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“ね”のははし
むかしむかしの、お話です。
神様が動物たちに言いました。
「正月の朝、わたしの家にきたものから十二の年やろう」
それを聞いた鼠はすぐさま猫の元に行きました。
「やぁやぁ、猫さん。聞いたかい。神様か1月2日に十二番までに来た動物に、新しい年を任せてくれるそうだよ」
昼寝をしていて神様のお誘いを聞いていなかった猫に鼠は教えてあげました。
いたずら心で、わざと嘘をついて。
鼠の親切心に猫は感動しました。
まんまと騙された猫を見て鼠は心の中で笑っています。
それぞれが神様の元に行くため、準備を始めた頃。
「僕は足が遅いから、もう行かなくちゃ」
牛は星がキラキラと輝く時間に出発しました。
みんなからノロマとバカにされる牛は、陽が昇ってから出発しても遅いのです。
多くの動物がいるなかで十二番までに入るのは難しいこと。
牛は考えたのです。
よーいドンで駆け出したところで負けてしまう。勝つにはどうしたらいいのかを。
そんな様子を見ていた鼠がこっそりと牛の頭に隠れました。
なんともずる賢い鼠。何もしなくても牛が運んでくれます。
夜はまだまだ長い。鼠は眠りにつきました。
目が覚めると陽が昇っていて、今はどの辺かと周りを確認します。
神様の家はもうすぐでした。
神様の家に到着した瞬間
「運んでくれてありがとう」
鼠はぴょんっと飛び降りました。
どこからか現れた鼠は牛は大混乱。
ずっと頭の上にいたのに気付かなかったのです。
牛は二番になりました。
虎と兎は日の出とともに走り出しだしました。
二匹とも速いです。風を切ってぐんぐんと進みます。
ですが体の大きさ、前に進む一歩が違いするぎる2匹。兎との距離が開いていきます。
虎は三番、兎は四番。
一番だと思っていた虎は前の二匹のことを聞きました。
鼠と牛。
「牛に負けたのが悔しい」
いつもノロマとバカにしていた牛に負けたせいで、虎は牛を見ると噛み付くようになったのです。
ですが、そんな牛はみんなからノロマだけでなく、マヌケとも笑われるようになりました。
鼠が頭に乗っていることも知らずに、ゴールまで運んであげただけでなく、一番を取られたからです。
ノロマでマヌケだとバカにされました。
龍と蛇が到着です。
「お先にどうぞ」
蛇が龍に順番を譲ったので龍が五番、蛇が六番となりました。
蛇は順番に興味はありません。十二番までに入れたら良かったのです。
馬は道草を食べすぎて七番目。ご飯も食べすに出発したので、空腹には勝てませんでした。
羊は道に迷って八番目。普段から柵の向こう側に言ったことがないため、広い道は初めて。
右も左もわからないまま、前方に見つけた馬の後を追いました。
犬と猿は走りながら大喧嘩。毎日毎日、飽きもせず喧嘩ばかりの二匹。
今回だってどっちが先にゴールするかで揉めています。
あまりの激しさにだ誰も近づけません。
そんな二匹の間に鶏が入りました。第三者が入ることで、自然と喧嘩は収まります。
そうして猿、鶏、犬の順番になったのです。
最後に到着したのは猪。木の枝や葉っぱを体に付けていることから、一直線に走って来たのがわかります。
門を突き破る勢いでした。
十二匹の動物が勢揃い。
みんなは楽しく宴会をしました。
神様は特別な十二匹に干支を授け、十二支と呼ぶようになります。
名誉ある初めの年は、子。
牛は納得していませんでしたが、鼠が一番でゴールしたのも事実。
神様の決めたことには従うしかありません。
1月2日の朝、猫がやってきました。それはそれは嬉しそうに。
随分と遅い到着だと神様は呆れています。
「宴会は昨日で終わりだ」
猫は驚きました。
急いで来た道を戻ります。
鼠がいました。猫の顔を見るなり大声で笑います。
騙されていたとわかりました。
舌をべぇーと出してバカにする鼠に、猫は怒りのあまり体が震えます。
それからというもの、猫は鼠を追いかけるようになりました。
それは長きに渡り語り継がれてきた物語。
人間は口を揃えて言います。
猫が可哀想。鼠は卑怯。
みんな鼠を嫌っています。
とある2匹はそれを聞いてクスクスと笑っていました。
おかしいからです。
なぜなら、ねずみさんはねこさんに嘘をついていないし、ねこさんもねずみさんを嫌っていないからです。
ねずみさんのおさは、謝ってくれたからです。
嘘をついたことを。出来心だったとはいえ、あんなひどいことをするべきではなかったと、毎日、謝りにきました。
かみさまに十二支の選び直しをしてほしいと、お願いにも行ったとか。
ねこさんは自分が嫌われていなかった。そのことがわかっただけでもよかったのです。
きちんと謝ってくれたから、ねこさんはおさを責めることなく許しました。
もしも、猫が鼠を追いかけている姿を見たら、それは遊んでいるだけです。
決して嫌いだから、怒っているからではありません。
2匹は大の仲良しなのです。
誰が語った物語りなのか。2匹は不思議でたまりません。
さぁ、今年も子の年がやってきました。
ねことねずみ。今年はどちらの年か。それはまさに、“ね”のみぞ知る……。
