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第一章 隣の部屋に住む人は
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無意識に息を止めてその画面をじっと見つめると、ゆきは突然誰だか分かった。
「目雲さん!」
乱れた髪とわずかに見えた紺の服。数時間前に見たばかりの姿がフラッシュバックした。
急いで玄関を開けると、間違いなく目雲がそこにいた。
「どうしたんですか目雲さん!」
声量は控えながらも、驚きは隠せなかった。
「いた」
ゆきを見るとそのまま壁にもたれるように体を支えた目雲はひどく汗をかいていたようで、前髪が濡れている。靴も履かず裸足のままだ。
「何かあったんですか?」
荒い呼吸で異常事態なのはゆきにも伝わったが、表情はうつろで視線はゆきを捉えてはいるようだが、どこか実感が伴っていない感じもした。
「なにか、……こわいもの、あったきがする、んですけど」
間延びした話し方で、目雲はついさっきのことだろうに、遠い記憶探るように首を傾げる。
「もしかして寝ぼけてます?」
ゆきは敢えてそんな言い方をした。寝ぼけるよりはもっと緊迫した状態であり、冷静さを失っていると分かってはいたが、深刻に感じさせたくなくてわざと軽い表現を取った。
「ねぼける、ゆめ」
「夢みたんですか? 怖い夢?」
「わからない」
それでも、顔色も悪く、意識が不鮮明な様子に、ここまでくれば乗りかかった船だと、もう少し面倒を見ることにした。
「とりあえずお家に帰りましょう」
促すと、支える必要そうもなく力なさげながらも意外にも足取りはしっかりしていた。
「番号押せますか?」
これで押せなかったら、どうしようかと思ったが、目が覚めてきたのか目雲は慣れた手つきでドアを開けて見せた。
これは大丈夫かとゆきが思った矢先、玄関で足を絡ませてよろけている。
歩く力は戻ってきているようだが、まだふらつきは残っている様子だった。
促すようにしてソファーに座らせると、ゆきはその横ではなく、足元の少しずれた床に座った。
「眠れそうですか?」
お互い立っている時の身長差よりもわずかばかり近くなり、目雲に下を向かれてもゆきは顔色を窺いやすい。
「ねむ、ります」
目雲の言葉は普段と明らかに違い、怯えを隠しているような、戸惑っているような、そんな雰囲気をゆきに感じさせた。
それでも、ゆきはそれをあえて受け取らず、穏やかに笑顔をのせる。
「ゆっくり休みましょう」
視線をさ迷わせて何か考えたのか、口を片手で覆い、もう片方の手をソファーについて体を前かがみにさせる。
そしてわずかに震えている。
「気持ち悪くなりましたか?」
とっさに近くに落ちていたビニール袋を差し出したが、せき込むだけで戻しはしなかった。
ゆきは隣に座り目雲の背中をさすりながら乱雑な部屋もこういう時は悪くないなと、場違いなことを考えていた。
目雲が何を想像したのかは知り得なかったが、全然大丈夫ではないとだけはゆきにも分かった。
すぐに咳は治まったが、頭を抱え震えが止まらない様子に部屋が肌寒いことに気が付く。
もっと早く部屋を暖かくしてあげれば良かったと、冷静じゃない自分をゆき自身が思い知る。
だから自分も落ち着かせるためにも、できるだけ明るい声で努めてゆっくり話すことにする。
「エアコンつけましょうか」
見当たらないリモコンをそこら辺のものをかき分けて探し始める。目雲のことだから変なところにはやっていないだろうという予想のもとに探す。
ゆきのその様子も気にならないほど、目雲は下を向いたまま震えている。
少ししてエアコンの下に積まれた服の中から見つけ出したリモコンで暖房を点け、リモコン自体は分かりやすいように、ローテーブルの上に置いた。
ゆきはついでに寝室から毛布を持ってきて目雲の肩にかける。開け放たれたままのその部屋にもう遠慮は流石にしなかった。
