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第一章
たった一人の親友
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「アリー。早く行かないと遅刻しちゃうよ」
「こちらの女性は?」
「シャロン・ボニート伯爵令嬢です。私の友人です」
「違いますよ」
私の紹介にシャロンは首を横に振った。
まさかの友達だと思ってたの私だけ?ちょっと悲しい。
シャロンの否定は、私と友達であることが嫌だという拒絶じゃないとわかったのはすぐ。
「私はアリーの親友です。そう言ってくれたじゃない」
「そうだったわね」
その言葉にザワついた。
私の親友はヘレンではないのかと驚きの声が次々と上がる。
一番驚いているのはヘレン。約束をしたわけではないけど、親友の座は自分であると確信していた。
「もしかして昨日アリーが出掛けた理由ってボニート令嬢を親友と認めるため?」
声が震えている。冗談だと言って欲しそうだ。
友達と親友は全くの別物。
心を許し家族にも言えない秘密を教え合える存在を親友と呼ぶ。
そんな相手は一生に一人見つかるかわからないもので特別すぎる存在。特に未来の王妃となる私の親友には誰もがなりたいと思いながらも口に出す者はいない。
欲にまみれた人は、その時点で心を許せないからだ。
私が貴方達の秘密を知ったと悟られないためにもヘレンの言葉に便乗しておこう。
「そうよ。だってシャロンとは十年近くの付き合いだから」
「もしかしてご自分がアリーの親友になれるなんて勘違いしていたんですか?ジーナ令嬢」
図星だったのか急激に顔が赤くなる。悔しそうに歯を噛み締めながら助けてもらおうと私を見た。
つい昨日までは何があっても味方をしていたのに急に冷たくあしらい突き放すのは不自然。
その視線を遮るためシャロンが私達の間に立った。
「失礼ですがジーナ令嬢は成績はあまりよろしくないようですし、マナーもあまり…。侯爵家に居候しているのですから結果を出さないと恥をかくのはアリーであることを肝に銘じておいて下さい」
敢えて“居候”を強調した。
ここにいる誰もにわからせた。
ヘレンはあくまでもヘレン・ジーナであってヘレン・ローズではないと。
これで二度と私にその質問はされない。
ヘレンはいつか養女になるのかと。
ずっと困っていたのよね。それは当主であるお父様が決めること。私には決定権がないから笑って誤魔化していた。
周りからしてみれば未来の侯爵令嬢には媚びを売りたいけど、自分より下の階級には舐められたくない。ヘレンもそれには気付いていて、さりげなくお父様に訊ねていた。
望む答えをしなかったのはヘレンを迎え入れたときから養女にすると決めていた。それを私に知られたくないから「また今度」と先送りにしてきたのだ。
「言い過ぎだぞ、ボニート令嬢」
反論したのはエドガー。驚くことではない。
この状況でヘレンを庇うのは私を除けばエドガーだけ。
友達の距離を利用してさりげなくエドガーの腕にしがみつく。
便利な言葉ね。友達って。
普通ならあんな風に男性に触れるのはマナー違反。愛くるしい性格のヘレンは何度注意しても聞く耳を持たない。
友達ならこのぐらいの距離感は当たり前だと言って。
男性からしたら悪い気はなく鼻の下を伸ばす。
あまりキツく注意したら特技とも言える早泣きで目に涙を溜めて、大袈裟に被害者ぶってその場をやり過ごそうとする。
最初のうちは私も根気強く教えていたけど、日が経つにつれて段々と面倒になっていたのも事実。
言っても聞かないのに、何をそんなに注意しなければならないのか。
賢い貴族なら一度で理解してくれる。つまりはヘレンがおかしい。
ヘレンが賢くないのは周知の事実であり、先程もシャロンがそう述べた。
その発言に真っ先に反論するエドガーは、本当にヘレンのことしか見ていない。
「事実を申し上げただけです」
「たかが伯爵令嬢が調子に乗るなよ。そうやって階級の低いヘレンを見下しているのか?」
そういう貴方も伯爵位であるシャロンを見下しているのでは?
