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フェラは絶対気持ちいいよな
しおりを挟む「昨日見たエロ動画めっちゃ良かったんだけどさ、やっぱ男はみんな、好きな子にはフェラしてほしいよな」
「まぁ、気持ちいいよな」
「えっ?!高嶋、経験済み?!」
「あ、やば」
「いつ?!誰と?!彼女できたん?!」
昼休憩。食堂から帰ってくると教室はがやがやと騒がしかった。その中で相変わらず猥談を繰り広げている吉澤と高嶋。
「なぁお前ら!高嶋に彼女いたの知ってた?!」
「え、知らん!」
「聞いてねぇな」
「クソ、しくった……」
案の定食いついた菊池と、興味なさげだがしっかりと話に入ってくる渡瀬に、高嶋ががっくりと肩を落とす。
「諦めて吐け」
三人の圧に負けたのか、高嶋は小さくため息を吐いた。
「……じゃ、ない」
「ん?」
「だーから、彼女じゃないって」
「え?セフレ?」
「違うわ!」
「……男か」
渡瀬の一言に一瞬の静寂が訪れる。
「……はぁ。そー、男。相手は言わないけど」
「ま、マジ?うちのクラス?」
「だから言わないって」
高嶋は諦めたように天を仰ぎ、ぐっと両手を組んで上に伸ばす。
「お前ら、引いた?」
「いや、びっくりはしてるけど」
渡瀬の答えに、菊池と吉澤もうんうんと頷く。
「よかった。ちなみにフェラはマジで気持ちいいよ。俺はそいつにされたのが初めてだけど、ちんこ溶けるかと思った」
「ま、マジか。ちなみに、ザーメン飲んでくれたりすんの?」
「うん。捨てんのもったいないって言って飲みたがるんだよね」
「うわ、エロ……!」
「ごめ、俺は想像するだけで無理……精液飲むとか……俺は舐めてもらう方専門でオナシャス」
興味がないはずがなかった。ぬるぬるで温かい口内に包まれたらどんなに気持ちいいのだろう。吉澤が顔を顰めるのを尻目に、ごくりと菊池の喉が鳴った。
(また、イオにお願いしてみるか……?いや、でもフェラはさすがに……)
先日渡瀬に潮吹きさせてもらってから、さすがに少し気まずい。向こうが何事もなかったように接してくるのが逆に居た堪れなかった。いや、渡瀬が何も気にしていないのであれば、協力してもらってもいいのではないか。向こうだって、してほしいことがあれば言えと言っていたのだし。菊池は良いことを思いついたように目をぱっちりと開いた。
ああ、自分の陰茎を舌や喉で愛撫してもらうなんて、男の夢と言ってもいいと思う。唇でカリ首を締めながら何度も扱かれたい。敏感すぎて苦手な亀頭も、渡瀬の舌で優しく磨かれればただただ気持ちいいかもしれない。最後は喉奥まで嵌めて、精液を注ぎ込みたい。渡瀬は飲んでくれるだろうか。一滴も出なくなるまで搾り取ってほしい。
自分の思考に没頭し始めた菊池を置いて、吉澤と渡瀬は、高嶋に彼氏と付き合うことになったきっかけや、どこまで進んでいるのか、どっちが女役なのかなど、根掘り葉掘り聞こうとしたが、彼は頑なに話さなかった。曰く、彼氏に迷惑をかけたくないとのこと。
「お前ちゃんとそいつのこと好きなのな」
「当たり前だろ。じゃなきゃ男と付き合ったりしないよ」
「高嶋、めっちゃ巨乳好きだもんな」
「おー」
どうやら想いは本当のようで。そんな彼の様子に、菊池は俯いて自分の拳をぼうっと見つめていた。男同士で付き合う。そんなこと、今まで考えたことがなかった。
ちらりと渡瀬の方を盗み見ると、視線に気付いたのか目が合った。途端にさっきの妄想を思い出してドクドクと心臓が早鐘を打つ。耳がカッと熱くなって顔を背けると、そこで休憩の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
