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《第二章:世界核継承戦 — 蒼光の代行者と黒律の目覚め》
第13話 本編:青律半覚醒 ― 書き換える者
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胸の奥で青い光が脈打っていた。
消えかけた生命線は完全に修復され、
むしろ以前よりも濃く、強く、明るい。
(……これは……俺の青律……じゃない……
もっと深い、“底の底”から湧いてきてる……)
虚無の王子が、静かに一歩後退する。
「……再構築速度が……異常だ。
青律が……自己修復を……?」
ユリは震える声で言った。
「レオン……あなたの青律、
“源流(ソース)”と一瞬だけ繋がった……」
ノアが目を見開く。
「青律の源流は、この世界の生命律の大本……
神殻域に近い場所だぞ!?
普通、接触するだけで精霊でも焼き切れるのに!!」
リーテは涙を拭いながら息を呑む。
「レオン……あなた、何者なの……?」
俺は応えられなかった。
自分が何者かを、
今の俺自身すら理解できていない。
ただ――“見える”。
青律を広げた瞬間、
世界の線が今までと違う形で視界を染めた。
(黒律の“空白”の外側……
あの薄い歪みが……はっきりと見える……!!)
虚無の王子の身体は線を持たない。
だが、空白の外縁に“揺らぎ”がある。
そこが弱点。
影は俺の視線に気づき、表情を変える。
「……視えている……?
黒律の“外縁域(エッジ)”が……?」
確信を持った。
(俺は……戦える)
剣を構える。
青い光が刃に流れ込む。
虚無の王子は、静かに両腕を広げて言った。
「なら証明してみせろ。
“青律の源流の片鱗”を持つ者なら……
僕を一本でも“削れる”はずだ」
黒い渦が生まれ、
空間がひっくり返るような圧が襲ってくる。
虚無領域だ。
(避けられない……なら――)
「青律・調律モード――
外縁修正(エッジ・リライト)!!」
剣を振ると、
青い線が空間を縫い取るように走った。
“空白”の外側にだけ干渉する青い軌跡。
虚無領域の周囲が一瞬だけ崩れ、
黒の渦が“揺れる”。
ユリが叫ぶ。
「効いてる!!
レオン!!
黒律の外側だけを切ってる!!」
ノアが震える声で続ける。
「レオンの青律……
“空白そのもの”へ干渉してる……!!
生命線の外……“存在の外側”を……!」
虚無の王子の目が、はっきりと驚愕に染まった。
「……青律が黒律に干渉するなど……
本来あり得ない。
青は“存在”に、黒は“空白”に属する……
本来、交わらない領域だ……!」
俺は一歩踏み出した。
「交わらないなら、
繋ぎ直せばいいだけだろ?」
虚無の王子の表情が一瞬だけ歪む。
「――それができる者は、
“源流の保持者”だけだ」
黒い霧が急激に濃くなっていく。
虚無の王子は殺気を露わにした。
「なら、確かめる。
君が本当に“源流”なのかを!!」
黒が爆ぜ、
数十の黒線が空間を切り裂く。
どれもが“存在断絶”。
触れればすべて消える。
(この速度……!
読めない……でも――)
青律をさらに開く。
視界が一瞬だけ白くなるほどの負荷。
だが――見える。
黒線の動きの“外側の歪み”が。
「青律――
《外縁跳躍(エッジ・シフト)》!!」
身体が青い残光とともに跳ぶ。
通常の回避ではない。
“黒線の発生前の空白の癖”を読んで、
歪みの“外側へ”跳ぶ技。
虚無の王子が息を呑む。
「……そんな動き……
青律の……完全覚醒に近い……!」
反撃に転じる。
「――はああああっ!!」
外縁リライトを重ね、
虚無の王子の横へ踏み込み、
剣を振り抜く。
青い光が黒の外側を切り裂いた。
虚無の王子の肩が青く弾けた。
黒い血でもなく、光でもない。
“存在の削れた欠片”が零れ落ちる。
ユリが泣きながら叫ぶ。
「レオン……当たった……!
黒律に……本当に当たってる!!」
虚無の王子は初めて“焦り”を見せる。
「……これは……危険だ。
青律……君の力がこれ以上進化すれば……
黒律すら書き換えられる……?」
(――書き換える?
俺が黒を……?)
虚無の王子は低く呟いた。
「君が覚醒すれば、世界核は……
ひとつに統合される。
それは……僕にとっても、君にとっても……
“救い”にはならない」
影の殺気が、さらに濃くなる。
「ここで止める。
君が完全に目覚める前に――
青律の“源流”を消す!!」
黒い空間が、根核ごと揺れた。
虚無の王子の第三形態が
“起動”しようとしていた。
(来る……!
次が本番だ……!!)
俺は青い剣を握り締める。
ユリが震え声で言う。
「レオン……いまのあなたなら……勝てるかもしれない……でも――
“第三形態”は黒律の本体……
本当に、死ぬよ……!」
ノアも叫ぶ。
「退くなら今しかない!!
まだ間に合う!!
