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十章
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翌土曜は、魔想討伐と自主練のない完全休日だった。日曜討伐を毎週務めている翔人が土曜日を受け持ってくれたので、その翔人の代わりに僕が日曜を受け持つよう、スケジュールが調整されたのである。先日それを聴いた際、真っ先に腰を折ったのは輝夜さんだった。
「大吉さん、私の誕生会のためにお骨折り下さり、ありがとうございます」
猫将軍家一門の討伐スケジュールは、関東猫社会総家当主の大吉によって組まれている。よって僕のスケジュールを調整したのは大吉と思い、輝夜さんは謝意を述べたのだ。もちろんそれは僕と昴も同じだったから二人揃って腰を折ろうとしたところ、大吉は笑って首を横へ振った。
「俺は、ある翔人の要望に応じただけだ。子細は言えねえが、折を見て大御所が引き合わせてくれるだろう。お礼はそんときに取っておきな」
浅草出身の大吉がべらんめえ調で語った大御所は、水晶の尊称。もっとも、大御所と呼べるのは総家当主及びその経験者のみしかおらず、中吉以下は「様」を付け大御所様と呼んでいる。ちなみに精霊猫は水晶を長と呼び、翔狼と翔鳥は水晶へ東照権現、もしくは権現様という尊称を使っているそうだ。大御所といい東照権現といい、徳川家康と同じ呼び名を当初は奇異に感じたものだが、伊勢総本家の存在を知ってからは考えを改めた。東日本の全権を担う水晶は翔描達にとってまさに征夷大将軍であり、東を照らす根本のはずだからである。というか、水晶を呼び捨てにするのは猫将軍本家の翔人だけで、それも「よちよち歩きの頃からそう呼んでいるのだからまあ良いだろう」と、お目こぼしを頂戴しているにすぎない。皆には秘密にしているが、水晶の真の姿であるあの神々しい巨体を知っている僕は、お目こぼしされているだけなのだと最近つくづく思うようになっている。
とまあそういう次第で、お泊り会を開いた日の翌朝、僕は常にない惰眠をむさぼっていた。盛り上がりまくった誕生会と夜九時半の石段ダッシュが堪えたのか、朝六時半という本当に久しぶりの時間まで熟睡していたのである。けど最後は習慣が勝ったのだろう、雀の声に促され、僕は一人目を覚ました。静かに自室へ向かい着替えを済ませ、靴を履くべく上がり框に腰かける。すると、
「お早う、眠留くん」
輝夜さんの銀鈴の声が降り注いだ。纏っているコートこそ学校指定の見慣れたコートだが、襟もとを守る白銀のカシミヤマフラーがあまりに似合っていて、挨拶を返すのも忘れ僕はふやけ顔をさらしてしまった。けどそれは正解だったらしく、輝夜さんは僕に劣らぬふやけ顔でマフラーに頬ずりした。
「眠留くん、誕生日プレゼントをありがとう。このマフラー、肌触りがもう最高なの!」
輝夜さんによると、昴と芹沢さんと美鈴に頬ずりされまくり、心配になるほどだったと言う。けど嬉しげにそう話す輝夜さんの頬がたまらなく魅力的だったからか、
――柔らかくきめ細やかなその肌が触れれば触れるほど、マフラーは輝きを増すんじゃないかな
との言葉が出かけるも、昨夜のポエム騒動を思い出した僕は、真実の一端を明かすことでポエムの代わりとした。
「そのマフラーは、水晶のイメージに一番近いものを選んだんだ。気に入ってもらえて何よりだよ」
そうそれは、真実の一端。水晶の本体の、あの手ざわりに比肩する繊維など、存在するはず無いのである。
