性に関する幾つかの話

spikered

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第十一話

部屋の窓から

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 俺の部屋は駅通りに面したアパートの二階だ。窓から下を見下ろすと、駅まで50メートルほどの通りが見渡せる。
 俺は暇があるとここから通りを見下ろし、妄想に耽る。

 今日も駅からこちらに歩いてくる女性が視界に入った。歳は二十代後半だろうか、細身のジーンズにパンプス、上には白いシャツと軽い感じの麻ジャケット。ショートヘアの似合う美人だ。

 俺は脳内で彼女を弄ぶ。まずはそのジャケットを脱がせよう。二人きりの密室で、彼女にジャケットを脱ぐように指示する。彼女は俺を睨みながらジャケットを脱ぎ捨てる。
 次に俺は、ジーンズを脱ぐよう命じる。同じように彼女は俺を睨みつけながらジーンズを下ろし、パンプスとともに脱ぎ捨てる。
 俺は彼女の両手首を頭上で柱に縛り付け、そこから動けなくする。
「何するのよ。辞めてよ、変態。」
「辞めないよ、変態だから。」
 そう言いながら俺は彼女の正面に立ち、シャツの前をはだけて豊かな胸を露わにする。綺麗な形をした乳房と彼女の声が恐怖で震えるのを感じ、俺は興奮する。
 俺はそれ以上彼女には触れず、数センチの距離を保って彼女を匂いを嗅ぐ。安っぽい香水など遠く及ばない、少し汗ばんだ彼女の腋の下の香りを嗅ぎながら張り詰めた逸物をしごく。
「あんた、おかしいんじゃないの!変態!キチガイ!」
「そうだ、その、恐怖と嫌悪に満ちた歪んだ顔が見たいんだ。もっと嫌がってくれ、もっと罵ってくれ。」
罵られれば罵られるほど、俺は興奮する。そして俺を見る目が嫌悪に満ちているほど俺の逸物は張り詰める。
 もうすぐそこまで絶頂は来ている。俺は彼女の脇の下をペロリとひと舐めする。
「いゃぁー!」
少ししょっぱい味とともに、彼女の悲鳴とも泣き声とも取れる声が鼓膜を震わせ、俺は絶頂し、その迸りを彼女の太腿へ…

 脳内で射精したのと同じように俺は、予め被せていたスキンの中へ射精した。

 脳内の犯罪を咎める法律はない。実行動に移さなければ、どんな妄想だって自由だし、それを制限される事はない。

 俺は窓の下を眺めながら、今日も妄想で女を凌辱する。
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