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気持ちの区切り方
しおりを挟むマティアス神父はすぐに行動に移してくれた。翌日のうちにラシードに声をかけ、懺悔の部屋へと連れ出したのだ。タジもその場に同席することを許された。
ラシードは格子の向こう側に座って、少し俯いている。不安に思うタジの手を神父が握り、二人も椅子に腰を下ろした。
「ラシード、何か悩みがあるんだね」
「……」
「タジも私も君のことがとても心配なんだ。力になりたい」
「でも……」
神父をもってしても、ラシードの口は重かった。
「タジがいると話しにくいことかい?」
「いえ、そういうわけじゃ……」
「じゃあ、うまく言葉にできないのかな?考えがまとまらない?」
マティアス神父の言葉に、ラシードの膝に置かれた拳がぎゅっと固くなった。
「マティアス様には、なんでもお見通しですね」
顔を上げたラシードは、今にも泣きそうな表情を浮かべている。親に捨てられたとわかった時と同じ顔だ。タジの胸がきゅっと引き攣る。
「エリアスさんがお務めを果たしたあの時から、心の中が澱んだような感じで……何をしていても、ふいに悲しくなったり、イライラしたり、してしまうんです」
ラシードも悩んでいたのだろう。一度口を切ると言葉は止まらなかった。
「わかってるんです、あれはお務めだって。僕だっていずれは貴族様の家に奉公に出るって。当然のことで、名誉なことで、何もおかしくなんかないのに。なのに、あの時のエリアスさんの姿が頭から離れなくて、死んでしまいそうに苦しいんです!」
悲痛な様子で、兄は胸を掻きむしった。
「ラシード」
神父の落ち着いた声が響いた。
「ラシード、話してくれてありがとう。辛かったね」
ラシードの両目から堪えきれなかった涙があふれる。
「ラシードは、エリアスの不浄の穴を清める私を見て、憎いと思うかい?」
「……いいえ」
乱れた呼吸を整え、ラシードが首を振る。その瞳に嘘は混じっていない。
「光景としては同じだろう?エリアスの不浄の穴にペニスを入れて出し入れし、体液を出す。それが穢れか聖液かの違いだ。エリアスも嫌がることなく受け入れている」
「でも……!」
その言葉は続かなかった。ラシードもわかっているのだ。行為だけを見れば、清めも務めも何も違いはない。
「ラシード、君はエリアスの不浄の穴にペニスを挿れたいと思うかい」
「えっ……?!」
兄の表情は一変し、一瞬の驚愕の後にカーッと赤面する。
「まあ、ペニスから穢れを出す快感も知っているうえ、伯爵とエリアスがあれだけ気持ちよさそうにしていれば、挿れたいと思ってもおかしくはない」
「あ、そんな、僕なんか……」
また俯き始めたラシードに、神父が追い討ちをかけた。
「じゃあ、エリアスが自分だけに微笑んでくれればいいのにと思ったことは?」
「あ……え、と……」
「あるんだね」
マティアス神父の真剣な声に、ラシードはびくりと肩を揺らした。
「その……少しだけ、思ったことは、あります」
「そうか。そう思うのはエリアスにだけかな?」
「たまに、マティアス様にも、思うんですけど……エリアスさんとマティアス様以外にはそう思ったことは、ないです」
「……そうか」
しん、と懺悔の部屋が静まり返る。
マティアス神父はふっと短く息を吐いた。
「ラシード、君はおかしくなんかない。人は誰しも、そういう感情を持つものだ」
「そうなんですか……?!」
神父の言葉にラシードが身を乗り出した。
「そうだ。そしてそれは、君がエリアスのことを特別に愛しているということを表している。彼の視線も、笑顔も、優しさも、自分だけに向けてほしい。彼を自分のものにしたい。閉じ込めて、他の目に触れさせたくない。愚かにも、人間は愛した相手にそう思ってしまうことがある」
