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つ
しおりを挟む「こまったわね。なにをかんがえているのかさっぱりだわ。」
「混沌としていたんだぜ。」
「ただ、これだけは言えるわ。
国民は決して幸せとはいえなかった。」
「いまのうちから、なにがもくてきなのかさぐっていくしかないわね。
ふたりとも、もしさいしょうに、ふしんなうごきがみえたらおしえてくれる?」
「分かったんだぜ。」
「ちなみにいまのじてんでは、かれは しょくむ をまっとうしているのかしら。あやしいところは、ひとつもないの?」
「そうなのよ。今のところは何も怪しいことは無いわ。
むしろとても厳密に数字を見ているし、良い為政者と言えるわ。」
「えええ?」
あまりにも分からないことが多すぎる。
きっとまだ知らない何かがあるのね。
今考えたって分かることはもう何も無いわね。
「ありがとう。またなにかあったらおしえてね。わたしもはなすから。
ひとまずはさいしょうのかんしをよろしく。」
「おう!だぜ!」
「了解よ!」
さて、宰相は2人にお願いしましょう。
コンコンコン
「殿下ー!お2人からお返事が届いておりますよー!」
マリがカーラとシエルからのお手紙を持ってやってきた。
昨日出して今日返事が着くなんて随分早いのね。
「ありがとうまり。」
「いえー!」
ふむふむ。
「わあ!やった!ふたりともきてくれるの!」
「それは良かったですね!いつ来られるのか陛下にお伝えしましょう!」
ふふっ。よかった。
2人とも来てくれるのね。
えっと、希望の日時は…2人ともまだ領地に帰らないから今月ならいつでもいいのね。
早速お父様とお母様にいつがいいか聞かないと!
「まり。おとうさまと、おかあさま、いつあえる?」
「本日の夕食はご一緒だと伺っております!」
「じゃあそのときにいつがいいか、きいてみるね。」
「はい!そうしましょう!」
さて、とりあえず今日は算数と歴史を勉強してから、体力作りも兼ねて散歩でもしましょう。
お散歩はルーも誘えるかしら。
わくわくしながら教科書を開いた。
「殿下!随分集中されていますが、そろそろ散歩にいかれますか?もう15時です!」
「あれ?もうそんなじかん?」
午前に歴史を勉強して、お昼をお部屋で食べたあと算数をしていたのだけど、かなり集中していたのかしら。
もう散歩の時間ね。
早くしないと夕食の時間になるから、急いでルーを迎えに行かなきゃ。
「まり、るーをむかえにいく。おさんぽいくよ。」
「はい!かしこまりました!」
てくてく歩いてルーカスを迎えに行く。
私とルーカスの部屋が近くてよかったわ。
コンコンコン
「るー、ありすです。」
ととととと、と扉の向こうから足音がする。
カチャリ、とルーカスのメイドが扉を開けると隙間から可愛い顔がひょっこり出てきた。
「ねーたま!」
キラキラの笑顔が眩しい!
「わあ!るー、ねーたまといえるようになったのね。」
「ねーたまーー!」
キュッと抱きついてくるルーカスが可愛すぎる!!
後ろでマリがふぐううぅ、とまた何か言っているのはよく分からないけれど、前のルーカス付きのメイドさんがデレデレとルーカスを見てるのはよく分かるわ!
仕方がないわよね!こんなに可愛いのだもの!
「るー、おさんぽ、いくよ。」
ルーカスは私に抱きついたまま顔を上げてきょとんとしている。
「おさんぽ。いくよ。」
「おたんと?」
「そう、おさんぽ、よ。」
「あーい!」
多分よく分かっていないけれどキャッキャと喜ぶルーカスが可愛い!
さあ、早くお庭に行きましょう!
と言いたいところだけど、ルーカスのよちよち歩きじゃお庭に着かないので今日はお庭まで2人とも抱っこしてもらう。
「まり、だっこして?」
両手を上げてマリを見る。
「はわわ!久しぶりの抱っこですぅ!もちろん!抱っこいたします!」
ぎゅぅぅといつもの長い抱擁の後サッと立ち上がる。
ルーカスも抱っこしてもらったみたいね。
よし、いざ中庭へ!
やっぱりマリの抱っこはスピードが全然違うわ。
こんなにスムーズに移動されるともう自分で歩きたくなくなっちゃうから困るわね。
3分ほど抱っこで歩いてもらうと中庭に出た。
今日は私はルーカスと遊ぶためにボールを持ってきたのよ。
地面に下ろしてもらった私は、同じく地面に降りたルーカスにボールをみせた。
「るー、これはぼーるよ。なげるのよ。」
「ぼーどぅ?」
「そうよ。なげるのよ。みててね。」
私はボールをポーンと投げた。
ルーカスはキャーと喜びながらボールを追いかける。
「ねーたま!ぼーどぅ!」
ボールを持って帰ってきたルーカスは私にボールを渡した。
「るー?なげないの?」
「ない!」
あれれ、もしかしてこの子、ボールを拾うだけでいいのかしら。
「わかった、なげるよ。」
投げては投げ、投げては投げ。
これを何回繰り返したかわからない。(5回)
いくら最近運動をしている私でも限界が来た。(まだ数日)
と、いうわけで。
「まり、なげて?」
マリに任せる。もう無理しんどい。
「かしこまりました!マリが全力で投げさせていただきますね!」
しかしこの時の私はこの選択を深く後悔することになるなんて知る由もなかったのだった。
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