目雲の様子を伺うと気持ち悪いというよりは、思い出すと不快なことがあるのだと思ったゆきは気分を変える方法を探しながら背中をさすって、少しでも震えが治まるのを待つ。
ようやく落ち着いてきた目雲を感じ、ゆきは声を掛ける。
「何かあたたかいものでも飲みましょうか」
横に座って問いかければ、目雲はようやく顔を上げた。
「あたたかいもの」
言葉はまだはっきりしない。
「ホットミルクか、ハーブティーか、何も食べてないならコーンスープとかも良いかもしれません。気持ち悪いならやめておいた方がいいとも思いますけど、どうですか?」
まだ虚ろさの残る瞳がゆきを見つめ、そのまま考え込んで答えを探す。背中をさすりながら、それをゆきは待った。
少し時間が掛かったが、目雲はそっと答えを出した。
「……コーンスープ」
ゆきはにっこり微笑む。
「ちょっと部屋から持ってきますね、マグカップはお借りしてもいいですか?」
「……どうぞ」
「キッチン失礼しますね」
立ち上がり、キッチンの食器棚からマグカップを見つけ、ついでにお湯を沸かせないか見渡すとおしゃれな電気ケトルを見つける。
「お湯沸かしてもいいですか?」
キッチンのカウンターから問いかければ、目雲が答える。
「はい」
水を入れて、スイッチを押して行く。
「ではちょっと行ってきます。戻ってきたらチャイム鳴らす方がいいですか? それとも前みたいにカードキー借りていった方が楽ですか?」
「カードキーを」
警戒するのも今更だと諦めたのか、それとも少しも動けない程なのか。
多分後者だろうなと、ゆきは目雲の状態をみて思う。
「ではちょっとお借りしていきます」
夕方置いておいたままのカードキーが役に立った。
部屋に戻りストックしているインスタントのコーンスープの素と、ついでに自分のために愛用のストールを持って戻ると、目雲はどこを見るともなくぼーっとしていた。
「カードキーはシューズボックスの上に置いておきますね」
「はい」
ゆきはカードキーを戻すと、ストールをソファーの近くに置いて、しっかり手を洗ってからキッチンですでに沸いていたお湯でスープを作る。スプーンを見つけ出してかき混ぜながら、整理整頓が上手な人なんだとしみじみ思っていた。
見つけたい物がすぐに見つかる。エアコンのリモコンは例外だったが、整えられている場所なら本当に簡単だった。だからこそ、ここのところの大変さがまた感じられてしまった。
「まだ熱いので、ちょっと冷ましますね」
火傷しないように手渡しはせず、わざとローテーブルにマグカップを置いた。
目雲の体の震えは止まっているようだったが、手はまだ少し震えているようにゆきには見えた。
「まだ寒いですか?」
ゆきは最初に座ったように、ソファーではなくその前の床に腰を下ろす。
「寒くはないと思います」
さっきよりは言葉に覇気が出てきたようで、ゆきはもう何度目かになる安心をした。
ゆきはストールを手繰り寄せ自分の膝に掛けると、マグカップに刺したままのスプーンで時々かき混ぜながら、特にしゃべることはしなかった。
エアコンの稼働音と目雲の静かな深呼吸とカップに小さくスプーンが当たる音。
聞くともなしにゆきは耳を傾ける。
湯気が見えなくなるくらいになるまで、そうしていた。
「そろそろ大丈夫かもしれません」
「はい」
湯気の落ち着いたカップを渡す前にゆきは立ち上がった。
「飲みやすいように、毛布は膝に掛けなおしましょう」
目雲はゆきがそうすることを素直に受け入れ、そのあとも差し出されたマグカップを両手でしっかり受け取った。
「まだ熱いかもしれないので気を付けてくださいね」
「ありがとうございます」
慎重に口をつけるのをゆきは見守る。
「おいしいです」
「良かった、このコーンスープの素、美味しいんですよ」
ゆきはそれからはローテーブルの方に体を向けて、目雲の方は見ないように静かに座っていた。
「すみませんでした」
