仁川路朱鳥詩集

社会人(成人)

巫顕ラプランシュ

乾いた魂が天に昇る、
スパッタリングで溢れ出る、
日めくりの亡霊をしとめ
手元の拳銃あなたに
ローズペタルを捧げます

─アイテールに穴を空けて
パッチ修正もしないとは─

灰と位牌を土に植え
ワスレナグサを挿木して
生を憂い、死を贈る
手を合わせてただ祈る
そんな日々はセピア色です、

ジャクソンポロックのように
さまざまな血液を散らしては
わたしはシャーマンではない、
かといって芸術家でもない、
苦しみを癒す術はありますか

─穴があったら入りたい、
アトミックを見てさえも？─

ただ無力だけを感じています
日めくりの中に囚われて、
有毒の海に浸かりすぎた
かつての友に、死を贈与する
苦しみを癒す術は正しいですか

滅びゆく故郷を見せないために
自分で滅ぼさせないためにも
罪を重ね着して
血の色に似たローズペタルを
手元の拳銃あなたに捧げます

わたしが亡霊に成り果てたら
誰がわたしを殺すでしょうか
拳銃あなたが、拳銃あなただけが、
わたしの生き様になってくれる

─太陽光パネルの失策が
水銀を海に混入させた
熱量は消え、命は消え、
正気でさえもなくなり、
アトミックに変化した
遺伝子のかたまりにて─

誰もが加害者で、誰もが被害者で
風見鶏のようにぐるぐる回る、
目まぐるしい関係には
熟年夫婦も振り回される、

ローズペタルがジャムになるなら
わたしの罪は許されるでしょうか
もしくは、そもそも、
罪が罪でなくなる日が、
この世界第3517世界線に訪れるでしょうか─