幼馴染は好奇心が旺盛すぎる

碧碧

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ケツでもイけるってマジ?

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「高嶋ってどっち側なん?ケツ入れられる方?入れる方?」
「だからそういうのは言わないって」
「ケチー!」

 高嶋に彼氏がいたという事実がわかってから、友人グループの話題はその話一色である。男には一切興味がない吉澤も嬉々として首を突っ込んでいるし、こういう話題には普段乗り気ではない渡瀬まで話に入っている。

「でも、ケツでイくのってめっちゃ気持ちいいんだろ?えーとなんだっけ、メスイキ?」

 吉澤は相変わらず知識だけはあるようで、高嶋に頭を叩かれている。一体どうやってそんなことを知るのかわからないのだが、よほどアブノーマルな動画でも見ているのだろうか。

「メスイキって、名前ヤバいな」
「ケツでイッたら射精しないことがあるらしいんだよ。何回でもイけて、女みたいだから、メスイキっつーの」
「うわエロ……何回でもイけるとかうらやまっ」

 決して吉澤と高嶋には言えないが、菊池は射精した後に陰茎を触られる辛さを経験済みである。その時は二回連続が限界で、それもかなり辛かった。あんなのは自分一人では到底できない。それを何回もなんて信じられないし、想像するだけで脳がびりびりと痺れるようだった。

 そんなことを考えていると、渡瀬の手の温かさを思い出してしまう。菊池は熱をもった顔を誤魔化すように大振りにリアクションをした。

「でもケツの中触るのとかばっちくね?」
「だから事前に浣腸した上で、手袋とかコンドームごしに触んだよ」
「さすが高嶋先生。そーゆー感じでやってんだ」
「ノーコメント」
「往生際悪ぃな」

 そっぽを向いてしまった高嶋に肩を落としながら、菊池は尻がムズムズしてくるのを感じる。

「女でもアナルやってる動画とかあるけど、男は前立腺があるから、開発したら女より感じるようになんだって」
「マ、ジかぁ……」

 この中にイイトコロがある……。胎の奥でぞわりと何かが疼いた。

「ケツでイけるようになったら、ちんこだけじゃ満足できなくなるかもな」
「そ、そんなにいいんだ」

 性に興味があるとはいえ、さすがに尻まで開発するのはどうなのだろうか。将来彼女とかができた時に、前だけで気持ちよくなれないのは困りそうだ。

 そわそわと落ち着かなくなった菊池は、渡瀬が熱のこもった目でじっと自分を見ているのにも気づかなかった。




「ケツ、やってみたい?」
「うぇ?!」

 寮への帰り道、唐突な渡瀬の言葉にびくりと肩を揺らす。

「吉澤と高嶋の話に興味深々だったろ、お前」
「や、別に!話に乗っただけだって」
「嘘つけ」

 ぺしりと尻を叩かれる。胎の奥で燻ったままの熱がぶわりと身体に広がった気がした。

「うぁ!」
「土曜になったら色々買っとくから、それまで待ってろ」
「ちょ、イオ?!」

 渡瀬は一度だけ菊池の腰を軽く叩いて、これ以上は耳を貸さないとばかりに先に行ってしまう。毎週土日は学生は外出できることになっており、必要なものはこの時に買うのだ。渡瀬の言った色々とは、一体何を指すのか。想像するだけで、また胎の奥がじゅんと濡れたように熱くなった。





 遂にやってきた土曜日。渡瀬は朝から外出しており、一人だけになった部屋はがらんとしている。寮に入るとこういう一人の時間はほとんどなく、なんだかそわそわとして落ち着かなかった。

『夕方には帰るから、それまで待ってろよ』

 そう言って渡瀬は出て行った。待てと言われても、別に何かを期待しているわけではない。そう思う菊池の心とは対照的に、陰茎だけは随分と張り切っているようだった。

「勃ちすぎて痛ぇ……」

 少し渡瀬の顔を思い浮かべるだけでこれである。まさにパブロフの犬。ゆったりとしたスウェットを押し上げているそこは、刺激を求めていきり立っていた。何もせずに収まるとは思えないほどに。

 菊池は諦めて二段ベッドの下に潜る。自分のベッドは上の段だが、いちいち上がるのが面倒くさい。汚さなければ、使っても別にいいだろう。そんなことを考えながら下履きを全て脱ぎ捨て、早くも涙を流し始めているそこを握った。枕や布団から香る、渡瀬の匂い。無意識に鼻を鳴らしながら、グンと一回り太く、固くなったそこをゆっくりと上下に擦る。