背後からの声にゆきはゆっくり振り返った。
「どうしました?」
ちょうどゆきの目線の高さにある無地のマグカップは目雲の膝の上で暖を取るように両手で包まれている。
「パニックを起こしてしまったようです」
ゆきが見上げた顔は血の気が通い始めたのか僅かに色が戻り、普段の自分を取り戻した目雲はあまり表情に出さなかったが今度は別の意味で後悔しているようだった。
「パニックですか」
「夜分に突然インターフォンを鳴らすなんて、大変失礼なことをしました」
ゆきは顔の前で手を振って、大丈夫だと示す。
「驚きましたけど、目雲さんが無事だったなら良かったですよ」
「すみません」
どこか項垂れて見える目雲にゆきは少し話をすることにした。
励ますというよりは気がまぎれるように。
体を目雲の方に向けて、不快そうならばすぐに話を止められるようにしっかり顔を見ながら、できるだけ安らかな口調を心掛けた。
「よく起こすんですか?」
「この頃はなくなっていましたし、以前もほんの数回だけです。疲労の蓄積が原因だと思います」
落ち着いていると目雲の表情はあまり変わることがない。いつも通り声も全く棘はないが感情の感じづらいものだ。
これでこそ普段通りだと、ゆきにはその方が安心材料になった。
「めまいとかもそのせいで?」
「自律神経の乱れと完全にストレスだろうと診察を受けています。改善するには規則正しい生活を送り、ストレスをなくすことが一番だそうです」
「簡単じゃないですね。今すぐ命が危険な病気じゃないことだけはちょっと安心しました」
「ご心配をおかけしました」
「お仕事調整できるといいですね」
もとより深く聞き出すつもりもないゆきは忙しいと思っている仕事のことだけを口にした。
目雲も素直に頷く。
プライベートでもっと深刻な悩みを抱えている可能性も当然ゆきにも分かっているが、それはゆきが首を突っ込むことではないし、話だけ聞いても何もできることはない。隣に住むだけのゆきは困った時に少し手助けするだけがきっと目雲にもいい関係だろうと、ゆきはそれ以上何も言うことはなかった。
「目雲さん!」
乱れた髪とわずかに見えた紺の服。数時間前に見たばかりの姿がフラッシュバックした。
急いで玄関を開けると、間違いなく目雲がそこにいた。
「どうしたんですか目雲さん!」
声量は控えながらも、驚きは隠せなかった。
「いた」
ゆきを見るとそのまま壁にもたれるように体を支えた目雲はひどく汗をかいていたようで、前髪が濡れている。靴も履かず裸足のままだ。
「何かあったんですか?」
荒い呼吸で異常事態なのはゆきにも伝わったが、表情はうつろで視線はゆきを捉えてはいるようだが、どこか実感が伴っていない感じもした。
「なにか、……こわいもの、あったきがする、んですけど」
間延びした話し方で、目雲はついさっきのことだろうに、遠い記憶探るように首を傾げる。
「もしかして寝ぼけてます?」
ゆきは敢えてそんな言い方をした。寝ぼけるよりはもっと緊迫した状態であり、冷静さを失っていると分かってはいたが、深刻に感じさせたくなくてわざと軽い表現を取った。
「ねぼける、ゆめ」
「夢みたんですか? 怖い夢?」
「わからない」
それでも、顔色も悪く、意識が不鮮明な様子に、ここまでくれば乗りかかった船だと、もう少し面倒を見ることにした。
「とりあえずお家に帰りましょう」
促すと、支える必要そうもなく力なさげながらも意外にも足取りはしっかりしていた。
「番号押せますか?」
これで押せなかったら、どうしようかと思ったが、目が覚めてきたのか目雲は慣れた手つきでドアを開けて見せた。
これは大丈夫かとゆきが思った矢先、玄関で足を絡ませてよろけている。
歩く力は戻ってきているようだが、まだふらつきは残っている様子だった。
促すようにしてソファーに座らせると、ゆきはその横ではなく、足元の少しずれた床に座った。
「眠れそうですか?」
