新米検事さんは異世界で美味しくいただかれそうです

はまべえ

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23.魅了の魔法

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俺の体感では1か月くらい経ってる気がする旅は、わりと順調に5日目に突入した。ここから先に町はなく、野宿2日で目的のタアル湖につく計算だ。
最近、指輪の魔力が身体に馴染んできたのか、指輪を外してもちょっとした話し言葉なら分かるようになってきた。こちら世界の概念がスムーズに言葉として変換されているような、たとえるならば海外生活が数年過ぎて、脳内に日本語を介在させることなく現地の言葉を喋れている感じに近い。仕組みはわからないけれど、すごいことだと思う。地球にあったら便利というか世紀の大発明として歴史に残るだろうが、あちらに魔力的なエネルギー概念があるとは思えないし、持ち帰ったところで使えないのかもしれない。

変わったことと言えば、俺が”美味い”人間とわかってから、エルとガルが俺を遠巻きにしていること。ちょっと寂しい。気にしだしたら体臭も気になるとかで、気持ちが落ち着くまで近寄るなと言われた。スマホも音楽機器もない超ヒマな道すがら、魔族の話を色々聞きたかったのに。というわけで俺の話し相手は相も変わらずフィーである。
フィーは何かと物知りな殿下に仕えているだけあって博学で、この国に関する俺の初歩的な質問には大抵答えてくれる。
たとえばこの世界の日用品の一部について、形と用途がめちゃくちゃ地球に似ているなーと思うことがままあったが、それもそのはず、こちらの世界に現れる異世界人は毎回地球生まれの人らしい。その都度、地球の文化をもたらすことがあるそうでーーなんて言われると、俺も何か爪痕を残さなければならないのかと責任を感じてしまう。とはいえ俺は手に職を持ってたタイプじゃないし、モノづくりが得意でも天才科学者でもないので、そっち方面で期待されると期待外れだと思う。と言ったら、真面目ですねと笑われた。まったく期待されないのも悲しいよ!?まぁ多大な影響を残した異世界人はみんな元の世界に帰らずこっちの世界に骨を埋めた人らしいので、俺はひとまず胸を撫で下ろした。
あともう一つ、その異世界人たちがもたらしたものを聞いた感じ、地球とこちらの時間の流れには微妙なズレがある。1000年前に現れた異世界人が「自動車」を知っていたりするからだ。少なくとも200年以内に生まれた地球人がこちらの世界の1000年前に現れていることになる。地球に戻れると言っても、俺が元いた時間や場所に戻れるとは限らないのかもしれない。そうだとするとわりと……わりとへこむ。考えても仕方がないので今は考えないが。

魔法についてもそこそこわかってきた。俺がイメージするような、人を吹っ飛ばしたり草原を焼き払うようなド派手な技をぶちかます「ザ・魔法」が使えるのはごく一部の人間だけで、大部分は生活魔法といわれる、地球でいうなら家電レベル、文明の利器でまかなえるレベルの魔法を使えるのみなんだそうだ。少量の水や小さな火や光を操ったり、何かを冷やしたり温めたり、手で持てる程度のものを浮かしたり、その程度の。俺がパソコンの作り方を知らなくてもパソコンを使えたように、魔法の厳密な理論は知らなくてもその結果は享受できるというわけ。魔法発動のプロセスは基本的に、対象物を特定して、それを視界に収めつつ呼びかけ、体内のエネルギーを対象物に渡して願掛けするような感じだ。水を冷やしたければ心の中で「水よ」と呼びかけて、頭の中で結果をイメージし、「汚れをすすげ」とか「凍る手前の冷たさになれ」とか念じる。俺はあっちの世界の科学の知識があるからか、ちょっぴり水勢や火力に微調整がきくというか、結果の実現精度が高いといわれた。温めるにしても冷やすにしても原子や分子をイメージするので物質の反応がいいのだろう。フィーに治癒師や魔導具師になれますよって褒められたけど、如何せん俺にはスタミナがない。コップ一杯の水を冷やしたり温めたりするだけで100メートルを全力で走り切ったくらいの疲労感がある。前にも一度思ったけれど、どうせならチート魔力が欲しかった。

