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第五章 幸せに向かって
第六話 演目 十二支って何が偉いのか説明出来る?
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縁達は海渡が居る神の領域へとやってきた。
地獄谷の両親は、まさに夜逃げしてきたように大きな荷物を背負っている。
目を輝かせて地獄谷の視線をあちらこちらへと動いていた。
「にゃ、兎だらけだにゃ、先生ここの名前はなんにゃ?」
「ここは海渡様が治めている兎の地、東因幡だ」
以前結びとこの地に来たことがある、その時は縁の神社の相談にしに来た。
地獄谷の両親も物珍しさからか、目を輝かせて辺りを見回している。
その時縁達の目の前に、白い毛並みに小動物用の赤い上着を来ていて、優しそうな雰囲気を出している一羽の兎が現れた。
「ほっほっほ、ようこそ縁ちゃん」
「すみません海渡様、緊急でお話したい事が」
「うむ、多少は知っとるよ? 準備は出来ている」
「すみません、ありがとうございます」
「では旦那と奥さんは別室で今後の話し合い、縁ちゃんとお嬢さんは詳しくお話聞かせてね」
「にゃ?」
海渡がポンと手を叩くと縁と地獄谷、そして海渡は何処かの執務室に居た。
落ち着いた豪華さがある執務室だ、ソファーやインテリア、机等々。
その中で目立っていたのは、ボロボロになっているボールがガラスケースに入っていた。
海渡は机の上に移動して2人の方を向いた。
「ようこそ、私の私室へ」
地獄谷は息をのんだ、元十二支の威厳を肌で感じた。
縁とは違った威圧感を放っている、喋らずとも格の違いがわかる。
敵意は無いのはわかるのだが、緊張感が一気に襲ってきた。
「さて十二支に目を付けられたんだっけ? ちょいと待ってね、友達に連絡してみるから」
海渡は器用に机にあったスマホを操作した、それを見て可愛いと思えてしまった地獄谷は冷や汗を流していた。
「え、縁先生……今更ならが物凄く緊張してきたにゃ」
「どうした?」
「今目の前に居るのは間違いなく本物の神様にゃ」
「ああ、俺とは比べ物にならない、神の威厳だよ」
「にゃ……」
「こら縁、ワシはフレンドリーな神様目指しとる、変に緊張させるでない」
「いや無理でしょ」
海渡の目の前に、ポンという音と共に大きい白蛇が現れた。
とぐろを巻いて赤い目に舌をちろちろと出している。
「どうしたのじゃ海ちゃん、同人即売会の準備で忙しいのじゃが?」
「すまぬな、どこぞの神が十二支を名乗ってな? この猫さんの一族に迷惑をかけたようだよ」
「ほほう? この気質、昔地獄に落とされた猫の一族か?」
「あの……えっと……」
白蛇はジッと地獄谷を見ると、まさに蛇に睨まれた蛙の様に固まってしまった。
だがそれは仕方ない事だろう、自分より格上の神に見つめられたのだから。
「縁、どういう関係じゃ?」
「俺が居る学校の生徒ですよ、俺が担任ではありませんが」
「ああ、先生になったと噂で聞いている」
「副担任ですがね」
「襲撃犯の写真はあるのか?」
「はい」
「ふーむ……知らんな、ま、覚えておこう」
縁は机に地獄谷を襲った犬の神一味の写真を並べた。
いつの間にか撮っていたようで、地獄谷は驚いている。
そんな素振りを見せていなかったからだ。
ビックリしている地獄谷に、白蛇が近寄ってくる。
「猫の神よ、我が名は宇賀身立、財と健康の神で元はこの地方の十二支じゃ、してお主の名は何じゃ?」