お互い立っている時の身長差よりもわずかばかり近くなり、目雲に下を向かれてもゆきは顔色を窺いやすい。
「ねむ、ります」
目雲の言葉は普段と明らかに違い、怯えを隠しているような、戸惑っているような、そんな雰囲気をゆきに感じさせた。
それでも、ゆきはそれをあえて受け取らず、穏やかに笑顔をのせる。
「ゆっくり休みましょう」
視線をさ迷わせて何か考えたのか、口を片手で覆い、もう片方の手をソファーについて体を前かがみにさせる。
そしてわずかに震えている。
「気持ち悪くなりましたか?」
とっさに近くに落ちていたビニール袋を差し出したが、せき込むだけで戻しはしなかった。
ゆきは隣に座り目雲の背中をさすりながら乱雑な部屋もこういう時は悪くないなと、場違いなことを考えていた。
目雲が何を想像したのかは知り得なかったが、全然大丈夫ではないとだけはゆきにも分かった。
すぐに咳は治まったが、頭を抱え震えが止まらない様子に部屋が肌寒いことに気が付く。
もっと早く部屋を暖かくしてあげれば良かったと、冷静じゃない自分をゆき自身が思い知る。
だから自分も落ち着かせるためにも、できるだけ明るい声で努めてゆっくり話すことにする。
「エアコンつけましょうか」
見当たらないリモコンをそこら辺のものをかき分けて探し始める。目雲のことだから変なところにはやっていないだろうという予想のもとに探す。
ゆきのその様子も気にならないほど、目雲は下を向いたまま震えている。
少ししてエアコンの下に積まれた服の中から見つけ出したリモコンで暖房を点け、リモコン自体は分かりやすいように、ローテーブルの上に置いた。
ゆきはついでに寝室から毛布を持ってきて目雲の肩にかける。開け放たれたままのその部屋にもう遠慮は流石にしなかった。
目雲の様子を伺うと気持ち悪いというよりは、思い出すと不快なことがあるのだと思ったゆきは気分を変える方法を探しながら背中をさすって、少しでも震えが治まるのを待つ。
ようやく落ち着いてきた目雲を感じ、ゆきは声を掛ける。
「何かあたたかいものでも飲みましょうか」
横に座って問いかければ、目雲はようやく顔を上げた。
「あたたかいもの」
言葉はまだはっきりしない。
「ホットミルクか、ハーブティーか、何も食べてないならコーンスープとかも良いかもしれません。気持ち悪いならやめておいた方がいいとも思いますけど、どうですか?」
まだ虚ろさの残る瞳がゆきを見つめ、そのまま考え込んで答えを探す。背中をさすりながら、それをゆきは待った。
少し時間が掛かったが、目雲はそっと答えを出した。
「……コーンスープ」
ゆきはにっこり微笑む。
「ちょっと部屋から持ってきますね、マグカップはお借りしてもいいですか?」
「……どうぞ」
「キッチン失礼しますね」
立ち上がり、キッチンの食器棚からマグカップを見つけ、ついでにお湯を沸かせないか見渡すとおしゃれな電気ケトルを見つける。
「お湯沸かしてもいいですか?」
キッチンのカウンターから問いかければ、目雲が答える。
「はい」
水を入れて、スイッチを押して行く。
「ではちょっと行ってきます。戻ってきたらチャイム鳴らす方がいいですか? それとも前みたいにカードキー借りていった方が楽ですか?」
「カードキーを」
警戒するのも今更だと諦めたのか、それとも少しも動けない程なのか。
多分後者だろうなと、ゆきは目雲の状態をみて思う。
「ではちょっとお借りしていきます」
夕方置いておいたままのカードキーが役に立った。
部屋に戻りストックしているインスタントのコーンスープの素と、ついでに自分のために愛用のストールを持って戻ると、目雲はどこを見るともなくぼーっとしていた。
「カードキーはシューズボックスの上に置いておきますね」
「はい」
ゆきはカードキーを戻すと、ストールをソファーの近くに置いて、しっかり手を洗ってからキッチンですでに沸いていたお湯でスープを作る。スプーンを見つけ出してかき混ぜながら、整理整頓が上手な人なんだとしみじみ思っていた。
