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1巻
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オドリオの街の入口まで進み、そこにできている列に並ぶ。街へ入るには門番による検査を受けなければならない。
「次の者、こちらへ」
列に並んでからおよそ十分後、俺達の番が来た。
「こちらが私の分の通行証です。二人は付き添いの者なので通行証はありません」
「……ふむ、こちらは問題なし。残りの二人分で銀貨四枚だ」
「はい」
村長さんは税金を納める時や、農作物を売る際に街に入るため、通行証を発行してもらっていたようだ。一人銀貨二枚ということはだいたい二千円くらいか……妥当と言えば妥当なのかな。
「……それでそっちの森フクロウはどうなっているんだ? 見たところ鎖も付けていないのになぜ逃げ出さない?」
「よくわからないのですが、森で怪我を治療してあげたら、とても懐かれました」
俺は正直にフー太が懐いてくれた時のことを話した。
「森フクロウが人に懐くことがあるとはな……どちらにせよ通行証がない者は簡単なチェックをすることになっている。そっちで詳しい話をしてくれ」
「わかりました」
村長さんから聞いていた通りなので、俺とジーナは案内に従って別室へと向かう。
確かに俺達の前に並んでいた人のうち何人かは別室に案内されていたので、フー太がいるから特別にチェックするわけではないらしい。
俺とジーナは門番のチェックを受けて無事に街の中に入ることができた。
どんなチェックをされるのかと心配していたけれど、持ち物を簡単に確認したり、向こうからの質問に答えたりするだけだったな。
だが、もちろんフー太が俺の言葉を理解できることは話していない。
フー太を連れている経緯など、こちらの話をそのまま信じてくれたということは、もしかしたら嘘がわかるような魔法や魔道具があったのかもしれないな。
「おお~これはすごい!」
「ホホーホー♪」
外壁の中にはこれこそ異世界と呼べるような景色が広がっていた。門の前には道があり、大勢の人々や荷馬車が数多く行き交っているが、それでも十分に余裕があるほどの広さだ。
大きな荷物を背負った商人のような人、農作物をたくさん抱えた農民のような人、プレートアーマーを身につけて少し人相の悪い冒険者のような人など、とにかくいろいろな格好をした人々が歩いている。
いや、人だけではない。頭から耳を生やし、長い尻尾をパタパタと振っているネコの獣人、毛むくじゃらの髭面をした少し背の低いドワーフなど、人族以外の様々な種族がここには存在しているようだ。
街の様子はとにかく雑多であった。大きな家に小さな家、二階建ての家なんかもある。材質も石でできていたり木でできていたり、コンクリートのようなもので塗り固められているような家もある。
材料そのままの色の家や白色や茶色、はたまた赤色や青色といった派手な色で塗られた家もあった。
「さあ、まずは商店へ案内をお願いします!」
「うむ」
異世界の街並みに感動している暇はない。今はエリナちゃんを救うために早いところ薬を手に入れなければならない。異世界の街を楽しむなら、改めてまた来た時に楽しめばいい。
まずは薬を買うためにこの街で使える資金を集める。キャンピングカーでこの街へ向かっている最中、街に入った後のことはすでにみんなと話してある。
村長さん達がいつも農作物を売っている商店へと向かう。
村長さんがいつも使っている店ならば、多少の信頼関係はあるはずだ。そして、その商店はこの街でも大きい方で、一~三番目とまではいかなくとも、四~六番目には有名な商店らしい。
むしろ香辛料を高値で売るにはそちらの方が都合がいいかもしれない。もしあまりにも足元を見られるようだったら、一番有名な商店に売りに行くと駆け引きすることもできるからな。
「ここがいつも売買をしているエミリオ商会です」
村長さんの案内で、俺達は街中のとある建物の前までやってきた。目の前の建物は、この街の建物の中でも一際大きく目立っている。
「聞いていた通り大きな商店ですね」
「ええ、エミリオ商会はこの街でも有名な商会ですからね。商人や貴族ではなく、冒険者を主な客層として商売をしている商会なのです」
「なるほど、冒険者相手ですか」
どうやらこの世界には冒険者という職業があるらしい。商人や貴族相手に香辛料を売るよりも、冒険者を相手にしてくれる方が面倒ごとが少なそうだから、俺にとってはありがたい。
「これはリビド殿、お久しぶりですな。本日はいつものように野菜や魔物の素材の買い取りですかな?」
部屋に案内され、少し待つと四十代くらいの男の人が入ってきた。この人が買い取り担当の人なのだろうか。