 一人で抜くのは久しぶりだ。大好きなカリ首を指の輪で何度も引っ掛ける。くちゅくちゅと先走りが音を立てた。

「ふっ……ん、く」

 皮を下げ、苦手だった先端に指を這わせると、じりじりと焼けるような感覚に襲われる。滑りを指に纏わせ、くるくると優しく撫で続ける。カクカクと勝手に腰が浮き、自分で自分を苛めているような気分だ。

「はっ、やっぱ、先っぽ、無理……っ」

 誰もいないのにそう言って、身を捩らせて唇を噛む。頭に浮かぶのは渡瀬の姿だった。あの手の大きさ、あたたかさ。どれだけ菊池がやめてと言っても止めてくれない。しつこくしつこく、泣くまで弱いところを弄られるのだ。

 先端の刺激に慣れてくれば全体を扱き、裏筋とカリ首を甘やかす。陰茎が射精の準備をし始めれば、また先端を磨く。鈴口を割り、指で尿道口をほじる。たまらず腰を震わせて泣き叫ぶと、キスで口を塞がれて——。

「ん、ッあ!イオ……っ」

 菊池の目が潤み、両脚がピンと伸びる。亀頭を包んでいる手のひらに力が入り、つま先が丸まる。

「ぁ゙、も、イくっ」

 陰嚢がぎゅんと上がり、ぐつぐつと煮立ったものが込み上げてきた。もう、我慢できない。右手が勢いよく上下し、菊池が息を詰めた。

「出る、ぅ……ッ」
「ただいまー」
「ゔ、ぅ゙……っ?!」

 まさに射精しようとした瞬間だった。渡瀬が声をかけながら部屋に入ってくる。そして射精寸前で陰茎を握りしめる菊池を呆然と見つめた。

「えーと、ごめん……?」
「うわあああああ!」

 菊池は慌てて布団を被って身を隠す。図らずも渡瀬の香りに包まれて、込み上げてきていた精液がどろりと一筋零れた。

 ずしり。渡瀬が布団に包まっている菊池に跨る。

「ヒロ、ごめんてー。ちゃんと出せた?手伝おうか?」
「無理無理無理!忘れろ!」
「なんだよ今更。俺らもっとすごいことしてんのに」
「うっせぇ!どけー!」
「でもこっちが俺のベッドなんだけど?」
「うわあああ!」

 そうだ、ここは渡瀬のベッドだ。布団から這い出たはいいが、あまりの恥ずかしさに渡瀬を見ることができない。居た堪れず背を向けると、背中をそっと撫でられた。

「俺がいなくて寂しかった?」
「違う!てかなんで……お前帰ってくるの夕方って言ってたのに」
「早く用事が済んだから帰ってきたんだけど、まさか俺のベッドでヒロがシコってるとは思わなくて……」
「うわああああ!いちいち口に出すなって!!」

 じたばたと子どものように両手足を動かす。渡瀬の笑い声は明るくて、ものすごく機嫌がいいことだけはわかった。

「ちゃんとケツいじれるように買ってきたから。まず準備だけしてきて」
「~~~っ!まじでやんのかよ……しかも今から、とか」
「ヒロがやる気満々なんだから、今からだろ。萎えてないし」

 後ろから覗き込まれてニヤリと笑われる。たしかにそこは、これだけ喋っていても上を向いたままだった。それどころか、寸前で止められたせいで我慢汁があふれ続けている。

「ほら、お湯入れてきたから。トイレ行ってきて」
「……なんだよこれ」
「浣腸器。さすがに寮の風呂場で浣腸するとか、何回もトイレと往復するとかは嫌だろ?」

 渡瀬の言葉に絶句する。そして彼の手の中にある黒い雫型のポンプを見て、顔面が引き攣った。

「この細い管をケツに入れて、容器を押したら中からお湯が出てくるから、ある程度溜めたら出す。それを何回か、お湯が透明になるまでやってきて」
「~~~~~!」
「あ、俺も一緒に行ったほうがいい?ヒロが恥ずかしいかと思ったんだけど」
「来んなバカ!クソ!」

