幽霊の俺が使い魔召喚されたのだが

松林 松茸

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第14話 何か仕事しようかな

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この世界の通貨単位は「団」である。日本の物価に換算すると1団が1円に相当する。和也は使い魔であるが学生であるので月に3万団貰っている。これはこの世界の平均小遣いよりも多い。

和也はお金はあまり使わない。昼ご飯を食べないし、エネルギーは竜馬と紋章が補充してくれる。更に洋服も支給されている為めったにお金を使わないのだ。勿論、彼にも友達は居るのでカラオケに行ったり遊びに行くときもあるがそれでもお金は余る。

友人たちは少ない小遣いでやりくりするかアルバイトでお金を稼ぐ。それを目の当たりにしている和也は自分もアルバイトでもするかと考えていた。

しかし和也は使い魔である。自分の一存でアルバイトは出来ないのだ。

「どう説得するか」

竜馬はアルバイトに反対するタイプだ。学生の本分は勉強である。それをおろそかにすることを彼は良しとしない。

「勉強して資格を取るのも有りだな」

和也はそう思いながら自分が何を出来るか考える。

「僕が出来る事は…気の流れやツボの場所を見る事と具現化することだな」

それを活かして出来る事。

「あ、鍼灸師なら出来るかも!早速、実験してみよう」

そう呟くと和也は清水の元に向かう。彼を実験台にしてどこまで出来るか試すためだ。


「清水さん」

和也は満面の笑みで清水に話しかける。

「どうした?えらく機嫌が良さそうじゃないか」

清水も和也に笑みを返す。

「清水さんにお願いがあって来ました」

「お願い?エロい事以外だったら考えるけど」

「エロくありません。気持ち良いだけです」

「その言い方だとエロく聞こえるな」

清水は顔をしかめる。

「気持ち良いと言ってもマッサージ的な意味ですよ」

「お前が言うと性感マッサージに聞こえるぞ」

「エロい事をしないので実験台になってくださいよ」

そう言いながら和也は清水をリビングに連れていく。そして彼の上着を脱がせてソファーにうつ伏せで寝かせた。

「おい、エロい事したら怒るからな」

清水は未だ和也を疑っていた。

「大丈夫です。針治療の実験ですので」

そう言うと和也は清水のツボを見ながら気の流れが淀んでいる箇所を見極める。気の流れがスムーズに流れていない箇所は疲れがたまっていると経験上知っているのだ。1年間、地球でただ幽霊をしていたわけではないのだ。

「それでは始めます」

和也はそう言うと針を具現化し念動力(ポルターガイスト)でツボに針を刺していく。初めは怪訝な顔をしていた清水も針を打ち込まれるうちに眠ってしまった。その顔は実に気持ち良さそうだ。

「これなら僕にもできるな」

和也は針治療を終えると清水を起こす。

「どうでしたか?」

和也は笑顔で清水に感想を求める。

「あぁ、実に気持ち良かったよ。いつの間にか寝てしまったし」

そう言いながら清水は体を起こす。その動きは先ほどと比べると実に軽やかだ。

「和也にこんな才能があったとは驚きだ」

そう言いながら清水は上着を纏う。

「それでは俺は仕事に戻るから」

そう言うと清水は軽い足取りでリビングから出ていく。

「これだったら仕事をしても大丈夫そうだ」

粕谷はそう呟くとスマホを開く。鍼灸師に必要な資格を検索するためだ。

「なるほど。この世界の鍼灸師はテストと実技が受かればなれるのか。その為に医療学校に行くことが多いみたいだけど、医療学校を卒業しなくてもテストは受けられるんだな」

それが解れば次にやる事はテストの傾向と対策だ。

「どれどれ…うん、こっれなら受かるな」

和也はニヤリと笑うと直近の試験に申し込む。


2週間後、和也の元に一通の封筒が届く。中を開けてみると鍼灸師の合格通知だった。

「よし、あとはご主人様を説得するだけだ」

そして和也は竜馬の部屋へ向かうのであった。
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