「お久しぶりです、バロス様。いえ、本日はこちらの方を紹介させていただきたく存じます。彼はこちらのジーナの命の恩人でして、遠い国から旅をしているシゲト殿です。この度はエミリオ商会様に買い取っていただきたい物があるそうなので、一緒に参りました」
「はじめまして、シゲトと申します。かなりの田舎から参りましたゆえ、言葉遣いや所作について無作法がありましたら、ご容赦いただけますと幸いです」
「ほお、ずいぶんと礼儀正しいのですね。バロスと申します。それで買い取らせていただける物とはなんでしょうか? もしかすると、そちらの森フクロウと関係があるのでしょうか?」
「いえ、違います!」
「ホー?」
フー太がバロスさんの言葉を理解できていないようで助かったよ。確かに街を歩いている時も通行人に結構見られていたし、やはり森の遣いであるという森フクロウが人に懐いている姿は珍しいようだ。
「買い取ってほしい物はこちらになります」
俺は村長さんに用意してもらった三つの容器に入っている香辛料を取り出した。それぞれの容器にはコショウとアウトドアスパイス二種類が入っている。
普段このコショウやアウトドアスパイスはプラスチックとガラス製の容器に入っているのだが、こちらの世界ではプラスチックやガラスの方が希少な可能性があるため、村で借りた陶器のような容器に予め移し替えてある。
「ほお、これはなんでしょうか?」
「そちらがコショウ、そしてこちらの二つが俺の故郷で作られている秘伝の香辛料です。こちらの香辛料にもコショウが使用されています」
「コショウですって!? いえ、失礼しました。商人ではなく、個人でこれだけの量のコショウを持ち込まれるのは珍しいことでして……失礼ですが確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
「ええ、もちろんです」
バロスさんはコショウとアウトドアスパイスの香りを嗅いだり、ほんの数粒を口へ含んで味を確かめたりしている。
「……確かに本物のようですね。それもコショウの方はかなり品質が良く、こちらの香辛料二つについては、今まで味わったことのないもので、どちらも微妙に味が異なりました」
コショウについては、普通にスーパーで市販されているものだったのだが、こちらの世界では高品質なものらしい。
「すみません、こちらの交渉につきましては私ではできかねますので、会頭を呼んできます。大変申し訳ないのですが、このまま少しお待ちいただけますか?」
「はい……」
あれ、ちょっとまずいな。あんまり大事にはしたくないのだが……
いくらコショウが高価とはいえ、この商会のトップを呼ぶほどのことなのか? もしかしたら商人でもない個人が持ってきたから問題だったのかな?
「大変お待たせしました、エミリオ商会の会頭を務めております、エミリオと申します」
部屋に入ってきたのは三十代前後の男性だった。長く美しい金色の髪を後ろで束ねている。この商会のトップということだから、でっぷりと肥えて白髪の生えたおっさんかと思っていたのだが、想像していたイメージ像とだいぶかけ離れていた。
スラリとした体形で、凝った造りだが決して派手すぎないお洒落な服を着ている。お洒落にあまり詳しくない俺でもわかるこの人の服の着こなし。そして俺よりも高い身長でスッとした顔立ちのイケメン。きっとたいそうおモテになることだろうな。
「はじめまして、旅をしております、シゲトと申します」
「シゲト様、この度はわざわざエミリオ商会まで足を運んでいただきまして、誠にありがとうございます」
おっと、一介の旅人に商会のトップが頭を下げるなんて意外だな。
「おや、商会のトップが簡単に頭を下げるのはそんなに意外ですか?」
「……そんなに顔に出ていましたか?」
「私は今でこそこの商会のトップですが、昔はただの行商人でしたからね。その頃から大勢の人達と交渉をしてきたので、ある程度は交渉相手の考えていることがわかるのですよ。そして、私が頭を下げる理由も簡単です。商人たるもの利益のためならば、無料で下げられる頭などいくらでも下げるべきだからです。もちろん下げる相手は選んでいるつもりですがね」
「………………」
さすが行商人から商会のトップに立っただけのことはある。そして一応俺は、頭を下げてもいい相手くらいには思ってもらえているようだ。
「それでは早速買い取りの件について話をさせていただきましょうか。なんでもすばらしい品質のコショウと、見たこともないような香辛料をお持ちだとお聞きしましたよ」
「はい、実は買い取り価格についてお願いしたいことがございます」
「なんでしょうか?」
さあ、交渉を始めよう。
「買い取り価格についてはエミリオさんに決めていただきたいのですが」
「……買い取り価格を私にですか?」