慌てて自分の席に戻り、両手で熱を持った耳をさする。フェラされることを妄想するにしても、普通に相手は渡瀬で考えていた。なんだかまずい思考になっている気がして、菊池はひとつ小さく首を振り、教師の声に集中しようと姿勢を正した。
「なぁ、イオ……お願いが、あんだけど」
「なに?」
渡瀬と二人で夕食と風呂を済ませ、部屋に戻ってすぐ、菊池は口を開いた。目の前の男は首を傾げてこちらを見つめている。
「あ、のさ。今日吉澤と高嶋が言ってたじゃん」
「ん?」
渡瀬が一歩菊池に近寄る。恥ずかしくなって思わず俯いた。
「つまり、えーと……もしよければ、口でしてほしいなーって……」
「ああ、フェラ?」
また一歩、近づいてくる。すぐ目の前に渡瀬がいる。
「後で俺もイオの舐めるから!頼む!」
「……マジで言ってんの?」
「マジ、だけど……やっぱ無理?」
「いや、全然。じゃあ脱いで」
渡瀬がそう言って、突然菊池のズボンに手を伸ばしてきた。一瞬呆然とした後思わず抵抗するが、不意打ちのようにこめかみにキスをされる。
一瞬の隙にベッドに引き込まれた。そしてズボンと下着を強引に剥ぎ取られ、脚の間に割り込まれる。自分の股間に渡瀬の顔があるのを見て、それだけでぴくりと陰茎が勃ち上がった。
「お、やる気満々」
「ッうあ!」
言い終わるや否や、渡瀬がそれを口に含んだ。温かくぬかるんだ口内は、想像以上だった。弾力のある舌が根本から先端に向かってゆっくりとなぞり上げる。大好きな裏筋を硬く尖らせた舌先でくちゅくちゅと小刻みに舐められると、自然に腰が浮いた。蕩けそうなほど気持ちがいい。一瞬で身体から力が抜け、渡瀬の髪の毛に指を絡ませる。
「ああっ、やば、これ……ぁ」
「ん、ひもひい?」
「ッあ……喋ったら、舌が……っ、ああっ、イオ……っ」
切羽詰まった声が出る。渡瀬がそれを聞いてそっと口を開け、陰茎への愛撫を中断した。早くて恥ずかしいが、もう少しで達しそうだったのに。
渡瀬が見せつけてくる口内は透明の糸が何本も引いている。そのあまりの淫猥さと、先ほどまでの快感を思い出し、鈴口からどろりと先走りが垂れた。
「すげ、ヒロの、めっちゃ血管浮いてビクビクしてる」
「ゃ、言うな、よぉ」
「フェラどう?きもちい?」
「ん……めっちゃいい、ッ、も、う、やばい……」
「はは、よかった。 口と手、どっちでイきたい?」
「……く、ち」
「そんなにイイんだ。じゃあがんばっちゃおうかな」
素直に言うと、渡瀬が嬉しそうに笑った。その吐息がかかるだけで腰の奥に痺れが走る。ぴくぴく震えている陰茎がもう一度温かい口内に迎え入れられた。それだけで、高嶋の言ったとおり、腰から下が溶けてしまいそうだった。
「は、あっ」
「ほほ、ふひらろ」
「んあああっ」
舌が裏筋で踊る。吸いながら上下してくる唇がカリ首を何度も引っ掛ける。こんなの、ひとたまりもない。陰嚢が一気に押し上がり、グンと腰が反る。渡瀬の口から抜かないといけないと思うのに、勝手に力が入って渡瀬の頭を思い切り引き寄せた。
「イオ……っ、ぁ゙、出る、出るッ!ん゙ああッ!」
喉奥に突き刺し、そのまま吐精した。びゅるびゅると大量の精液が噴き出すが、それはすぐに喉の向こうに消えていく。渡瀬が飲み込むたびに、喉奥や舌、頬の裏側の粘膜がぎゅうぎゅうと菊池のものを締め付けた。射精の間、オスとしての本能か、勝手に腰が揺れてしまう。もっと深く。もっと奥に。狭い喉の中で長い射精を終えると、やっと腰を引いた。
「けほっ……ごちそーさま」
「ぁ、ごめ、俺……」
渡瀬はひとつ咳をした後、飄々とした表情に戻った。しかし精液が喉に絡むのだろう。何度も何度も喉仏が上下しているのが見えて、ぞくりと背筋に甘く痺れが走る。
