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第一章
悪しき夜が明けるとき【sideなし】
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希代の悪女、アリアナ・ローズの死を受け入れられない一人の青年は、汚名を晴らすため信用のおける部下数人と秘密裏に調査を開始。
青年の味方となったのは同じく愛する家族を失ったロベリア公爵。
アリアナの侍女は死ぬ間際、匿名で公爵家に手紙を送っていた。
その内容は、証拠はないがアリアナは無実であると。信じて力を貸して欲しいと。殴り書きで記されていた。
娘を溺愛する公爵からすれば、この手紙だけで青年に協力する理由になる。
最も疑わしい人物は国母であったが、慎重に事を進めなければこちらの身が危ない。
アリアナの潔白を証明出来ずに死ぬのだけは避けたい青年達はまず、侍女を殺した犯人を捜すことにした。
金を積めば大抵の情報は買える。
裏路地にひっそりとかまえる小さな酒場は、“真実”となる噂が飛び交う。
酒に酔った男達はまるで武勇伝のように裁かれる己の罪を語っていた。
侯爵家の侍女に乱暴して殺すだけで一生遊んで暮らせる大金が手に入ったと。周りの人間も「羨ましい」と声を揃えて笑う。
乱暴をした男は侍女は殺すには惜しい体をしていたと、下世話な発言を次々と口にする。
怒りに震え男達を殺してしまいそうな公爵を制止したのは青年に仕える騎士。
その腕前は国でも上位に入るほど。下級貴族だった騎士は先代の王妃とその息子から蔑まれ、聞くに絶えない誹謗中傷を浴びせられていた。
騎士の心が荒まなかったのは青年の存在が大きい。青年がいなければ騎士は取り返しのつかない過ちを犯していただろう。
だからこそ剣に誓った。
主君を守ると。主君の大切な人を守ると。
その瞳に映っていた未来は大切な二人が幸せそうに笑う姿。
あんなにも色鮮やかだった世界はアリアナの死後、真っ赤な血の色しか映らなくなってしまった。
公爵の痛みと悲しみを誰よりもわかってしまう青年は、店から出た男達を襲った。
最初から決めていたのだ。
手を汚すのは自分だけでいいと。苦しみを我慢させないと。
公爵にはまだ家族がいる。その手を血で赤く染めることを青年は望まない。
話を聞くだけなら一人でいいと残りは殺してしまった。
あんなにも優しく温厚だった過去からは見違えるほど、青年は冷たい表情をするようになったのは己の無力さを恥じているから。
目の前で仲間が殺されたことにより、男は情けないことに泣きながら失禁していた。
なぜこの男は自分は誰にも殺されないなどと、おかしなことを思ったのか。
侍女を辱めただけでなく、無情にも殺し、晒したくせに。
命を欲した男はローズ家の次男に前金で十万リン、仕事が完了したのちに更に五十万リンを受け取ったことを白状した。
人を殺すのだ。数千や数万では割に合わないと考え、確実に実行させるために大金をチラつかせたのだろう。
平民なら一万リンでもあれば数ヵ月は暮らせる。物価が安いからだ。
合計で六十万リンも手にした平民は一瞬で大金持ち。
後々揉め事を起こさないように文書も作成されていて、男はまだその証拠を持っていた。
いずれ脅迫して更なる金を得る算段だったのだろう。
文書には次男のサインはもちろん、筆跡鑑定の結果、文書作成はローズ家の長男であることも判明。
証拠を渡したのだから命を助けてくれるのかと確認した矢先、いとも容易く青年の剣は男の首をはねた。
彼女達が受けた傷はこんな一瞬で終わるものではなかったのだ。
冷酷非情。青年は一刻の猶予も与えるつもりはない。
罪を犯した者は償わければならない。その命をもって。
そして……“密告者”によりローズ家が長きに渡り隠し続けてきた大罪が明るみに出た。
