暗殺ヘン 〜聞き屋番外編〜

はやしまさひろ

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 世間の流れがどんなに変わったとしても、正直俺には興味がない。哀しいけれどそれが現実なんだ。
 俺はもう退屈でどうにかなりそうだった。事件性のある会話が全く来ないのはいいとしてもだ。あいつへと繋がる情報が待てど暮らせど来ないんだよ。
 正直俺は何度もその側近に連絡を取ろうとしては我慢をしていた。
 それもまぁ、もうすぐ報われるんだろうな。遠目からでも分かる雰囲気。奴が来たってことは、そういうことだ。
 駅と一体化しているデパートの裏口から姿を表した奴は、その瞬間から物凄い存在感を示していた。その姿に目を奪われたのは俺だけじゃあない。その瞬間に道行く多くの者が振り返っていた。
 これを受け取って下さいと、奴は裸のままの小切手を手渡した。
 それほど大きな額ではなかったが、場所はわきまえてほしいものだ。せめてみんなと同じように封筒にくらいは入れるべきだよ。前回来た時はそうだったしな。
 まぁ、状況が違うってことだ。
 まだ完全ではないけれど、奴らの思惑通りにことは進んでいる。余裕の態度なんだろうな。今まで隠していた存在感を存分に発揮しているのもその証だ。
 姿形は変わらないのに、不思議だよな。俳優のオンオフがこんな感じなのかも知れないと思ったよ。まぁ、俺の知っている有名人でそんな芸当ができる奴はいないがな。そこそこのスターを知っているが、オンもオフも変わらず存在感がダダ漏れだ。
 奴は決して座らない。俺を見下ろすのが好きなようだ。
 それで、計画通りにことは進んだってことか?
 見上げながらそう言う俺を、奴は嘲笑するかのよな表情を浮かべてこう言った。
 あなたの助言通りに行動をしただけですよ。あなたはやっぱり期待以上でした。
 褒められるってのは嬉しいものだ。
 けれどまぁ、素直に笑顔なんて見せやしない。
 ・・・・で、あいつはどうなっている? 今回の仕掛けは理解した。だがあいつをどうするつもりだ? まさかこのままってわけはないだろうな?
 奴は俺を嘲笑うのが好きなようだ。街行く女子はそんな奴の表情をウットリ眺めているけれど、俺にとっては寒気しか感じない。
 そこは任せて下さいよ。あの顔にピンと来ないなんてあなたらしくありませんね。まぁ、あの表情では無理もありませんが。
 ぅん? テレビ画面で見た犯人への違和感。その答えがその言葉だってことは気が付きたが、あれは誰だ? 俺はそんな助言はしていない。
 きっともうすぐ、全てを理解する日がきます。まぁ、その日まで妄想を膨らませて待つのも粋ですよ。
 ふんっ・・・・ なかなかに面白い奴だよ。立場がなければ友達にもなれたことだろうな。
 この次は是非私服で参りたいと思います。そのときはそこの隣に座りたいものですね。
 俺はほんの少し目を見開いてから頬を緩ませて頷いた。
 では! なんて言いながら右手を軽く上げる仕草まで絵になる。キャアーなんていう悲鳴が聞こえてくる程だよ。全く、絵になる奴ってのは憎いものだ。
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