「はい。正直に申し上げまして、私はこの国に来てからまだ日が浅く、お金の価値や相場もわからないのが現状です。普通に交渉しようとしても、エミリオさんが提示した金額に多少上乗せするくらいしかできません」
そもそもお金の価値や相場すらも知らないのだ。まともに交渉できるわけがない。それならば下手な小細工をせずに直球勝負だ。最悪例の特効薬を購入できるだけの金額があればいい。
……とはいえ、会ったばかりのこの人を完全に信用できるわけでもない。もしもぼったくられそうな金額なら他の商会に行けばいいだけだ。
「本当に私が決めてしまってもよろしいのですか?」
「ええ、お願いします。ただし一点だけ。今後も定期的に同じ物や他の香辛料の買い取りをお願いする前提で決めてもらえますか」
「……ふむ、こちらの香辛料や他の物を定期的に買い取らせていただける、ということですか?」
「ええ、月に一度くらいの頻度で同じ量を納めることが可能です。あ、仕入れ先を探らずに俺が売ったことは秘密にしておく、という条件も追加でお願いします」
本当はもっと用意できるのだが、あまりやりすぎると悪い輩に狙われてしまいそうだ。俺はこの異世界で争いごとに巻き込まれたくはない。のんびりとキャンピングカーで旅さえできればそれでいいのだ。
「……なるほど、これは大きな取り引きになりそうですね。すみませんが、私も確認してみてもよろしいでしょうか?」
「ええ、もちろんです」
「それでは失礼いたします……ふ~む、この品質と香り、そしてこの風味。これならかなり高値で販売できそうですね。懇意にしている貴族、そして高ランクの冒険者にも間違いなく売れる。そうなると売値と仕入値がこうなって……」
エミリオさんは真剣な眼差しで、自分の世界に入ってしまったようだ。今頭の中では必死に仕入値や売値などを計算しているのだろう。
「……シゲト様、それでは今回はコショウを金貨十五枚、そしてそちらの秘伝の香辛料も同様に金貨十五枚ずつでいかがでしょうか? 次回の買い取り金額につきましては、その際にご相談いただければと思います」
……まじか。思ったよりも高値で売れるな。これだけの量なのにその金額とは、この世界の香辛料は想像以上に希少なようだ。
合計で金貨四十五枚ということは、四十五万円相当である。これだけでは足りないと思って、リュックの中には他の調味料やキャンプギアを持ってきていたのだが不要だったらしい。
アウトドアスパイスがコショウと同じ価格なのは、他の食材と合わせるとどんな味がするかまだわかっていないからかな。
「ええ、そちらの金額でよろしくお願いします。思ったよりも高額だったので驚きました」
「本来ならばもう少し安く仕入れたかったのですが、定期的に納めていただけるとなれば話は別です。貴族や高ランクの冒険者に多少伝手はあるので、良い贈答品にもなりそうです。それにシゲト様とは長い付き合いになりそうな気がしましてね。実は、利益の出るギリギリの金額を提示しております」
「こちらとしても長い付き合いになると嬉しいです。それでは、お近付きの証にこれをどうぞ」
俺はリュックの中から、黒っぽい液体が入っている小さな瓶を取り出す。
「シゲト様、これは?」
「こちらは俺の故郷で使われている調味料のタレになります。焼いた肉に付けるととてもおいしいですよ。液体のためあまり日持ちはしませんので、商品にするには少し難しいかもしれませんから、個人で楽しんでください」
これは焼肉のタレである。香辛料なんかが少ないこの世界では重宝されることは間違いないはずだ。
そして百均で買った小さな瓶もそのまま渡す。こちらの世界ではむしろこっちの容器の方が価値はあるかもしれない。
今後の俺自身のために、定期的に香辛料などを卸してこの世界の現金を手に入れられる伝手は確保しておきたい。そのため念には念を入れて、長期的な商売相手となるエミリオさんに良い取り引き相手だと思わせる必要がある。
先ほどの様子を見ると必要なかった可能性もありそうだけれどな。あんまりこちらから渡しすぎると向こうが強硬手段をとってくる可能性もあるため、塩梅が難しいところではある。
「ありがとうございます。後ほど試させていただきますね。それでは金貨を用意して参りますので、少々お待ちください」
エミリオさんが部屋から出ていった。
「……ふう~、なんとかなったか」
緊張が解けて、俺は大きく息を吐きだす。
「す、すごいですね。金貨四十五枚なんて大金、初めて見ます。それにそんな高価な香辛料をあんなに掛けて食べてしまったなんて……」
「そこは気にしなくていいって。それで村長さん、今の香辛料の買い取り価格はそこまで悪い金額じゃないんですよね?」
「え、ええ。私も香辛料の相場についてはそれほど詳しくはありませんが、少なくともそこまでおかしな金額ではないかと思います」