それからは早かった。
ローズ家の没落。
いくらでっち上げだと叫んでも、確固たる証拠は覆らない。無駄な抵抗をしてくる者もいたが、騎士としての在り方を忘れた外道に青年は負けない。
ローズ家の騎士は主が捕まると同時に、すぐさま降伏。人数だけなら圧倒しているが実力差がわからぬマヌケではなかった。
アリアナ処刑となった決定打でもある証拠。あれらは全てローズ家長兄が一人で調べ上げたもの。
何から何まで全てがアリアナが犯人であると示していた。
一つでも矛盾点があれば捜査はやり直しを余儀なくされる。そうならないための根回しも完璧だった。
その才能をもっと別のことで活かせば良かったと思うほどに。
だからこそ団員達は異議を唱えられなかった。証拠が完璧すぎたから。
犯人ではないと心の中では強く思っていても口には出せなかった。
彼らもまた同罪なのだと、何もしなかった罪を認めざるを得ない。
長兄に逆らえなかったことを騎士達は心底悔やむ。殺されてでも無実を訴えていれば……。
もしも騎士達にアリアナに対する懺悔が残っているなら、侯爵と次兄。そして夫人を捕まえるよう命令した。
長年、主として仕えてきた彼らをその手で捕らえることが彼らへの罰。
国母は懐妊と同時に暗殺。
愛する者の子供を宿し幸せの絶頂期に絶望へと叩き落とす。
生まれてくる命に罪はなくても、国王と国母の血を引いている時点で青年の復讐の対象となる。
苦しむ国母に「当然の報いだ」と吐き捨てる青年には優しさの欠片も見当たらない。
青年を知る者からしたら、そういう顔をするのだと想像もしていなかった。
青年は心の底から安堵していた。
こんな最低な醜い姿を見られないことに。
好きな人には綺麗な自分だけを見て欲しい。
血まみれの手でアリアナに触れずに済むことは救いであった。
それでも仲間にだけはいつもと以前と変わらぬ優しい笑顔を向けるのだから、この反乱にどれだけ懸けているかがよくわかる。
国王は民衆の前で全ての罪を暴かれ弁明の機会すら与えられず、ずっと見下してきた青年の手によって殺された。
国王派の貴族達も事件に関与している疑いから一族全員が斬首刑。
復讐に取り憑かれた青年を止めることは誰にも出来ず、半月ともたず国から半分の貴族が消えた。
無謀とも言えた反乱は大勝利を収めたのだ。
アリアナの無実を晴らした青年は英雄と称えられた。
能力はありながらも自分と国母のことを第一に優先する国王の支持率は歴代で最低だった。
先代国王と王妃もまた青年の手により生涯を終える。
王妃はともかく先代国王の命を奪うことはないと説得をされていたが、二人の間に親子としての絆はなく、この手で殺すことに躊躇いはなかった。
アリアナの死の大元を辿れば、責任は先代国王にある。
もっと厳しく国王を育てていれば。アリアナを婚約者に指名しなければ。
アリアナを……王族の人生に巻き込みさえしなければ、悪女などと罵られて死ぬことはなかった。
名誉が傷つくことはなく、今も生きて……。
国民からは次期国王にと声が上がったが、青年はその日を境に姿を眩ませた。
なれるわけがない。
例え民衆が国王の嘘に踊らされていただけだとしても、アリアナを悪女だと罵り死んで当然だと罵倒した国民を許せないでいるのだから。
国民の期待に応えない理由はもう一つあった。
国王になれば妃が必要となる。生涯、アリアナだけを愛する青年からすればそんなものは不要。
青年が愛したいのは、この世でたった一人の女性。
青年は全ての手配を終わらせていた。
王族の財産を使い平民達には隣国へと移り住めるよう隣国の王太子に掛け合ってくれていたのだ。
王太子も青年の頼みならばと快く引き受けてくれた。
こんなにも荒れ果てた国で平民が暮らすのは難しい。貴族の受け入れを要請しなかったのは、それが貴族の罰だから。国を再建し、隣国に移した平民を一人残らず呼び戻す。