「そんな……傲慢なこと、を……」
ラシードの顔には複雑な表情が浮かんでいる。頭では拒絶しているのに、心では納得しているような。相反する感情がないまぜになっている。
「それに君は、エリアスのことを清らかな聖母のように思っているふしがあるだろう。だから、彼が穢されてしまったことに絶望した。エリアスが自分以外に身体を差し出したことも、美しい彼が穢れてしまったことも、どちらも許せない。違うかな?」
その問いに、ラシードは答えなかった。しかし、沈黙は何よりも雄弁だった。
「私がエリアスを清めるのも、最初のうちは複雑に思ったんだろう。しかし私は彼を清めるのであって穢すわけではないから、なんとか受け入れられたのかもしれないな」
そこまで言って、マティアス神父がラシードの名前を呼ぶ。彼がぎゅっと唇を引き結んだ。
「もしニコたちがエリアスの身体に触れたら、どうだろう。嫌な気持ちになるかい」
少しの沈黙の後、ラシードは首を横に振った。
「穢れを出すのは同じだぞ?いくら私に清められているとはいっても、彼らのペニスから出るのは穢れだ」
兄は混乱している様子だった。マティアス神父の言うとおりだ。ダリウス伯爵のペニスも、ニコたちのペニスも変わらない。中に出されたら穢れるのは同じ。
「ラシード。君はこの教会の外の世界を知っているね。ここに来る前、辛いことも悲しいこともあっただろう。だから、この教会の外は、特に穢れているのだと、本能的に思っているのかもしれない」
私が思う原因はこうだ、と神父は切り出した。
「教会の中の世界、つまりここにいる子は皆、ラシードにとっては清らかな存在だ。外の世界とは違う。そして、その中でも特にエリアスに惹かれ、美しい彼を愛した。しかしエリアスは平等で、ラシードだけでなく皆に優しい。自分だけを見てはくれない。そう思うと心の中にどんどん穢れが溜まっていく。彼が欲しい、自分だけのものにしたい。自分以外が彼に触れると苦しくなる。ましてや穢れた外の世界の人間が触れるなんて、とてもじゃないが許せない」
マティアス神父の言葉に、ラシードの拳は白くなって、震え始めた。噛み殺せない嗚咽が漏れる。
「ラシード、大丈夫だ。私を見なさい」
「ぁ……マティアス、さま……」
涙でぐちゃぐちゃになったその顔に、神父は優しく微笑みかけた。
「君は人より少しだけ欲が強いのかもしれない。こうしてほしい、これはしてほしくない、ってね。そういう子は、総じて穢れが溜まりやすいものだ」
「僕は……どうすれば……」
「信仰を深め、心に穢れを溜めないようにしよう。己の心と神の教えに向き合うんだ。そうすれば徐々に真実が見え、君が傲慢と言った様々な欲を理解し、コントロールできるようになるだろう」
こくり、と小さく頷く。
「そしてもう一つ大事なことだが」
「……はい」
「エリアスは神でも聖母でもない」
神父はきっぱりと、そう言い切った。
「私に清められてきたとはいえ、穢れは溜まる。見目は麗しくとも、君と同じ人間なんだ。ここだけの話だが、快楽に身を堕としそうになったこともある。それも一度や二度じゃない。報いの時間で私に何度罰を受けたことか」
「そんな……エリアスさんが……?」
これにはタジも驚いた。あんなに落ち着いて、優しくて、皆のリーダーのような彼が、何度も報いを受けていたなんて。
「エリアスも君も、元を辿ればダリウス伯爵と何も変わらない。幼い頃に教会で信仰を重ね、私に清められたかどうかだけの違いだ。まずはエリアスもただの人間であることを理解しないといけない」
「……はい」
返事をしたラシードの目には、もう光が戻っていた。タジは思わずマティアス神父に抱きつき、頬を擦り寄せる。
「こらこら、どうしたんだい、タジ」
