幽霊の俺が使い魔召喚されたのだが

第33話 洋子の姪

屋敷に戻ると洋子と2人のエルフが何やら談笑している。

「ただいま戻りました」

和也は洋子たちに声をかけた。

「あ、和也。紹介するね。この2人は私の姪で中川　美紀と中川　由紀。美紀が朱雀様の秘書兼妻。由紀が玄武様の秘書兼妻なの」

「中川　美樹です。叔母がお世話になっております」

「中川　由紀です。以後お見知りおきを」

2人はそれぞれ和也にお辞儀をする。

「僕は三浦　和也です。鈴木　竜馬様の使い魔です。よろしくお願いします」

和也はぺこりとお辞儀をする。

（それでは青龍様と白虎様も結婚しているのだろうか？）

不意に和也はそんな事を考える。すると洋子がとんでもない事を口にした。

「青龍様も白虎様も結婚すればいいのに。2人はサキュバスと愛人契約しているから…処女のサキュバスは珍しいから解らなくもないけど」

その言葉に和也は竜馬の悪影響だと思った。青龍も白虎もイケメンなのだ。モテないはずはないし国家の重鎮だ。ならば結婚の話くらいは直ぐにありそうなものだと考える。

「聞こえたよ。洋子さん」

不意に後ろから青龍と白虎が現れた。

「俺達だって200年前に結婚していたさ。相手は人種だったから100年くらいで結婚生活は終わったけどね。それでも孫たちは元気だからそれで良いと思っているよ。それにサキュバス2人と愛人契約しているし」

青龍はそう言いながら笑う。

「そうそう。処女のサキュバスなんてレアだったからな。俺も愛人契約しているよ」

そう言って白虎も同調する。

（この2人…まるで竜馬だ…）

やっぱり親子だとこの時、初めて和也は思った。竜馬も性欲は強い。この2人も負けないくらい強いのであろう。

「それに朱雀や玄武みたく妖精種と結婚したら娘を嫁に出すときに悲しくなるからな」

「え？妖精種との間には男の子は生まれないのですか？」

和也は青龍に問いかける。

「あぁ、妖精種は必ず妖精種の娘を産むんだ。姪たちと遊んできたけど…嫁に行くと思うと…」

そう言いながら青龍は悲しそうな顔をする。どうやら親ばかならぬ叔父馬鹿らしい。

「娘は嫁にやらん！」

不意に後ろから叫び声がした。朱雀である。

「娘をたぶらかす男が居たら八つ裂きにしてくれる！」

「そんなことをしたら孫の顔も見れなくなりますよ。それに娘はまだ子供です。そんな先の話をしてどうするのですか？」

美紀はあきれ顔で朱雀に言う。

「嫌だ！娘が嫁に行くなんて…パパはそんな事を許しません！」

そう朱雀は泣きそうな声で言い放った。

（あぁ、これは完全に親ばかだ）

そう考えながら和也はこの空間が温かいものに感じられた。それぞれがなんだかんだ言って思いやり言いたい事を言い合える。温かい家庭かなと思えた。

（それでも娘さんは嫁に行けますように）

和也は密かに朱雀と玄武の娘の幸せを祈っていた。