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第四章 魔族とエルフ
第57話 異世界
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年が明けてからもナナは異世界行きに向けマナのコントロール訓練を続けていた。
そして最近はコントロールだけではなく実際に魔法を使う練習も始めたのだが、さすがにこちらの世界ではマナをふんだんに使えない為、基本動作を習うくらいだ。
でも、あっちに行ったらもう少し練習してみよう。リヒトではないが、剣と魔法の世界ってちょっとワクワクする。
「ナナ。やったよ! 美大合格!!」
朝、学校で長谷川いのりが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「よかったね、いのり。家から通うの?」
「はは……実は学校が西の方なんだ。だから学校の近くに下宿になると思う。ナナはあの骨董屋に住み込みなんでしょ?」
「うん、まあそうなんだけどね。骨董品の買い付けとかで海外に結構長く行ったりするんだって。だからいのりと会えないの寂しいかなと思ってたんだけど……いのりも遠くに行くんじゃ、まあ丁度いいというか……」
「何言ってんのよ。どこにいても友達よ。メールでも何でも連絡取り合いましょ!」
はは……あっちの世界って、メール届くのかな?
でも、自分と友達とはっきり言ってくれるいのりの気持ちがこの上なく嬉しい。
早くエリカの事をちゃんとして、戻ってこなくちゃ。
(なーに。お前がマナをコントロール出来てりゃそんなに心配いらねえ。
あっちの世界もゆっくり楽しんだ方がいいぜ)
とは言ったもののエリカも、カルバシィーとの決着は一筋縄ではいかなそうで、またナナに迷惑かけるんではないかという一抹の不安は拭えなかった。
そして三月になり、ナナは無事高校を卒業した。
児相の吉村さんがついて来てくれて、母親の麻美に報告に行った。
「それじゃ、おかあさん。あと半年くらいでここを出られるの?」
「ああ。刑の方も執行猶予が確定したし、そうしたらまたお前と暮らせるよ」
「そっか……それでね、おかあさん。私、こんど鎌倉の骨董品店に就職したの。そこの仕事で、骨董品の買い付けなんかで海外に行く事になっててね。当分会いに来られないかも知れないけど、おかあさんと暮らせる様になるの楽しみにしているから……」
(でもよ。そうなるとあたいも麻美と同居かよ……それはちょっと勘弁してほしいかな。やっぱり、さっさと反魂の術をやる方向で……)
(エリカ! それは絶対ダメだからね)
ナナがマナの流れをコントロール出来る様になった事で、魔族側がまとまってエルフ達と停戦、和睦が出来たなら、エリカがあわててナナの身体を出て行く必要はない。もちろん、その魔族がまとまるところが一番の課題で、自分の見てくれで魔族達に通用するのかはナナにも多いに不安な所ではあった。
そして施設から白樺堂へ引っ越しを終え、あちらの世界に渡る準備を始めたところで、サリー婆があわててナナの所にやって来た。
「大変じゃ! リヒトが行方をくらました!!」
「えっ!?」
「どういうこった。婆さん!」エリカが表に出て来て言う。
「どうもこうも……突然消えたんじゃ! 奴が病室に居て、周りは警備が固めておったのだが、ふっと見たらいなくなっておったそうじゃ」
「テレポートみたいなものでしょうか?」フューリアが言う。
「分からんが……まあ、あいつも今回のあちら行きに加わりたかった様なのじゃが、まだ時期尚早じゃと、しばらく待つ様に言ってあったのじゃが……」
「おい、婆さん。それってもしかして、あいつまた寝返ったんじゃねえの?」
「かもしれん。とにかく、こうなったら早くタイガ達と合流するのが良いじゃろう。リヒトがいつまた芳野見たいに襲ってこんとも限らん」