それでも根気よく探した結果、手触りを追求した新繊維のニュースが目に飛び込んで来た。美夜さんに頼み調査してもらったところ、開発者も商品も大いに信用できるとの結論を得られた僕は、貯金の半分を使い新繊維製のマフラーを購入した。届けられたマフラーを手に取ってみると、水晶に及ばないのは確かでも、あの天上の手触りを充分思い出させるものであったため、自信を持って輝夜さんにプレゼントしたのである。美鈴も気に入ったようだから、季節はちょっと早いけど十一月の誕生日に買ってあげよう。それで資金は尽きるから、昴の分は北斗に任せればいいや。ん? それを言うなら、美鈴の分も真山に任せればいいのかな・・・
などと途中から脱線してしまった僕の思考を、
「ああやっぱり、お師匠様をイメージしたマフラーだったのね、眠留くん、ありがとう!」
輝夜さんは脱線を受け入れた上で、修正してくれた。
「眠留くん、思い出して。誕生日プレゼントは普通にあげてもしいし、ナイショであげてもいいし、皆と共同購入してもいいし、残らないものでも良い。みんなで話し合ったこの決まりがあるから、昴と美鈴ちゃんのマフラーは、北斗君と真山君に任せればいいと思うよ」
そうなのだ、僕ら八人は話し合い、誕生日プレゼントにルールを定めた。十三歳にして生涯収入を数倍する資産を既に築いている昴は例外でも、仲間達全員に贈り物を毎回購入するのは、資金的にやはり難しい。そういう場合は皆でお金を出し合ってもいいし、それとは別に飛び切りのプレゼントをあげてもいいし、皆にはナイショでしてもいいし、気持ちだけのプレゼントでもいい。そんな自由なルールを、僕らは定めたのだ。正確には美鈴はその場にいなかったけど、終始ソワソワし通しだった真山へ僕は最後に言った。「美鈴もきっと皆と同じ意見だから、ヨロシクな真山」 真山は顔を茹であがらせ手足をジタバタさせたのち、姿勢を正しコクリと頷いた。そんな真山を目にしたのは仲間達だけだったが、真山ファンクラブの子たちがあれを見たらどういう展開になったのだろうと、僕らは真山のいない場所で顔を突き合わせて話し合ったものだ。まあそれはそれとして、
「うん、そうだね。北斗と真山と、あと猛から相談されるまで、のんびり待つことにするよ」
中断していた靴履きを再開し、僕は応えた。輝夜さんも靴を履きつつ、にっこり笑う。
「うん、じゃあ一緒に、境内の箒掛けをしましょう」
竹箒をしまってある倉庫への道すがら、輝夜さんへのプレゼントの一環として輝夜さんだけが朝食作りを免除されたことを聞いた僕は、昴と芹沢さんと美鈴の誕生日には皆にナイショで何らかのプレゼントをしようと、密かに思ったのだった。
その、およそ十日後。
二月十四日の、バレンタインデー。
予想を大幅に上回るチョコレートをもらってしまった僕は、いつもと変わらぬ自分を、脂汗を流しながら演じていた。
輝夜さんはチョコレートをくれるだろうと確信していた。昴も、幼稚園からのよしみで貰えるだろうと考えていた。けど僕が確信できたのは、この二人だけだった。かろうじて予想できたのは芹沢さんと那須さんのみであり、二人のどちらかは情けを掛けてくれるんじゃないかと期待していた。つまり良くて三個、悪くて二個というのが、僕の予想していた数だったのである。
だが実際は、それを大幅に超えた。HR前に芹沢さんがチョコレートをくれたとき、ああこれで那須さんの可能性は消えたと感じたのだけど、一限終了後の休み時間に、那須さんと大和さんと兜さんが教室にやって来てチョコレートを差し出してくれた。しかも大和さんは、同じ剣道部員の二人から預かったチョコレートも携えていた。翔刀術の基本動作を録画し渡したことへ、お礼をしてくれたのである。翔刀術には悪いが「翔刀術ありがとう!」と、僕は胸中叫んだものだった。