村長さんもそう言ってくれているし、俺もあれだけ高ければまったく問題ないと思う。とはいえ、次回の取り引きまでにもう一店くらいには持ち込んで、妥当な値段なのか確認はしておきたい。我ながら疑り深い性格をしているよ。
とりあえず今は他の店に持ち込んでいる余裕もないので、特効薬の価格以上の金額で売れれば問題ない。
「それなら大丈夫です。これで特効薬が買えますね」
「シゲト。この度は本当になんとお礼を言ってよいのか……」
「ああ~ジーナ、そういうのはいいから。俺が自分自身のために、勝手にやったことだ。それにまだエリナちゃんが助かると決まったわけじゃない」
「……そうですね。ですが、それでもありがとうございます!」
そのあとエミリオさんが金色に輝く四十五枚の金貨を持ってきてくれて、無事に取り引きが完了した。
そして、そのまま村長さんの案内でドルダ病の特効薬を販売している薬屋へと向かい、金貨二十枚の特効薬を二つ購入して、キャンピングカーで村へと急いだ。
「シゲト殿、この度はなんとお礼を言えばいいのか……」
キャンピングカーで急いで村へ戻っている最中、後ろの座席に座っている村長さんから、先ほどのジーナと同様にお礼の言葉をもらった。
「さっきもジーナに言いましたが、俺が自分自身のためにしたことですから、気にしないでください」
「本当に感謝します。エリナの分のドルダ病の特効薬だけでなく、もう一つ余分にいただけるとは……」
コショウやアウトドアスパイスが想像以上に高く売れたことで、特効薬を二つ購入することができた。というのも、一つはエリナちゃんのためだが、もう一つは予備としてである。
ジーナの母親もこの病に倒れたと聞いていたし、何年かに一度とはいえ、村の人がこの病を患ってしまう可能性はそれほど低くないようだ。そして一度この病に罹ってしまえば、先ほどの街まで遠いあの村の人は助からない。
もうここまで来たら乗りかかった船だ。かなりの期間保存できる特効薬らしいし、もう一つは余分に購入しておいて、誰か別の人が発症した時に使ってもらうことにした。
もしもまた俺がこの村に来る時までに、誰かがドルダ病で亡くなってしまったら最悪だもんな。うん、すべては俺の心の安寧のためである。
「よし、村までもう少しだ」
カーナビを見ると、ハーキム村まではもうあと少しだ。まだ日も暮れていないし、これなら十分に間に合うはずだ。
「シゲト、止まってください!」
「ホー!」
「……っ!?」
ジーナとフー太の声に反応してブレーキを踏む。
「きゃあっ!」
「ホー!?」
「ぬおっ!?」
急ブレーキを掛けたことで、慣性の法則によりみんなの体が前へと放り出されようとしたが、シートベルトをしていたおかげで、大事にならなくてすんだ。
やはり車に乗る時はシートベルトは必須だ。
「……みんな、大丈夫?」
「は、はい! び、びっくりしましたが、怪我はありません」
「ホ、ホー……」
フー太の方もしっかりとジーナに抱きかかえられていたため、無事だったようだ。
「わ、私の方も大丈夫じゃ……」
後ろの座席に座っている村長さんも無事なようだ。
そしてジーナとフー太が俺よりも早く気付いてくれたおかげで、目の前にいるあれらへ衝突せずにすんだ。
「……あれはブラックブルの群れですね。ここから見えるだけでも二十匹近くいます」
停止したキャンピングカーの前方には、黒い毛並みをした牛の集団が村までの道の真ん中に居座っていた。街に行く時にはいなかったので、俺達がこの道を通った後にここへやってきたのだろう。
「結構な数がいるな。しょうがない。少し道を迂回しながら村へ向かおう」
ブラックブルというのは牛型の魔物で、元の世界の牛より少し大型かもしれない。キャンピングカーが近付いたのにまったく逃げ出そうとしない。
あれだけ大勢の群れで行動しているなら大丈夫だという考えなのか、危機感が足りていない魔物なのかはわからない。
カーナビもあって、道に迷う心配もないし、迂回して村を目指すとしよう。
「……まずいですね。こちらを敵として認識したのかもしれません」
「うわっ、マジかよ!」
ジーナの言葉で視線を前へと戻すと、何体かのブラックブルが立ち上がってこちらをじっと見てくる。異世界の牛はだいぶ好戦的なのか……
「ブラックブルはディアクほど強い魔物ではないのですが、あれだけの数がおるとかなりの脅威となります」
村長から見ても、あの数はやはり脅威のようで、後ろの座席からそう伝えてくれた。
「くっ、五、六体だけなら私でもなんとかなるのですが、あれだけの数がいると厳しいです。シゲト、私が囮となります! その間に村長と一緒に村へと戻り、エリナを救ってください!」
「ちょっと待てジーナ!」
「私なら大丈夫です、なんとしても逃げきりますから!」
シートベルトを外して、外に出て自分から囮になろうとするジーナ。
「そうじゃなくて。ちょっと待て! 試したいことがあるから、シートベルトを付けたまま大人しく座っていてくれ!」