数日後、サリー婆の準備でエルフ界に転移する準備が出来た。
言葉も変換術式を意識下に仕込んでもらった。
「すごいですね。転移魔法じゃなくて、ゲート作るんですか?」
フューリアが感心して言う。
「ああ、昔は人間を奴隷としてあちらに連れて行く際によく使ったらしいんじゃが、わしも自分以外の分までこさえるのは数百年ぶりじゃ。おかげでマナもすっからかんじゃから、さっさと行くぞ。戸締りはよいか?」
「はい。全部確認しました!」ナナが嬉しそうに答えた。
◇◇◇
「うわっ!!」
ゲートをくぐってあちら側に出たとたん、ナナがうめいた。
「あっ、ヤバイ。ナナ、慣れるまで深層にいろ!」
エリカの声に一同がハッと気が付いた。
「そうじゃった。ナナちゃん大丈夫か? こっちの世界のマナはまあこんな感じじゃ。コントロール油断するなよ!」
「うん。まさかこんなに濃いとは……春日大社の比じゃないよね」そう言いながらナナは、表をエリカと交代した。
「でも、もう少しこっちの世界の景色見たかったな……」
「慣れるまで辛抱しろ。まあ、あたいはフルパワーで行けるんで、大抵の事は何とかなりそうだが、せいぜいお前の身体壊さん様に注意するさ」
一行はその足で、エルフ王都下の冒険者ギルドに向かった。
そこではタイガとイラストリアが待っていてくれた。
「あー、ナナちゃん。ひっさしぶりー。一年以上ぶり?」そう言って、イラストリアがナナに抱き着く。
「うわ、よせ。あたいだって!」
「うわっ! 何よ魔王なの? ナナちゃんは?」
「まだこっちのマナの濃さに慣れていないんで、深層にいるさ」
「そっか。でも声は聞こえるんでしょ? エルフ国へようこそ!」
「それにしても、ナナちゃんがマナを扱える様になってよかったぜ。これで悪霊化の心配もなくなったんだろ?」タイガの問いにサリー婆が答えた。
「それでも、油断するとまたマナに飲まれる危険性はゼロじゃない。今度そうなったらわしでも対応出来んかもしれん。そん時は頼りにしてるぞ。タイガ、イラストリア」
その夜は、ナナ達の歓迎会という事でレストランの一席が予約されていた。
イラストリアが周りのマナの流れを魔法障壁で緩和してくれたので、ナナも表に出る事が出来た。
「どう。マナコントロールは大分慣れた?」イラストリアがナナに問う。
「いえ。深層にいてもエリカが補助してくれないとまだ一人では難しいです。でも、なんとか慣れてみせますよ。それで魔法も使ってみたいです!」
「はは、そういう前向きなナナちゃんもいいよな」タイガが笑う。
「それでイラ先輩。コンスタンさんの件はどうなんですか?」フューリアが問う。
「まだ何も‥‥‥かなりの手練れだと思うから、みんなも気を付けてね。私達も極力一緒にいる様にしてるから」
「はは、イラ先輩がいてくれれば安心です」そう言うフューリアにタイガが言った。
「えー、フューちゃん。俺はあてにならない?」
「あてにならないんじゃなくて、そばにいられるといつセクハラされるんじゃないかと不安なんです!」その場の皆が爆笑した。
「おい、ちょっと待て!」いきなりエリカが表に出て、立ち上がって声を上げた。
ちょっと離れた席で食事をしていたエルフ女性が店を出ようとしていたが、どうやらそれが気になった様だ。
そのエルフ女性はナナの顔をちらりと見たが、何の事か分からないと言った顔でそのまま店を出て行った。
「ちょっと魔王。どうしたの?」イラストリアが話かける。
「賢者。お前は感じなかったか? 一瞬だが魔族の気配を……」
「えっ!? 別に私は何も……」
「いやいや魔王や。お前の気配が強すぎて、わしやイラストリアでも感知出来ん程度のものだったのかも知れんぞ。見たところ普通のエルフの様じゃったが、追うか?」
サリー婆が言う。
