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秋ほど強くは無いが6月も西風はガルシュ領を吹き抜ける。
ブライオニーとギルバートは墓地のある小高い丘の上から眼下の綿花畑を見つめていた。
「ビニー」とギルバート
「なぁに?」
「.......」
「ギルバート?」
「ビニーのドレス姿、凄く...」
「うん?」
「凄く綺麗だった」
「あ、ありがと」
ギルバートはブライオニーに向き合った。
「でも俺は、馬で羊を追いかけてるビニーが一番美しいと思ってる」
それはいつかブライオニーが言った言葉であった。
そして一番に欲しい相手からの言葉でもあった。
ギルバートがそっと手を伸ばして、ブライオニーの右頬を撫で揺れる髪を耳に掛ける。
あの日、ギルバートの模擬剣が作ってしまった耳の縁にある傷。
あの時、自分の心臓を貫いた様な痛みが走った。
数針縫って傷跡が残ったと聞いた時はガルシュを離れようと決めた。
しかしサイモンからブライオニーの為に側にいて欲しいと引き止められたのだ。
この度の事も、ブライオニーが「傷物」と言われる度に心が冷えた。
貴族相手に「黙れ」と言えない不甲斐なさ。
ブライオニーを何者からも守ると誓ったのに。
しかし、ブライオニーは「私は傷を負っていない。何処にも傷は無い。」と言い切ってくれた。
強く、守られるだけでは無い美しいひと。
あぁ...この想いを隠し通せるわけが無い。
「...ビニー」
親指で、薄く残る傷跡をなぞる。
「ギルバート」
ブライオニーは右頬に添えられたギルバートの手に自分の手を重ねた。
頬にギルバートの掌を感じる。
ふふっ...利き手では無い左の掌にも胼胝があるのね...
ブライオニーは剣を握り続け出来た胼胝がある掌さえ愛おしかった。
「何故笑う?」
「ふふふっ」
「ビニー?」
「ギルバート....貴方を愛しているって気がついたの」
「!」
「愛しているわ、ギルバート」
ブライオニーはギルバートに身体を預けた。
ギルバートも強く抱きしめる。
胸にすっぽり納まる女なんて要らない...
ブライオニーがいい。
ブライオニーだからこんなに愛おしいのだ。
「それに...」ギルバートが呟く
「なぁに?ギルバート」
ブライオニーが顔を上げる。
夕陽のように美しいアンバーの瞳が目の前にある。
「キスをするのに調度良いって言ったんだ」
「ふふっなにそれ?」
「内緒」
ギルバートは優しくブライオニーに口づけたのであった。
完
【追記】
本作のスピンオフ作品
「会えない時間は愛育てるとも限りませんのでお気をつけください」
も合わせてお楽しみください。
ブライオニーとギルバートは墓地のある小高い丘の上から眼下の綿花畑を見つめていた。
「ビニー」とギルバート
「なぁに?」
「.......」
「ギルバート?」
「ビニーのドレス姿、凄く...」
「うん?」
「凄く綺麗だった」
「あ、ありがと」
ギルバートはブライオニーに向き合った。
「でも俺は、馬で羊を追いかけてるビニーが一番美しいと思ってる」
それはいつかブライオニーが言った言葉であった。
そして一番に欲しい相手からの言葉でもあった。
ギルバートがそっと手を伸ばして、ブライオニーの右頬を撫で揺れる髪を耳に掛ける。
あの日、ギルバートの模擬剣が作ってしまった耳の縁にある傷。
あの時、自分の心臓を貫いた様な痛みが走った。
数針縫って傷跡が残ったと聞いた時はガルシュを離れようと決めた。
しかしサイモンからブライオニーの為に側にいて欲しいと引き止められたのだ。
この度の事も、ブライオニーが「傷物」と言われる度に心が冷えた。
貴族相手に「黙れ」と言えない不甲斐なさ。
ブライオニーを何者からも守ると誓ったのに。
しかし、ブライオニーは「私は傷を負っていない。何処にも傷は無い。」と言い切ってくれた。
強く、守られるだけでは無い美しいひと。
あぁ...この想いを隠し通せるわけが無い。
「...ビニー」
親指で、薄く残る傷跡をなぞる。
「ギルバート」
ブライオニーは右頬に添えられたギルバートの手に自分の手を重ねた。
頬にギルバートの掌を感じる。
ふふっ...利き手では無い左の掌にも胼胝があるのね...
ブライオニーは剣を握り続け出来た胼胝がある掌さえ愛おしかった。
「何故笑う?」
「ふふふっ」
「ビニー?」
「ギルバート....貴方を愛しているって気がついたの」
「!」
「愛しているわ、ギルバート」
ブライオニーはギルバートに身体を預けた。
ギルバートも強く抱きしめる。
胸にすっぽり納まる女なんて要らない...
ブライオニーがいい。
ブライオニーだからこんなに愛おしいのだ。
「それに...」ギルバートが呟く
「なぁに?ギルバート」
ブライオニーが顔を上げる。
夕陽のように美しいアンバーの瞳が目の前にある。
「キスをするのに調度良いって言ったんだ」
「ふふっなにそれ?」
「内緒」
ギルバートは優しくブライオニーに口づけたのであった。
完
【追記】
本作のスピンオフ作品
「会えない時間は愛育てるとも限りませんのでお気をつけください」
も合わせてお楽しみください。
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よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
勘が良いですね❣
ゲイリー・アシュトン登場のスピンオフを執筆中ですので、宜しかったらまた手にとって?!ください。