神様が動物たちに言いました。
「正月の朝、わたしの家にきたものから十二の年やろう」
それを聞いた鼠はすぐさま猫の元に行きました。
「やぁやぁ、猫さん。聞いたかい。神様か1月2日に十二番までに来た動物に、新しい年を任せてくれるそうだよ」
昼寝をしていて神様のお誘いを聞いていなかった猫に鼠は教えてあげました。
いたずら心で、わざと嘘をついて。
鼠の親切心に猫は感動しました。
まんまと騙された猫を見て鼠は心の中で笑っています。
それぞれが神様の元に行くため、準備を始めた頃。
「僕は足が遅いから、もう行かなくちゃ」
牛は星がキラキラと輝く時間に出発しました。
みんなからノロマとバカにされる牛は、陽が昇ってから出発しても遅いのです。
多くの動物がいるなかで十二番までに入るのは難しいこと。
牛は考えたのです。
よーいドンで駆け出したところで負けてしまう。勝つにはどうしたらいいのかを。
そんな様子を見ていた鼠がこっそりと牛の頭に隠れました。
なんともずる賢い鼠。何もしなくても牛が運んでくれます。
夜はまだまだ長い。鼠は眠りにつきました。
目が覚めると陽が昇っていて、今はどの辺かと周りを確認します。
神様の家はもうすぐでした。
神様の家に到着した瞬間
「運んでくれてありがとう」
鼠はぴょんっと飛び降りました。
どこからか現れた鼠は牛は大混乱。
ずっと頭の上にいたのに気付かなかったのです。
牛は二番になりました。
虎と兎は日の出とともに走り出しだしました。
二匹とも速いです。風を切ってぐんぐんと進みます。
ですが体の大きさ、前に進む一歩が違いするぎる2匹。兎との距離が開いていきます。
虎は三番、兎は四番。
一番だと思っていた虎は前の二匹のことを聞きました。
鼠と牛。
「牛に負けたのが悔しい」
いつもノロマとバカにしていた牛に負けたせいで、虎は牛を見ると噛み付くようになったのです。
ですが、そんな牛はみんなからノロマだけでなく、マヌケとも笑われるようになりました。
鼠が頭に乗っていることも知らずに、ゴールまで運んであげただけでなく、一番を取られたからです。
ノロマでマヌケだとバカにされました。
龍と蛇が到着です。
「お先にどうぞ」
蛇が龍に順番を譲ったので龍が五番、蛇が六番となりました。
蛇は順番に興味はありません。十二番までに入れたら良かったのです。
馬は道草を食べすぎて七番目。ご飯も食べすに出発したので、空腹には勝てませんでした。
羊は道に迷って八番目。普段から柵の向こう側に言ったことがないため、広い道は初めて。
右も左もわからないまま、前方に見つけた馬の後を追いました。
犬と猿は走りながら大喧嘩。毎日毎日、飽きもせず喧嘩ばかりの二匹。
今回だってどっちが先にゴールするかで揉めています。
あまりの激しさにだ誰も近づけません。
そんな二匹の間に鶏が入りました。第三者が入ることで、自然と喧嘩は収まります。
そうして猿、鶏、犬の順番になったのです。
最後に到着したのは猪。木の枝や葉っぱを体に付けていることから、一直線に走って来たのがわかります。
門を突き破る勢いでした。
十二匹の動物が勢揃い。
みんなは楽しく宴会をしました。
神様は特別な十二匹に干支を授け、十二支と呼ぶようになります。
名誉ある初めの年は、子。
牛は納得していませんでしたが、鼠が一番でゴールしたのも事実。
神様の決めたことには従うしかありません。
1月2日の朝、猫がやってきました。それはそれは嬉しそうに。
随分と遅い到着だと神様は呆れています。
「宴会は昨日で終わりだ」
猫は驚きました。
急いで来た道を戻ります。
鼠がいました。猫の顔を見るなり大声で笑います。
騙されていたとわかりました。
舌をべぇーと出してバカにする鼠に、猫は怒りのあまり体が震えます。
それからというもの、猫は鼠を追いかけるようになりました。
それは長きに渡り語り継がれてきた物語。
人間は口を揃えて言います。
猫が可哀想。鼠は卑怯。
みんな鼠を嫌っています。
とある2匹はそれを聞いてクスクスと笑っていました。
おかしいからです。
なぜなら、ねずみさんはねこさんに嘘をついていないし、ねこさんもねずみさんを嫌っていないからです。
ねずみさんのおさは、謝ってくれたからです。
嘘をついたことを。出来心だったとはいえ、あんなひどいことをするべきではなかったと、毎日、謝りにきました。
かみさまに十二支の選び直しをしてほしいと、お願いにも行ったとか。
ねこさんは自分が嫌われていなかった。そのことがわかっただけでもよかったのです。
きちんと謝ってくれたから、ねこさんはおさを責めることなく許しました。
もしも、猫が鼠を追いかけている姿を見たら、それは遊んでいるだけです。
決して嫌いだから、怒っているからではありません。
2匹は大の仲良しなのです。
誰が語った物語りなのか。2匹は不思議でたまりません。
さぁ、今年も子の年がやってきました。
ねことねずみ。今年はどちらの年か。それはまさに、“ね”のみぞ知る……。
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