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今朝、ホフマンは事務所でアンソニーが来るのを待っていた。
早めの昼食を共にして打ち合わせをする予定であったのに待てど暮らせどアンソニーが現れない。
やっと来たかと思えば気怠そうに欠伸を繰り返している。
ハンサムな顔が少し浮腫んでいる様子に、どうしたと聞けばただの二日酔いだと言う。
楽勝の案件であっても、心象は重要であるのにな...と渋い思いを抱いが、如何せん時間が無い。
馬車をかっ飛ばして王城内の裁判所を目指したホフマンであった。
結局食事も出来ぬまま遅刻した二人であったが....。
▼
ホフマンの供述が終わったとみなされて木槌が響いた。
「それではグレントさん及びグレントさんの代理人に伺います。」
裁判官から事実認定の問いが成される。
ジェニファーがスッと立ち上がり「事実とは異なっております」と答える。
「はぁ?!」
アンソニーが声を上げ、「静粛」にと注意を受ける傍らで、ホフマンは再びショックに固まっていた。
ジェニファー・ハーモンがフレデリカの代理人であると判ったからである。
(ハーモンを雇えるなんて信じられない。グレント男爵家は裕福なのか?!)
ホフマンが信じようが信じまいが、ジェニファーはお構いなしに淀みのない口調で答弁していく。
「私の依頼人フレデリカ・グレント嬢に、訴状にあった瑕疵はございません。仕事が忙しく時間を割けなかった事は事実でありますが、交際に至る前段階では「手に職を持ち働いている貴方は素敵だ」とコックスさんは刺繍職人のフレデリカ嬢が多忙であること織り込み済みのはずです」
それを手の平返しに責められるのは困惑以外の何ものでもありませんわ、とジェニファーの答弁はホフマンが声を張り上げ舞台俳優の様に訴えた事に比べれば、落ち着いて整然とした反論は乾いた地面に水が染み渡るようであった。
ジェニファーは訴状内容に沿って反論しフレデリカの正当性を訴えるつもりで、抜かりなく証人も含めて全方位に準備万端であった。
「こちら...コックスさんからフレデリカ嬢に貢がれた諸々を一覧にしたものです。出典はフレデリカ嬢の日記ですので、裁判長には日記そのものも提出いたしますわ。」
その“諸々の貢物”は1枚の紙にちんまりと纏められていた。
「コックスさんの仰っしゃり様だと、一財産お使いになった様な印象を受けますが...」
ジェニファーが読み上げた詳細は
サンドウイッチ1つ
花束を1つ
一輪の花を3つ
レモネード1杯
紅茶1杯
りんご飴1本
ランチプレート2回
チョコレート1つ
クッキー缶1つ
. . . であった。
「金額で全てを語るつもりはございませんよ?でもコックスさんサイドが“少なくない金額を貢いだ”と仰るからには詳らかにさせていただきました。」
アンソニーの顔が引き攣り出す。
「チョコレートやクッキー缶は巡察隊へのお差し入れを横流し...いいえ、フレデリカ嬢の為にお持ちくださったのでしょうし、その心遣いが尊いのであって、それを金額に置き換えるなんて興醒めだと私は思います。」
ホフマンもわなわな震えだした。
「一般的な感覚で、この支出金額を以てコックスさんの財産を圧迫したとは思えませんが、どう判断されますでしょうか?