そして次の休み時間、青木さんと香取さんがチョコレートをくれた。プレゼン委員でお世話になったからと言う二人へ、お世話になったのは僕の方こそだよと慌てて感謝を伝えたら、「それこそ猫将軍君ね」「あげて良かった」と二人はコロコロ笑った。その笑い声に釣られ猛と三島と芹沢さんがやって来て、委員活動の思い出話に皆で花を咲かせた。
次の休み時間もチョコレートを貰えた。五分プレゼンの製作を手伝った料理教室の三人が、教室を訪れてくれたのである。「料理も面白いけどお菓子作りも面白かった」という白鳥さんの言葉どおり、三人から手渡された袋の中にはチョコレートの他にケーキやビスケットも入っていた。「美麗の家に集まって作ったの」「美麗は本当はね」「それは言わないって約束したじゃない!」「あ~はいはい」「美麗ったら可愛いんだから」と男子には窺い知れないいつもの高速トークを始めた三人を、僕もいつも通りほのぼのと見守ったのだった。
そしてお昼休みの終了間際、トイレから帰ってくる途中の廊下で思いもよらぬ事態が勃発した。名前もクラスも知らない、それどころか顔を見た記憶すらない三人の女の子が無言で袋を僕に押し付け、そして足早に去って行ったのである。袋の中に三人に関する情報が何も入っていなかったらどうしようと途方に暮れていると、ハイ子が通常のマナーモードでない、ミーサ専用モードで振動した。人気のない場所へ素早く移動しハイ子を取り出し確認したところ、咲耶さんから「毎年恒例のことだから名前とクラスを教えて良いか私があの子達に尋ねておくね」というメールが届いていた。毎年恒例の意味が分からず首を捻る僕へ、今度はエイミィから「咲耶さんのフォローを当てにして名前等を明かさずチョコレートを手渡す女の子が毎年いるそうです」とのメールが送られて来た。HR前の実技棟で、AIの私はチョコレートをあげたくてもあげられないのですと泣くエイミィの姿が蘇り、僕はとっさに足を実技棟へ向けた。しかしすかさずミーサが「お兄ちゃんのスケコマシ!」のお約束メールを送って来て、それと同時に昼休み終了の予鈴が鼓膜を打ったため、予鈴の三十秒をまるまる逡巡に費やしたのち、踵を返し教室へ向かった。それ以来ずっと、AIに機械の体を与えない真の理由を、僕は考え続けている。
「大吉さん、私の誕生会のためにお骨折り下さり、ありがとうございます」
猫将軍家一門の討伐スケジュールは、関東猫社会総家当主の大吉によって組まれている。よって僕のスケジュールを調整したのは大吉と思い、輝夜さんは謝意を述べたのだ。もちろんそれは僕と昴も同じだったから二人揃って腰を折ろうとしたところ、大吉は笑って首を横へ振った。
「俺は、ある翔人の要望に応じただけだ。子細は言えねえが、折を見て大御所が引き合わせてくれるだろう。お礼はそんときに取っておきな」
浅草出身の大吉がべらんめえ調で語った大御所は、水晶の尊称。もっとも、大御所と呼べるのは総家当主及びその経験者のみしかおらず、中吉以下は「様」を付け大御所様と呼んでいる。ちなみに精霊猫は水晶を長と呼び、翔狼と翔鳥は水晶へ東照権現、もしくは権現様という尊称を使っているそうだ。大御所といい東照権現といい、徳川家康と同じ呼び名を当初は奇異に感じたものだが、伊勢総本家の存在を知ってからは考えを改めた。東日本の全権を担う水晶は翔描達にとってまさに征夷大将軍であり、東を照らす根本のはずだからである。というか、水晶を呼び捨てにするのは猫将軍本家の翔人だけで、それも「よちよち歩きの頃からそう呼んでいるのだからまあ良いだろう」と、お目こぼしを頂戴しているにすぎない。皆には秘密にしているが、水晶の真の姿であるあの神々しい巨体を知っている僕は、お目こぼしされているだけなのだと最近つくづく思うようになっている。
