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《第一章:価値ゼロ追放から始まる、世界核錬金術師レオンの逆転劇》
第4話 本編:封印文書と王国の影
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リーテとの戦闘を終えたあと、俺は北部の廃鉱を離れ、
さらに奥地へと続く古い街道へ足を進めていた。
目的はひとつ──
“世界核素材”に関する正確な情報を得ること。
王国の記録庫には、世界核についての古文書があるはずだ。
追放された身ではあるが、錬金術師団の下っ端として働いていた頃、
その存在だけは何度か耳にした。
(記録庫そのものは強固な警備だが、王城の外に“副次保管庫”がある)
そこに向かうため、俺は森の中を抜ける。
途中、小さな村に立ち寄った。
村人が怯えた顔で話す。
「……空が、昨日から二度も揺れたんだ。
まるで世界が、軋んでるような……」
(やはりか。世界核の不均衡が始まっている)
王国が盗んだ素材。
最適化教団のゼロが狙っていた“紅核石”。
二つが動けば、世界の理に乱れが出て当然だった。
「村に害は?」
「今のところは……だが、動物たちが妙に暴れてな……」
(世界核の波動に反応しているのだろう)
俺は村に短時間の防壁陣を描いて渡し、街道へ戻った。
◇
目的の副次保管庫は、山腹に隠されていた。
古い石造りで、天井までびっしりと封印術式が刻まれている。
(内部の文書は生半可な者では触れない。
だが俺は錬金術で、封印の構造を“逆算”できる)
試しに指を触れると、封印陣が淡い光を放ち、
俺の純度100%精製魔力を読み取り始めた。
「……やはり。俺の血筋に反応するのか」
以前から薄々気づいていた。
俺の精製能力は先天的で、王家に伝わる古い錬金術の血統と似ている。
封印陣が音もなく開き、中へ。
中は巨大な書架が並ぶ、半地下の書庫だった。
ここに世界核の本質が記されている“封印文書”があるはずだ。
──あった。
黒革の表紙に、世界核の紋章。
とてつもなく重い気配を放っている。
ページを開くと、血のような赤でこう記されていた。
【五核は世界律を成す。
一つを欠けば不安定となり、
二つが同時に動けば、世界は揺らぐ。
三つが争えば、世界は崩れる。】
(……やはり、今の状況は最悪に近い)
さらに続く。
【ただし、“純度100%の精製者”のみ、
世界核に直接触れても存在を保てる。
この血統は、王家の始祖から三代のみが継承し──
以降失われた。】
「……俺、なのか?」
俺は、どこかで嘲られてきた“落ちこぼれ”の意味を悟る。
【純度100%の精製は表面上の変化が乏しく、他者には理解されない。
ゆえに、継承者は迫害を受けやすい。】
(……だから俺は追放されたのか?
いや、王国は知らなかった。ただの無知か)
その時だった。
背後で、足音。
「やっと見つけたぜ、レオン」
振り向くと──
追放された錬金術師団の団長、カルトスが立っていた。
「その封印文書、渡してもらおうか。
世界核は王家が支配するべきだ」
背後には武装兵。
全員、殺気を隠していない。
(遅かったか)
だが、逃げ切るだけなら問題はない。
──俺には、世界核の力がある。
その瞬間、書庫が激しく揺れた。
「何だ!? これは……!」
封印文書が脈動し、外界から巨大な波動が押し寄せる。
世界が……また揺れた。
俺は覚悟を決め、叫んだ。
「紅核石が……起動されたんだ!!」
さらに奥地へと続く古い街道へ足を進めていた。
目的はひとつ──
“世界核素材”に関する正確な情報を得ること。
王国の記録庫には、世界核についての古文書があるはずだ。
追放された身ではあるが、錬金術師団の下っ端として働いていた頃、
その存在だけは何度か耳にした。
(記録庫そのものは強固な警備だが、王城の外に“副次保管庫”がある)
そこに向かうため、俺は森の中を抜ける。
途中、小さな村に立ち寄った。
村人が怯えた顔で話す。
「……空が、昨日から二度も揺れたんだ。
まるで世界が、軋んでるような……」
(やはりか。世界核の不均衡が始まっている)
王国が盗んだ素材。
最適化教団のゼロが狙っていた“紅核石”。
二つが動けば、世界の理に乱れが出て当然だった。
「村に害は?」
「今のところは……だが、動物たちが妙に暴れてな……」
(世界核の波動に反応しているのだろう)
俺は村に短時間の防壁陣を描いて渡し、街道へ戻った。
◇
目的の副次保管庫は、山腹に隠されていた。
古い石造りで、天井までびっしりと封印術式が刻まれている。
(内部の文書は生半可な者では触れない。
だが俺は錬金術で、封印の構造を“逆算”できる)
試しに指を触れると、封印陣が淡い光を放ち、
俺の純度100%精製魔力を読み取り始めた。
「……やはり。俺の血筋に反応するのか」
以前から薄々気づいていた。
俺の精製能力は先天的で、王家に伝わる古い錬金術の血統と似ている。
封印陣が音もなく開き、中へ。
中は巨大な書架が並ぶ、半地下の書庫だった。
ここに世界核の本質が記されている“封印文書”があるはずだ。
──あった。
黒革の表紙に、世界核の紋章。
とてつもなく重い気配を放っている。
ページを開くと、血のような赤でこう記されていた。
【五核は世界律を成す。
一つを欠けば不安定となり、
二つが同時に動けば、世界は揺らぐ。
三つが争えば、世界は崩れる。】
(……やはり、今の状況は最悪に近い)
さらに続く。
【ただし、“純度100%の精製者”のみ、
世界核に直接触れても存在を保てる。
この血統は、王家の始祖から三代のみが継承し──
以降失われた。】
「……俺、なのか?」
俺は、どこかで嘲られてきた“落ちこぼれ”の意味を悟る。
【純度100%の精製は表面上の変化が乏しく、他者には理解されない。
ゆえに、継承者は迫害を受けやすい。】
(……だから俺は追放されたのか?
いや、王国は知らなかった。ただの無知か)
その時だった。
背後で、足音。
「やっと見つけたぜ、レオン」
振り向くと──
追放された錬金術師団の団長、カルトスが立っていた。
「その封印文書、渡してもらおうか。
世界核は王家が支配するべきだ」
背後には武装兵。
全員、殺気を隠していない。
(遅かったか)
だが、逃げ切るだけなら問題はない。
──俺には、世界核の力がある。
その瞬間、書庫が激しく揺れた。
「何だ!? これは……!」
封印文書が脈動し、外界から巨大な波動が押し寄せる。
世界が……また揺れた。
俺は覚悟を決め、叫んだ。
「紅核石が……起動されたんだ!!」
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