(イオ……ほんとに俺の、飲んで……)
「なに?もっかい?」
「え……」
陶然とした顔で陰茎を勃たせたまま自分の口元を見つめる菊池を見て、渡瀬が言う。彼は口を開けて、誘うようにちらちらと舌を動かした。
「いいぞ?今度はヒロが好きなように腰振れよ」
「ばっ、おまっ」
さすがにそんなことはできないと逃げようとしたが、腕を掴まれ引き寄せられる。膝立ちの菊池が、渡瀬の顔面に陰茎を突きつける格好だ。
「遠慮すんな、ほら」
「う、ぁ……!」
ちろ、と亀頭を舐められた。そこはもう次の先走りで濡れている。舌に誘われて自然と腰が前に突き出る。ちゅっと唇に亀頭が触れると、耐える間もなく陰茎でそこを割り開いた。
「ぉ゙、あ……っ」
じゅるる、と強く吸われて思わず腰が逃げる。それを渡瀬の手が押さえ、もう一度根本まで飲み込まれた。
「ああ……っ!イオ、きもち……っ」
あまりの心地よさに、身体を大きく震わせて天を仰ぐ。すぐにでも動かしたいのに、このまままったりとした快感を味わってもいたい。ゆるゆると控えめに腰を揺らしていると、渡瀬がねっとりと亀頭を舌で包み、吸い上げた。それだけで本能的に腰がガクンと跳ね上がる。
「あ゙、やば、やばい、これ……ああっ!」
一度動かしてしまうともう止まらなかった。
亀頭を刺激されると腰が引ける。でもまた求めて腰を進める。カリ首が唇に引っかかるところで何度も小刻みに揺する。そうしていると渡瀬が裏筋を優しく抉ってくれる。たまらず深くまで突き入れる。また亀頭に吸いつかれ、鈴口を舌でほじられる。腰を引く。繰り返しだ。止められない。
菊池は夢中になって渡瀬の口を犯した。閉じきれない口の端からぽたぽたと涎が垂れる。溶ける、本当に溶ける。ぐちゅ、ぐちゅ、じゅる、じゅる。聞くだけでそれとわかる淫猥な音が部屋に響いていた。
「イオ、イオ、ごめんッ、きもちい、ああっ、あっあっ」
遠慮なく腰を動かしてしまうのが申し訳なくて、恥ずかしくて謝ると、渡瀬は構わないと言うように陰茎に舌を絡ませ、甘く吸い付いた。尻に回された手は優しくそこを撫でている。片方の手が揺れる陰嚢を下から持ち上げ、指で擽るような動きをした。ぞわぞわとまた熱が迫り上がってくる。内腿がピンと強張った。
「あっあっあっ、やばい、やばいッ」
今度こそは口から抜くと決めて、腰を引こうとした。が、渡瀬の腕がそれを許さない。ぎゅっと抱き寄せて、喉奥へと誘う。
「だめ、だめだって!イオ、も、出る、からぁ……っ」
「んん」
涙目で下を覗き込むと、渡瀬も上目遣いで菊池を見ていた。渡瀬の口には自分の陰茎が飲み込まれ、出し入れの間に赤い舌がちらちらと覗く。
「イオ……ッ、ゔああああッ!」
その光景を見た途端、菊池の熱が暴発した。思い切り陰茎を押し込み、また喉奥に亀頭を嵌める。そのまま二度目とは思えないほどの白濁を注ぎ込んでいった。
「ぅ゙、ッ、あっ、あっ」
「んんっ、ごほっ」
咽せた渡瀬が陰茎を吐き出した。解放されたそれはまだ脈を打ちながら細く精液を垂らす。渡瀬がそれに舌を伸ばし絡めとった。そのまま亀頭を含み、じゅっじゅっと残滓を吸い上げる。
「ゔぅ゙っ!はあっ、あっ……」
「またすげぇ出たな。あれから抜いてなかった?」
「……うっさい」
それは図星で。渡瀬と同室な分、抜こうとするとあの日のことを思い出してしまって、なんとなく自慰を我慢していたのだ。気まずいというのと、思い出すたびに痛いほど勃起する自分を認めたくないというのもあって。
「……次は俺、な」
「ヒロ、マジでいいの?」
「うっさい。早く脱げ」
珍しく焦っている様子の渡瀬の下肢を見遣ると、それはスウェットを突き上げ、先端を色濃く濡らしていた。