とまあそういう次第で、お泊り会を開いた日の翌朝、僕は常にない惰眠をむさぼっていた。盛り上がりまくった誕生会と夜九時半の石段ダッシュが堪えたのか、朝六時半という本当に久しぶりの時間まで熟睡していたのである。けど最後は習慣が勝ったのだろう、雀の声に促され、僕は一人目を覚ました。静かに自室へ向かい着替えを済ませ、靴を履くべく上がり框に腰かける。すると、
「お早う、眠留くん」
輝夜さんの銀鈴の声が降り注いだ。纏っているコートこそ学校指定の見慣れたコートだが、襟もとを守る白銀のカシミヤマフラーがあまりに似合っていて、挨拶を返すのも忘れ僕はふやけ顔をさらしてしまった。けどそれは正解だったらしく、輝夜さんは僕に劣らぬふやけ顔でマフラーに頬ずりした。
「眠留くん、誕生日プレゼントをありがとう。このマフラー、肌触りがもう最高なの!」
輝夜さんによると、昴と芹沢さんと美鈴に頬ずりされまくり、心配になるほどだったと言う。けど嬉しげにそう話す輝夜さんの頬がたまらなく魅力的だったからか、
――柔らかくきめ細やかなその肌が触れれば触れるほど、マフラーは輝きを増すんじゃないかな
との言葉が出かけるも、昨夜のポエム騒動を思い出した僕は、真実の一端を明かすことでポエムの代わりとした。
「そのマフラーは、水晶のイメージに一番近いものを選んだんだ。気に入ってもらえて何よりだよ」
そうそれは、真実の一端。水晶の本体の、あの手ざわりに比肩する繊維など、存在するはず無いのである。
それでも根気よく探した結果、手触りを追求した新繊維のニュースが目に飛び込んで来た。美夜さんに頼み調査してもらったところ、開発者も商品も大いに信用できるとの結論を得られた僕は、貯金の半分を使い新繊維製のマフラーを購入した。届けられたマフラーを手に取ってみると、水晶に及ばないのは確かでも、あの天上の手触りを充分思い出させるものであったため、自信を持って輝夜さんにプレゼントしたのである。美鈴も気に入ったようだから、季節はちょっと早いけど十一月の誕生日に買ってあげよう。それで資金は尽きるから、昴の分は北斗に任せればいいや。ん? それを言うなら、美鈴の分も真山に任せればいいのかな・・・
などと途中から脱線してしまった僕の思考を、
「ああやっぱり、お師匠様をイメージしたマフラーだったのね、眠留くん、ありがとう!」
輝夜さんは脱線を受け入れた上で、修正してくれた。
「眠留くん、思い出して。誕生日プレゼントは普通にあげてもしいし、ナイショであげてもいいし、皆と共同購入してもいいし、残らないものでも良い。みんなで話し合ったこの決まりがあるから、昴と美鈴ちゃんのマフラーは、北斗君と真山君に任せればいいと思うよ」
そうなのだ、僕ら八人は話し合い、誕生日プレゼントにルールを定めた。十三歳にして生涯収入を数倍する資産を既に築いている昴は例外でも、仲間達全員に贈り物を毎回購入するのは、資金的にやはり難しい。そういう場合は皆でお金を出し合ってもいいし、それとは別に飛び切りのプレゼントをあげてもいいし、皆にはナイショでしてもいいし、気持ちだけのプレゼントでもいい。そんな自由なルールを、僕らは定めたのだ。正確には美鈴はその場にいなかったけど、終始ソワソワし通しだった真山へ僕は最後に言った。「美鈴もきっと皆と同じ意見だから、ヨロシクな真山」 真山は顔を茹であがらせ手足をジタバタさせたのち、姿勢を正しコクリと頷いた。そんな真山を目にしたのは仲間達だけだったが、真山ファンクラブの子たちがあれを見たらどういう展開になったのだろうと、僕らは真山のいない場所で顔を突き合わせて話し合ったものだ。まあそれはそれとして、
「うん、そうだね。北斗と真山と、あと猛から相談されるまで、のんびり待つことにするよ」
中断していた靴履きを再開し、僕は応えた。輝夜さんも靴を履きつつ、にっこり笑う。
「うん、じゃあ一緒に、境内の箒掛けをしましょう」