「じ! 自己紹介が遅れましたにゃ! い、いや! おおおおくれました!」
「落ち着け娘、ワシは元十二支というだけで偉くは無いぞ? 老いぼれの蛇の神じゃ、ある程度の礼儀がなっとりゃ取って食わん、敬語もいらん」
「にゃ……私は地獄谷炎花、神の名は地獄花木天蓼にゃ」
「ふむ、んじゃ花ちゃんと呼ぼうかね」
「にゃ」
「で、何でまた十二支何かに狙われる事になったんじゃ?」
「わからないにゃ、今日は先生にお休み貰って必要な物を買いに出かけてたにゃ」
「……縁、アンタの予想はどうだじゃ?」
「最近出来た新しい十二支でしょうね、それも常識も知らねぇお子様だ」
「あ、あの……先生、十二支ってそんなに沢山居るのかにゃ? 家で質問したかったけど、そんな雰囲気じゃなかったにゃ」
「いいねぇ、縁先生のお手並み拝見というやつじゃな?」
「……あの縁が立派になって」
宇賀身立と海渡は我が子の成長を感じた様に、わざとらしく泣いている。
縁は軽くため息をしながらも、地獄谷と目を合わせた。
「簡単に説明するよ?」
「にゃ」
「十二支は大陸や国、まあ神を祀ってる所ならあると思ってもいい、ない所もあるけどさ」
「にゃ、それはわかるんだけど……乱立してるかにゃ?」
「そうだ、その話の前に衝撃の事実を一つ」
「にゃ?」
「十二支って自体には……実はそんなに意味も無いし、偉くも無い」
「にゃ!?」
縁からの衝撃の事実、十二支は別に偉くも無い。
何がどう偉くないのか、地獄谷の言葉き早くなった。
「ど、どういう事にゃ?」
「簡単さ、何が偉いか説明って出来る?」
「あ……何がと言われれば……難しいにゃ」
「例えば兎なら、サメを騙した兎が皮をはがされ海に居た所に、優しい神が通りかかり治療をした」
「にゃ、その兎は婚期を予言した縁結びの兎だにゃ」
「そうだ、これなら理由がちゃんとあって、この兎は縁結びのご利益あるってなるだろ?」
「にゃ、確かに、崇められる理由ってやつにゃ」
地獄谷は納得している顔をしている、言われてみれば十二支の何が偉いのか説明出来ない。
神が崇められる理由は、何かしらの出来事があってからこそ。
「そもそも十二支ってとても偉い神様が決めた、動物達でその年の顔というか……まあ、シンボルにしましょうみたいな感じなんだよ」
「にゃ、一番最初の十二支達は凄いと思うにゃ」
「どうして?」
「価値があったからにゃ、今は十二支が沢山いるんでしょ?」
「ふむ、価値が無いわけではないが……」
「じゃあ仮に一年間何処かの大陸の顔だとして、何をしてくれるにゃ?」
「基本的には何もしない、まあ今年はうさぎ年ですからうちの神社をどうぞ、とかはあるかもな」
「えぇ……十二支ってなんにゃ」
「地獄谷さん、目の前にその質問を答えれる神様が居るぞ?」
「にゃ」
元十二支の神が目の前に2人も居る、地獄谷は聞くことにしてみた。
きっと自分の最後の希望の答えが聞けると思ったのだが――
「海渡様、十二支って何にゃ?」
「うむ、今の価値観でお話すると……こみゅにてぇさーくる、というやつだね」
「え? そんな軽い感じなの?」
「……宇賀身立様は?」
「勝手に勘違いして乱立させてるな、まあ審査通ればいいんじゃないか?」
「えぇ……」
打ち砕かれた、ものの見事に、十二支という存在が雑な感じになっていた。
自分のご先祖様はこれの為に――いや、それはあくまでも今の価値だ。
ご先祖様の時は今とは認識とは違うはず、それじゃなきゃ地獄に落とされない。
そして昔は十二支に選ばれるのには、それなりの地位が必要だったのじゃないか?