「た、試したいことですか?」
先走りすぎだっての! 今はポンコツなところを見せている場合じゃないぞ。
「次の者、こちらへ」
列に並んでからおよそ十分後、俺達の番が来た。
「こちらが私の分の通行証です。二人は付き添いの者なので通行証はありません」
「……ふむ、こちらは問題なし。残りの二人分で銀貨四枚だ」
「はい」
村長さんは税金を納める時や、農作物を売る際に街に入るため、通行証を発行してもらっていたようだ。一人銀貨二枚ということはだいたい二千円くらいか……妥当と言えば妥当なのかな。
「……それでそっちの森フクロウはどうなっているんだ? 見たところ鎖も付けていないのになぜ逃げ出さない?」
「よくわからないのですが、森で怪我を治療してあげたら、とても懐かれました」
俺は正直にフー太が懐いてくれた時のことを話した。
「森フクロウが人に懐くことがあるとはな……どちらにせよ通行証がない者は簡単なチェックをすることになっている。そっちで詳しい話をしてくれ」
「わかりました」
村長さんから聞いていた通りなので、俺とジーナは案内に従って別室へと向かう。
確かに俺達の前に並んでいた人のうち何人かは別室に案内されていたので、フー太がいるから特別にチェックするわけではないらしい。
俺とジーナは門番のチェックを受けて無事に街の中に入ることができた。
どんなチェックをされるのかと心配していたけれど、持ち物を簡単に確認したり、向こうからの質問に答えたりするだけだったな。
だが、もちろんフー太が俺の言葉を理解できることは話していない。
フー太を連れている経緯など、こちらの話をそのまま信じてくれたということは、もしかしたら嘘がわかるような魔法や魔道具があったのかもしれないな。
「おお~これはすごい!」
「ホホーホー♪」
外壁の中にはこれこそ異世界と呼べるような景色が広がっていた。門の前には道があり、大勢の人々や荷馬車が数多く行き交っているが、それでも十分に余裕があるほどの広さだ。
大きな荷物を背負った商人のような人、農作物をたくさん抱えた農民のような人、プレートアーマーを身につけて少し人相の悪い冒険者のような人など、とにかくいろいろな格好をした人々が歩いている。
いや、人だけではない。頭から耳を生やし、長い尻尾をパタパタと振っているネコの獣人、毛むくじゃらの髭面をした少し背の低いドワーフなど、人族以外の様々な種族がここには存在しているようだ。
街の様子はとにかく雑多であった。大きな家に小さな家、二階建ての家なんかもある。材質も石でできていたり木でできていたり、コンクリートのようなもので塗り固められているような家もある。
材料そのままの色の家や白色や茶色、はたまた赤色や青色といった派手な色で塗られた家もあった。
「さあ、まずは商店へ案内をお願いします!」
「うむ」
異世界の街並みに感動している暇はない。今はエリナちゃんを救うために早いところ薬を手に入れなければならない。異世界の街を楽しむなら、改めてまた来た時に楽しめばいい。
まずは薬を買うためにこの街で使える資金を集める。キャンピングカーでこの街へ向かっている最中、街に入った後のことはすでにみんなと話してある。
村長さん達がいつも農作物を売っている商店へと向かう。
村長さんがいつも使っている店ならば、多少の信頼関係はあるはずだ。そして、その商店はこの街でも大きい方で、一~三番目とまではいかなくとも、四~六番目には有名な商店らしい。
むしろ香辛料を高値で売るにはそちらの方が都合がいいかもしれない。もしあまりにも足元を見られるようだったら、一番有名な商店に売りに行くと駆け引きすることもできるからな。
「ここがいつも売買をしているエミリオ商会です」
村長さんの案内で、俺達は街中のとある建物の前までやってきた。目の前の建物は、この街の建物の中でも一際大きく目立っている。
「聞いていた通り大きな商店ですね」
「ええ、エミリオ商会はこの街でも有名な商会ですからね。商人や貴族ではなく、冒険者を主な客層として商売をしている商会なのです」
「なるほど、冒険者相手ですか」
どうやらこの世界には冒険者という職業があるらしい。商人や貴族相手に香辛料を売るよりも、冒険者を相手にしてくれる方が面倒ごとが少なそうだから、俺にとってはありがたい。
「これはリビド殿、お久しぶりですな。本日はいつものように野菜や魔物の素材の買い取りですかな?」
部屋に案内され、少し待つと四十代くらいの男の人が入ってきた。この人が買い取り担当の人なのだろうか。
「お久しぶりです、バロス様。いえ、本日はこちらの方を紹介させていただきたく存じます。彼はこちらのジーナの命の恩人でして、遠い国から旅をしているシゲト殿です。この度はエミリオ商会様に買い取っていただきたい物があるそうなので、一緒に参りました」