「えへへ……兄ちゃんが元気になって、嬉しいです!マティアス様のおかげ。ありがとうございますっ」
「いいんだよ。ほら、ラシードも部屋から出ておいで」
懺悔の部屋を出て、三人で抱きしめ合う。
「タジ、心配かけてごめん。ありがとうな」
「ううん……!兄ちゃん、大好きっ」
またこうしてラシードの元気な顔を見られて嬉しい。全てはマティアス神父のおかげだ。タジは力いっぱいに二人を抱きしめた。
そして教えの日がやってきた。エリアスにとっては最後の教えの日だ。しかしこの日はいつもと少し雰囲気が違っていた。祭壇の上、マティアス神父の隣には最初からエリアスが立っている。
「今日の教えの日は特別だ」
「えー、なになにー?気になるー!」
マティアス神父の言葉に、ニコとフィリップが色めき立った。言葉にはしないまでも、ソラやサリオもそわそわと落ち着かなさげだ。
「今日はエリアスにとって最後の教えの日。我々で彼を盛大に祝福し、送り出したいと思う」
「マティアス様、ありがとうございます」
エリアスがふわりと笑う。ラシードを見ると、少し顔を赤らめているが、以前のような思い詰めた様子はなかった。
「エリアスが今後ダリウス伯爵の穢れをたくさん受け入れられるよう願って、皆の穢れも彼の中に出してやって欲しい」
「そ、それは、エリアスの中にペニスを挿れるってこと……?」
フィリップの言葉に神父は笑顔で頷いた。
「僕は、何も、出ない」
サリオの呟きに、タジも不安になって神父を見る。
「サリオとタジも、今日は少しだけエリアスの中に挿れてみようか」
「えっ?!」
思わず驚きの声を出してしまった。快楽に堕ちるからと、頑なにペニスには触れないようと言われてきたのに、今日はそれが許されるというのか。未知の快感への期待に、一瞬で痛いほどペニスが勃起したのがわかった。
「順番は、ニコ、ソラ、フィリップ、ラシード、サリオ、タジの順だ。さあエリアス、四つん這いになって準備をしなさい。ニコは上がっておいで」
「はーい!」
ニコがスキップをしながら壇上に上がり、一気に服を脱ぐ。ペニスはすっかりその気になってぴょこんと勃ち上がっていた。
「ペニスに香油を塗って、ゆっくり入れなさい」
差し出された香油を指に取り、たっぷりとペニスに塗り込める。その上から、穢れの上澄みが滲み始めていた。
「わ……エリアスのお尻の穴……じゃなくて、おまんこ、ひくひくしてるね。挿れてほしい?」
「ん……挿れて、ほしい」
エリアスが誘うように掲げた腰を控えめに振る。やはり自分たちの前でそこを晒け出すのは恥ずかしいようだ。そんなエリアスのことは気にせず、ニコが尻たぶを広げ、ゆるりと口を開けたそこにペニスを押し当てる。
「あ、挿っちゃう……挿っちゃうよ、エリアスのおまんこに、僕のちんちん……ッ!」
「あぁ……っ」
ずぷ。ずずずずず——。
「あーーッ!なにこれなにこれ!すごいッ!おまんこすごい!」
ニコは奥まで挿入した途端に絶叫した。いつか見た犬の交尾のように、後ろから抱きつき、腰だけを激しく振っている。
少し心配になってラシードの方を垣間見ると、彼は夢中で二人の様子を見つめ、緩く腰を動かしていた。顔は興奮に上気している。ダリウス伯爵の時のような激情には呑まれてはいないようで安心した。
「ぁ、ニコ、強いッ!やあああ!」
「あーー、すごいよぉぉ!エリアスのおまんこ気持ちいいっ!あーだめだめだめ、出ちゃうー!あっあっあっ!」
「ニコ、いつでも出しなさい」
限界を訴えるニコのふぐりを後ろからさすりながら、神父が赦しを与えた。
「あっ、たまたまきもちいッ!出る出る!エリアスのおまんこに出すう!おまんこの中に……ッうああああ!」
「ああぁ……」
ものの数分で、ニコはエリアスの肉壺に穢れを吐き出した。目元を赤く染め、はくはくと浅く空気を吸いながらその快感に浸っている。