竹箒をしまってある倉庫への道すがら、輝夜さんへのプレゼントの一環として輝夜さんだけが朝食作りを免除されたことを聞いた僕は、昴と芹沢さんと美鈴の誕生日には皆にナイショで何らかのプレゼントをしようと、密かに思ったのだった。
その、およそ十日後。
二月十四日の、バレンタインデー。
予想を大幅に上回るチョコレートをもらってしまった僕は、いつもと変わらぬ自分を、脂汗を流しながら演じていた。
輝夜さんはチョコレートをくれるだろうと確信していた。昴も、幼稚園からのよしみで貰えるだろうと考えていた。けど僕が確信できたのは、この二人だけだった。かろうじて予想できたのは芹沢さんと那須さんのみであり、二人のどちらかは情けを掛けてくれるんじゃないかと期待していた。つまり良くて三個、悪くて二個というのが、僕の予想していた数だったのである。
だが実際は、それを大幅に超えた。HR前に芹沢さんがチョコレートをくれたとき、ああこれで那須さんの可能性は消えたと感じたのだけど、一限終了後の休み時間に、那須さんと大和さんと兜さんが教室にやって来てチョコレートを差し出してくれた。しかも大和さんは、同じ剣道部員の二人から預かったチョコレートも携えていた。翔刀術の基本動作を録画し渡したことへ、お礼をしてくれたのである。翔刀術には悪いが「翔刀術ありがとう!」と、僕は胸中叫んだものだった。
そして次の休み時間、青木さんと香取さんがチョコレートをくれた。プレゼン委員でお世話になったからと言う二人へ、お世話になったのは僕の方こそだよと慌てて感謝を伝えたら、「それこそ猫将軍君ね」「あげて良かった」と二人はコロコロ笑った。その笑い声に釣られ猛と三島と芹沢さんがやって来て、委員活動の思い出話に皆で花を咲かせた。
次の休み時間もチョコレートを貰えた。五分プレゼンの製作を手伝った料理教室の三人が、教室を訪れてくれたのである。「料理も面白いけどお菓子作りも面白かった」という白鳥さんの言葉どおり、三人から手渡された袋の中にはチョコレートの他にケーキやビスケットも入っていた。「美麗の家に集まって作ったの」「美麗は本当はね」「それは言わないって約束したじゃない!」「あ~はいはい」「美麗ったら可愛いんだから」と男子には窺い知れないいつもの高速トークを始めた三人を、僕もいつも通りほのぼのと見守ったのだった。
そしてお昼休みの終了間際、トイレから帰ってくる途中の廊下で思いもよらぬ事態が勃発した。名前もクラスも知らない、それどころか顔を見た記憶すらない三人の女の子が無言で袋を僕に押し付け、そして足早に去って行ったのである。袋の中に三人に関する情報が何も入っていなかったらどうしようと途方に暮れていると、ハイ子が通常のマナーモードでない、ミーサ専用モードで振動した。人気のない場所へ素早く移動しハイ子を取り出し確認したところ、咲耶さんから「毎年恒例のことだから名前とクラスを教えて良いか私があの子達に尋ねておくね」というメールが届いていた。毎年恒例の意味が分からず首を捻る僕へ、今度はエイミィから「咲耶さんのフォローを当てにして名前等を明かさずチョコレートを手渡す女の子が毎年いるそうです」とのメールが送られて来た。HR前の実技棟で、AIの私はチョコレートをあげたくてもあげられないのですと泣くエイミィの姿が蘇り、僕はとっさに足を実技棟へ向けた。しかしすかさずミーサが「お兄ちゃんのスケコマシ!」のお約束メールを送って来て、それと同時に昼休み終了の予鈴が鼓膜を打ったため、予鈴の三十秒をまるまる逡巡に費やしたのち、踵を返し教室へ向かった。それ以来ずっと、AIに機械の体を与えない真の理由を、僕は考え続けている。
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