桜の花が咲く季節に

絵麻

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桜花が咲く季節に

五話

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「繭、知覧に行ってくれるかい?」
 それは、一ヶ月前のこと。
 洋右の父・権蔵に呼ばれ、繭は知覧行きを受け入れた。

「若旦那様かぁ、どんな人だろ」

 権蔵も美幸も優しく、繭は娘のように大切にされた。

「今日から、若旦那様の身の回りのお世話をさせて頂く、高橋繭です」
 小学校すら出ていない繭に、洋右は帳面と鉛筆を買ってくれた。
「日記用と、こっちは漢字と算術だ」
「え?」
「勉強なら、オレが見てやる。これでも、大学出てるんだ」
「はい」

 洋右の教え方は、懇切丁寧だった。紙が水を吸うように、繭は学習した。

「楽しかったなぁ」
 全ての学科を終えた繭は、改めて帳面を見返す。
「何が、楽しかったんだ?」
 洋右が後ろから抱きしめる。
「えっと、勉強を教えてもらうのが、です」
「いま、隠したのは、日記か?」
「はい」
「見せなさい、先生に」
「駄目、です」

 そこには、繭視点の洋右が書かれていた。
 初めて結ばれた、あの夜のコトも―――

「そうか、こんなふうに記憶してるのか」

 嫌な、笑みが洋右に刻まれる。

「ホントの繭は・・・」
「やぁ」
 耳を塞ぎたくなると、洋右はさせまいと押さえる。
「で、ココは・・・ほら、もう」

 濡れてる

「やだぁ、やめ」
「触らないのに、感じた?」
 ボタンが外され、服が降ろされる。なぜ、背中開きなのか、繭はようやく理解した。

 硬い・・ッ

 深く浅く、洋右は繭を抱いた。何度も仰け反り、シーツを握って、繭は快楽に耐えた。

 イク・・イキま・・

 喘ぎは口づけで塞がれた。

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