あぁ!一つ付け加えますならば、フレデリカ嬢がコックスさんへ贈ったイニシャルが刺繍されたシルクのハンカチ1枚でこの全ての支出金額をペイ出来ますことをご存じ?」
ジェニファーは紙をペラペラと揺らした。
羞恥に染まるアンソニーの顔はフレデリカが初めて見る顔であった。
「次に...」と贈られた指輪の鑑定書が提出された。
「石はジルコン。本体はシルバー。」とジェニファー。
プラチナにダイヤの指輪でも贈っておけば良かっただろう!とホフマンはアンソニーをジロリとみた。
「そしてこの指輪。
巡察隊に届けられた“落とし物”であったため本来の持ち主にお返しいたしました。」
この事実にホフマン、アンソニー共々、更に羞恥に染まった。
「ああ!因みにフレデリカ嬢が贈った、刺繍入りのクラバットの方が市場価格は上でございます。すごーく。」
余裕のある表情でジェニファーはホフマンを振り返る。
蛇に睨まれた蛙の様にホフマンは唇を真一文字に閉じたまま固まっている。
「この案件の肝でございますが。」
今度は睨みつけるようにジェニファーはアンソニーを一瞥する。
その鋭い視線を受けて、アンソニーも背中にひやりとしたものを感じるのであった。
「コックスさんが誠実にフレデリカ嬢に向き合ってきたという戯言...失礼、証言でございますがフレデリカ・グレントは考え得る限りの強い表現で強く否定いたします。」
フレデリカはジェニファーの立ち姿に見惚れていた。
凛として自信に溢れているが靭やかさと温かみも備えている。
候爵家の奥方であるのに決して偉ぶらず、名の通った弁護士であるのに慢心無く、時には採算も厭わず立場の弱い女性の代理人として働いていると知った。
トリシアを介して知り合えた事は本当に僥倖であった。
「コックスさんはフレデリカ嬢に告白し、交際が始まった数カ月後には複数の女性と不適切な関係を持っています。“懇意になった”などというレベルではございません。」
「なっ!」
ジェニファーは工房の同僚達から名前の上がった女性たちとの真偽を確かめていた。
多くの女性らと軽いデートから肉体関係まで多岐にわたる関係性に怒りよりも呆れ返る調査結果であった。
「事実確認した分だけでも、これだけの人数がございます。」と又もや摘んだ紙をペラペラかざした後、裁判長に提出する。
先ほどの“貢物リスト”と同じくらいの行数に女性の氏名が並び、時期や回数、貢物の内容までが補足されていた。
「ふふっ、花屋のユリアさんにもクッキー缶を贈ってますわね。アンジェさんには黄色の薔薇を一輪。この花はユリアさんから貰ったものね。ユリアさんには“見舞いに持っていく”と言ったらしいけれど。」
「いや...違う。」とアンソニー。
「違わない。」とジェニファー。
これにはホフマンも言葉を失うしかなかった。アンソニーから聞いていたのは二人か三人で、しかも女性の方から誘ってきたと言うことであった。
これだけの色男ならば、そういう事も有るだろう、しかしそれを以て直に婚約破棄は厳しい過ぎると訴状に認めたのはホフマンである。
(まずい...)
「これだけ不誠実な行動をしておきながらこの訴状内容には驚かされました。」
「そ、それでも一度くらい弁明なり謝罪なりチャンスを与えても良かったのではないですか?!」
ホフマンが原告席から叫んだ。学ばない奴だ。
「静粛に!」と裁判長。
ほら。
「弁明させて欲しかったとコックスさんは言っていますが、それとは矛盾した言質も残しています。」
アンソニーはなんのことだという顔をしていたが、ジェニファーが「エレナさん」という固有名詞を口にした途端、目に見えて動揺した。
「エレナさんはフレデリカ嬢が目撃したお相手です。彼女と職務中に宿屋に耽ったことは巡察隊の方でも確認されて処分されていますから異論は無いでしょう?」
「.....。」
「そのエレナさんがフレデリカ嬢の元を訪ねてきたのです。いじらしい女性ね。
コックスさんと別れてほしいと直談判にいらっしゃった様よ?
その際にエレナさんは“フレデリカとの婚約は都合が良いだけの政略で、本当に愛しているのは君だ”と言ってくれたと言っていますわ。
. . . コックスさん、代理人のホフマンさん、貴方がたの考える「誠実」って一体何ですの?」
「......。」
敗訴は避けられないと悟って、ホフマンは訴状を撤回しようと決めた。
コックス家の三男坊がこれ程どうしようもない不埒者だったとは。
アンソニーの兄に恩を売るつもりで泥船に乗り込んでしまった。
早く下船せねば溺れてしまう。
刹那。
「誠実?それは婚約者の望みに添うことだ!