 浣腸器を渡瀬の手からもぎ取り、背中を向けたまま下着とズボンを履く。シャツの中に浣腸器を隠し、慌てて部屋を飛び出した。誰にも見られませんように。いちばん近くのトイレの個室に籠り、菊池は緊張しながらズボンを下ろした。





 部屋に戻ってきた菊池は、すっかり気力を失い、完全に疲れ切っていた。

「抜け殻じゃん」
「マジで全部出た」

 渡瀬のベッドでうつ伏せに身体を投げ出す。そして空っぽになった浣腸器を放り投げた。

「どうだった?」
「どーもこーも浣腸だっつの。気持ちいいわけねーだろ」
「ほんとに?ちんこは随分元気だけど」

 言われて両脚をぎゅっと閉じる。そこは相変わらず臨戦体勢で、解放の時を今か今かと待っているようだった。

 浣腸は——正直悪くなかった。いや、最初は腹にお湯が入ってくるのがキツイし気持ち悪いしで、最悪な気分だった。さすがにさっきまで痛いほど勃起していた陰茎も、この時ばかりは萎えていたと思う。

 しかし溜まったものを吐き出すのは生理的に気持ちがいいわけで。それどころか、何度か繰り返しているうちに、腹に逆流してくる感覚もぞくぞくと快感を伴うようになった。浣腸器の細い管を奥まで入れるのも、そのまま抽送してしまいたくなるくらいに。

「じゃ、やるか」
「うぇ……マジでやんの?こえーんだけど」
「ここまできて何言ってんだ。優しくすっから」
「……ッ!」

 まるで処女を捧げる生娘になった気がする。渡瀬はしれっとした顔で右手にゴム手袋をはめ、うつ伏せのままの菊池の足の間に座った。腰を上げるよう言われてそのとおりにすれば、下履きを脱がされ、下にバスタオルを敷かれる。そっと尻たぶを撫でられて、強張った菊池の身体がぴくりと跳ねた。

「お客さーん、深呼吸してー」
「エロマッサージ師じゃん」

 緊張感のない渡瀬の声に思わず吹き出す。背後からはローションのねちゃねちゃと濡れた音が響いていた。

「わー、綺麗なピンク!ケツ毛剃ったんだ?」
「うっせ……っ」

 さすがに尻を見られるとわかっていれば処理くらいする。広げられてひくひくと動く蕾の表面を、ローションを纏った指が撫でるように這った。

「ん……ぅ」

 擽ったい中に、ぞわぞわと腰に響く何かを感じる。

「はーい、大翔くん、ちょっといきんでねー」
「んんっ?!」
「うんちする時みたいに」
「……ん、んっ」
「上手ですよー」

 ぐっと尻に力を入れた途端、一本の指が入ってきたのがわかった。少しの圧迫感と、逆流する気持ち悪さ。いつまでいきんでいればいいのかわからなくて、奥へ奥へと進んでくる間も必死に力を入れ続ける。が。

「あっ……」

 ある箇所を通った瞬間、自分から聞いたことのない声が漏れた。蕩けそうに甘くて、切ない、女の子みたいな喘ぎ声。

「あ、前立腺ってここか」
「あっ……ああっ……」

 指を折り曲げ、そこを重点的にこりゅこりゅと揉まれる。それだけで身体が丸まり、腰が跳ね、口からは勝手に嬌声が飛び出した。

「あっあっ、なに、ああっ、イオ!やばい、ああっ!」
「喘ぎ声かわいー」
「やっ、ああっ、ああっん!やめ、ああッ」
「ヒロが自分で腰振って当ててんだぞ?」
「う、そ……っ、やあっ、あっあっ」

 渡瀬の言うとおりだった。菊池はカクカクと腰を揺らし、中で曲げたまま止まっている渡瀬の指に前立腺を押し当てて擦っていたのだ。はしたない。恥ずかしい。そう思うのに、腰も声も止まらなかった。

「あっ、はああっ、やべ、ぇ、そこ、まじで……っ、あああっ」
「夢中じゃん。そんなイイ?最初から気持ちよくなれる人少ねぇらしいけど、ヒロは才能あったんだな」
「ああああッ、やばい、やばいッ!ケツ溶ける、ぅ」