ヘレンが悪く言われたことで怒りを露わにするエドガーには好感が持たれる。
私にとってエドガーは誰にでも良い顔をする男だけど、他の人からしたら誰にでも平等な優しい王子様。その優しいエドガーが友達のために似合わないことをする姿は人の上に立つ貴族からしても尊敬するものがあるらしい。
エドガーの行動の一つ一つが実は、純粋な友情ではなく、純粋な愛情からだと知ったとき、彼女達はどんな反応をするのだろうか。
「エドガー。女性をそうやって威圧するな」
すっかり口を閉ざしたシャロン。
ディーは勘違いをしていてエドガーの気迫に圧されてシャロンが何も言えないのだと思い助け舟を出すように庇った。
庇うのがあとちょっと遅かったら、ヘレンの悪いとこダメなとこを息継ぎすることなく語ったいた。
それら全てはシャロンの意地悪なんかではなく、客観的に見た常識ある貴族令嬢なら誰もがシャロンに賛同するほど正しい意見。
拍子抜けしたシャロンはディーに恥をかかせないよう一歩下がった。
言い負かせることが出来たのにと多少不服そうではあるもののディーの顔をしっかりと立てた。
貴族には空気を読むことが大事で、シャロンはそれが出来る。
ディーは二人の親密さが友達にしては妙だと気付いた。
顔に出したわけではないけど私を見た一瞬の視線が全てを物語っていた。
相手がディーになった途端、エドガーの表情は明らかに変わり口の端が僅かに上がった。
あれは……バカにして見下して、大勢の前で醜態を晒してやろうという顔。
貴方の思い通りになんて、させるわけないでしょ。
「ごめんねシャロン。本当なら私がヘレンに言い聞かせなきゃいけないのに」
庇うことをせず、逆にシャロンを擁護する私の発言にヘレンのショックは隠せない。
「いいのよ。気にしないで。長く一緒にいると、言えないことの一つや二つ、あるものよ。そんなことよ、早く行こ。新学期早々遅刻なんて、ありえないわ」
これ以上は時間の無駄だと聞こえた。
その通りだし、このままだと遅刻してしまう。
どんな理由があろうとも遅刻は遅刻。評価が下がってしまう。
他の生徒も移動を始めた。
さて、私達も……。ディーは真面目な顔をして、守るように腰に手を回した。そっと抱き寄せられる。
無理やり感はなく不快にも思わない。
──このまま行くようね。
すれ違う生徒が珍しいものでも見たかのようなに振り返る。
ディーの性格上、目立つことはしないはずなのに。これではまるで浮かれているようにしか……。
まさか周囲に認知させるためにわざと?私がディーを選んだ事実に間違いがないとアピールしている。
仲の良いエドガーではなく会ったこともないディーを選ぶなんて他人からしたら間違いとしか思えない。
口で言うより行動で示したほうがより伝わりやすい。でも……。
やられてるほうは恥ずかしい。時間が経つにつれて思考が冷静になっていく。
──もういいんじゃないかな?
赤面なんて淑女にあるまじき行為。どうにか冷静を保ててはいるけど体に帯びた熱はディーに伝わっているはず。
心臓がいつもより早くて胸が苦しい。こんなこと初めて。
「騒がれるのが嫌だと思ってアリーが登校する前に生徒達に婚約の件を口にしないよう伝達したのですが迷惑だったでしょうか」
「とても助かります」
ディーがそんなことを。エドガーとは大違い。
私に気を遣うどころか上手い言い回しで噂を広めさせた。
おかげであまり関わりのなかった親戚が一斉に屋敷に押し掛けてきたりで大変。その原因を作った張本人は王宮でのんびり暮らしていた。
面倒で大変なことは私に丸投げ。気遣ったり心配する素振りもなく、手紙の一つも届いたことはない。
私もバカよね。利益のためとはいえあんな男を国王にしようとしていたなんて。
最悪の結果となってしまったけど。
「こちらの女性は?」
「シャロン・ボニート伯爵令嬢です。私の友人です」
「違いますよ」
私の紹介にシャロンは首を横に振った。
まさかの友達だと思ってたの私だけ?ちょっと悲しい。
シャロンの否定は、私と友達であることが嫌だという拒絶じゃないとわかったのはすぐ。
「私はアリーの親友です。そう言ってくれたじゃない」
「そうだったわね」
その言葉にザワついた。
私の親友はヘレンではないのかと驚きの声が次々と上がる。
一番驚いているのはヘレン。約束をしたわけではないけど、親友の座は自分であると確信していた。
「もしかして昨日アリーが出掛けた理由ってボニート令嬢を親友と認めるため?」
声が震えている。冗談だと言って欲しそうだ。
友達と親友は全くの別物。
心を許し家族にも言えない秘密を教え合える存在を親友と呼ぶ。
そんな相手は一生に一人見つかるかわからないもので特別すぎる存在。特に未来の王妃となる私の親友には誰もがなりたいと思いながらも口に出す者はいない。
欲にまみれた人は、その時点で心を許せないからだ。
私が貴方達の秘密を知ったと悟られないためにもヘレンの言葉に便乗しておこう。
「そうよ。だってシャロンとは十年近くの付き合いだから」
「もしかしてご自分がアリーの親友になれるなんて勘違いしていたんですか?ジーナ令嬢」
図星だったのか急激に顔が赤くなる。悔しそうに歯を噛み締めながら助けてもらおうと私を見た。
つい昨日までは何があっても味方をしていたのに急に冷たくあしらい突き放すのは不自然。
その視線を遮るためシャロンが私達の間に立った。
「失礼ですがジーナ令嬢は成績はあまりよろしくないようですし、マナーもあまり…。侯爵家に居候しているのですから結果を出さないと恥をかくのはアリーであることを肝に銘じておいて下さい」
敢えて“居候”を強調した。
