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44.宇宙の均衡 ― 第3話放たれる答え
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結晶宮殿は揺れ、光の書板が次々と砕け散った。
黒い影は広がり、空間そのものを呑み込みながら姿を膨れ上がらせていく。
数え切れないほどの瞳が三人を射抜き、声にならぬ声が響き渡った。
《問いを奪い、答えを捻じ曲げよ……。新たな均衡を、我らの手に。》
セシリアは剣を抜き、震える指で柄を握り締めた。
「……来る!」
闇の触手が襲いかかる。
ファントムはマントを翻し、その刃で影を切り裂いた。だが斬ったはずの影はすぐに再生し、さらに強大な圧力となって迫る。
「キリがないな……!」
アルトは腰の短剣を逆手に構え、走り出した。
「俺たちに“問い”を求めてるなら……逆に、盗んでやる!」
黒い影が放つ無数の囁きが、アルトの意識に流れ込んでくる。
《世界を壊せば自由が得られる。秩序を拒めば救いがある。》
その甘美な言葉は、まるで心を侵食する毒だった。
だがアルトの背にセシリアの声が飛ぶ。
「アルト! あなたは何を信じるの!?」
一瞬、囁きが揺らぎ、アルトは短剣を突き出す。
刃先にルナの涙の輝きが宿り、黒い影を裂くと内部から光が溢れた。
「俺は……自由のためじゃない。誰かの未来を守るために盗むんだ!」
光が炸裂し、影が後退する。
だが黒い影は嘲笑うように声を響かせた。
《ならば示せ。お前が選ぶ“答え”を!》
その言葉と共に、結晶宮殿の中心に巨大な“問いの核”が出現した。
それは黒と青がせめぎ合う球体で、触れた瞬間に全ての可能性が開かれるような圧倒的な存在感を放っていた。
ファントムが低く呟く。
「……ついに来たか。“最終の問い”だ。」
アルトは喉を鳴らしながら一歩踏み出す。
セシリアは不安げに彼を見つめ、ファントムはその背を押すように言った。
「選べ、アルト。
壊すか、繋ぐか……。
その“答え”が、全ての未来を決める。」
アルトは核に手を伸ばした。
その瞬間、彼の周囲に数え切れない未来の光景が流れ込む。
戦火に包まれる世界、異星の支配、人類の団結、静かな繁栄……。
選ばなければならない。
だがその選択肢は、どれも重すぎた。
——そして、アルトは心の奥からひとつの声を聞いた。
『盗め。問いも、答えも。すべて俺のものにして未来へ渡すんだ。』
アルトは目を見開き、拳を握りしめる。
「……なら、俺は答える。」
彼の口から紡がれる言葉が、核へと放たれた。
光と闇が交錯し、結晶宮殿全体が轟音と共に震え始めた。
——未来を決める“答え”が、いま放たれようとしていた。
黒い影は広がり、空間そのものを呑み込みながら姿を膨れ上がらせていく。
数え切れないほどの瞳が三人を射抜き、声にならぬ声が響き渡った。
《問いを奪い、答えを捻じ曲げよ……。新たな均衡を、我らの手に。》
セシリアは剣を抜き、震える指で柄を握り締めた。
「……来る!」
闇の触手が襲いかかる。
ファントムはマントを翻し、その刃で影を切り裂いた。だが斬ったはずの影はすぐに再生し、さらに強大な圧力となって迫る。
「キリがないな……!」
アルトは腰の短剣を逆手に構え、走り出した。
「俺たちに“問い”を求めてるなら……逆に、盗んでやる!」
黒い影が放つ無数の囁きが、アルトの意識に流れ込んでくる。
《世界を壊せば自由が得られる。秩序を拒めば救いがある。》
その甘美な言葉は、まるで心を侵食する毒だった。
だがアルトの背にセシリアの声が飛ぶ。
「アルト! あなたは何を信じるの!?」
一瞬、囁きが揺らぎ、アルトは短剣を突き出す。
刃先にルナの涙の輝きが宿り、黒い影を裂くと内部から光が溢れた。
「俺は……自由のためじゃない。誰かの未来を守るために盗むんだ!」
光が炸裂し、影が後退する。
だが黒い影は嘲笑うように声を響かせた。
《ならば示せ。お前が選ぶ“答え”を!》
その言葉と共に、結晶宮殿の中心に巨大な“問いの核”が出現した。
それは黒と青がせめぎ合う球体で、触れた瞬間に全ての可能性が開かれるような圧倒的な存在感を放っていた。
ファントムが低く呟く。
「……ついに来たか。“最終の問い”だ。」
アルトは喉を鳴らしながら一歩踏み出す。
セシリアは不安げに彼を見つめ、ファントムはその背を押すように言った。
「選べ、アルト。
壊すか、繋ぐか……。
その“答え”が、全ての未来を決める。」
アルトは核に手を伸ばした。
その瞬間、彼の周囲に数え切れない未来の光景が流れ込む。
戦火に包まれる世界、異星の支配、人類の団結、静かな繁栄……。
選ばなければならない。
だがその選択肢は、どれも重すぎた。
——そして、アルトは心の奥からひとつの声を聞いた。
『盗め。問いも、答えも。すべて俺のものにして未来へ渡すんだ。』
アルトは目を見開き、拳を握りしめる。
「……なら、俺は答える。」
彼の口から紡がれる言葉が、核へと放たれた。
光と闇が交錯し、結晶宮殿全体が轟音と共に震え始めた。
——未来を決める“答え”が、いま放たれようとしていた。
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