国は死んでしまったが、幸いなことに貴族をまとめる発言力を持った者はいる。
時間はかかるかもしれないが、もう二度と同じ過ちを繰り返さない新しい国に生まれ変わる日がくると信じていた。
アリアナが眠る墓に青い花と一通の手紙が置かれている。
悪女と罵られたアリアナの墓は壊されて、ゴミが捨てられていたり幼稚な落書きがされていた。それが、この国の国民が信じた正義の在り方。
初めて訪れたとき、青年の目に映った悪意ある正義に揺らいでいた決心が固まった。
平民にも罰を与えなればならない、と。
処刑執行日、誰よりもアリアナを悪女と決めつけたのは平民。その彼らが何のお咎めもナシではアリアナも浮かばれない。
隣国は貴族も平民も魔法が使えることが必須。
魔法どころか魔力もない平民はさぞ、生きづらいだろう。
生活困難が強いられても自国に帰りたいと強く願う。
これでも妥協したほうだ。本当なら青年は、アリアナ処刑に関わった者だけでなく、アリアナの死を嘲笑った者も同罪。
何度殺してやろうと思ったことか。その度に冷静さを取り戻し、反乱の準備を進めた。
姿のない眠るアリアナに全てが終わったことを報告した。
青年が手を血で赤く染める前、アリアナの墓を綺麗に掃除した。死しても尚、笑い者にされる屈辱。
それらを変わってあげられない辛さに、青年のやるべきことは限られてくる。
反乱も国王への復讐も、アリアナのためと理由を掲げたが、本当は罪滅ぼし。
青年は自身の出生が良くないことから、生前のアリアナに想いを告げることなく遠くから見守るだけだった。
身を引くことがアリアナの幸せに繋がると信じていたから。
その結果がこれだ。
もしも青年に勇気があれば、最悪の事態は防げた。
何度も何度も懺悔を繰り返す。もう届かない青年の言葉は虚しく空に消える。
誰の声も聞こえないアリアナに青年は想いを告げることなく、一言「生まれてきてくれて、ありがとう」と感謝を口にした。
最後の最後まで青年は誠実だった。
その後の青年の生死は誰も知らない……。
青年の味方となったのは同じく愛する家族を失ったロベリア公爵。
アリアナの侍女は死ぬ間際、匿名で公爵家に手紙を送っていた。
その内容は、証拠はないがアリアナは無実であると。信じて力を貸して欲しいと。殴り書きで記されていた。
娘を溺愛する公爵からすれば、この手紙だけで青年に協力する理由になる。
最も疑わしい人物は国母であったが、慎重に事を進めなければこちらの身が危ない。
アリアナの潔白を証明出来ずに死ぬのだけは避けたい青年達はまず、侍女を殺した犯人を捜すことにした。
金を積めば大抵の情報は買える。
裏路地にひっそりとかまえる小さな酒場は、“真実”となる噂が飛び交う。
酒に酔った男達はまるで武勇伝のように裁かれる己の罪を語っていた。
侯爵家の侍女に乱暴して殺すだけで一生遊んで暮らせる大金が手に入ったと。周りの人間も「羨ましい」と声を揃えて笑う。
乱暴をした男は侍女は殺すには惜しい体をしていたと、下世話な発言を次々と口にする。
怒りに震え男達を殺してしまいそうな公爵を制止したのは青年に仕える騎士。
その腕前は国でも上位に入るほど。下級貴族だった騎士は先代の王妃とその息子から蔑まれ、聞くに絶えない誹謗中傷を浴びせられていた。
騎士の心が荒まなかったのは青年の存在が大きい。青年がいなければ騎士は取り返しのつかない過ちを犯していただろう。
だからこそ剣に誓った。
主君を守ると。主君の大切な人を守ると。
その瞳に映っていた未来は大切な二人が幸せそうに笑う姿。
あんなにも色鮮やかだった世界はアリアナの死後、真っ赤な血の色しか映らなくなってしまった。
公爵の痛みと悲しみを誰よりもわかってしまう青年は、店から出た男達を襲った。
最初から決めていたのだ。
