異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を再建する

おっぱな

文字の大きさ
128 / 212
王位継承戦編

お母さん! 第五回戦は3ON3!⑨

しおりを挟む
「___た、タイム!!!」

 ベンチのシルフはここですかさず、タイムを申請。
 それは無事に受理され、ベンチに戻ると事態の深刻さを理解していたシルフは作戦ボード椅子の上に置き。

「まずったわね。予定していたよりも魔法を使うのが早い」

 ミーレやレミー、ゴーレム幼女ほどの魔力は持たないが、シルフも魔力を持つ者。
 ミーレが魔法を使った事は肌で感じたに違いない。

「ああ。あいつら、第三ピリオドを天王山としたらしいな」

 ヴァ二アルから渡されたタオルで俺は汗を拭いながら答える。

「第三ピリオドで決着? 第四ピリオドはやらないの?」

 そういえば、ホワイトにバスケのルールは教えていたが3ON3の特殊ルールについては教えていなかったな。
 バスケと殆ど一緒だが、3ON3では勝敗の付け方が少し違う。
 俺がホワイトに伝えようとすると、代わりに天音が口を開いた。

「3ON3ではどちらか一方が21点目を入れた瞬間に試合が終了するのよ」

 そう。
 3ON3はストリートバスケと長年言われており、競技性を持たす為か近年名称が変わった。
 ストリートバスケとは公園などにあるコートとリングを使用し、その場、その場で集まった者がチームを作り、試合をする。
 なので、少しでも回転率を良くする為にコールド制が採用されている。

「へえ~。じゃあ、私達はあと、5点決めて、向こうは6点決めれば終わるのかー。でも、試合時間残り少ないよ?」

 ホワイトの言う通り、第三ピリオドの試合時間は残り1分半。
 現実的には1分半で6点決めるなんて2Pシュートを三連続で決めないと... ...。

「... ...あいつら、2Pシュートで追い付く気なのか?」

 俺の予想にシルフが眉をピクリと動かす。

「まあ、さっきの逆でリングを大きくすればセンターラインを越えなくても2Pシュートを打てるでしょうね」

「... ...」
「... ...」
「... ...」

 シルフの発言で固まる一同。

「で、でも、魔法はこちらも使える! 相手は一度使った! 私達はまだ一度も使ってないわ!」

 天音の発言は正しい。
 ハンヌ側は魔法の使用回数においてはビハインドがある。

「いいえ。使用回数においては一緒よ。ハンヌ側は残り2回。こちら側も同じく2回よ」

 シルフは格好つけてなのか、人差し指と中指でピースするのではなく、親指と人差し指で三角形を作る。

「___二回!? どうして!?」

「ええ。どうやら、ヴァ二アルの体液を用いて身体強化を行った事が”能力の使用”と見られたみたい。さっき、審判の人から言われたのよ」

 まあ、驚く事でもないか... ...。
 分かりやすいくらいに俺達の身体機能は大幅に上昇したからな。
 俺も含めて二人も多少、姿形が変わったし。
 っうか、俺の第二ピリオドでトムに使った幻術は”能力使用”と気付かれてないのはラッキーだ。
 これもセバスの力の内なのかな??
 まあ、バレたら面倒だからシルフ達にも黙っておこう。

「そうか。状況は理解した。相手は何かしらの手段で2Pシュートを二回打ってくる。それを止める為にこちらも魔法か能力を使うか? それとも、2P×2は許すとして、こちらの得点の為に利用するか?」

 才蔵は包帯で全身がグルグル巻きのくせに何か指導者っぽい口ぶり。
 天音へのプロポーズが成功したことで調子に乗っているのは間違いない。

「そんなの、攻めるに決まっているでしょう?」

 自信満々なシルフの発言に体中の血がふつふつとたぎってきた。
 そうだよな!
 ここまで来て、弱気はダメだ!
 強気で行かなくちゃ!
 それはみんな同じような気持でシルフの発言を否定する者はいなかった。

「花島。そういえば、試合前にやっていた”あれ”ってどうやるんだっけ?」

 潔癖症であるシルフが俺に円陣を提案してくるのには驚いた。
 しかし、彼女も気持ちが高ぶっているのだろう。
 澄んだ湖のような美しい瞳は真っ赤に燃え滾っており、シルフの背後には炎のエフェクトが見える。

「ああ。皆で肩を組んで、円陣を作る。そんで、掛け声をかける」

「まあ、かけ声はあんたに任せるわ」

 そう言うとシルフは率先して俺の肩に手を回す。
 汗を掻いていて、先程よりも気持ち悪さが増しているのに肩を組みにくるなんて驚きだった。

 シルフに続いて、他も続く。

「よし! 王位継承戦もみんなのおかげでここまで来た! こうやって、みんなと一致団結して戦った事は俺の大切な思い出だ。皆にもそうであって欲しい。勝つ事も大切だけど、先ずはこの試合を楽しもう!」

「ばかね。勝たなきゃ楽しくないじゃない」

 シルフのツッコミに笑いが零れる。

「うん。まあ、そうなんだけどね。俺もこういうの慣れてないからさ」

「まあ、いいわ。早く掛け声をかけなさい」

 シルフは俺をそう急かした。
 そして、俺は深呼吸し。

「よっしゃ! 行くぞー!!!」

「おー!!!」
「おー!!!」
「おー!!!」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...