「私の魔力属性ですか?」
青々とした草原が広がるなだらかな丘陵地帯を歩きながら、横を歩くフィーを見上げた。こんなに足元がよくて見通しのいい場所を歩くのは久しぶりだったから、俺はすっかりピクニック気分で気が緩んでいる。
「うん。ウィアルが詳しいことは自分で聞けっていうから」
「よく使ってるのは身体強化ですね。身体強化が使えないと騎士団に入れないので、騎士は全員使えますが」
「筋力アップ的な?」
「えぇ。感覚神経や運動神経の働きも向上しますし……って、聞きたいのはそっちじゃないですよね?」
紫色の瞳が確かめるように俺を見た。
「いや、フィーの幻属性ってどんな能力なのかなぁってその程度の興味だから、秘匿性が高いなら聞かない」
「別に隠してはいないんですけどね。カロイラスの『読心』なんかもそうですが、精神操作系の能力はあまりおおっぴらにできないというか、人間関係の構築に支障をきたしますから」
「まぁそっか……心を読まれるとなると構えるよね」
「そういうことです。私の力もあまりいいものでは……」
フィーの声がわかりやすく沈んでいくので、俺は慌てて首を振った。
「いや、いいんだ。興味本位で聞く話じゃなかったね。ごめん」
「いえ、私に興味を持っていただけたのはうれしいんです。ほんとにただ、人に堂々と誇れるような能力じゃないというか」
「伝家の宝刀なんだね」
フィーが怪訝そうな顔をした。こっちにはない言葉だったか、と俺は苦笑して付け加える。
「これはってときにしか使わない切り札だから、安易に見せびらかさないってこと」
「ははは、そんなかっこいいものでもなくて。結構便利に使ってますしね。アキ様にもーー」
「それはオルクリーさんに聞いた。俺にはフィーの能力がきかないって」
「そうなんですよ、不思議ですね」
わりと悪びれずに返されて、俺もほっとして答える。気にしていたら悪いなと思ってたけど、フィーはそこまで気にしていないみたいだ。
「初対面の時、なんであんなにじいっと見てくるのかなって思ってた」
「すみません、勝手なことをして。あのときは殿下に危害が加えられないようにしておこうと思って」
「いや、別にいいんだけどさ。……ホントに、かかってない?」
「かかってないと思います。かかると相手の感情がちょこっとこっちに流れてくるんですよね。その手ごたえがないんで」
残念。魅了にかかってるっていうなら、最近のこの妙なドキドキにも説明つくのにな。
「特別な力なんだね。それは親から受け継ぐものなの?」
「いえ、そういう力が出やすい家系とかはありますけど、必ずしも親から受け継がれるものでもなくて。現に3親等以内に私と同じ力を持った人間はいないです」
「じゃ、使い方を親から教わることはできないってこと?」
「そうですね。基本的な魔力制御については教わりましたが、属性魔法の使い方は外部から講師を招いて学びました。最初は自分の属性に自覚もなくて」
「小さいころ?」
「えぇ。私は5人兄弟の真ん中なんですが、昔から周りに一番かわいがられている感じはあって。でも特に変には思わず普通に過ごしてました。で、7歳の時に私の属性が幻属性の亜種、スキルが『魅了』だとわかって……今思うと、親も兄弟もあまり気にしていなかったというか、接し方が変わることはなかったんですよ。防御魔法に自信のない使用人や友人、一つ上の兄とかには、あからさまに距離を置かれましたけどね。両親は距離感を変えなかった。でも私自身は結構ショックで……私に向けられる好意や愛は、私の力がもたらしたものだったのかと。そう思ったら周りの人間の目も違って見えて。自分の中で整理がつくまではめちゃくちゃでしたね、我ながら」
フィーは微笑んでいたけれど、勝手にフィーの気持ちを想像して、胸が苦しくなった。無償の愛だと思っていたものがそうでなかったら、それは足元が崩れるようなショックを本人にもたらすだろう。それも、騙される側ではなくて騙す側だとしたらなおさら。いや、魅了は別に騙すのとは違うけど。フィーのこの顔からして、幼い頃のフィーはそう思っていたんじゃないだろうか。
「魅了の力はそんなに強力なの?つまり、0のものを50とか100にするくらい?」
「基本的には1くらいはないと難しいとは思いますけど。時間をかければ、できないことはないですね」
「すごいなぁ」
「気味悪くないですか?」
「魅了されることが?」
「はい」