手を汚すのは自分だけでいいと。苦しみを我慢させないと。
公爵にはまだ家族がいる。その手を血で赤く染めることを青年は望まない。
話を聞くだけなら一人でいいと残りは殺してしまった。
あんなにも優しく温厚だった過去からは見違えるほど、青年は冷たい表情をするようになったのは己の無力さを恥じているから。
目の前で仲間が殺されたことにより、男は情けないことに泣きながら失禁していた。
なぜこの男は自分は誰にも殺されないなどと、おかしなことを思ったのか。
侍女を辱めただけでなく、無情にも殺し、晒したくせに。
命を欲した男はローズ家の次男に前金で十万リン、仕事が完了したのちに更に五十万リンを受け取ったことを白状した。
人を殺すのだ。数千や数万では割に合わないと考え、確実に実行させるために大金をチラつかせたのだろう。
平民なら一万リンでもあれば数ヵ月は暮らせる。物価が安いからだ。
合計で六十万リンも手にした平民は一瞬で大金持ち。
後々揉め事を起こさないように文書も作成されていて、男はまだその証拠を持っていた。
いずれ脅迫して更なる金を得る算段だったのだろう。
文書には次男のサインはもちろん、筆跡鑑定の結果、文書作成はローズ家の長男であることも判明。
証拠を渡したのだから命を助けてくれるのかと確認した矢先、いとも容易く青年の剣は男の首をはねた。
彼女達が受けた傷はこんな一瞬で終わるものではなかったのだ。
冷酷非情。青年は一刻の猶予も与えるつもりはない。
罪を犯した者は償わければならない。その命をもって。
そして……“密告者”によりローズ家が長きに渡り隠し続けてきた大罪が明るみに出た。
それからは早かった。
ローズ家の没落。
いくらでっち上げだと叫んでも、確固たる証拠は覆らない。無駄な抵抗をしてくる者もいたが、騎士としての在り方を忘れた外道に青年は負けない。
ローズ家の騎士は主が捕まると同時に、すぐさま降伏。人数だけなら圧倒しているが実力差がわからぬマヌケではなかった。
アリアナ処刑となった決定打でもある証拠。あれらは全てローズ家長兄が一人で調べ上げたもの。
何から何まで全てがアリアナが犯人であると示していた。
一つでも矛盾点があれば捜査はやり直しを余儀なくされる。そうならないための根回しも完璧だった。
その才能をもっと別のことで活かせば良かったと思うほどに。
だからこそ団員達は異議を唱えられなかった。証拠が完璧すぎたから。
犯人ではないと心の中では強く思っていても口には出せなかった。
彼らもまた同罪なのだと、何もしなかった罪を認めざるを得ない。
長兄に逆らえなかったことを騎士達は心底悔やむ。殺されてでも無実を訴えていれば……。
もしも騎士達にアリアナに対する懺悔が残っているなら、侯爵と次兄。そして夫人を捕まえるよう命令した。
長年、主として仕えてきた彼らをその手で捕らえることが彼らへの罰。
国母は懐妊と同時に暗殺。
愛する者の子供を宿し幸せの絶頂期に絶望へと叩き落とす。
生まれてくる命に罪はなくても、国王と国母の血を引いている時点で青年の復讐の対象となる。
苦しむ国母に「当然の報いだ」と吐き捨てる青年には優しさの欠片も見当たらない。
青年を知る者からしたら、そういう顔をするのだと想像もしていなかった。
青年は心の底から安堵していた。
こんな最低な醜い姿を見られないことに。
好きな人には綺麗な自分だけを見て欲しい。
血まみれの手でアリアナに触れずに済むことは救いであった。
それでも仲間にだけはいつもと以前と変わらぬ優しい笑顔を向けるのだから、この反乱にどれだけ懸けているかがよくわかる。
国王は民衆の前で全ての罪を暴かれ弁明の機会すら与えられず、ずっと見下してきた青年の手によって殺された。
国王派の貴族達も事件に関与している疑いから一族全員が斬首刑。