第三形態は“絶対消去”だ!!!!」
だが。
俺は一歩、前に出た。
「退くつもりはない。
ここで倒さなきゃ――
世界核も……森も……ユリも……
全部、消える。」
虚無の王子の身体が、黒い光で満たされていく。
黒律の“深層”が開く。
(来いよ……
ここからは――俺が繋ぎ直す)
**青律半覚醒。
世界の外側を読む者。**
レオンの反撃が、始まった。
消えかけた生命線は完全に修復され、
むしろ以前よりも濃く、強く、明るい。
(……これは……俺の青律……じゃない……
もっと深い、“底の底”から湧いてきてる……)
虚無の王子が、静かに一歩後退する。
「……再構築速度が……異常だ。
青律が……自己修復を……?」
ユリは震える声で言った。
「レオン……あなたの青律、
“源流(ソース)”と一瞬だけ繋がった……」
ノアが目を見開く。
「青律の源流は、この世界の生命律の大本……
神殻域に近い場所だぞ!?
普通、接触するだけで精霊でも焼き切れるのに!!」
リーテは涙を拭いながら息を呑む。
「レオン……あなた、何者なの……?」
俺は応えられなかった。
自分が何者かを、
今の俺自身すら理解できていない。
ただ――“見える”。
青律を広げた瞬間、
世界の線が今までと違う形で視界を染めた。
(黒律の“空白”の外側……
あの薄い歪みが……はっきりと見える……!!)
虚無の王子の身体は線を持たない。
だが、空白の外縁に“揺らぎ”がある。
そこが弱点。
影は俺の視線に気づき、表情を変える。
「……視えている……?
黒律の“外縁域(エッジ)”が……?」
確信を持った。
(俺は……戦える)
剣を構える。
青い光が刃に流れ込む。
虚無の王子は、静かに両腕を広げて言った。
「なら証明してみせろ。
“青律の源流の片鱗”を持つ者なら……
僕を一本でも“削れる”はずだ」
黒い渦が生まれ、
空間がひっくり返るような圧が襲ってくる。
虚無領域だ。
(避けられない……なら――)
「青律・調律モード――
外縁修正(エッジ・リライト)!!」
剣を振ると、
青い線が空間を縫い取るように走った。
“空白”の外側にだけ干渉する青い軌跡。
虚無領域の周囲が一瞬だけ崩れ、
黒の渦が“揺れる”。
ユリが叫ぶ。
「効いてる!!
レオン!!
黒律の外側だけを切ってる!!」
ノアが震える声で続ける。
「レオンの青律……
“空白そのもの”へ干渉してる……!!
生命線の外……“存在の外側”を……!」
虚無の王子の目が、はっきりと驚愕に染まった。
「……青律が黒律に干渉するなど……
本来あり得ない。
青は“存在”に、黒は“空白”に属する……
本来、交わらない領域だ……!」
俺は一歩踏み出した。
「交わらないなら、
繋ぎ直せばいいだけだろ?」
虚無の王子の表情が一瞬だけ歪む。
「――それができる者は、
“源流の保持者”だけだ」
黒い霧が急激に濃くなっていく。
虚無の王子は殺気を露わにした。
「なら、確かめる。
君が本当に“源流”なのかを!!」
黒が爆ぜ、
数十の黒線が空間を切り裂く。
どれもが“存在断絶”。
触れればすべて消える。
(この速度……!
読めない……でも――)
青律をさらに開く。
視界が一瞬だけ白くなるほどの負荷。
だが――見える。
黒線の動きの“外側の歪み”が。
「青律――
《外縁跳躍(エッジ・シフト)》!!」
身体が青い残光とともに跳ぶ。
通常の回避ではない。
“黒線の発生前の空白の癖”を読んで、
歪みの“外側へ”跳ぶ技。
虚無の王子が息を呑む。
「……そんな動き……
青律の……完全覚醒に近い……!」
反撃に転じる。
「――はああああっ!!」
外縁リライトを重ね、
虚無の王子の横へ踏み込み、
剣を振り抜く。
青い光が黒の外側を切り裂いた。
虚無の王子の肩が青く弾けた。
黒い血でもなく、光でもない。
“存在の削れた欠片”が零れ落ちる。
ユリが泣きながら叫ぶ。
「レオン……当たった……!
黒律に……本当に当たってる!!」
虚無の王子は初めて“焦り”を見せる。
「……これは……危険だ。
青律……君の力がこれ以上進化すれば……
黒律すら書き換えられる……?」
(――書き換える?
俺が黒を……?)
虚無の王子は低く呟いた。
「君が覚醒すれば、世界核は……
ひとつに統合される。
それは……僕にとっても、君にとっても……
“救い”にはならない」
影の殺気が、さらに濃くなる。
「ここで止める。
君が完全に目覚める前に――
青律の“源流”を消す!!」
黒い空間が、根核ごと揺れた。
虚無の王子の第三形態が
“起動”しようとしていた。
(来る……!
次が本番だ……!!)
俺は青い剣を握り締める。
ユリが震え声で言う。
「レオン……いまのあなたなら……勝てるかもしれない……でも――
“第三形態”は黒律の本体……
本当に、死ぬよ……!」
ノアも叫ぶ。
「退くなら今しかない!!
まだ間に合う!!
第三形態は“絶対消去”だ!!!!」
だが。
俺は一歩、前に出た。
「退くつもりはない。
ここで倒さなきゃ――
世界核も……森も……ユリも……
全部、消える。」
虚無の王子の身体が、黒い光で満たされていく。
黒律の“深層”が開く。
(来いよ……
ここからは――俺が繋ぎ直す)
**青律半覚醒。
世界の外側を読む者。**
レオンの反撃が、始まった。
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