エリアスも腹に手を当て、身体の中にあたたかいものが広がっていく感覚を味わっていた。
ぬぷりとニコのペニスが抜け、菊門との間に何本もの白い糸が引く。まだ出し足りないと言わんばかりに、真っ赤なペニスは上を向いていた。しかしニコは笑顔でソラの名前を呼び、足早に祭壇から下りる。ダリウス伯爵でさえ自身の欲に逆らえず、二度続け様に挿入していたのに、ニコはやはりすごい。信仰を深め、修行を続けた結果、こうして欲や穢れをコントロールできているのだ。
次はソラだ。ニコに名前を呼ばれておずおずと祭壇に上がると、つっかえながら服を脱いだ。遠慮がちな本人の様子とは反対にペニスは完全に勃起し、先の割れ目から穢れが漏れ出てきている。
「エリアスさん……」
「うん、ソラ、おいで」
エリアスが仰向けで膝を抱え、菊門を晒した。そこは香油とニコの穢れが混ざり合い、とろとろに蕩けている。ソラが生唾を飲み、ゆっくりとペニスをそこにあてがった。
「し、失礼しま……あああっ!」
「あ、あああッ!」
なんの抵抗もなくエリアスの肉壺がソラのペニスを飲み込む。じゅぷじゅぷと音を立てて、ニコの穢れが押し出された。
「エリアスさんっ、あっ、だめ……っ」
ソラは全てを埋めると、あまりの快感に動けなくなってしまった。時折りぷるぷると身体を震わせ、目を瞑って感じ入っている。
「エリアスさんの……すごい、はあっ……ぬるぬるして、あったかくて、きもち、いい、です……っ」
「あぁ……ソラのペニスも、きもちいい、よっ」
ソラは激しい抽送はせず、まるでエリアスを揺さぶるように腰を動かす。二人とも蕩けた表情で、うっとりと快感に酔っていた。
「ぁっ……エリアスさん、だめ、そんな締め付け、たら……っ」
「んっんっ……ああっ!」
ゆったりとした腰つきは、段々とスピードを上げていく。ソラはエリアスを抱きしめながら、肉壺を激しく抉った。エリアスの顔から余裕が消え、形のいい唇が噛み締められる。
「あっあっ、ソラ、そこだめ、だめ、当たっ、当たってるッ!やぁぁぁっ!」
エリアスが仰け反って身を捩る。どうやら穢れのしこりを捏ねられているらしい。先程までとは違い、本格的に腰を逃がそうと藻搔いているエリアスの太ももを、ソラががっしりと押さえ込んだ。そのままうっとりと虚空を見上げ、エリアスの肉壺にガツガツと突き込む。
「あ゙ーーーッ!だめ、イく!ソラぁ、イッちゃう!おまんこイ゙ぐッ!ああああああんッ!」
「んっ、はあっ……あぁ……っ」
エリアスの声はソラに届いていないようだった。夢中で肉壺を掻き混ぜている。そして遂にエリアスが仰け反ってぶるぶると痙攣した。噛み締めた唇から、堪えられない呻き声が漏れる。
「ゔ、ぁ!ん゙ーーーーっ!」
「ああぁ……っ!すごい、ああっ、すごい……っ」
エリアスが絶頂に行っている間も、ソラは自分の快感を優先した。揉みくちゃに絞り上げ、絡みついてくる肉壺に出し入れするのは凄まじい快感のようだ。
「や゙ぁーーーッ!イッた、イッたからぁ!」
「んっ、はあっ!僕も、僕も出します……っ」
ソラもやっと限界を迎える。マティアス神父の方を振り返り、苦しげにそう伝えると、神父は微笑んで赦しを出した。彼はソラの汗ばんだ肌にキスを落とし、ぺろりとうなじを舐める。
「ソラ、たくさん腰を振って、奥の奥で出してやりなさい」
「は、い……ッ!あ゙あ゙っ、ん゙ん゙っ!」
「あ゙ーーー!おまんこぐちゅぐちゅしないれ!ああだめ!やぁっ!」
「で、る……ッん゙ん゙!あ゙、あ゙、出るッ、はあっ!」
神父に言われたとおりに、ソラがペニスの全てを肉壺に納め、押し出すように穢れを吐き出した。少しでも奥へと、エリアスを引き寄せ、腰を押し付ける。
「あぁ……あぁ……」