復讐に取り憑かれた青年を止めることは誰にも出来ず、半月ともたず国から半分の貴族が消えた。
無謀とも言えた反乱は大勝利を収めたのだ。
アリアナの無実を晴らした青年は英雄と称えられた。
能力はありながらも自分と国母のことを第一に優先する国王の支持率は歴代で最低だった。
先代国王と王妃もまた青年の手により生涯を終える。
王妃はともかく先代国王の命を奪うことはないと説得をされていたが、二人の間に親子としての絆はなく、この手で殺すことに躊躇いはなかった。
アリアナの死の大元を辿れば、責任は先代国王にある。
もっと厳しく国王を育てていれば。アリアナを婚約者に指名しなければ。
アリアナを……王族の人生に巻き込みさえしなければ、悪女などと罵られて死ぬことはなかった。
名誉が傷つくことはなく、今も生きて……。
国民からは次期国王にと声が上がったが、青年はその日を境に姿を眩ませた。
なれるわけがない。
例え民衆が国王の嘘に踊らされていただけだとしても、アリアナを悪女だと罵り死んで当然だと罵倒した国民を許せないでいるのだから。
国民の期待に応えない理由はもう一つあった。
国王になれば妃が必要となる。生涯、アリアナだけを愛する青年からすればそんなものは不要。
青年が愛したいのは、この世でたった一人の女性。
青年は全ての手配を終わらせていた。
王族の財産を使い平民達には隣国へと移り住めるよう隣国の王太子に掛け合ってくれていたのだ。
王太子も青年の頼みならばと快く引き受けてくれた。
こんなにも荒れ果てた国で平民が暮らすのは難しい。貴族の受け入れを要請しなかったのは、それが貴族の罰だから。国を再建し、隣国に移した平民を一人残らず呼び戻す。
国は死んでしまったが、幸いなことに貴族をまとめる発言力を持った者はいる。
時間はかかるかもしれないが、もう二度と同じ過ちを繰り返さない新しい国に生まれ変わる日がくると信じていた。
アリアナが眠る墓に青い花と一通の手紙が置かれている。
悪女と罵られたアリアナの墓は壊されて、ゴミが捨てられていたり幼稚な落書きがされていた。それが、この国の国民が信じた正義の在り方。
初めて訪れたとき、青年の目に映った悪意ある正義に揺らいでいた決心が固まった。
平民にも罰を与えなればならない、と。
処刑執行日、誰よりもアリアナを悪女と決めつけたのは平民。その彼らが何のお咎めもナシではアリアナも浮かばれない。
隣国は貴族も平民も魔法が使えることが必須。
魔法どころか魔力もない平民はさぞ、生きづらいだろう。
生活困難が強いられても自国に帰りたいと強く願う。
これでも妥協したほうだ。本当なら青年は、アリアナ処刑に関わった者だけでなく、アリアナの死を嘲笑った者も同罪。
何度殺してやろうと思ったことか。その度に冷静さを取り戻し、反乱の準備を進めた。
姿のない眠るアリアナに全てが終わったことを報告した。
青年が手を血で赤く染める前、アリアナの墓を綺麗に掃除した。死しても尚、笑い者にされる屈辱。
それらを変わってあげられない辛さに、青年のやるべきことは限られてくる。
反乱も国王への復讐も、アリアナのためと理由を掲げたが、本当は罪滅ぼし。
青年は自身の出生が良くないことから、生前のアリアナに想いを告げることなく遠くから見守るだけだった。
身を引くことがアリアナの幸せに繋がると信じていたから。
その結果がこれだ。
もしも青年に勇気があれば、最悪の事態は防げた。
何度も何度も懺悔を繰り返す。もう届かない青年の言葉は虚しく空に消える。
誰の声も聞こえないアリアナに青年は想いを告げることなく、一言「生まれてきてくれて、ありがとう」と感謝を口にした。
最後の最後まで青年は誠実だった。
その後の青年の生死は誰も知らない……。
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