見つけたい物がすぐに見つかる。エアコンのリモコンは例外だったが、整えられている場所なら本当に簡単だった。だからこそ、ここのところの大変さがまた感じられてしまった。
「まだ熱いので、ちょっと冷ましますね」
火傷しないように手渡しはせず、わざとローテーブルにマグカップを置いた。
目雲の体の震えは止まっているようだったが、手はまだ少し震えているようにゆきには見えた。
「まだ寒いですか?」
ゆきは最初に座ったように、ソファーではなくその前の床に腰を下ろす。
「寒くはないと思います」
さっきよりは言葉に覇気が出てきたようで、ゆきはもう何度目かになる安心をした。
ゆきはストールを手繰り寄せ自分の膝に掛けると、マグカップに刺したままのスプーンで時々かき混ぜながら、特にしゃべることはしなかった。
エアコンの稼働音と目雲の静かな深呼吸とカップに小さくスプーンが当たる音。
聞くともなしにゆきは耳を傾ける。
湯気が見えなくなるくらいになるまで、そうしていた。
「そろそろ大丈夫かもしれません」
「はい」
湯気の落ち着いたカップを渡す前にゆきは立ち上がった。
「飲みやすいように、毛布は膝に掛けなおしましょう」
目雲はゆきがそうすることを素直に受け入れ、そのあとも差し出されたマグカップを両手でしっかり受け取った。
「まだ熱いかもしれないので気を付けてくださいね」
「ありがとうございます」
慎重に口をつけるのをゆきは見守る。
「おいしいです」
「良かった、このコーンスープの素、美味しいんですよ」
ゆきはそれからはローテーブルの方に体を向けて、目雲の方は見ないように静かに座っていた。
「すみませんでした」
背後からの声にゆきはゆっくり振り返った。
「どうしました?」
ちょうどゆきの目線の高さにある無地のマグカップは目雲の膝の上で暖を取るように両手で包まれている。
「パニックを起こしてしまったようです」
ゆきが見上げた顔は血の気が通い始めたのか僅かに色が戻り、普段の自分を取り戻した目雲はあまり表情に出さなかったが今度は別の意味で後悔しているようだった。
「パニックですか」
「夜分に突然インターフォンを鳴らすなんて、大変失礼なことをしました」
ゆきは顔の前で手を振って、大丈夫だと示す。
「驚きましたけど、目雲さんが無事だったなら良かったですよ」
「すみません」
どこか項垂れて見える目雲にゆきは少し話をすることにした。
励ますというよりは気がまぎれるように。
体を目雲の方に向けて、不快そうならばすぐに話を止められるようにしっかり顔を見ながら、できるだけ安らかな口調を心掛けた。
「よく起こすんですか?」
「この頃はなくなっていましたし、以前もほんの数回だけです。疲労の蓄積が原因だと思います」
落ち着いていると目雲の表情はあまり変わることがない。いつも通り声も全く棘はないが感情の感じづらいものだ。
これでこそ普段通りだと、ゆきにはその方が安心材料になった。
「めまいとかもそのせいで?」
「自律神経の乱れと完全にストレスだろうと診察を受けています。改善するには規則正しい生活を送り、ストレスをなくすことが一番だそうです」
「簡単じゃないですね。今すぐ命が危険な病気じゃないことだけはちょっと安心しました」
「ご心配をおかけしました」
「お仕事調整できるといいですね」
もとより深く聞き出すつもりもないゆきは忙しいと思っている仕事のことだけを口にした。
目雲も素直に頷く。
プライベートでもっと深刻な悩みを抱えている可能性も当然ゆきにも分かっているが、それはゆきが首を突っ込むことではないし、話だけ聞いても何もできることはない。隣に住むだけのゆきは困った時に少し手助けするだけがきっと目雲にもいい関係だろうと、ゆきはそれ以上何も言うことはなかった。
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