一緒させてくださいカピ」
ロロアが嬉しそうに言うと、カロムは「ありがとうな」と笑う。
「言ってもそんな神経質と言うかさ、気を使う事も無さそうだからさ、とりあえずは晩飯前の屈伸運動だけ付き合ってくれたら助かる」
「はいカピ」
今まで特に何をせずとも、まだ若いからか体型や体力を気にした事が無かった。元の世界での洋食屋の仕事はある意味体力勝負な部分もあったので、それで問題無かったのだ。
だが確かにこの世界に来てからの事を考えてみると、運動不足なのは否めなかった。これは良い機会なのだと思う。少し頑張ってみようか。ただし、続けられる様にあまり気負わない事にするとしようか。
「ん、なぁに?」
それはルーシーの減量合宿が終わり、数回めの停滞期を乗り越えた頃の事。昼食の洗い物をしながらカロムが何気無く聞いて来た。
「ルーシーの減量って、言っちまえば肉体改造って事だよな」
「ああ、そうだよね」
「じゃあさ、筋肉を作る飯ってのも作れるものなのか? 何かそう言う食材とかさ」
「うん、あるよ。筋肉を作るには蛋白質を中心にすれば良いから、鶏のささみとかかなぁ。でもカロム、そんなに筋肉付けたいの? 確かに普段から鍛えてるみたいだし、良い筋肉が付いてるなって感じするけど」
「そこまで執着してる訳じゃあ無いさ。けど俺は錬金術師の世話係だろ。いざと言う時にロロアと、勿論アサギを護れる様にしておきたいんだ」
「お世話係ってそんな事までするの?」
浅葱が驚いて聞くと、カロムは「いやいや」と首を振る。
「人に寄ると思うぜ。世話係は家事能力と人格が重視されるからな。それに何かを足すかしないかは人それぞれだ。俺は昔から運動とか身体を鍛えるのが楽しかったから、それを有効活用出来たらと思ってんだよ」
「そっかぁ。頼もしいなぁ。じゃあ今日の晩ご飯、少し意識してお献立考えてみようか」
「そりゃあ助かる。頼むな」
「うん」
そうしてふたりは洗い物を進めて行った。
村で買い物を済ませ、夕飯作りである。手っ取り早く鶏のささみをたっぷり購入して来た。
「ささみかぁ」
カロムが感心した様に、包装されたままのささみを持ち上げる。
「鶏肉の中で1番脂が少ない部位だけど、1番蛋白質が含まれてるんだよ」
「その蛋白質って言うのが筋肉を作る訳か」
「そう。今日はささみにしたけど、お魚とか大豆、卵、チーズとかの乳製品にも良い蛋白質が含まれてるよ。お肉だったらこのささみみたいに脂が少ないお肉が良いね。でも食べ過ぎは良く無いからね。偏るのもね。ぶっちゃけて言うと、普段の食事とあまり変わらないかも」
「そうなのか?」
「うん」
話をしながら、浅葱は調理を始める。先ずは人参を皮ごと乱切りにし、鍋で水から茹で始める。水が沸き始めたら塩を入れる。
ブロッコリを小房にしておき、人参に粗方火が通ったら鍋に加える。
「ええと、うちでも美味しいからって豚とかでもばら肉使う事あるでしょ。ああいうのをヒレとかの赤身肉に変えるだけで効果あると思うよ。それが減量の時とは違うよね。それと、お米とかパスタとかの炭水化物もちゃんと食べる事。運動とかするなら必要なものだからね」
「そっか、減量の時は過剰エネルギーを消費する為に控えてたが、運動をするなら必要だよな」
人参ブロッコリともに火が通ったので笊に上げて、同じ湯で今度はささみを茹でて行く。火加減を極弱火にし、湯の表面が静かになったらささみを入れる。
「でね、効果的なのが、運動をした1時間以内に食べるのが良いんだって」
「そうなのか? そんな時間帯があるのか?」
カロムが驚いた様で、眼を見開く。
「うん。それが効率良く筋肉が鍛えられるんだって。カロムはいつ運動してるの?」
「家からこの家の往復走ってるのと、後は夜に腕立て伏せと腹筋と全身の屈伸をやってるかな」
「じゃあ朝は丁度良いとして、お昼は家事が運動代わりって無理があるかな」
「確かにあれぐらいじゃなあ。けど運動する時間も無いしなぁ」
「午前中は確かにねぇ。じゃあ晩ご飯の時、運動の時間を作ろうか。作った後に屈伸運動を皆でやろう」
「でも飯が冷めちまうだろ」
「少しぐらいなら大丈夫だよ。考えてみたらロロアも僕も運動不足だしね。それぐらいやっても良いと思う。それに身体を動かした後のご飯美味しいよ」
