ケルベロス

ケルベロス

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ファンタジー 連載中 長編
追放された最弱錬金術師レオン──彼が扱っていたのは、誰からも価値ゼロと笑われた“ゴミ石”。だがその正体は、世界の根を構成する最古の素材“世界核”だった。精製しても見た目が変わらないため才能なしと蔑まれ、役立たずとして王国から放逐されたレオン。しかし、追放の夜、盗まれた“ゴミ石”が純度100%へ戻った瞬間、世界そのものが揺れる。王国は無自覚のまま禁断の素材を手にし、さらに影では「最適化教団」と呼ばれる組織が世界核を強奪し、融合儀式を進めていた。 やがて起動された紅核石の暴走が王都を襲い、世界の理が崩れかける中、レオンは“純度100%の精製者”のみが触れられる世界核の真性へと至り、古代守護者から“核視”の力と契約を授かる。生命力を代価に世界律を書き換える──危険すぎる新能力を得たレオンは、かつて自分を追放した団員たちとも奇妙な再会を果たし、彼らの言葉から王国が紅核石を他国へ押しつけようとしていた事実を知る。 王国の暴走、教団の陰謀、世界核五つを巡る争奪戦。すべての中心に置かれたのは、かつて“落ちこぼれ”と笑われた男。レオンは仲間たちと共に王城へ潜入し、暴走する紅核石の鎮圧に成功するが、その裏で五つの模造核融合儀式が進行していた。世界を一度壊し“最適化”しようとする教団の指導者ゼロとの決戦を経て、レオンは純度100%の力を覚醒させ、第一章は幕を閉じる。 だがこれは、序章にすぎない。 世界核は五つ──まだ奪われていない素材があり、まだ眠る守護者がいる。世界を動かす影の勢力も、レオンを待ち受けていた。 これは、価値ゼロと追放された錬金術師が“世界の根”を握り、誰よりも静かに、誰よりも強く世界を救っていく物語。
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小説 3,794 位 / 212,557件 ファンタジー 648 位 / 49,570件
文字数 51,909 最終更新日 2025.12.12 登録日 2025.12.09
SF 完結 短編
光が、世界を裂いた。 崩れ落ちる都市。赤い閃光。 「止めろ、ARGOを止めろ!」という叫び。 視界は白に塗りつぶされ、いつもそこで途切れる。 見えるのは“3秒”だけの未来。 時間も場所も選べず、一日に一度だけ唐突に現れる。 俺の唯一の異能であり、唯一の呪い。 昔は、この力で人を救えた。 落下物から子どもを、火災から老人を。 だが今視えるのは、迫りくる“都市の死”だけだ。 爆光。破壊。黒い影。 ARG0監視塔の赤いライトが警告のように瞬き、 世界が白に溶けて終わる。 毎朝、同じ3秒を見せつけられる。 ーーこの世界は近いうちに終わる。 でも、誰も気づかない。 息を荒げながら天井をにらうたび、指先が震える。 (未来は変えられないのか?  3秒だけじゃ、何も掴めない?) ……違う。 3秒“しか”ではない。3秒“ある”んだ。 視界の端に映る“手の影”。 角度、動き、その揺れ。 誰かが何かを押そうとしている。 たぶん、ARG0を暴走させる“引き金”。 ならば、3秒を積み重ねれば、 世界崩壊のパズルはきっと解ける。 間に合うかどうかは、俺次第だ。 今日もどこかで未来の3秒が視える。 それは崩壊の“別の断片”かもしれない。 俺は震える身体を叱りつけ、立ち上がる。 「……3秒で救う。やるしかないだろ」 その瞬間、視界が白く跳ねた。 今日の“3秒”が始まる。
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小説 24,524 位 / 212,557件 SF 201 位 / 6,133件
文字数 6,939 最終更新日 2025.12.10 登録日 2025.12.10
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