君を描きたい

白田ゆうき

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小学六年生・3

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ー男の朝は、早い。


月曜日から金曜日までは6年生の5月からやっている再放送のアニメを見るためだ。
少しでも水戸さんが見ている量に追いつきたいという、アニメを見る理由はそれでいいのかと、もっと他の理由があるだろうと言いたくなる人がいそうな理由だ。
ただ最初は本当にそれだけだった。
そのためだけに5時30分よりちょっと前に2階にある自室の寝床を離れ、1階のテレビの前にスタンバイする。
30分くらいアニメを見た後、早起きしすぎたので6時45分までまたぐっすり眠ってしまう。
ちなみにこのとき二度寝は良いものだなと実感した。
二度寝を済ませると、TVQの『おはスタ』が始まる。妹と弟が見るのだ。僕はあんな子供っぽいものは見ない主義だ。ただ結果的には見ていることになる。朝のBGMが『ZIP!』に変わるのはまだ2年ほど先の話だ。

朝食やら歯磨き、排泄を7時10分には済ませると、僕は大きな声で『行ってきます!』と言う。
そうして学校へと走って行く。


決して遅刻をしそうな訳ではない。学校までは走って10分から15分くらいだし、第一学校の靴箱の扉が開くのは7時50分だ。
ならば何故そんなに走ってまで早くに行くのか。
理由は一つ。
友達と話すためだ。
友達もそうだし、更に言えば、水戸さんも早い。
友達とはカードゲームの話をすることが多い。デュエルマスターズが仲間内での流行りだ。水戸さんとは朝見たアニメの話をする。
すると、「あんたすごいなー、早起きやなー。うちは見れんわー」と関西弁を見え隠れさせながら言う。
関西に親戚がいるらしくその影響らしい。
僕はこのとき毎回「勝った!」と思う。
あれだけアニメオタクの水戸さんが見てないんだ。僕、すごい。

単純である。


いつものメロディーが学校中に鳴り響き、警備員が靴箱の扉を開く。僕らは一斉に中へと入っていく。その様はまるでバーゲンセールのようだった。
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