「はは、そうだな。じゃあそうさせて貰うか」
次に大きめなボウルににんにくと玉葱を擦り下ろす。それに胡椒、白ワインビネガーとオリーブオイルを加えて混ぜて、ドレッシングを作っておく。
ささみが茹で上がったので取り出し、粗熱が取れたら手で割いて行く。それを野菜と一緒にドレッシングのボウルに入れて良く和える。
「で、家に着いたらナッツとかチーズを軽く食べると良いよ」
「運動後の蛋白質ってやつだな。それぐらいなら手軽だから続けられるな」
野菜とささみを茹でた湯にトマトの粗微塵切りと、カレー用にブレンドしたスパイスを入れ、オリーブオイルを垂らしたら、ざく切りにした玉葱ときゃべつ、厚めにスライスしたマッシュルームとエリンギを入れて、弱火に掛けておく。
盛り付けの前に研究室にいたロロアを呼び、食前の運動の事を伝えてみる。するとロロアは笑顔になった。
「それは良い案なのですカピ。僕も確かに運動不足なのですカピ。そう言えばラジオ体操をしていた時は、あまり感じなかったのですカピ。そう難しい事で無くても、解消出来るのですカピね」
「そうだな。ま、今からやろうとしているのは、ラジオ体操よりは少しきついかもだけどな」
「何ですカピか?」
「全身の屈伸運動だ。こうして両腕を前に伸ばして、上半身を真っ直ぐに保ったまま膝を曲げて腰を下ろして行く、と」
カロムが言いながら見せてくれた運動は、浅葱たちがスクワットと言っているものだった。これなら浅葱でも出来る。が。
「この運動って、ロロアって言うかカピバラでも出来るものなの?」
浅葱が聞くと、ロロアは少し思案する様に眼を閉じる。
「そうですカピね……。カピバラの場合でしたら、2本足では無く、4本足でした方が全身運動になりそうですカピ。腕立て伏せに近くなってしまうのですカピが」
「成る程な。じゃあやってみるか。まずは10回。浅葱、しっかりと腰を落とせよ」
「うん」
いーち、にーい、さーん、とカロムの掛け声に合わせてスクワット。
しっかりと腰を落とせば落とす程、上半身を真っ直ぐに保つのは難しい。そして完全に落としてしまい座る様な格好になってしまえば効果は半減だ。
浅葱は回を追う毎に全身を震わせ、少しカロムから遅れながらもどうにか10回やり切った。
「うわぁ~、久しぶりだったから結構身体に来るなぁ」
「本当ですカピね。自分の身体を支えると言うのはなかなか大変なのですカピ」
浅葱とロロアが溜め息とともに言うと、カロムが「ははっ」と笑う。
「本当に運動不足だなぁ。だったら習慣付けたら良いかもな。うかうかしてたら身体もたるんじまうぜ」
「本当だ。もうご飯が冷めるかもなんて言ってられない。いや勿論出来立てが良いとは思うんだけど。こんなに体力が落ちてるなんて吃驚だよ。明日から晩ご飯の前には屈伸運動だ」
浅葱が気合いを入れて言うと、ロロアも「はいカピ」と頷いた。
「僕も研究室に篭ってばかりなのですカピ。それだときっといけないのですカピ。明日からも頑張るのですカピ」
「その意気だ。よし、じゃあ飯にしようぜ」
「うん。ロロア待っててね。すぐに持って来るから」
ロロアは「はいカピ」と返事をすると、ひらりと椅子に上がった。
浅葱とカロムは台所へ入り、冷暗庫を開いて和えておいたものを取り出して皿に盛って行く。
葉物野菜を使っていないのと、既に火が通っているので、ドレッシングの様な塩分のあるものと和えておいても水っぽくならないのだ。代わりに馴染んで良い感じになっている。
カレーの鍋はこれから仕上げである。火を強め、くつくつとして来たところに溶き卵を入れて、ふんわりと固めたら。
茹でささみと野菜の玉葱ドレッシングのサラダと、きゃべつときのこと卵のカレースープ、完成である。
食堂に運び、テーブルに料理を置いて行く。わくわく顔のロロア。皿を見て顔を輝かせた。
「今夜はサラダとスープなのですカピね! 玉葱のドレッシングが美味しそうですカピ! スープもお野菜がたっぷりなのですカピ」
「この献立になったのも理由があるんだよ。食べながら説明するね」
「はいカピ」
神に感謝を捧げ、いただきますと手を合わせ。
まずはスープを啜る。野菜とささみから出た出汁に加え、きのこの出汁がしっかりと出ており、それらと合わさったカレーの風味がきのこに含まれていて、噛むとじゅわっとスパイシーな旨味が滲む。卵もふわふわである。