「……お前も勃ってんじゃん」
「いや、それは、まぁ、生理的に?」
目を泳がせて誤魔化す渡瀬に唇を噛み、勢いよく下半身を露わにさせる。
「きゃー!ヒロのエッチ!」
「ふざけてんなよ。おら、足開け」
「ま、マジのマジで、やんの……?」
「やるってば。しつこいぞ」
菊池の言葉にようやくおずおずと膝を立てて足を開いた渡瀬を見て、ごくりと唾を飲み込む。菊池のものよりも一回り大きいそれは、腹につくほど反り返って先端を濡らしていた。
「お、ま……デカっ」
「ハズイからあんま見んなよ」
幼い頃からの付き合いだし、今もよく一緒に風呂に行くから渡瀬のものは見たことがある。自分のよりは大きいとは知っていたが、勃起するとこんなに違うとは。
「入るかな……」
「うぇっ?!」
ぼそりと呟くと、なぜか渡瀬は声を裏返して慌てている。
「歯、当てねぇようにしてみるけど、痛かったから言えよ」
「そ、そっちだよな……いや、うん、なんでもない、よろしくお願いします……」
「ははっ」
急にしおらしくなった渡瀬がなんだか可愛い。覚悟を決めてゆっくりとそこに顔を埋め、ちろちろと探るように舐める。
「んんっ、デカすぎ」
「ぅ゙……」
「ッだー!もうデカくすんなって!」
「そんなこと言われても……」
思ったより抵抗はなかった。吉澤の言っていたような嫌悪感を、なぜか感じないのだ。男のものを舐めるなんて考えられなかったのに。
そんなことを思っていると、また渡瀬のものが一回り膨らんだ。まずい、このままでは本当に入らない。菊池が慌てて亀頭を口に含むと、こぷりと先走りがあふれたのがわかる。
案の定大きすぎる陰茎は全てを飲み込むことはできなかった。仕方なく根本の方は手で扱きながら、なんとかカリ首の下までを飲み込み、舌を絡める。
「ぅ゙……はあっ、ヒ、ロ……」
「んんんんん?」
「な、に?まって、そのまま喋んな……ッ」
「おんんん、んんんぉ」
「ちょ……っ」
渡瀬が焦ったように身を捩る。菊池は一旦剛直を口から抜き、手で扱きながら顔を見上げた。
「きもちいかって聞いたんだよ」
「う、ん……フェラ、やばいな、っ」
「な。あと、咥えながら喋んの、お前もしただろ。だから仕返し」
「うあ……っ」
そう言って、どろどろと先走りを零し続ける陰茎をもう一度口に含む。さっきしてもらって気持ちよかったことを思い出しながら、同じように舐めて吸って愛撫していく。渡瀬の気持ちいいところはどこだろうか。自分と同じように裏筋やカリ首が好きだろうか。
「はあ……っ、それやば……っ、ゔッ」
唇を窄め、吸いながらカリ首を何度も引っ掛けると、明らかに先走りの量が増した。腰もカクカクと揺れ始め、渡瀬はたまらないというように天を仰いで息を吐く。
先端の割れ目を優しくえぐると、目の前にある腹筋が激しく波打った。少し青臭さの混じる先走りがごぷりとあふれてくる。どうやら渡瀬は鈴口が良いらしい。菊池は嬉々として亀頭を舌で磨き、割れ目をほじって吸い上げた。
陰嚢が何度も上にしゃくりあげている。さっき自分がされたようにそれを下から手で包み、擽ったり揉み合わせたりすると、渡瀬の口から低い呻き声が漏れた。
「ゔ、あ゙!ヒロっ、もう、やばい……ッ」
「ん、ころああ、らひていいろ」
「ゔ、ぅ゙……あ、出、る、出る出る……ッん゙ん゙!」
引き剥がそうとする渡瀬の手を取り、握りしめる。射精を促すようにもう一度鈴口を抉り尿道口をこじると、渡瀬の腰がグンと持ち上がった。喉奥を突かれ咽せそうになるのを必死に堪えていると、すぐに生暖かい精液があふれた。青臭い香りが口に充満する。苦くて気持ち悪い。それでも自分だけ飲まないのは負けた気がして、なんとか飲み下していく。