フィーが目を細めた。ん、なんだろう、経済犯罪のすごく頭のいい被疑者とかが初対面の時にする目だ。核心に近い質問を投げて、こちらの出方を窺う表情。俺は真剣に考えてみた。無意識のうちに自分の意思を曲げられるのは気持ちのいいことではない。でもフィーはそれを重々自覚している。だから自分の力を「あまりいいものではない」と表現した。もったいないな、と思った。だってフィーはそんな力がなくたって自分の本来の魅力で十分勝負できてしまう人だ。それなのに魅了の力がある。ということは相手がふつーに好意を持ったとて、能力を知れば相手はもしかして魅了を使われたのでは?って思っちゃうってことだ。フィーにしてみたら、余計な力を授かったみたいなものかもしれない。たとえそれが仕事上、便利な力だったとしても。
「うーん、盲目的になるのはいやだけど、誰かに好意を持つこと自体は悪いことではないし。頭ごなしに気味が悪いとは思わないかな……うん、目的や使い方次第だと思う」
「そうですか」
フィーがほんの少し表情を和らげ、視線を滑らかに前に向けた。俺はその横顔をしばし見つめて、そっと続きの疑問を口にした。
「魅了された人間はどうなるの?フィーのことが好きになるの?それとももっと別の感情?」
「人によりますね。無意識の発動の時は……見境なく襲ってくる人もいましたし、お願いをきいてくれるくらいの人もいましたし」
「襲われたって……」
「小さい頃は力の制御ができなくて、ちょっとした感情の揺れで暴発してしまうこともありましたから」
「それは……こわいね……」
子供は基本的に大人を信頼し、大人に守られて当然と思っているから、その相手からむき出しの感情や、ましてや害意を向けられるなんて恐怖だっただろう。俺も経験があるからわかる。そういう感情には質量があって、特に劣情なんていう子供には理解不能な感情をまっすぐぶつけられると、喉が引き攣って声も出ないくらい混乱する。そう、あれは、子供には受け止めきれない、過ぎた感情だ。
なんだかもやっとしたものが記憶の奥底から湧き上がってくる気がして、俺は慌てて心に蓋をした。深呼吸をして、気持ちを落ち着ける。
「アキ様はやさしいですね。男性からは便利だなとかうらやましいとかそういう反応が多いんですけど」
「魅了で気を惹くのはあんまり楽しくない気がする……」
俺の呟きに、フィーが過去を追想するような遠い目をする。
「11、12歳くらいでしたかね、わりと力を制御できるようになって。それなりに自然で普通の人間関係を築けるようになりましたよ」
望まないハーレム、望まない愛に囲まれること……やっぱりどう想像しても地獄だな。フィーを支える心の柱についただろう切り傷とひびに思いを馳せる。フィーは強いな。
「たとえ無意識に力を使っていたとしてもさ、それも含めてフィーの魅力で、フィー自身が得たものなんじゃないかなぁ。だって子供のころの魔力なんてたかが知れてるっていうか、そんなに強くはないんでしょ?」
フィーがぱちぱちと音がしそうなほど目を瞬いた。
「母と同じことを言うんですね、アキ様は」
「えっ?」
「この力も私の個性の一部で……それにどの親も自分の子供には多かれ少なかれ魅了されてるもんだって。そう言いつつ、きっちり防御魔法使ってましたけど」
「いや、良いこと言うよ……さすがフィーのお母さん。赤ちゃんが黒目がちで可愛い容姿なのは親に愛されるためだし、子供が周りの人に愛されようとするのは本能だしね。フィーだけが特別じゃないよ」
子供がかわいがられることなんて当たり前なのに、それを疑わざるを得ないなんてどんなにつらいことだっただろう。フィーがこんなふうに笑えるように育って、ほんとによかった。きっと周囲の人に恵まれてたんだろうな。
俺が安堵のため息をつくと、フィーが苦笑する。
「参りましたね。なんだかぺらぺらと……忘れてください。面白くもない話です」
「えーもっと聞きたいくらいなのに。なんか旅路でこういう場所歩いてると開放的な気分になるよね、人間って。焚火を囲むと人と人が近しくなって色々話したくなる、みたいなさ」
「ありますね……」
しみじみ同意したフィーがふと足を止めて後方のウィアルの方を振り返る。
それから少し硬い表情で空を見上げてつぶやいた。
「何か来ますね」
フィーの視線をたどって空を見上げると、澄み渡った青空の彼方に黒い点のようなものがいくつかあって、それがたぶんものすごいスピードでこちらに近づいてきているのが見えた。
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