神父は、しゃくりあげているソラのふぐりを労わるように撫でた。そのたびに穢れが漏れるらしく、ソラは切なげに小さく呻いている。
ゆっくりとペニスが抜かれると、飲み込みきれなかった二人分の穢れがどろりとあふれ出た。菊門も締まり切らずにぱくぱくと口を開いている。
ソラがベッドから降りるよりも早く、フィリップが立ち上がっていた。その場で服を脱ぎ捨て、祭壇への階段を駆け上がる。
「つ、次は俺だよな!俺も絶対エリアスを絶頂に行かせてやる!」
フィリップはソラに対抗心を抱いているようだった。フィリップの言葉に微笑み、ソラが頷く。
「エリアスさんをたくさん気持ちよくしてあげてね」
「フン!わかってる」
ソラが祭壇から下りる。フィリップは早速いきり立ったペニスをエリアスのどろどろの菊門に擦り付けていた。
「すごい、ぐちゃぐちゃだ……」
「あっあっ……フィル……」
「ふっ、気持ちがいいんだろ?」
口元に笑みを浮かべているが、フィリップに余裕がないのはタジにもわかった。額には汗が光り、小ぶりなペニスは早く肉壺に挿りたいと涙を流して震えている。
「い、挿れるぞ……っ」
「フィル……んん」
焦らすのは早々に諦めたらしい。はあはあと息を荒げてエリアスの菊門を見つめながら、ぬかるんだそこにペニスを押し入れた。
ちゅぷ。
「うわあああーーーっ!」
頭を挿れただけでフィリップは絶叫した。肉壺がペニスに吸い付いて、奥へ奥へと誘うように蠢動している。
「フィル、全部挿れて……っ」
エリアスが腰を揺らし、フィリップの全てを飲み込んだ。
「あ゙ーーーッ!ゔーーーッ!」
フィリップはガクガクと痙攣し、腰を何度も跳ねさせた。もしかしてもう出ているのかもしれない。エリアスの右太ももを抱きしめながら、涎を垂らして泣き喚いている。
マティアス神父が後ろから結合部を覗き込み、既にフィリップのペニスが入っている菊門に中指を差し込んだ。途端にエリアスがびくびくとのたうつ。
「マティアス様……っ?!ああああッ!」
「やだやだやだッ、おまんこぎゅってしないで!あ゙ーーーッ!止まらないっ、止まらないよおおおッ!」
やはり穢れを出しているらしい。それも途切れなく、何度も。マティアス神父が指を曲げるたびに二人から絶叫が漏れた。神父の指の気持ちよさはタジも知っている。思い出すだけで胎の奥がじゅんと痺れた。
「お゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ーーー……ッ」
フィリップが一度だけ腰を突き上げ、そのまま硬直した。菊門の隙間からぷしゃっと何かが噴き出す。どうやらフィリップはエリアスの中で潮まで出したらしい。そのままぐったりとエリアスの上に倒れ込んだフィリップを、神父がゆっくりと抱き上げた。ペニスの抜けた肉壺から勢いよく穢れと潮が噴き出る。
フィリップを階下の椅子に座らせ、神父はラシードに手を差し伸べた。
「次は君だ」
「……は、い」
マティアス神父の手を取り、ラシードが立ち上がる。その目に怒りや悲しみはなく、ただ喜びだけが浮かんでいた。ラシードは神父の導きによって困難を乗り越えたのだ。タジよ心にもあたたかいものが広がった。
祭壇のベッドに上がったラシードは、目の前でぐったりとしているエリアスに目を向ける。だらしなく広がった脚、その間にはぱっくりと口を開け穢れを求める菊門、そしていろんなもので汚れたシーツ。
ラシードの頭の中にマティアス神父の言葉が蘇る。エリアスは神でも聖母でもない。ラシードと同じ、快楽や欲に翻弄される人間なのだと。
実際、今ここにいるエリアスは穢されている。顔は涙や涎でぐちゃぐちゃな上、言わずもがな菊門には三人の穢れを飲み込んでいるのだ。その上絶頂に行く快感に酔いしれ、まだ足りないとペニスを求めているのだ。