玉葱ときゃべつは歯応えを残していてしゃきっとしていた。これらもカレー味に良く合う食材だ。
サラダはあっさりといただける味付けだ。材料もシンプルで、カレースープと合わせると丁度良い。口の中をさっぱりとしてくれる。
サラダとは言え、筋肉作りの為にささみを多めに入れたので、食べ応えがある。
浅葱とカロムは口を動かしながら、ロロアに筋肉を鍛える食事の事やその摂り方などを説明した。
「成る程、そう言う事だったのですカピね。カロムさんのお気持ちも、とても嬉しいですカピ。是非僕もご一緒させてくださいカピ」
ロロアが嬉しそうに言うと、カロムは「ありがとうな」と笑う。
「言ってもそんな神経質と言うかさ、気を使う事も無さそうだからさ、とりあえずは晩飯前の屈伸運動だけ付き合ってくれたら助かる」
「はいカピ」
今まで特に何をせずとも、まだ若いからか体型や体力を気にした事が無かった。元の世界での洋食屋の仕事はある意味体力勝負な部分もあったので、それで問題無かったのだ。
だが確かにこの世界に来てからの事を考えてみると、運動不足なのは否めなかった。これは良い機会なのだと思う。少し頑張ってみようか。ただし、続けられる様にあまり気負わない事にするとしようか。
11
あなたにおすすめの小説
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~
九頭七尾
ファンタジー
子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。
女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。
「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」
「その願い叶えて差し上げましょう!」
「えっ、いいの?」
転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。
「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」
思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
※AI学習禁止・無断転載禁止・無断翻訳禁止・無断朗読禁止
【完結】うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
異世界でトラック運送屋を始めました! ◆お手紙ひとつからベヒーモスまで、なんでもどこにでも安全に運びます! 多分!◆
八神 凪
ファンタジー
日野 玖虎(ひの ひさとら)は長距離トラック運転手で生計を立てる26歳。
そんな彼の学生時代は荒れており、父の居ない家庭でテンプレのように母親に苦労ばかりかけていたことがあった。
しかし母親が心労と働きづめで倒れてからは真面目になり、高校に通いながらバイトをして家計を助けると誓う。
高校を卒業後は母に償いをするため、自分に出来ることと言えば族時代にならした運転くらいだと長距離トラック運転手として仕事に励む。
確実かつ時間通りに荷物を届け、ミスをしない奇跡の配達員として異名を馳せるようになり、かつての荒れていた玖虎はもうどこにも居なかった。
だがある日、彼が夜の町を走っていると若者が飛び出してきたのだ。
まずいと思いブレーキを踏むが間に合わず、トラックは若者を跳ね飛ばす。
――はずだったが、気づけば見知らぬ森に囲まれた場所に、居た。
先ほどまで住宅街を走っていたはずなのにと困惑する中、備え付けのカーナビが光り出して画面にはとてつもない美人が映し出される。
そして女性は信じられないことを口にする。
ここはあなたの居た世界ではない、と――
かくして、異世界への扉を叩く羽目になった玖虎は気を取り直して異世界で生きていくことを決意。
そして今日も彼はトラックのアクセルを踏むのだった。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる