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本編
4話 私……!?
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結局、私達の婚約破棄は裁判になることはなく、揉めることもなく終わりを迎えた。私がきちんと証拠を集めていたこともあるのだろうが、王様が王族が裁判沙汰になるのは恥だと裁判を起こそうとしていたエイダン様を止めたらしい。私としては裁判になっても別に良かったのだが、面倒だろうし別に裁判になればよかったのに、とは思っていない。
今日、私は両親と王城に来ている。婚約破棄と慰謝料に関する書類にサインをするためだ。書類にきちんと目を通す。どうやら私達の要求はちゃんと通っているようだ。むしろ私たちが要求した内容しか書かれていない。これ以上問題になることを恐れてのことだろう。
カリカリとサインを書く中、王子様と私の従姉妹はずっと私のことを睨んでいた。2人とも両親や周りの人にこっぴどく叱られたらしい。当たり前だ。やってはいけないことをしたのだから。私と婚約破棄をするなり、きちんと段階を踏んでから正式にお付き合いをすればよかったのだ。私を捨てると言っていたから、おそらく私との婚約は破棄するつもりだったのだろうし、むしろなぜ最初にそれをしなかったのか不思議なくらいだ。
「おい、アリッサ」
もう婚約者ではないから呼び捨てにされる筋合いはないのだが。無視して書類の最終確認をしていく。
「今なら許してやるからその書類を破棄しろ」
今更何を言っているのだろうか。この王子は。こんなことが続くと王家の評判が下がってしまいますわよ。
「お断りします。許してもらう必要がありませんもの」
相手の目を見ずに話すのは流石に失礼だと思い、書類から一度目を話して返事をすると王子様はズンズンと近寄ってきて手を振り上げた。ああ、また殴られる。そう思ったけれど、体は動かなかった。それどころか目を瞑ってしまっている自分がいる。恐怖しているのか、状況に追いつけていないのか。
「おい、エイダン。やめろ」
あと一歩、というところで誰かが声をかけた。低い男の人の声だ。目を開けて声の下後ろを振り返ると……えっ、ちょっと待って。私を殴ろうとしていた男よりもはるかに上を行くイケメンがいるんですけど。目の前の男も結構か、お、は、イケメンなんだけどなあ。あ、前世の口づかいに戻ってる。まあいいか。
「離れろ、エイダン。それ以上王家の顔に泥を塗るな」
声も美声。頭も性格も悪くはなさそう。
「御令嬢、怪我はないか」
……ちょっと待って。顔見れない。窮地を助けられたのもなるのかもしれないけど、なんかこの感覚、似てる。前世で好きだった人の顔を見れなかった昔の私の感覚に。え、ちょっと待って。
「御令嬢、どうかしたか」
私今、恋、してる。
今日、私は両親と王城に来ている。婚約破棄と慰謝料に関する書類にサインをするためだ。書類にきちんと目を通す。どうやら私達の要求はちゃんと通っているようだ。むしろ私たちが要求した内容しか書かれていない。これ以上問題になることを恐れてのことだろう。
カリカリとサインを書く中、王子様と私の従姉妹はずっと私のことを睨んでいた。2人とも両親や周りの人にこっぴどく叱られたらしい。当たり前だ。やってはいけないことをしたのだから。私と婚約破棄をするなり、きちんと段階を踏んでから正式にお付き合いをすればよかったのだ。私を捨てると言っていたから、おそらく私との婚約は破棄するつもりだったのだろうし、むしろなぜ最初にそれをしなかったのか不思議なくらいだ。
「おい、アリッサ」
もう婚約者ではないから呼び捨てにされる筋合いはないのだが。無視して書類の最終確認をしていく。
「今なら許してやるからその書類を破棄しろ」
今更何を言っているのだろうか。この王子は。こんなことが続くと王家の評判が下がってしまいますわよ。
「お断りします。許してもらう必要がありませんもの」
相手の目を見ずに話すのは流石に失礼だと思い、書類から一度目を話して返事をすると王子様はズンズンと近寄ってきて手を振り上げた。ああ、また殴られる。そう思ったけれど、体は動かなかった。それどころか目を瞑ってしまっている自分がいる。恐怖しているのか、状況に追いつけていないのか。
「おい、エイダン。やめろ」
あと一歩、というところで誰かが声をかけた。低い男の人の声だ。目を開けて声の下後ろを振り返ると……えっ、ちょっと待って。私を殴ろうとしていた男よりもはるかに上を行くイケメンがいるんですけど。目の前の男も結構か、お、は、イケメンなんだけどなあ。あ、前世の口づかいに戻ってる。まあいいか。
「離れろ、エイダン。それ以上王家の顔に泥を塗るな」
声も美声。頭も性格も悪くはなさそう。
「御令嬢、怪我はないか」
……ちょっと待って。顔見れない。窮地を助けられたのもなるのかもしれないけど、なんかこの感覚、似てる。前世で好きだった人の顔を見れなかった昔の私の感覚に。え、ちょっと待って。
「御令嬢、どうかしたか」
私今、恋、してる。
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