「はじめまして、シゲトと申します。かなりの田舎から参りましたゆえ、言葉遣いや所作について無作法がありましたら、ご容赦いただけますと幸いです」
「ほお、ずいぶんと礼儀正しいのですね。バロスと申します。それで買い取らせていただける物とはなんでしょうか? もしかすると、そちらの森フクロウと関係があるのでしょうか?」
「いえ、違います!」
「ホー?」
フー太がバロスさんの言葉を理解できていないようで助かったよ。確かに街を歩いている時も通行人に結構見られていたし、やはり森の遣いであるという森フクロウが人に懐いている姿は珍しいようだ。
「買い取ってほしい物はこちらになります」
俺は村長さんに用意してもらった三つの容器に入っている香辛料を取り出した。それぞれの容器にはコショウとアウトドアスパイス二種類が入っている。
普段このコショウやアウトドアスパイスはプラスチックとガラス製の容器に入っているのだが、こちらの世界ではプラスチックやガラスの方が希少な可能性があるため、村で借りた陶器のような容器に予め移し替えてある。
「ほお、これはなんでしょうか?」
「そちらがコショウ、そしてこちらの二つが俺の故郷で作られている秘伝の香辛料です。こちらの香辛料にもコショウが使用されています」
「コショウですって!? いえ、失礼しました。商人ではなく、個人でこれだけの量のコショウを持ち込まれるのは珍しいことでして……失礼ですが確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
「ええ、もちろんです」
バロスさんはコショウとアウトドアスパイスの香りを嗅いだり、ほんの数粒を口へ含んで味を確かめたりしている。
「……確かに本物のようですね。それもコショウの方はかなり品質が良く、こちらの香辛料二つについては、今まで味わったことのないもので、どちらも微妙に味が異なりました」
コショウについては、普通にスーパーで市販されているものだったのだが、こちらの世界では高品質なものらしい。
「すみません、こちらの交渉につきましては私ではできかねますので、会頭を呼んできます。大変申し訳ないのですが、このまま少しお待ちいただけますか?」
「はい……」
あれ、ちょっとまずいな。あんまり大事にはしたくないのだが……
いくらコショウが高価とはいえ、この商会のトップを呼ぶほどのことなのか? もしかしたら商人でもない個人が持ってきたから問題だったのかな?
「大変お待たせしました、エミリオ商会の会頭を務めております、エミリオと申します」
部屋に入ってきたのは三十代前後の男性だった。長く美しい金色の髪を後ろで束ねている。この商会のトップということだから、でっぷりと肥えて白髪の生えたおっさんかと思っていたのだが、想像していたイメージ像とだいぶかけ離れていた。
スラリとした体形で、凝った造りだが決して派手すぎないお洒落な服を着ている。お洒落にあまり詳しくない俺でもわかるこの人の服の着こなし。そして俺よりも高い身長でスッとした顔立ちのイケメン。きっとたいそうおモテになることだろうな。
「はじめまして、旅をしております、シゲトと申します」
「シゲト様、この度はわざわざエミリオ商会まで足を運んでいただきまして、誠にありがとうございます」
おっと、一介の旅人に商会のトップが頭を下げるなんて意外だな。
「おや、商会のトップが簡単に頭を下げるのはそんなに意外ですか?」
「……そんなに顔に出ていましたか?」
「私は今でこそこの商会のトップですが、昔はただの行商人でしたからね。その頃から大勢の人達と交渉をしてきたので、ある程度は交渉相手の考えていることがわかるのですよ。そして、私が頭を下げる理由も簡単です。商人たるもの利益のためならば、無料で下げられる頭などいくらでも下げるべきだからです。もちろん下げる相手は選んでいるつもりですがね」
「………………」
さすが行商人から商会のトップに立っただけのことはある。そして一応俺は、頭を下げてもいい相手くらいには思ってもらえているようだ。
「それでは早速買い取りの件について話をさせていただきましょうか。なんでもすばらしい品質のコショウと、見たこともないような香辛料をお持ちだとお聞きしましたよ」
「はい、実は買い取り価格についてお願いしたいことがございます」
「なんでしょうか?」
さあ、交渉を始めよう。
「買い取り価格についてはエミリオさんに決めていただきたいのですが」
「……買い取り価格を私にですか?」
「はい。正直に申し上げまして、私はこの国に来てからまだ日が浅く、お金の価値や相場もわからないのが現状です。普通に交渉しようとしても、エミリオさんが提示した金額に多少上乗せするくらいしかできません」
