桜の花が咲く季節に

絵麻

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桜花が咲く季節に

四話

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「綺麗」

 そこは知覧から少し離れた、山の中にある桜だった。
「ここは上田の所有する別荘でな、まあ・・ガキの頃に来ただけだが」
 桜を見上げる繭の笑顔に、洋右は魅入る。

(こいつ・・こんなに綺麗だったか?)
 あどけない少女だった繭が、洋右に抱かれ大人の女人になった。
(だからか、無駄に抱きたくなるのは)

 桜の下で食事をし、付近を散策する。

「これは、洋右様」
 別荘の管理をしている老夫婦が、笑顔で迎える。
「こちらは、奥様ですか?」
 繭を見た女性が、にこやかに訊ねる。
「いえ、私は」
「ああ、オレの妻だ」
 洋右の言葉に、繭は泣きそうになる。

「洋右さん、何で?」
 部屋に通された洋右に、繭は真意を訊ねた。
「妻、って言ったことか」
「はい」
「オレは、けっこう本気だぞ?じゃなきゃ、まだ十五のお前を抱いたりしない」
 涙が、音を立て床に落ちる。

「な、何で泣く?嫌か」
「ちがいます、その」
 情事のあと、洋右は必ず避妊薬を飲ませる。何度も射精して、繭はてっきり自分は慰みだと思っていた。
「私、好きになりま・・本気にして・・」
「ああ、構わない」
「大好きです、洋右さん」
 繭は声を上げ、泣いた。

「な・・何なんですか、この部屋」
 夕食を済ませた二人が通された寝室は、上田家の代々の跡取りが新妻と過ごす、特別仕様の部屋だった。
「マジかよ?」

(燭台の蝋燭はアレの形だし、引き出しには張り型まで。どういう趣味だよ)
 天蓋付きの寝台はフカフカで、掃除も行き届いている。
「あの、洋右さん?」
「なんか、スゲな」
 代々の当主が新婚旅行で過ごす部屋に、繭は真っ赤に俯く。

「はあ」
 落ち着かない気持ちで、繭はソファに腰掛ける。
 
 風呂に行ってくると、洋右は部屋を出た。
(するのよね?やっぱり)
 繭は落ち着こうと、香炉に火を灯した。

「繭」
「下さい、洋右さん」
 目を潤ませた繭が、背伸びして口づける。
「どうし・・・まさか!」
 洋右は香炉から、白い煙が登るのを見つける。
「催淫剤か!」
「んっ」
 繭は洋右に口づける。

「抱いて、下さい」
 泣きそうに顔を歪め、繭は懇願した。
「いいよ、繭。朝までしてやる」

 はぁ・・深ぁっ。

 悲鳴のような声で、繭は快楽を訴えた。
「繭、こんなに濡らして。気持ちいいのか」
「いいの、気持ち悦い」
 泣きそうに顔を歪め、繭は洋右にすがりつく。

「繭、一度抜くぞ」
 ズリュと、糸を引きながらペニスが引き抜かれる。
 引き出しから、張り型が出され繭に手渡された。
「これで、してみせろ」
「え」

 嫌がる繭に、洋右は太い張り型を挿入した。
「やだぁ、イクの」
「いやらしいな、またイッたのか?」
 仰け反り、絶頂に達した繭に洋右は自身を押し当てる。

 深いの、やだぁ・・

「勝手に部屋のものに触れるからだ。だから、こんな目に合うんだ」
「ごめんなさ」
「繭、本気で考えてくれないか?まだ十五だから、二十歳になってからでも構わない」
「はい」

 幸せだった。
 幼くして両親はなく、叔父叔母は冷たく接した。口減らしに売りに出され、洋右の父に引き取られた。

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