「はっ、ヒロ、無理、すんな……っ」
「うぇ、まず……お前よく二回も飲めたな」
「それはヒロの……いや、なんでもない」
「なんだよ」
口の端に垂れた白濁を指で拭ってそれも舐め取ると、渡瀬の喉がヒュッと鳴った。彼を見ると、やや赤らんだ顔でじっとこっちを見つめている。何、と言いかけたその時、突然渡瀬がベッドに寝転がった。訳もわからずそれをただ見ていると、腰を引かれ彼の上に逆方向に覆い被さる形になる。目の前には、いまだ固く屹立したままの渡瀬の陰茎。……これは、まさか。
「おま……これはさすがにハズイぞ」
「ごめん。もっかい。俺も舐めるから」
所謂シックスナインというやつだ。こんなのはもう恋人同士がするやつでは、ないのか。
ぼやける思考を無理に巡らせていると、また陰茎が温かいものに包まれる。ただ口に含まれているだけで心地よくて、すぐに何も考えられなくなる。身体がぶるりと大きく震え、口からは涎が零れて渡瀬の陰茎に落ちて伝っていった。
「んぁ、はああっ」
腕の力が抜けて倒れ込んでしまいそうだ。覗くと、ぶら下がった菊池の陰茎を手で支えながら頬張っているのが見えた。逆方向を向いているからか、舌が亀頭の上側を撫でてくるのが擽ったくてじっとしていられない。
「イオっ、そこ、先っぽ、やめ……っ」
言うと、カリ首をぐるりと舐め回された。たまらず腰を揺する。渡瀬もねだるように菊池の口元に陰茎を差し出した。快感で思考は蕩け、目の前でとろとろと零れ落ちる蜜が美味しそうに見える。菊池は思わず唾を飲み込み、勢いよくしゃぶりついた。
「ん゙ん゙!」
「ふ、んん……ん……」
渡瀬がくぐもった声をあげる。そしてまた彼も菊池のものに激しく吸い付き、舌を絡めた。菊池が亀頭を舌で包めば、渡瀬もそうする。裏筋をこそげば、同じように裏筋をざりざりと抉ってくれる。次第に自分のして欲しいように舌を動かし始めた菊池に、渡瀬が鼻から熱い息を漏らす。
「んっ、んっ、んんっ!」
「あーやばい、ヒロ、ちょっと……っ」
二人は互いの陰茎を夢中で吸い、陰嚢を転がしながら、腰をカクカクと揺らしていた。渡瀬が一足早く絶頂に近づいたらしい。射精欲に耐えているのか、腹筋を不規則に引き攣らせながら足の指を丸めたり開いたりしている。
拙いだろうに、自分の愛撫で感じてくれている。こんなに嬉しいのは、渡瀬を追い込んでいるという優越感からだろうか。いや、——。
腹の奥から急激に熱が昇ってくる。菊池が腰をぶるぶると震わせると、急かすように渡瀬が吸引を強めた。ざらりと裏筋を舌が這う。欲のまま、菊池は身体を戦慄かせた。
「ん゙ん゙ぅ……ッ!」
「ん゙……っ」
自分が吐き出すと同時に、口の中に渡瀬の精があふれる。鼻から抜ける青臭い香り。さっきは気持ち悪くて無理に飲み込んだはずなのに、今はそれがなぜか興奮を加速させる。射精の鋭い快感が引かない。自分の陰茎がどくどくと脈を打ちながら何度も何度も精を噴き出しているのがわかった。
「ん、んぅ!……んんッ」
「んぐ、ッ」
喉の動きからまた飲んでくれているのが伺えた。菊池も必死に零さないよう飲み下し、尿道の中の残滓まで吸い上げる。やっぱり苦い。青臭いのも、生温かいのも気持ち悪い。それなのに、もう少し舐めていたいと、名残惜しく感じる。出なくなってもちろちろと舐め続けていると、渡瀬の内腿がぶるぶると痙攣しだした。
「は、あ!ヒロ、無理、もう……っ」
「んんっ」
「も、出、ねぇ、からッ、離せ、ッ」
渡瀬が菊池の陰茎から口を離し、限界を訴えた。仕方なくゆっくりと離れる。目の前の少し萎えた陰茎はほかほかと湯気が立っていて、口の中で涎がじゅわりと滲んだ。
「はぁ……フェラ、やばかった……」
「ん……ちんこ溶けるって高嶋が言ってたの、わかったな」