「いや……一瞬だったしあたいの勘違いかもしれねえ。それにこんな勝手の判らねえところでお互いに離れるのはよくねえ」
「そうだな。何か殺気とかあれば俺でも分かったと思うがそうでもないし……とりあえず、飲み直そうや」タイガがそう言って、酒をやめて水を飲んだ。
そして最近はコントロールだけではなく実際に魔法を使う練習も始めたのだが、さすがにこちらの世界ではマナをふんだんに使えない為、基本動作を習うくらいだ。
でも、あっちに行ったらもう少し練習してみよう。リヒトではないが、剣と魔法の世界ってちょっとワクワクする。
「ナナ。やったよ! 美大合格!!」
朝、学校で長谷川いのりが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「よかったね、いのり。家から通うの?」
「はは……実は学校が西の方なんだ。だから学校の近くに下宿になると思う。ナナはあの骨董屋に住み込みなんでしょ?」
「うん、まあそうなんだけどね。骨董品の買い付けとかで海外に結構長く行ったりするんだって。だからいのりと会えないの寂しいかなと思ってたんだけど……いのりも遠くに行くんじゃ、まあ丁度いいというか……」
「何言ってんのよ。どこにいても友達よ。メールでも何でも連絡取り合いましょ!」
はは……あっちの世界って、メール届くのかな?
でも、自分と友達とはっきり言ってくれるいのりの気持ちがこの上なく嬉しい。
早くエリカの事をちゃんとして、戻ってこなくちゃ。
(なーに。お前がマナをコントロール出来てりゃそんなに心配いらねえ。
あっちの世界もゆっくり楽しんだ方がいいぜ)
とは言ったもののエリカも、カルバシィーとの決着は一筋縄ではいかなそうで、またナナに迷惑かけるんではないかという一抹の不安は拭えなかった。
そして三月になり、ナナは無事高校を卒業した。
児相の吉村さんがついて来てくれて、母親の麻美に報告に行った。
「それじゃ、おかあさん。あと半年くらいでここを出られるの?」
「ああ。刑の方も執行猶予が確定したし、そうしたらまたお前と暮らせるよ」
「そっか……それでね、おかあさん。私、こんど鎌倉の骨董品店に就職したの。そこの仕事で、骨董品の買い付けなんかで海外に行く事になっててね。当分会いに来られないかも知れないけど、おかあさんと暮らせる様になるの楽しみにしているから……」
(でもよ。そうなるとあたいも麻美と同居かよ……それはちょっと勘弁してほしいかな。やっぱり、さっさと反魂の術をやる方向で……)
(エリカ! それは絶対ダメだからね)
ナナがマナの流れをコントロール出来る様になった事で、魔族側がまとまってエルフ達と停戦、和睦が出来たなら、エリカがあわててナナの身体を出て行く必要はない。もちろん、その魔族がまとまるところが一番の課題で、自分の見てくれで魔族達に通用するのかはナナにも多いに不安な所ではあった。
そして施設から白樺堂へ引っ越しを終え、あちらの世界に渡る準備を始めたところで、サリー婆があわててナナの所にやって来た。
「大変じゃ! リヒトが行方をくらました!!」
「えっ!?」
「どういうこった。婆さん!」エリカが表に出て来て言う。
「どうもこうも……突然消えたんじゃ! 奴が病室に居て、周りは警備が固めておったのだが、ふっと見たらいなくなっておったそうじゃ」
「テレポートみたいなものでしょうか?」フューリアが言う。
「分からんが……まあ、あいつも今回のあちら行きに加わりたかった様なのじゃが、まだ時期尚早じゃと、しばらく待つ様に言ってあったのじゃが……」
「おい、婆さん。それってもしかして、あいつまた寝返ったんじゃねえの?」
「かもしれん。とにかく、こうなったら早くタイガ達と合流するのが良いじゃろう。リヒトがいつまた芳野見たいに襲ってこんとも限らん」
数日後、サリー婆の準備でエルフ界に転移する準備が出来た。