そもそもお金の価値や相場すらも知らないのだ。まともに交渉できるわけがない。それならば下手な小細工をせずに直球勝負だ。最悪例の特効薬を購入できるだけの金額があればいい。
……とはいえ、会ったばかりのこの人を完全に信用できるわけでもない。もしもぼったくられそうな金額なら他の商会に行けばいいだけだ。
「本当に私が決めてしまってもよろしいのですか?」
「ええ、お願いします。ただし一点だけ。今後も定期的に同じ物や他の香辛料の買い取りをお願いする前提で決めてもらえますか」
「……ふむ、こちらの香辛料や他の物を定期的に買い取らせていただける、ということですか?」
「ええ、月に一度くらいの頻度で同じ量を納めることが可能です。あ、仕入れ先を探らずに俺が売ったことは秘密にしておく、という条件も追加でお願いします」
本当はもっと用意できるのだが、あまりやりすぎると悪い輩に狙われてしまいそうだ。俺はこの異世界で争いごとに巻き込まれたくはない。のんびりとキャンピングカーで旅さえできればそれでいいのだ。
「……なるほど、これは大きな取り引きになりそうですね。すみませんが、私も確認してみてもよろしいでしょうか?」
「ええ、もちろんです」
「それでは失礼いたします……ふ~む、この品質と香り、そしてこの風味。これならかなり高値で販売できそうですね。懇意にしている貴族、そして高ランクの冒険者にも間違いなく売れる。そうなると売値と仕入値がこうなって……」
エミリオさんは真剣な眼差しで、自分の世界に入ってしまったようだ。今頭の中では必死に仕入値や売値などを計算しているのだろう。
「……シゲト様、それでは今回はコショウを金貨十五枚、そしてそちらの秘伝の香辛料も同様に金貨十五枚ずつでいかがでしょうか? 次回の買い取り金額につきましては、その際にご相談いただければと思います」
……まじか。思ったよりも高値で売れるな。これだけの量なのにその金額とは、この世界の香辛料は想像以上に希少なようだ。
合計で金貨四十五枚ということは、四十五万円相当である。これだけでは足りないと思って、リュックの中には他の調味料やキャンプギアを持ってきていたのだが不要だったらしい。
アウトドアスパイスがコショウと同じ価格なのは、他の食材と合わせるとどんな味がするかまだわかっていないからかな。
「ええ、そちらの金額でよろしくお願いします。思ったよりも高額だったので驚きました」
「本来ならばもう少し安く仕入れたかったのですが、定期的に納めていただけるとなれば話は別です。貴族や高ランクの冒険者に多少伝手はあるので、良い贈答品にもなりそうです。それにシゲト様とは長い付き合いになりそうな気がしましてね。実は、利益の出るギリギリの金額を提示しております」
「こちらとしても長い付き合いになると嬉しいです。それでは、お近付きの証にこれをどうぞ」
俺はリュックの中から、黒っぽい液体が入っている小さな瓶を取り出す。
「シゲト様、これは?」
「こちらは俺の故郷で使われている調味料のタレになります。焼いた肉に付けるととてもおいしいですよ。液体のためあまり日持ちはしませんので、商品にするには少し難しいかもしれませんから、個人で楽しんでください」
これは焼肉のタレである。香辛料なんかが少ないこの世界では重宝されることは間違いないはずだ。
そして百均で買った小さな瓶もそのまま渡す。こちらの世界ではむしろこっちの容器の方が価値はあるかもしれない。
今後の俺自身のために、定期的に香辛料などを卸してこの世界の現金を手に入れられる伝手は確保しておきたい。そのため念には念を入れて、長期的な商売相手となるエミリオさんに良い取り引き相手だと思わせる必要がある。
先ほどの様子を見ると必要なかった可能性もありそうだけれどな。あんまりこちらから渡しすぎると向こうが強硬手段をとってくる可能性もあるため、塩梅が難しいところではある。
「ありがとうございます。後ほど試させていただきますね。それでは金貨を用意して参りますので、少々お待ちください」
エミリオさんが部屋から出ていった。
「……ふう~、なんとかなったか」
緊張が解けて、俺は大きく息を吐きだす。
「す、すごいですね。金貨四十五枚なんて大金、初めて見ます。それにそんな高価な香辛料をあんなに掛けて食べてしまったなんて……」
「そこは気にしなくていいって。それで村長さん、今の香辛料の買い取り価格はそこまで悪い金額じゃないんですよね?」
「え、ええ。私も香辛料の相場についてはそれほど詳しくはありませんが、少なくともそこまでおかしな金額ではないかと思います」
村長さんもそう言ってくれているし、俺もあれだけ高ければまったく問題ないと思う。とはいえ、次回の取り引きまでにもう一店くらいには持ち込んで、妥当な値段なのか確認はしておきたい。我ながら疑り深い性格をしているよ。