君が!身体を許さない事が!俺に素っ気ない事が悪いんだろう?」
アンソニーがフレデリカを指さして激高した。
「ちょっと美人だからってお高くとまりやがって!」
裁判長の「静粛に」の声さえ無視して叫ぶアンソニーなのであった。
早めの昼食を共にして打ち合わせをする予定であったのに待てど暮らせどアンソニーが現れない。
やっと来たかと思えば気怠そうに欠伸を繰り返している。
ハンサムな顔が少し浮腫んでいる様子に、どうしたと聞けばただの二日酔いだと言う。
楽勝の案件であっても、心象は重要であるのにな...と渋い思いを抱いが、如何せん時間が無い。
馬車をかっ飛ばして王城内の裁判所を目指したホフマンであった。
結局食事も出来ぬまま遅刻した二人であったが....。
▼
ホフマンの供述が終わったとみなされて木槌が響いた。
「それではグレントさん及びグレントさんの代理人に伺います。」
裁判官から事実認定の問いが成される。
ジェニファーがスッと立ち上がり「事実とは異なっております」と答える。
「はぁ?!」
アンソニーが声を上げ、「静粛」にと注意を受ける傍らで、ホフマンは再びショックに固まっていた。
ジェニファー・ハーモンがフレデリカの代理人であると判ったからである。
(ハーモンを雇えるなんて信じられない。グレント男爵家は裕福なのか?!)
ホフマンが信じようが信じまいが、ジェニファーはお構いなしに淀みのない口調で答弁していく。
「私の依頼人フレデリカ・グレント嬢に、訴状にあった瑕疵はございません。仕事が忙しく時間を割けなかった事は事実でありますが、交際に至る前段階では「手に職を持ち働いている貴方は素敵だ」とコックスさんは刺繍職人のフレデリカ嬢が多忙であること織り込み済みのはずです」
それを手の平返しに責められるのは困惑以外の何ものでもありませんわ、とジェニファーの答弁はホフマンが声を張り上げ舞台俳優の様に訴えた事に比べれば、落ち着いて整然とした反論は乾いた地面に水が染み渡るようであった。
ジェニファーは訴状内容に沿って反論しフレデリカの正当性を訴えるつもりで、抜かりなく証人も含めて全方位に準備万端であった。
「こちら...コックスさんからフレデリカ嬢に貢がれた諸々を一覧にしたものです。出典はフレデリカ嬢の日記ですので、裁判長には日記そのものも提出いたしますわ。」
その“諸々の貢物”は1枚の紙にちんまりと纏められていた。
「コックスさんの仰っしゃり様だと、一財産お使いになった様な印象を受けますが...」
ジェニファーが読み上げた詳細は
サンドウイッチ1つ
花束を1つ
一輪の花を3つ
レモネード1杯
紅茶1杯
りんご飴1本
ランチプレート2回
チョコレート1つ
クッキー缶1つ
. . . であった。
「金額で全てを語るつもりはございませんよ?でもコックスさんサイドが“少なくない金額を貢いだ”と仰るからには詳らかにさせていただきました。」
アンソニーの顔が引き攣り出す。
「チョコレートやクッキー缶は巡察隊へのお差し入れを横流し...いいえ、フレデリカ嬢の為にお持ちくださったのでしょうし、その心遣いが尊いのであって、それを金額に置き換えるなんて興醒めだと私は思います。」
ホフマンもわなわな震えだした。
「一般的な感覚で、この支出金額を以てコックスさんの財産を圧迫したとは思えませんが、どう判断されますでしょうか?