ここにいる誰もにわからせた。
ヘレンはあくまでもヘレン・ジーナであってヘレン・ローズではないと。
これで二度と私にその質問はされない。
ヘレンはいつか養女になるのかと。
ずっと困っていたのよね。それは当主であるお父様が決めること。私には決定権がないから笑って誤魔化していた。
周りからしてみれば未来の侯爵令嬢には媚びを売りたいけど、自分より下の階級には舐められたくない。ヘレンもそれには気付いていて、さりげなくお父様に訊ねていた。
望む答えをしなかったのはヘレンを迎え入れたときから養女にすると決めていた。それを私に知られたくないから「また今度」と先送りにしてきたのだ。
「言い過ぎだぞ、ボニート令嬢」
反論したのはエドガー。驚くことではない。
この状況でヘレンを庇うのは私を除けばエドガーだけ。
友達の距離を利用してさりげなくエドガーの腕にしがみつく。
便利な言葉ね。友達って。
普通ならあんな風に男性に触れるのはマナー違反。愛くるしい性格のヘレンは何度注意しても聞く耳を持たない。
友達ならこのぐらいの距離感は当たり前だと言って。
男性からしたら悪い気はなく鼻の下を伸ばす。
あまりキツく注意したら特技とも言える早泣きで目に涙を溜めて、大袈裟に被害者ぶってその場をやり過ごそうとする。
最初のうちは私も根気強く教えていたけど、日が経つにつれて段々と面倒になっていたのも事実。
言っても聞かないのに、何をそんなに注意しなければならないのか。
賢い貴族なら一度で理解してくれる。つまりはヘレンがおかしい。
ヘレンが賢くないのは周知の事実であり、先程もシャロンがそう述べた。
その発言に真っ先に反論するエドガーは、本当にヘレンのことしか見ていない。
「事実を申し上げただけです」
「たかが伯爵令嬢が調子に乗るなよ。そうやって階級の低いヘレンを見下しているのか?」
そういう貴方も伯爵位であるシャロンを見下しているのでは?
ヘレンが悪く言われたことで怒りを露わにするエドガーには好感が持たれる。
私にとってエドガーは誰にでも良い顔をする男だけど、他の人からしたら誰にでも平等な優しい王子様。その優しいエドガーが友達のために似合わないことをする姿は人の上に立つ貴族からしても尊敬するものがあるらしい。
エドガーの行動の一つ一つが実は、純粋な友情ではなく、純粋な愛情からだと知ったとき、彼女達はどんな反応をするのだろうか。
「エドガー。女性をそうやって威圧するな」
すっかり口を閉ざしたシャロン。
ディーは勘違いをしていてエドガーの気迫に圧されてシャロンが何も言えないのだと思い助け舟を出すように庇った。
庇うのがあとちょっと遅かったら、ヘレンの悪いとこダメなとこを息継ぎすることなく語ったいた。
それら全てはシャロンの意地悪なんかではなく、客観的に見た常識ある貴族令嬢なら誰もがシャロンに賛同するほど正しい意見。
拍子抜けしたシャロンはディーに恥をかかせないよう一歩下がった。
言い負かせることが出来たのにと多少不服そうではあるもののディーの顔をしっかりと立てた。
貴族には空気を読むことが大事で、シャロンはそれが出来る。
ディーは二人の親密さが友達にしては妙だと気付いた。
顔に出したわけではないけど私を見た一瞬の視線が全てを物語っていた。
相手がディーになった途端、エドガーの表情は明らかに変わり口の端が僅かに上がった。
あれは……バカにして見下して、大勢の前で醜態を晒してやろうという顔。
貴方の思い通りになんて、させるわけないでしょ。
「ごめんねシャロン。本当なら私がヘレンに言い聞かせなきゃいけないのに」
庇うことをせず、逆にシャロンを擁護する私の発言にヘレンのショックは隠せない。
「いいのよ。気にしないで。長く一緒にいると、言えないことの一つや二つ、あるものよ。そんなことよ、早く行こ。新学期早々遅刻なんて、ありえないわ」
これ以上は時間の無駄だと聞こえた。
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どんな理由があろうとも遅刻は遅刻。評価が下がってしまう。
他の生徒も移動を始めた。
さて、私達も……。ディーは真面目な顔をして、守るように腰に手を回した。そっと抱き寄せられる。
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ディーの性格上、目立つことはしないはずなのに。これではまるで浮かれているようにしか……。
まさか周囲に認知させるためにわざと?私がディーを選んだ事実に間違いがないとアピールしている。
仲の良いエドガーではなく会ったこともないディーを選ぶなんて他人からしたら間違いとしか思えない。
口で言うより行動で示したほうがより伝わりやすい。でも……。
やられてるほうは恥ずかしい。時間が経つにつれて思考が冷静になっていく。
──もういいんじゃないかな?
赤面なんて淑女にあるまじき行為。どうにか冷静を保ててはいるけど体に帯びた熱はディーに伝わっているはず。
心臓がいつもより早くて胸が苦しい。こんなこと初めて。
「騒がれるのが嫌だと思ってアリーが登校する前に生徒達に婚約の件を口にしないよう伝達したのですが迷惑だったでしょうか」
「とても助かります」
ディーがそんなことを。エドガーとは大違い。
私に気を遣うどころか上手い言い回しで噂を広めさせた。
おかげであまり関わりのなかった親戚が一斉に屋敷に押し掛けてきたりで大変。その原因を作った張本人は王宮でのんびり暮らしていた。
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