 猫が背伸びをするように腕を突っ張り背筋を反らせる。そのままガクガクと大きく腰が痙攣した。

「ああ、ああっ、イオ、イオ、指動かしてッ、くちゅくちゅしてっ!」
「んー、こう?」
「あ゙ーーーッ!」

 渡瀬の指がしこりの上で跳ねる。菊池の両腿がびくびくと震え、つま先がぎゅっと丸まった。もう我慢ができなくて、自然と両手が陰茎に伸びるのを、渡瀬の手が阻む。

「ちんこはナシ」
「やっ、おれ、もうイきたい……っ」
「この感じならケツだけでイけるって。ほら、腰上げて、中の俺の指に集中しろ」
「んんッ、あああっ」

 ベッドに無理やり陰茎を擦り付けようとしているのがバレ、四つん這いになるよう腰を持ち上げられた。後孔の中ではしこりをぎゅーっと押し込まれた後にパッと離されるのを、何度も規則的に繰り返されている。

「腹に力入れて。ぎゅー」
「あ゙ーーーっ」
「力抜いて」
「ふっ、あぁ……」

 力を抜いた途端ぞわぞわと全身を快感が包む。ぶら下がった陰茎からはとろとろと先走りが糸を垂らしていた。

「ぎゅー」
「ん゙ん゙ッ、ああっ!」
「はい、抜いてー」
「ふぁっ……はああっ……」
「はい、ぎゅー」
「ん゙ーーーっ」
「吐いてー」
「はあああっ、あああっ、あっあっ」
「力入れてー」
「あっあっあっあっ!あああっ!」

 間隔がどんどん短くなる。もう力を入れているのか抜いているのかわからない。ただ目が眩むほど気持ちが良かった。本当に下肢がどろどろと溶けてしまいそうだ。

「すげぇ締まってきた。イきそ?」
「あっあっ、わかんな、い、ああっ」
「ヒロ、お尻気持ちいって言ってみ?」
「あっ、おしり、おしり、きもち……っ、うあああんッ!」
「お尻、どうされて気持ちい?」
「ゔ、ゔ、イオ、イオに、指、入れられて……ッ、おしり、くちゅくちゅ、かき混ぜられ、てっ……あああやばい、やだ、やだ、イオ、へんっ、いやああっ」

 恥ずかしい言葉を口に出すと、胎の奥でずっと燻っていた熱が急速に膨らんできた。背筋を通り、脳まで痺れる。今まで感じたことのない感覚に、菊池が四肢をバタバタと暴れさせた。

「イオ、イオ、いや、ああっ、やああっ!」
「大丈夫だから。イッていいぞ。ほら、ケツ気持ちい、イきそ、イく、イクイク、イクイクイク……」
「ふあ……っ、ああっ、イ、く、あっあっあっあっ」

 渡瀬の言葉に導かれるように、高みに昇っていく。まるでピストンするかのように腰が前後に激しく揺れ、内腿がぎゅっとくっついて震える。そして、菊池の背筋が反り、天を仰いだ瞬間。

「あーーー……っ」

 先ほどまでの痙攣が嘘のように、静かに全身が硬直する。頭が真っ白になって、呼吸も止まる。それは一瞬だったが、菊池には永遠にも感じられた。

 次第に四肢の端から小さく痙攣が始まり、全身に広がっていく。呼吸は不規則に乱れ、腹筋が激しく波打つ。これは絶頂だ。そう、間違いなく、尻で達したのだ。

「一回目からドライとか、メスの才能ありすぎ」
「はっ、はあっ、はあっ!」

 言われて下肢を覗けば、陰茎はびくびくと脈打っているが、滴っているのは透明の先走りだけだ。おかしい。快感が引かない。中の指は動いていないはずなのに、まだ視界に星が散っている。

「はあっ、はあっ、はああっ!」
「あれ?まだイッてる?大丈夫?」
「あ゙あ゙あ゙ッ」

 渡瀬が指を抜こうと少し動かしただけで、また菊池の身体が跳ね上がった。そのまま激しく痙攣し、どさりとベッドに腰を落とす。両脚を合わせてピンと伸ばし、頭を振り乱しながら身悶え始めた。

「あ゙ーーーっ!あ゙ーーーっ!」
「マジで?イキっぱなし?エロ……」
「あ゙あ゙ッ、お゙、ぉ゙、あ゙あ゙あ゙ッ」

 渡瀬が何も言わずに指を増やした。2本の指を中で広げ、隙間からローションを流し込んでくる。冷たいものが逆流してくる感覚に、菊池がぶるりと身体を震わせた。

 渡瀬は絶頂の連続でうねり絡みついてくる後孔をこじ開け、ぷっくりと膨れた前立腺を指で挟んだ。菊池の喉がひゅっと鳴る。押し潰すように揉み合わせると、後孔がきつく締まり、激しく蠢動し始める。