あぁ!一つ付け加えますならば、フレデリカ嬢がコックスさんへ贈ったイニシャルが刺繍されたシルクのハンカチ1枚でこの全ての支出金額をペイ出来ますことをご存じ?」
ジェニファーは紙をペラペラと揺らした。
羞恥に染まるアンソニーの顔はフレデリカが初めて見る顔であった。
「次に...」と贈られた指輪の鑑定書が提出された。
「石はジルコン。本体はシルバー。」とジェニファー。
プラチナにダイヤの指輪でも贈っておけば良かっただろう!とホフマンはアンソニーをジロリとみた。
「そしてこの指輪。
巡察隊に届けられた“落とし物”であったため本来の持ち主にお返しいたしました。」
この事実にホフマン、アンソニー共々、更に羞恥に染まった。
「ああ!因みにフレデリカ嬢が贈った、刺繍入りのクラバットの方が市場価格は上でございます。すごーく。」
余裕のある表情でジェニファーはホフマンを振り返る。
蛇に睨まれた蛙の様にホフマンは唇を真一文字に閉じたまま固まっている。
「この案件の肝でございますが。」
今度は睨みつけるようにジェニファーはアンソニーを一瞥する。
その鋭い視線を受けて、アンソニーも背中にひやりとしたものを感じるのであった。
「コックスさんが誠実にフレデリカ嬢に向き合ってきたという戯言...失礼、証言でございますがフレデリカ・グレントは考え得る限りの強い表現で強く否定いたします。」
フレデリカはジェニファーの立ち姿に見惚れていた。
凛として自信に溢れているが靭やかさと温かみも備えている。
候爵家の奥方であるのに決して偉ぶらず、名の通った弁護士であるのに慢心無く、時には採算も厭わず立場の弱い女性の代理人として働いていると知った。
トリシアを介して知り合えた事は本当に僥倖であった。
「コックスさんはフレデリカ嬢に告白し、交際が始まった数カ月後には複数の女性と不適切な関係を持っています。“懇意になった”などというレベルではございません。」
「なっ!」
ジェニファーは工房の同僚達から名前の上がった女性たちとの真偽を確かめていた。
多くの女性らと軽いデートから肉体関係まで多岐にわたる関係性に怒りよりも呆れ返る調査結果であった。
「事実確認した分だけでも、これだけの人数がございます。」と又もや摘んだ紙をペラペラかざした後、裁判長に提出する。
先ほどの“貢物リスト”と同じくらいの行数に女性の氏名が並び、時期や回数、貢物の内容までが補足されていた。
「ふふっ、花屋のユリアさんにもクッキー缶を贈ってますわね。アンジェさんには黄色の薔薇を一輪。この花はユリアさんから貰ったものね。ユリアさんには“見舞いに持っていく”と言ったらしいけれど。」
「いや...違う。」とアンソニー。
「違わない。」とジェニファー。
これにはホフマンも言葉を失うしかなかった。アンソニーから聞いていたのは二人か三人で、しかも女性の方から誘ってきたと言うことであった。
これだけの色男ならば、そういう事も有るだろう、しかしそれを以て直に婚約破棄は厳しい過ぎると訴状に認めたのはホフマンである。
(まずい...)
「これだけ不誠実な行動をしておきながらこの訴状内容には驚かされました。」
「そ、それでも一度くらい弁明なり謝罪なりチャンスを与えても良かったのではないですか?!」
ホフマンが原告席から叫んだ。学ばない奴だ。
「静粛に!」と裁判長。
ほら。
「弁明させて欲しかったとコックスさんは言っていますが、それとは矛盾した言質も残しています。」
アンソニーはなんのことだという顔をしていたが、ジェニファーが「エレナさん」という固有名詞を口にした途端、目に見えて動揺した。
「エレナさんはフレデリカ嬢が目撃したお相手です。彼女と職務中に宿屋に耽ったことは巡察隊の方でも確認されて処分されていますから異論は無いでしょう?」
「.....。」
「そのエレナさんがフレデリカ嬢の元を訪ねてきたのです。いじらしい女性ね。
コックスさんと別れてほしいと直談判にいらっしゃった様よ?
その際にエレナさんは“フレデリカとの婚約は都合が良いだけの政略で、本当に愛しているのは君だ”と言ってくれたと言っていますわ。
. . . コックスさん、代理人のホフマンさん、貴方がたの考える「誠実」って一体何ですの?」
「......。」
敗訴は避けられないと悟って、ホフマンは訴状を撤回しようと決めた。
コックス家の三男坊がこれ程どうしようもない不埒者だったとは。
アンソニーの兄に恩を売るつもりで泥船に乗り込んでしまった。
早く下船せねば溺れてしまう。
刹那。
「誠実?それは婚約者の望みに添うことだ!
君が!身体を許さない事が!俺に素っ気ない事が悪いんだろう?」
アンソニーがフレデリカを指さして激高した。
「ちょっと美人だからってお高くとまりやがって!」
裁判長の「静粛に」の声さえ無視して叫ぶアンソニーなのであった。
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