幽霊の俺が使い魔召喚されたのだが

松林 松茸

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第19話 王族会議

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アーの国から高速鉄道で数時間乗っている。これから世界の王族会議があるらしい。使い魔は強制出席だ。

「今年も面倒な事だ」

竜馬は欠伸をしながらやる気なさそうな表情をしている。

この世界には7つの国がありそれぞれの国には真の紋章を持つ者が王として君臨する。そして年に1回、各国の王が一堂に会する日があるそうだ。

「どうせ怪物絡みの報告会になるだろうし面倒なことは嫌いなんだよな」

尚も竜馬は愚痴を言っている。

「僕は楽しみですけどね」

和也はそう言いながら浮かれた様子で外の景色を眺める。この世界に来てから初めての旅行だ。それに他の国の事を知ることも大事な事だと思えた。


それから2時間後、竜馬一行はエルフの国の宮殿に来ていた。王族会議は毎年変わるらしい。去年はアーの国であったそうだ。そして今年はエルフの国という訳だ。

エルフの国と言ってもやはりいろいろな人種が入り混じっている。この国の特徴はそこいら中に森がある事だろうか。

「竜馬、久しぶりだな」

不意にエルフの王らしき人物が竜馬に話しかけてくる。

「あぁ、1年ぶりだな」

相変わらず竜馬はやる気がない。

「そこの少年が新しい使い魔か?」

「あぁ、そうだよ」

「これでお前もやっと1人前の王だな」

エルフの王はそう言いながら楽しそうに笑っている。因みに彼の使い魔はグリフォンと獣人みたいだ。

「あぁ、そうだな」

竜馬は素っ気なく言い放つ。


それから1時間後、エルフ王、ドワーフ王、獣人王、妖精王、美少女真祖、美女魔王、竜馬で会議が始まった。今年あった事件の事後報告やら世間話やらしながら時間は過ぎていく。そして会議が一通り終わると宴会となった。

「またこれがあるのか…」

竜馬は不機嫌そうに言い放つ。

「洋子さん。ご主人様は何で機嫌が悪いんですか?」

「それは…竜馬様は酒乱だから…」

「え?」

「彼はお酒が弱いのよ。それで毎年…ね」

そう言う洋子は嬉しそうにしている。

(洋子さんの反応だと…脱ぐのだろうな)

和也はそんな事を考えながら彼らと共に宴会場に向かっていた。


宴会が始めって30分ほどだ。無理やり酒を呑まされた竜馬はすっかり酔っぱらって服を脱ぎだす。そして他の王族の服も脱がそうとしていた。

「今年も脱いだか」

そう言いながらドワーフ王は酒をがぶ飲みしている。

「負けないぞ!」

エルフ王はそう言いながら自らの服を脱ぎだした。この2人は酒が入ると露出狂になるらしい。

「今年も撮影するか」

美少女真祖がビデオカメラを回して楽しんでいる。因みに美少女真祖とはヴァンパイアの女王であり、彼の持つ「暁の紋章」はヴァンパイアにエネルギーを与え、強化する代物らしい。

魔王と妖精王はそれを見ながらチビチビ杯を交わしていた。

(シラフになった時、相当恥ずかしいだろうな)

竜馬とエルフ王が尻を開いたり一物を弄ったりしているのを見ながらそう思った。

それにしてもエルフ王は始めから宴会に乗り気だった。服を脱ぐほど酒乱なのに宴会を楽しみにしているのが不思議に思える。和也が不思議そうな顔をしていると美少女真祖が説明してくれた。

「エルフ王は露出狂なの」

なるほどね。だから脱げて嬉しそうな訳かと和也は1人で納得していた。
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