「ーーーーーッ!ぁ゙、……っ!」
「これ、完全にメスイキだろ。もうちんこ萎えてるし」
「ゔーーーっ!あ゙ーーー……っ」

 菊池はもう何も考えられなかった。ただ次々と押し寄せてくる大きな波に身を委ね、深く深く気持ちのいいところに潜っていく。身体は弛緩と硬直を繰り返し、渡瀬の言うとおり、萎えたままの陰茎がたまに少量の精液をとぷとぷと漏らすだけだった。

「指増やすぞー」
「あ゙ーー……っ、ぅ゙、ん゙ん゙っ」
「すっご。ぐちゃぐちゃのとろっとろ。完全にまんこだろこれ」

 もう指が何本入っているかもわからない。少しの圧迫感の後、またしこりを指で挟まれ、膨らんだそこを撫でられた。と思えば深く抉られ、そのまま揺らされ、叩かれ、めちゃくちゃにいじられる。

 もう何をされても達してしまう。むしろ達していない時間などなかった。身体はぐったりとベッドに沈み、時折り小さく痙攣するだけ。渡瀬はその様子に生唾を呑みながら、ただただ指を動かし続ける。

「大翔ー?生きてるー?」
「ぅ゙……ぉ゙ぉ゙……」
「仕方ない。あと一回イッたら終わりな」
「む、り、ぃ……」

 あと一回とかではないのだ。今この瞬間も、ずっと降りてきていないのだから。

「ヒロが好きなのは、人差し指と薬指で挟んで、盛り上がった前立腺を中指でこねこねされるのと——」
「お゙ぉ゙ぉ゙ッ!ん゙、ぐ……ッ!」
「ぐっと押し込んで、軽ーく横に揺するやつな」
「ゔあ゙あ゙あ゙あ゙ッ!いやああああッ!」

 びくん、と一際大きく身体が跳ねた。瞬間、陰茎から潮が噴き出す。菊池は半乱狂になって腰を振りたくり、それを撒き散らした。逃げようとしても渡瀬にがっしりと押さえつけられ体重をかけられると、もう足でシーツを蹴るくらいしかできない。

「いやあああ!もうだめ、だめ、イッた!イッたあああ!あ゙っあ゙っ、またイく、お゙ぉ゙ッ、イクイク、イ゙ッ゙でる゙!お゙、ぁ゙……っ!」
「すっげ、指吸われる」
「も、無理ぃっ!無理無理ッ!ごめ、ごめんなさいっ、ごめんなさい……っ!」
「ヒロは何も悪いことしてないだろ?」

 泣き叫んで謝りながらジタバタと暴れる菊池に、渡瀬はあやすように頭を撫でる。最後に強くしこりを押し込むと、ここでようやく指を抜いた。

「はあっ!ああ……ッ!」

 指の抜けた後も余韻が酷いのか、しばらく菊池は自分の身体を抱きしめるように折り曲げて、痙攣し続けた。きゅんきゅんと収縮する後孔と、不規則に力の入る臀部をじっとりと見つめていた渡瀬は、ふうとひとつ熱い息を吐く。

「ヒロ、大丈夫か?」
「無理、死ぬ……」

 渡瀬はぐちゃぐちゃになったバスタオルを回収し、洗い立てのフェイスタオルで菊池の身体を拭いてくれた。股間や尻の間を拭かれても、もはや身じろぎ一つできなかった。

「またやりたくなったらいつでも声かけろよ。浣腸器はヒロのデスクに入れとくから」
「も、もう、やらねぇよ……」
「えー?こんだけイッたら、癖になんだろ」
「……」

 疲れたふりをして菊池は黙り込んだ。今はもう尻なんて勘弁だと思っているが、正直あの快感は忘れられないだろうとも思う。際限なく、ずっと降りて来られない、強制的な絶頂。

(やべーことに手ぇ出しちゃったかも……)

 尻の快感が癖になったら、前で満足できなくなるかもしれないという吉澤の言葉を思い出した。今ならわかる。その通りだ。こんなのを続けたら、確実に男としての機能を失ってしまう。今日だって、前立腺とやらを触られてから、勃起すらしなかったのだから。