自分なりの答えを縁に言うのだった。
「縁先生、多分今も昔も役十二支って職じゃなくて本人が偉いって事にゃ、確信したにゃ」
「ああそうだ、そしてな?」
「にゃ?」
「普通に考えて、十二支を語る偽物ならそれで処罰されるし、認定された十二支なら問題だ」
「偽物はわかるけど、本物の場合は何が問題にゃ?」
「今回で言えば……人の世で慎ましく生きていた神を襲う、認証された組員がすることじゃない」
「にゃ? 十二支って組合員みたいなものかにゃ?」
「ああ、色々なグループはあるけれど、十二支って組合は一つだけだ」
「わかったにゃ、今回の問題点は他の十二支の顔に泥をぬってるにゃ」
「そうそう」
「当たったにゃ」
グループが沢山あっても組織が一つ、ならば他の神が黙っていない。
でも何故だろうか? 自分の一族は――
そうだ、冤罪で地獄に落とされた一族、なら冤罪だと動いた人達が居る。
多分十二支の中にも居るのだろう。
と、色々と地獄谷は考えていたが頭を手で押さえた。
「なんだかこんがらがってきたにゃ」
「そういう時は、一声でまとめるんだ」
「にゃ」
「何処かで大陸で多少崇められる十二支が、平和に暮らしていた君の一族に中指立てたって事さ」
縁の言葉は非常にシンプルだった、まさにその通りだ。
自分は人の世で悪さをしていたけど、神が関わるような事はしていない。
両親も地獄でつつましく生活していた、中指を立てられる筋合いは無い。
自分が狙われた理由は何なのか? 縁なら答えてくれそうだと思い、聞いた。
「……先生」
「どうした?」
「何で私の一族なんだにゃ?」
「俺の予想だが……地獄に落とされた一族が地上に出る事は許さないとかじゃないかな」
「はぁ?」
「御大層な理由は求めない方がいい、ほとんどがつまらん理由だ」
「にゃ」
本気のはぁ?が出てしまったが、地獄谷は少々納得していた。
自分が他人に迷惑かけていた時の一番の理由、それは『自分が楽しかった』から。
他人にそれをされるとやはりムカつく、だが自分もそれをして来た。
罪悪感と後悔が同時に襲い掛かって来ると共に、自分を小物だと感じた。
「……小物感が半端ないにゃ」
「はっはっは! 十二支を小物ときたか! 花ちゃん」
「あ……ご、ごめんなさ――」
「いやいや正にその通りじゃ! 今は小物の集まりになりおったのじゃ!」
「たっちゃん落ち着いて、もうワシらの時代じゃないんだよ」
「海、わかっとるがな? それでも十二支の名を使って暴れてるんじゃぞ!? 縁を見習え! 妹の為にほぼその身一つだ戦い抜いたのじゃぞ!」
「はいはい落ち着いて、今お茶だしてあげるから」
「……うむ、一度落ち着こう」
4人はソファーに座る、しばらくして海渡の部下がお茶と茶菓子を持ってきた。
海渡は両手でお茶飲み、宇賀身立は尻尾で器用を使って飲んでいる。
地獄谷は美味しいお茶と茶菓子に 満足していた。
そして縁は、先ほど宇賀身立が言っていた言葉にダメージをおっていた。
確かにほぼ1人で人と戦い妹の尊厳守ったのだが……
そのほぼは違う、実際にはずっと協力してくれた人達が居る。
でも訂正するのもな……そんな事を考えてお茶を飲んでいた。
地獄谷の両親は、まさに夜逃げしてきたように大きな荷物を背負っている。
目を輝かせて地獄谷の視線をあちらこちらへと動いていた。
「にゃ、兎だらけだにゃ、先生ここの名前はなんにゃ?」
「ここは海渡様が治めている兎の地、東因幡だ」
以前結びとこの地に来たことがある、その時は縁の神社の相談にしに来た。
地獄谷の両親も物珍しさからか、目を輝かせて辺りを見回している。
その時縁達の目の前に、白い毛並みに小動物用の赤い上着を来ていて、優しそうな雰囲気を出している一羽の兎が現れた。
「ほっほっほ、ようこそ縁ちゃん」
「すみません海渡様、緊急でお話したい事が」
「うむ、多少は知っとるよ? 準備は出来ている」
「すみません、ありがとうございます」
「では旦那と奥さんは別室で今後の話し合い、縁ちゃんとお嬢さんは詳しくお話聞かせてね」
「にゃ?」
海渡がポンと手を叩くと縁と地獄谷、そして海渡は何処かの執務室に居た。
落ち着いた豪華さがある執務室だ、ソファーやインテリア、机等々。
その中で目立っていたのは、ボロボロになっているボールがガラスケースに入っていた。
海渡は机の上に移動して2人の方を向いた。
「ようこそ、私の私室へ」
地獄谷は息をのんだ、元十二支の威厳を肌で感じた。
縁とは違った威圧感を放っている、喋らずとも格の違いがわかる。
敵意は無いのはわかるのだが、緊張感が一気に襲ってきた。
「さて十二支に目を付けられたんだっけ? ちょいと待ってね、友達に連絡してみるから」
海渡は器用に机にあったスマホを操作した、それを見て可愛いと思えてしまった地獄谷は冷や汗を流していた。
「え、縁先生……今更ならが物凄く緊張してきたにゃ」
「どうした?」
「今目の前に居るのは間違いなく本物の神様にゃ」