そんなことを言いながら菊池が身体の向きを変え、渡瀬と並んで寝転がった。シングルの二段ベッドに男子高校生が二人並ぶのはなかなか狭い。それでも、なんだか心地よかった。渡瀬は拒むどころか、菊池の髪をくるくると指で弄っていて、それも菊池の機嫌を良くさせた。
またちゅっとこめかみにキスをされる。それはまるで恋人にするようで。恥ずかしさに慌てて寝返りを打ち、渡瀬に背を向けると、彼も同じく寝返りを打って、ぴとりと背中に密着してきた。
「な、なんだよ!離れろ!」
「ちぇ、冷てぇの。ちんこ舐め合った仲なのに」
「やめろ!!ぜってぇあの二人には言うなよ!」
「ヒロじゃないんだから言わねーよ」
「俺も言わねーわ!!」
そんなしょうもない会話をしているうちに、どちらからともなく笑い声が漏れた。しばらく二人で腹を抱えてケラケラと笑う。事後のなんとも言えない緊張感は、すっかり消え失せてしまった。
「はー、おっかし。俺らやべぇよな。ちんこ舐めてザーメン飲むとか」
「あはは。でも気持ちよかったな」
「やばかった。イオ、フェラの才能ありすぎ」
「やったー、褒められた」
「嬉しいのかよ」
渡瀬が首筋に顔を埋め、甘えるように擦り付けてくる。髪が当たって擽ったい。
「あー、俺、彼女が欲しかったはずなのにな」
思わず呟いた一言に、渡瀬の肩が小さく揺れる。
「まだ、欲しい?」
「そりゃ欲しい、けど」
すっかりホモだよな、と言いかけたところで、渡瀬に脇腹を擽られる。身を捩って逃れようとするが、その手は離れない。
「ぎゃははは!やめ、やめッ!イオ!なに、あはははは!」
「……ばーか」
渡瀬のか細い罵倒は、菊池の絶叫に掻き消された。
「まーたお前ら昨日うるさくしてただろ!」
「そーそー。俺らの部屋まで聞こえてたぞ。委員長から注意されるかもだから、抑えろよ」
翌朝、教室にて。またもや吉澤と高嶋から注意を受けてしまった。高嶋の同室は西という男で、真面目で小煩いクラス委員長だ。確かにそろそろ説教されるかもしれない。
「昨日イオが擽ってきたのが悪い。イオのせい」
「俺は騒いでねぇから、怒られんのはヒロだけだな」
「な……っ!ずりぃぞ!」
「ほんとお前ら仲良いよな」
わいのわいの騒いでいた菊池は、一人の男が近づいてきたことにも気が付かなかった。
「菊池くん、渡瀬くん。寮では静かにしてください。クレームが来てますよ」
「ゲッ、委員長……」
噂をすれば、というやつか。神経質そうに眼鏡をくい、と上げながら、華奢で色白な男が声をかけてくる。西義行、菊池らのクラス委員長だ。
「光春も、ちゃんと言い聞かせておいてよ」
「ん。今言ったとこ」
西と高嶋は同室だ。前まで口うるさいと愚痴を言っていた高嶋だが、いつからか下の名前で呼び合うほど仲良くなったらしい。
「委員長、ヒロがうるさくしてごめんな。俺からも注意しとくから」
「な!イオ、お前が擽ってきたから……!」
「渡瀬くん、頼みますよ」
「委員長~~~!違うんだって~~~!」
「菊池、うるさいぞ!他の皆も、早く席に着け」
「先生まで~……」
担任の声が教室に響き渡り、クラスは一斉に始業モードになる。菊池が恨めしげに渡瀬を見遣ると、彼はニヤリと笑いながら「ゴメンネ」と口を動かし、手を合わせていた。
確かに腹立たしいのに、なんだか胸がムズムズする。思わず机に突っ伏すると、すぐに教師からの叱責が飛んできた。すっかり目をつけられてしまったらしい。この日菊池は、終日授業に集中できないまま、たくさんのお叱りを貰うことになった。紛れもなく厄日だった。
終わり。
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