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おじさん♡囚われました①
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アレックス♡
夜半の事、奇襲を受けた。
異変をいち早く察したマクシミリアンは、瞬く間に全てを悟った。
しかし、抵抗する間を与えられることは無く…
叔母であり養母である、ブレンダリー様の手で『不能の鎖』を掛けられた。
それにより精神を厳しく拘束された彼は、意識不明となり昏睡している。
セバスティアンは猛攻なさった!
並み居る能力者をなぎ倒し、彼は妻の元へ馳せ参じた。
しかし、それまでだった。
視作生の…
『リリィ』の周囲には最上位なる貴婦人方が取り巻いておいでだったのだ。
そして彼は、母君によって『威圧』を封じられた。
この親子は同じ能力をお持ちだが、クラウディア様は王で御座る。
母君は容赦なく、御子息を圧倒しました。
その上でもって、やはり彼を上回る上位者が『拘束』を施した。
四肢の自由を奪われたセバスティアンは…
今は『不破の塔』に捕われておいでだ。
そして私は、敢えなく…
姉、グレイテール嬢が『従順』の能力に虜とされました。
私は只今、一切の自我による行動を禁じられておる。
彼女にはこれまでも悪戯にこの力を振るわれて参ったが…
此度は、まるで精度が違っていた!
私は、姉上という人に改めての恐怖を抱いた。
…いや、彼女だけに限らぬ。
我々は、貴婦人の皆様方を見くびっておったのだ!
これは想定していた以上の事態である。
お迎えにいらしたというのは、口実に過ぎなかった。
やはり、皆様はリリィを強奪に参られたのだ!
我々とてその様な事であろうと、承知しておった。
本来は丁重に『儀式』として相対し、お引き取り願う段取りであったのだ。
しかし実際は、視作生に請われるままに移居への侵入を許した。
大いなる、油断であった。
それは、妻への罪悪感が故のものだった。
先日、視作生は故国の友人から帯を贈られた。
日増しに膨らんで、重みを増していく腹を支える為のものらしいのだが…
装着の仕方が分からない。
視作生は四苦八苦した挙句、首を捻りつつ贈り主に問い合わせた。
その後、妻は帯を元通りに仕舞い込んで棚に飾ってしまった。
以来、彼はふとした時にそれを眺めては切なげにしている。
私にはその様な視作生が不憫で堪らぬ!
西欧社会において、男子がみだりに女性の理に関心を持つ事は無礼であるとされる。
よって妊娠や出産にまつわる事柄から、遠ざけられて養育されてきた。
だから私は…
私達は女性について無知なのだ。
…あの帯の、意味がわからない。
視作生は、元は男性のみを有する人であった。
だから彼自身も、女性に無知であるようだ。
自分の身体の事が知れぬのは、ずいぶんと不安なのではあるまいか。
妻は、女性方に接近する事の危険を承知である。
その旨は我々が、彼にしかとお話し申し上げたのだから間違いない。
それでも彼は、自ら喜んで招き入れた。
おそらく、女性の先輩方に教えを乞いたかったのに違いない。
夫では、あてにできない諸々の事ごとを教授願いたかったのだろう。
我々が至らぬばかりに、妻に不自由を強いていた。
それが夫君一同、罪の意識として胸にしこっていた。
そして、視作生を愛するが余り…
君が機嫌良く客人を招き入れるのを、止め立てる事が出来なかった。
どうしても、忍びなかったのである。
しかし、結果としてそれが最悪の結果を引き起こしてしまった!
妻は呆気なく、なくされた。
今や君は、抜け殻の『お人形』で在られる!
\\\٩(๑`^´๑)۶////
夜半の事、奇襲を受けた。
異変をいち早く察したマクシミリアンは、瞬く間に全てを悟った。
しかし、抵抗する間を与えられることは無く…
叔母であり養母である、ブレンダリー様の手で『不能の鎖』を掛けられた。
それにより精神を厳しく拘束された彼は、意識不明となり昏睡している。
セバスティアンは猛攻なさった!
並み居る能力者をなぎ倒し、彼は妻の元へ馳せ参じた。
しかし、それまでだった。
視作生の…
『リリィ』の周囲には最上位なる貴婦人方が取り巻いておいでだったのだ。
そして彼は、母君によって『威圧』を封じられた。
この親子は同じ能力をお持ちだが、クラウディア様は王で御座る。
母君は容赦なく、御子息を圧倒しました。
その上でもって、やはり彼を上回る上位者が『拘束』を施した。
四肢の自由を奪われたセバスティアンは…
今は『不破の塔』に捕われておいでだ。
そして私は、敢えなく…
姉、グレイテール嬢が『従順』の能力に虜とされました。
私は只今、一切の自我による行動を禁じられておる。
彼女にはこれまでも悪戯にこの力を振るわれて参ったが…
此度は、まるで精度が違っていた!
私は、姉上という人に改めての恐怖を抱いた。
…いや、彼女だけに限らぬ。
我々は、貴婦人の皆様方を見くびっておったのだ!
これは想定していた以上の事態である。
お迎えにいらしたというのは、口実に過ぎなかった。
やはり、皆様はリリィを強奪に参られたのだ!
我々とてその様な事であろうと、承知しておった。
本来は丁重に『儀式』として相対し、お引き取り願う段取りであったのだ。
しかし実際は、視作生に請われるままに移居への侵入を許した。
大いなる、油断であった。
それは、妻への罪悪感が故のものだった。
先日、視作生は故国の友人から帯を贈られた。
日増しに膨らんで、重みを増していく腹を支える為のものらしいのだが…
装着の仕方が分からない。
視作生は四苦八苦した挙句、首を捻りつつ贈り主に問い合わせた。
その後、妻は帯を元通りに仕舞い込んで棚に飾ってしまった。
以来、彼はふとした時にそれを眺めては切なげにしている。
私にはその様な視作生が不憫で堪らぬ!
西欧社会において、男子がみだりに女性の理に関心を持つ事は無礼であるとされる。
よって妊娠や出産にまつわる事柄から、遠ざけられて養育されてきた。
だから私は…
私達は女性について無知なのだ。
…あの帯の、意味がわからない。
視作生は、元は男性のみを有する人であった。
だから彼自身も、女性に無知であるようだ。
自分の身体の事が知れぬのは、ずいぶんと不安なのではあるまいか。
妻は、女性方に接近する事の危険を承知である。
その旨は我々が、彼にしかとお話し申し上げたのだから間違いない。
それでも彼は、自ら喜んで招き入れた。
おそらく、女性の先輩方に教えを乞いたかったのに違いない。
夫では、あてにできない諸々の事ごとを教授願いたかったのだろう。
我々が至らぬばかりに、妻に不自由を強いていた。
それが夫君一同、罪の意識として胸にしこっていた。
そして、視作生を愛するが余り…
君が機嫌良く客人を招き入れるのを、止め立てる事が出来なかった。
どうしても、忍びなかったのである。
しかし、結果としてそれが最悪の結果を引き起こしてしまった!
妻は呆気なく、なくされた。
今や君は、抜け殻の『お人形』で在られる!
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