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MINE

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「コウさんて沙織姉さんのお兄さんなんですか!」

香織はしまった!と思った。 
2人に幸介の存在を隠しておくつもりだった。

ライバルがふえる~!

どうしよう…

「そうだけど。沙織の後輩だったんだね」

一瞬、香織の方を見て幸介がなにか言おうとした。
香織も反射的に幸介に気持ちを向けた。
だが真紀理がぐいっと幸介に顔を近づけた。

おい!やめろ!近いぞ!

香織はやはり真紀理をこの場でくびり殺さなくてはならないと拳を握った。

「わたし!沙織姉さんの妹分なんです。だからコウさんの妹も同然です!」

ん?妹?

香織は固まった。
真紀理の言葉を頭で一回整理した。

えっと…妹も同然っていうのは?

すると亜香里が拳を突き上げて幸介に寄って来た。

「ならば拙者は貴殿の母上の妹分ぞ!言ってみればおぬしの叔母のようなものだ!」

ん?母上の妹分で叔母?

香織はもう一回頭で2人の言い分を整理した。

妹分と叔母分?

う~んと…それはライバルじゃないな。カテゴリー的に…

「そ、そうなんだ。俺の叔母さんになるの?じゃあ叔母さんて呼ぶの?」

一瞬、亜香里が顔をしかめて小さく言った。

「それは勘弁願いたい」

どうしたいんだよ。おぬしは!

香織は心の中でツッコんだ。

とにかく連等先交換したいな…

どうしよう…

香織はとりあえずスマホを出してなにかメールでも確認する仕草をしてみた。
それが女子のせいいっぱいの積極性だ。
香織は祈るようにスマホの画面を見た。
いや。見てるふりをした。
この気持ちが届かなかったらそれまで。

お願い…

「MINEやってる?」

幸介の声が香織の集中を解いた。

「ハイ」

「じゃ。交換しとこ。沙織になんか言われる前に」

「そうですね」

2人の共通の敵がいる。
その敵の目が届いていない今こそがチャンスだ。

香織は自分のQRコードを出した。
幸介がそれを読み取った。

「沙織には内緒ね」

「ハイ」

やった…ついに運命の相手とMINEを交換した…
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