(やっぱり、ケツの快感は忘れよ……)

 菊池が密かにそう決心している間も、渡瀬の視線は菊池に向いていた。事後の気だるげな表情、まだ湿っている下肢。ずくん、と腰が重くなるのを、渡瀬は必死に堪えていた。






 その夜、二人が寝入ってから1時間ほどが経った頃。二段ベッドの上部から聞こえる、ガタガタという音で渡瀬は目を覚ました。音だけではない。ベッドが揺れている。

「ひろぉ……?」
「ぅ゙……ぅ゙……」

 押し殺したような呻き声も聞こえる。まさか、昼にあれだけやっておいて自慰でもしているのか。早鐘を打つ心臓を押さえ、そっとベッドを出る。

「ヒロ、大丈夫か?」
「ん゙……ぉ゙……」

 声をかけても止まらない声と音。自慰ではないようだ。そうなると、何か病気なのではないかと急に不安になる。慌てて梯子を登り、菊池の様子を伺うと——。

「ぅ゙、あ゙あ゙……っ」

 布団の中で呻き声を上げながら身悶えていたかと思うと、突然びくりと身体を揺らし、硬直した。それはまるで、昼間見た絶頂のようで。

「ヒロ!?おい、大翔!大丈夫か!」
「あ、あ、イオ……っ」
「どうしたんだよ?!」
「ぁ゙、俺、変……ッ、からだ、おかしいっ」

 開いた目からは涙がぽろりと零れた。浮かべているのは苦痛ではなく、どうみても陶然とした表情だ。

「身体って、もしかして、ケツか?」
「ゔ、ゔ!中、触ってないのに、イオの指、入ってるみてぇで、ッ、勝手に、イく……っゔあ゙あ゙!だめだ、またッ、あ゙、イく、イく……っ」

 言っているそばから菊池が痙攣する。布団を掴む手は色が白くなるほど力が入っていた。

 前立腺について調べていた時に見つけたことを、渡瀬は思い出した。前立腺を開発すると、夜寝ている時などに刺激がぶり返して、身体が勝手に絶頂してしまったり、運動をしている時に力を入れるだけで達してしまったりすることがあるらしい。

「今日ケツをいじられすぎて、身体が覚えたんだな」
「イオ、たすけてッ、これ、やばい……っ!」
「俺にはどうもしてやれねぇから、せめて抱きしめとく」
「ふ、ぁ……っ」

 同じベッドに入り、後ろから菊池を抱きしめる。ほかほかとしていて、まるで子ども体温だ。少しでも楽になればと腹をさすると、そこは不規則に力が入って震えていた。

「や、ばい……ッ、やめ、ああッ、イクイク……っ」
「ヒロ、大丈夫だ。可愛いな、よしよし」
「あああ、ダメだって、ぇ!」

 渡瀬の匂いとあたたかさに包まれるだけで昼間のことを思い出してしまい、さっきより一層達しやすくなって辛い。しかしそれは彼には伝わっていない。そして恥ずかしくて言い出すこともできない。

 渡瀬はびくびくと跳ね続ける身体を押さえ込むようにきつく抱きしめ、うなじに顔を埋めて菊池を堪能した。



 どれくらいそうしていただろうか。菊池がぶるりと大きく身体を震わせた後、静かになった。度重なる絶頂に耐えられず、気絶してしまったらしい。

 渡瀬は菊池が寝入っているのを確かめた後、ぴったりとくっついている彼の尻に張り詰めた股間を押し当てた。ごり、と擦れるだけで脳が痺れる。

「はっ、はっ……」

 今日の菊池の痴態を思い出しながら、彼を起こさないよう静かに腰を擦り付けていると、ものの数往復で頂点が見えてきた。枕元にあったティッシュを取り、陰茎の先を包む。そして下着から手を抜き、菊池の尻の割れ目に爆発寸前の陰茎を挟み込んだ。

「ゔっ、ヒロ、ヒロっ!はああッ」

 ぐっと押しつけ、そのまま吐精する。今までで一番気持ちいい射精だった。

「大翔……っ」

 渡瀬はしがみつくように菊池を抱きしめ、そのまま心地のいい眠りについた。覚えていないが、とてもいい夢を見た気がした。





終わり。
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