とりあえず今は他の店に持ち込んでいる余裕もないので、特効薬の価格以上の金額で売れれば問題ない。
「それなら大丈夫です。これで特効薬が買えますね」
「シゲト。この度は本当になんとお礼を言ってよいのか……」
「ああ~ジーナ、そういうのはいいから。俺が自分自身のために、勝手にやったことだ。それにまだエリナちゃんが助かると決まったわけじゃない」
「……そうですね。ですが、それでもありがとうございます!」
そのあとエミリオさんが金色に輝く四十五枚の金貨を持ってきてくれて、無事に取り引きが完了した。
そして、そのまま村長さんの案内でドルダ病の特効薬を販売している薬屋へと向かい、金貨二十枚の特効薬を二つ購入して、キャンピングカーで村へと急いだ。
「シゲト殿、この度はなんとお礼を言えばいいのか……」
キャンピングカーで急いで村へ戻っている最中、後ろの座席に座っている村長さんから、先ほどのジーナと同様にお礼の言葉をもらった。
「さっきもジーナに言いましたが、俺が自分自身のためにしたことですから、気にしないでください」
「本当に感謝します。エリナの分のドルダ病の特効薬だけでなく、もう一つ余分にいただけるとは……」
コショウやアウトドアスパイスが想像以上に高く売れたことで、特効薬を二つ購入することができた。というのも、一つはエリナちゃんのためだが、もう一つは予備としてである。
ジーナの母親もこの病に倒れたと聞いていたし、何年かに一度とはいえ、村の人がこの病を患ってしまう可能性はそれほど低くないようだ。そして一度この病に罹ってしまえば、先ほどの街まで遠いあの村の人は助からない。
もうここまで来たら乗りかかった船だ。かなりの期間保存できる特効薬らしいし、もう一つは余分に購入しておいて、誰か別の人が発症した時に使ってもらうことにした。
もしもまた俺がこの村に来る時までに、誰かがドルダ病で亡くなってしまったら最悪だもんな。うん、すべては俺の心の安寧のためである。
「よし、村までもう少しだ」
カーナビを見ると、ハーキム村まではもうあと少しだ。まだ日も暮れていないし、これなら十分に間に合うはずだ。
「シゲト、止まってください!」
「ホー!」
「……っ!?」
ジーナとフー太の声に反応してブレーキを踏む。
「きゃあっ!」
「ホー!?」
「ぬおっ!?」
急ブレーキを掛けたことで、慣性の法則によりみんなの体が前へと放り出されようとしたが、シートベルトをしていたおかげで、大事にならなくてすんだ。
やはり車に乗る時はシートベルトは必須だ。
「……みんな、大丈夫?」
「は、はい! び、びっくりしましたが、怪我はありません」
「ホ、ホー……」
フー太の方もしっかりとジーナに抱きかかえられていたため、無事だったようだ。
「わ、私の方も大丈夫じゃ……」
後ろの座席に座っている村長さんも無事なようだ。
そしてジーナとフー太が俺よりも早く気付いてくれたおかげで、目の前にいるあれらへ衝突せずにすんだ。
「……あれはブラックブルの群れですね。ここから見えるだけでも二十匹近くいます」
停止したキャンピングカーの前方には、黒い毛並みをした牛の集団が村までの道の真ん中に居座っていた。街に行く時にはいなかったので、俺達がこの道を通った後にここへやってきたのだろう。
「結構な数がいるな。しょうがない。少し道を迂回しながら村へ向かおう」
ブラックブルというのは牛型の魔物で、元の世界の牛より少し大型かもしれない。キャンピングカーが近付いたのにまったく逃げ出そうとしない。
あれだけ大勢の群れで行動しているなら大丈夫だという考えなのか、危機感が足りていない魔物なのかはわからない。
カーナビもあって、道に迷う心配もないし、迂回して村を目指すとしよう。
「……まずいですね。こちらを敵として認識したのかもしれません」
「うわっ、マジかよ!」
ジーナの言葉で視線を前へと戻すと、何体かのブラックブルが立ち上がってこちらをじっと見てくる。異世界の牛はだいぶ好戦的なのか……
「ブラックブルはディアクほど強い魔物ではないのですが、あれだけの数がおるとかなりの脅威となります」
村長から見ても、あの数はやはり脅威のようで、後ろの座席からそう伝えてくれた。
「くっ、五、六体だけなら私でもなんとかなるのですが、あれだけの数がいると厳しいです。シゲト、私が囮となります! その間に村長と一緒に村へと戻り、エリナを救ってください!」
「ちょっと待てジーナ!」
「私なら大丈夫です、なんとしても逃げきりますから!」
シートベルトを外して、外に出て自分から囮になろうとするジーナ。
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「た、試したいことですか?」
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