仁川路朱鳥詩集

仁川路朱鳥

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高3後半

幸福の規定

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世間一般的な幸福が人類全体の幸福であるとされる理由は普遍性からである。普遍の、不変であるふるいから落とされた者の幸せを満たすのは自身だけだ、他の誰も慰めようもない。
血液の世界では循環が原理である。だからこそ、何が幸せなことで、何で満たされるか、承諾しなければならない。
昨今、バッドエンドを許容できない地層も目に見える。
しかし、もしその死が、その者の幸せだったなら?
最初から死ぬために生きていたと言うのなら?
目を付け替えよう、意志の達成こそ幸福であるとしか言いようがない。達成したくない意志も立派に意志であるから。
自我と自我の触れ合いも、血液的には善いものとされているが、拒絶反応を起こしたならば別の幸せを探すだけだ。
幸福はリバーシブルな旗。
その気になれば難病をも幸福にし、健康をも不幸にできる。前提として問おう。

あなたの幸せは、なにによるものですか?
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