言葉も変換術式を意識下に仕込んでもらった。
「すごいですね。転移魔法じゃなくて、ゲート作るんですか?」
フューリアが感心して言う。
「ああ、昔は人間を奴隷としてあちらに連れて行く際によく使ったらしいんじゃが、わしも自分以外の分までこさえるのは数百年ぶりじゃ。おかげでマナもすっからかんじゃから、さっさと行くぞ。戸締りはよいか?」
「はい。全部確認しました!」ナナが嬉しそうに答えた。
◇◇◇
「うわっ!!」
ゲートをくぐってあちら側に出たとたん、ナナがうめいた。
「あっ、ヤバイ。ナナ、慣れるまで深層にいろ!」
エリカの声に一同がハッと気が付いた。
「そうじゃった。ナナちゃん大丈夫か? こっちの世界のマナはまあこんな感じじゃ。コントロール油断するなよ!」
「うん。まさかこんなに濃いとは……春日大社の比じゃないよね」そう言いながらナナは、表をエリカと交代した。
「でも、もう少しこっちの世界の景色見たかったな……」
「慣れるまで辛抱しろ。まあ、あたいはフルパワーで行けるんで、大抵の事は何とかなりそうだが、せいぜいお前の身体壊さん様に注意するさ」
一行はその足で、エルフ王都下の冒険者ギルドに向かった。
そこではタイガとイラストリアが待っていてくれた。
「あー、ナナちゃん。ひっさしぶりー。一年以上ぶり?」そう言って、イラストリアがナナに抱き着く。
「うわ、よせ。あたいだって!」
「うわっ! 何よ魔王なの? ナナちゃんは?」
「まだこっちのマナの濃さに慣れていないんで、深層にいるさ」
「そっか。でも声は聞こえるんでしょ? エルフ国へようこそ!」
「それにしても、ナナちゃんがマナを扱える様になってよかったぜ。これで悪霊化の心配もなくなったんだろ?」タイガの問いにサリー婆が答えた。
「それでも、油断するとまたマナに飲まれる危険性はゼロじゃない。今度そうなったらわしでも対応出来んかもしれん。そん時は頼りにしてるぞ。タイガ、イラストリア」
その夜は、ナナ達の歓迎会という事でレストランの一席が予約されていた。
イラストリアが周りのマナの流れを魔法障壁で緩和してくれたので、ナナも表に出る事が出来た。
「どう。マナコントロールは大分慣れた?」イラストリアがナナに問う。
「いえ。深層にいてもエリカが補助してくれないとまだ一人では難しいです。でも、なんとか慣れてみせますよ。それで魔法も使ってみたいです!」
「はは、そういう前向きなナナちゃんもいいよな」タイガが笑う。
「それでイラ先輩。コンスタンさんの件はどうなんですか?」フューリアが問う。
「まだ何も‥‥‥かなりの手練れだと思うから、みんなも気を付けてね。私達も極力一緒にいる様にしてるから」
「はは、イラ先輩がいてくれれば安心です」そう言うフューリアにタイガが言った。
「えー、フューちゃん。俺はあてにならない?」
「あてにならないんじゃなくて、そばにいられるといつセクハラされるんじゃないかと不安なんです!」その場の皆が爆笑した。
「おい、ちょっと待て!」いきなりエリカが表に出て、立ち上がって声を上げた。
ちょっと離れた席で食事をしていたエルフ女性が店を出ようとしていたが、どうやらそれが気になった様だ。
そのエルフ女性はナナの顔をちらりと見たが、何の事か分からないと言った顔でそのまま店を出て行った。
「ちょっと魔王。どうしたの?」イラストリアが話かける。
「賢者。お前は感じなかったか? 一瞬だが魔族の気配を……」
「えっ!? 別に私は何も……」
「いやいや魔王や。お前の気配が強すぎて、わしやイラストリアでも感知出来ん程度のものだったのかも知れんぞ。見たところ普通のエルフの様じゃったが、追うか?」
サリー婆が言う。
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