しかし、美しかった。穢されていても、エリアスの内なる清らかさは損なわれていない。穢れを清めるという務めを全うしようとする、その姿。苦痛どころか、肉壺での快感を心から受け入れ悦んでいる、その姿。ラシードの心に眩い光が差す。
「あぁ、エリアスさん……あなたは、どれだけ穢されても、本当に美しい……」
ラシードの呟きに、マティアス神父がそっと肩を抱き寄せ、彼を包み込んだ。
「そうだ、ラシード。己の務めを果たそうとし、信仰と向き合い続ける姿はただただ美しいだろう。どうだい、前のような苦しみを感じるかな?」
「いいえ。きっと今なら、ダリウス伯爵の穢れを受け入れるエリアスさんも、美しいと思えます」
「そうか。一つ、進んだな」
「はい」
マティアス神父とラシードの会話の間、エリアスは焦れて自分で蜜壺に指を入れて掻き混ぜていた。それをうっとりと見つめながら、ラシードは指を抜かせ、内腿にキスを落とす。
神父に言われて服を脱ぎ、白く細い腰を抱える。そして猛ったペニスをそっと菊門に当てた。ちゅっちゅっとそこがペニスの頭を吸っている。ラシードが静かに腰を進めると、ぬかるんだ肉壺はあたたかく全てを飲み込んだ。
「あああッ、ラシード……!」
「はあっ、エリアス、さん……っ」
ラシードのペニスは、これまでの三人より太く大きい。焦れて熟れた肉壺は、求めていた圧迫感に狂喜乱舞しているようだ。挿入しただけで絶頂し、エリアスの足が何度も空を蹴る。
「あ゙ーーーッ!ラシードの、おっきい!きもちいいっ!はあああんッ!」
「ふっ、ゔ……エリアスさんっ、もっと気持ちよくなって……っ」
ラシードがエリアスを慮ってゆっくりと抽送する。タジもわかるが、焦れた中をゆっくり抉られるのは苦しいほどに気持ちがいい。頭の中が真っ白になって、肉壺の快感だけに支配されるのだ。
「あ゙ーーー……」
「ここですか?あっ、ここ、ですね……めちゃくちゃ、うねる、っ」
「ふ、ゔゔ!ん、ぁ……っ!ん゙ん゙ん゙っ」
エリアスの反応がいいところをラシードが狙い撃ちしている。涙と涎でぐちゃぐちゃの顔が、いっそう汚れていく。しかしラシードは気にせずその唇にキスをした。
「エリアスさん、綺麗です……たまらない……っ」
「う、あ……っ!ん……っ!」
「あ、またイッてくれました、か?」
ラシードの優しさがエリアスを蕩けさせていく。何度も何度も静かに絶頂を極め、エリアスが四肢を痙攣させた。
「は、ぁ……っ!僕ももう……っ」
「ラシー、ド……ラシード、ぉ」
「エリアスさん……っ!」
力の抜けた脚に鞭打って、エリアスがラシードの腰に絡みつく。そしてねだるように腰をくねらせた。
「出します、エリアスさん……!」
「らして……らし、ど……」
「ゔッ……あ゙、ぁ゙!」
ぐん、と大きく腰を突き上げて、ラシードが身体を震わせる。マティアス神父は収縮を繰り返しているラシードの会陰とふぐりを撫で、穢れの排出を促進させていた。ぞくりとした快感に、ラシードに鳥肌が立つ。
「あ……いっぱい、ラシード、の……」
「は、ぁぁぁ……ッ!」
ごぷごぷと、穢れが注がれている音がしていた。もう一度ラシードがエリアスに口づけをし、ゆっくりと離れると、一拍置いて大量の穢れが音を立てて流れ出た。四人分の穢れが白く泡立って混ざり合っている。
ラシードによって何度も絶頂に行かされたエリアスはぐったりと身体を投げ出していた。しかしその姿はタジから見ても美しかった。その肉壺にこれから自分のペニスを挿れるのだと思うと、うなじのあたりがざわりと粟立つ。ペニスの快感とはどんなものだろうか。しかも肉壺に入れるなんて、想像もつかない。なぜかとても喉が渇く。ああ、早く、あの身体を味わいたい——。
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