アイスとチーズ

迷熊井 泥(Make my day)

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組太刀の間合い

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「無外流は実戦兵法だからな。技も二十本しかない」

「二十?少ないよね。でも合気道も入り方、応用合わせたら百以上あるけど。本質的な技だけなら十いくつか…」

「座り技が五用、五箇で十本、立技走り懸かりが五本、迎撃戦技の五応が五本で十本」

「キレイに五本ずつなんだ。へえ」

世間話程度に沙織は聞いている。さほど興味はなさそうだ。

「まあ。組太刀が五本と脇差しの技が五本あってそのあと奥伝が三本あるから実際は三十三本になるぞな」

聞いていた沙織の眉が浮いた。

「三十三と二十全然違うじゃん」

香織は同じ日本武道であるせいか興味はある。

「組太刀があるんだ。どんなの?」

「むっ…相手がいなければ組太刀は見せれぬ。まあ、強いて言葉で言うならば間合いを詰めてからの抜きつけと体捌き、タイミングを合わせること、外すこと」

「合気道みたい」

「とくに最後の二本は難しい。無外流の組太刀はまず間合いをちゃんと詰めることすら難しいのだ」

「なんで?」

「それぞれ体型や歩幅が違うであろう。型の歩数は決まっている。物理的に歩数と間合いが合わないこともある。だがそれが気持ち次第で合うようになるのだ」

「気持ち?」

「攻めの気持ちじゃがやたら攻めれば良いというわけではない」

「ふ~ん、深いね」

「組太刀ね。合気道にもあるよ」

「なに?それは是非学びたいぞ」

「じゃあ今日はちょっと剣をやろう」

香織は沙織と真紀理を見て気づいた。

「でも2人は木刀持ってないよね」

日本武道で盛り上がる香織と亜香里を見て、沙織はわざとアメリカ人のように肩をすくめて両手を上げて見せた。

「欧米か?」香織がツッコんだ。

「一応武道愛好会だから剣もやるなら木刀くらい人数分欲しいよね」

沙織は腕を組んで眉間にしわを寄せ考え始めた。

「あとじょうもね」

「杖?」

「合気道には杖取りと杖の型もあるから」

「杖の技まであるのか。ますます気に入ったぞ」

「じゃあ今日はとりあえずわたしの杖で2人で杖取りやってて」

香織は杖を持ってきて真紀理に突かせた。
杖先を外して香織は真紀理の懐に入ると杖を摑みかち上げた瞬間に体の向きを真紀理と同じ方向へ向き一歩踏み出して真紀理を投げた。

「おお!これが杖取りか」

「あれま」

亜香里は興奮した。

「うちらは剣やるから」

「組太刀だな!」

「いやいやいや基本の素振りから」

「剣の素振りくらい出来るぞ」

「たぶん居合と合気道の素振りはいろいろ違うだろうから。そっからやらないとダメ」

「むぅ…」
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