「ああ、俺とは比べ物にならない、神の威厳だよ」
「にゃ……」
「こら縁、ワシはフレンドリーな神様目指しとる、変に緊張させるでない」
「いや無理でしょ」
海渡の目の前に、ポンという音と共に大きい白蛇が現れた。
とぐろを巻いて赤い目に舌をちろちろと出している。
「どうしたのじゃ海ちゃん、同人即売会の準備で忙しいのじゃが?」
「すまぬな、どこぞの神が十二支を名乗ってな? この猫さんの一族に迷惑をかけたようだよ」
「ほほう? この気質、昔地獄に落とされた猫の一族か?」
「あの……えっと……」
白蛇はジッと地獄谷を見ると、まさに蛇に睨まれた蛙の様に固まってしまった。
だがそれは仕方ない事だろう、自分より格上の神に見つめられたのだから。
「縁、どういう関係じゃ?」
「俺が居る学校の生徒ですよ、俺が担任ではありませんが」
「ああ、先生になったと噂で聞いている」
「副担任ですがね」
「襲撃犯の写真はあるのか?」
「はい」
「ふーむ……知らんな、ま、覚えておこう」
縁は机に地獄谷を襲った犬の神一味の写真を並べた。
いつの間にか撮っていたようで、地獄谷は驚いている。
そんな素振りを見せていなかったからだ。
ビックリしている地獄谷に、白蛇が近寄ってくる。
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「じ! 自己紹介が遅れましたにゃ! い、いや! おおおおくれました!」
「落ち着け娘、ワシは元十二支というだけで偉くは無いぞ? 老いぼれの蛇の神じゃ、ある程度の礼儀がなっとりゃ取って食わん、敬語もいらん」
「にゃ……私は地獄谷炎花、神の名は地獄花木天蓼にゃ」
「ふむ、んじゃ花ちゃんと呼ぼうかね」
「にゃ」
「で、何でまた十二支何かに狙われる事になったんじゃ?」
「わからないにゃ、今日は先生にお休み貰って必要な物を買いに出かけてたにゃ」
「……縁、アンタの予想はどうだじゃ?」
「最近出来た新しい十二支でしょうね、それも常識も知らねぇお子様だ」
「あ、あの……先生、十二支ってそんなに沢山居るのかにゃ? 家で質問したかったけど、そんな雰囲気じゃなかったにゃ」
「いいねぇ、縁先生のお手並み拝見というやつじゃな?」
「……あの縁が立派になって」
宇賀身立と海渡は我が子の成長を感じた様に、わざとらしく泣いている。
縁は軽くため息をしながらも、地獄谷と目を合わせた。
「簡単に説明するよ?」
「にゃ」
「十二支は大陸や国、まあ神を祀ってる所ならあると思ってもいい、ない所もあるけどさ」
「にゃ、それはわかるんだけど……乱立してるかにゃ?」
「そうだ、その話の前に衝撃の事実を一つ」
「にゃ?」
「十二支って自体には……実はそんなに意味も無いし、偉くも無い」
「にゃ!?」
縁からの衝撃の事実、十二支は別に偉くも無い。
何がどう偉くないのか、地獄谷の言葉き早くなった。
「ど、どういう事にゃ?」
「簡単さ、何が偉いか説明って出来る?」
「あ……何がと言われれば……難しいにゃ」
「例えば兎なら、サメを騙した兎が皮をはがされ海に居た所に、優しい神が通りかかり治療をした」
「にゃ、その兎は婚期を予言した縁結びの兎だにゃ」
「そうだ、これなら理由がちゃんとあって、この兎は縁結びのご利益あるってなるだろ?」
「にゃ、確かに、崇められる理由ってやつにゃ」
地獄谷は納得している顔をしている、言われてみれば十二支の何が偉いのか説明出来ない。
神が崇められる理由は、何かしらの出来事があってからこそ。
「そもそも十二支ってとても偉い神様が決めた、動物達でその年の顔というか……まあ、シンボルにしましょうみたいな感じなんだよ」
「にゃ、一番最初の十二支達は凄いと思うにゃ」
「どうして?」
「価値があったからにゃ、今は十二支が沢山いるんでしょ?」
「ふむ、価値が無いわけではないが……」
「じゃあ仮に一年間何処かの大陸の顔だとして、何をしてくれるにゃ?」
「基本的には何もしない、まあ今年はうさぎ年ですからうちの神社をどうぞ、とかはあるかもな」
「えぇ……十二支ってなんにゃ」
「地獄谷さん、目の前にその質問を答えれる神様が居るぞ?」
「にゃ」
元十二支の神が目の前に2人も居る、地獄谷は聞くことにしてみた。
きっと自分の最後の希望の答えが聞けると思ったのだが――
「海渡様、十二支って何にゃ?」
「うむ、今の価値観でお話すると……こみゅにてぇさーくる、というやつだね」
「え? そんな軽い感じなの?」
「……宇賀身立様は?」
「勝手に勘違いして乱立させてるな、まあ審査通ればいいんじゃないか?」
「えぇ……」
打ち砕かれた、ものの見事に、十二支という存在が雑な感じになっていた。
自分のご先祖様はこれの為に――いや、それはあくまでも今の価値だ。
ご先祖様の時は今とは認識とは違うはず、それじゃなきゃ地獄に落とされない。
そして昔は十二支に選ばれるのには、それなりの地位が必要だったのじゃないか?
