追放された錬金術師、素材1つで世界を壊す。俺だけ“純度100%”を作れるから

ケルベロス

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《第一章:価値ゼロ追放から始まる、世界核錬金術師レオンの逆転劇》

第6話 本編:追放団員との再会

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意識が戻ったとき、俺はどこかの古代遺跡の内部にいた。

天井には無数の光紋。  
床には見たこともない錬金陣。  
その中心で、俺は横たわっていた。

体の痛みは不思議と消えている。

(守護者が運んだ……?)

周囲には誰もいない。  
ただ、遺跡の奥に淡い光が揺れている。

足を進めると──  
その光の中から、守護者が姿を現した。

「目覚めたか、レオン。  
 純度100%の力は、汝の肉体に負荷を与える。  
 だが、完全に使いこなせば……世界核を制御できる唯一の存在となる」

「……俺はそんな大それた者じゃない」

「それを決めるのは汝ではない。  
 “選ばれた者”の血が反応しただけだ」

守護者は続けて指を鳴らした。

すると、遺跡の壁に映像のようなものが浮かんだ。  
王都の城壁が揺れている。  
紅核石の暴走の余波が、まだ続いているのだ。

(世界律がまだ乱れたまま……)

「レオン、選べ。  
 この世界を守るか──無関係を貫くか」

「……守る以外に、選択肢はないだろ」

守護者はわずかに微笑んだ。

「ならば力を授けよう。  
 “核視(コアサイト)”──世界核の波動を視る目だ」

光が俺の両目に流れ込み、視界が一瞬白く染まる。

(っ……これが……)

世界のあらゆるエネルギーラインが、線となって見える。  
これが──世界核を見る力。

その圧倒的な情報量に息を呑んだ。

「焦らず使いこなせ。  
 そして──来たぞ」

「え?」

遺跡の入口で、複数の足音。

剣を携えた男たちが駆け込んでくる。

「レ、レオン……!? 本当にお前か……?」

そこにいたのは、かつて俺を追放した錬金術師団の団員、  
ガルドとフィーネだった。

二人とも傷だらけで、呼吸も荒れている。

「ま、待ってくれ……! 俺たちはお前を襲いに来たんじゃない!  
 王都が……壊れかけてるんだ……!」

フィーネも叫ぶ。

「世界核の暴走で、魔物が凶暴化して……  
 私たちじゃ止められない……!」

二人は震えていた。

そして、もっと深刻な言葉を吐く。

「……王国は、紅核石の暴走を“国境外に押しつけようとしてる”。  
 このままじゃ……周辺国家が滅ぶ……!」

(王国……やはり最悪の決断をしたか)

ガルドは地面に頭を下げた。

「……頼む。レオン。  
 王都を……世界を救ってくれ。  
 お前しか、もういないんだ……!」

俺は少しだけ息を吐いた。

昔なら、こんな連中の頼みを聞く義理はなかった。  
だが──今は違う。

(俺が動かなければ、世界そのものが終わる)

「……分かった。  
 王都へ向かう」

フィーネが涙を浮かべる。

「……ありがとう……レオン……」

その瞬間、守護者が淡く光り俺の背中へ。

「行け、レオン。  
 ここからが──核の継承者としての戦いだ」
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