自分なりの答えを縁に言うのだった。
「縁先生、多分今も昔も役十二支って職じゃなくて本人が偉いって事にゃ、確信したにゃ」
「ああそうだ、そしてな?」
「にゃ?」
「普通に考えて、十二支を語る偽物ならそれで処罰されるし、認定された十二支なら問題だ」
「偽物はわかるけど、本物の場合は何が問題にゃ?」
「今回で言えば……人の世で慎ましく生きていた神を襲う、認証された組員がすることじゃない」
「にゃ? 十二支って組合員みたいなものかにゃ?」
「ああ、色々なグループはあるけれど、十二支って組合は一つだけだ」
「わかったにゃ、今回の問題点は他の十二支の顔に泥をぬってるにゃ」
「そうそう」
「当たったにゃ」
グループが沢山あっても組織が一つ、ならば他の神が黙っていない。
でも何故だろうか? 自分の一族は――
そうだ、冤罪で地獄に落とされた一族、なら冤罪だと動いた人達が居る。
多分十二支の中にも居るのだろう。
と、色々と地獄谷は考えていたが頭を手で押さえた。
「なんだかこんがらがってきたにゃ」
「そういう時は、一声でまとめるんだ」
「にゃ」
「何処かで大陸で多少崇められる十二支が、平和に暮らしていた君の一族に中指立てたって事さ」
縁の言葉は非常にシンプルだった、まさにその通りだ。
自分は人の世で悪さをしていたけど、神が関わるような事はしていない。
両親も地獄でつつましく生活していた、中指を立てられる筋合いは無い。
自分が狙われた理由は何なのか? 縁なら答えてくれそうだと思い、聞いた。
「……先生」
「どうした?」
「何で私の一族なんだにゃ?」
「俺の予想だが……地獄に落とされた一族が地上に出る事は許さないとかじゃないかな」
「はぁ?」
「御大層な理由は求めない方がいい、ほとんどがつまらん理由だ」
「にゃ」
本気のはぁ?が出てしまったが、地獄谷は少々納得していた。
自分が他人に迷惑かけていた時の一番の理由、それは『自分が楽しかった』から。
他人にそれをされるとやはりムカつく、だが自分もそれをして来た。
罪悪感と後悔が同時に襲い掛かって来ると共に、自分を小物だと感じた。
「……小物感が半端ないにゃ」
「はっはっは! 十二支を小物ときたか! 花ちゃん」
「あ……ご、ごめんなさ――」
「いやいや正にその通りじゃ! 今は小物の集まりになりおったのじゃ!」
「たっちゃん落ち着いて、もうワシらの時代じゃないんだよ」
「海、わかっとるがな? それでも十二支の名を使って暴れてるんじゃぞ!? 縁を見習え! 妹の為にほぼその身一つだ戦い抜いたのじゃぞ!」
「はいはい落ち着いて、今お茶だしてあげるから」
「……うむ、一度落ち着こう」
4人はソファーに座る、しばらくして海渡の部下がお茶と茶菓子を持ってきた。
海渡は両手でお茶飲み、宇賀身立は尻尾で器用を使って飲んでいる。
地獄谷は美味しいお茶と茶菓子に 満足していた。
そして縁は、先ほど宇賀身立が言っていた言葉にダメージをおっていた。
確かにほぼ1人で人と戦い妹の尊厳守ったのだが……
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