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高草木文歌

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卓球に体力なんていらない

-story3-

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    あれから何日たったんだろうか。
もう何日も学校に行っていない気が…
「ルラ~!早く起きなさい!」
母さんの声だ。
どうやらまだ一日しか寝ていないらしい。
まぁ…ハルキは他校だし、学校でストレス発散するか。
私はいつもよりゆっくりと支度をし、家を飛び出した。なんで飛び出したのかは、自分でもわからない。ただ…
「なんか楽しみ…」
よく分からなかったが、今日の星占いは一位だ。
きっと何かいいことがある、そう信じて学校へ向かった。
────────
──────
────
着いてしまった。
教室…
ハルキが何も言っていなければいいけど…
「ルラー!ハルキと別れたんだってー?」
「なっ…」
一番最初に言ってきた“こいつ”は、私とハルキの仲を、一番憎んでいた“ユア”。
別れたことに幸福を抱いているのだろう。
「あぁ、うん。別れたよ。」
「嘘ー!なんで?あんなに仲良かったのにー!」
うざいほどの上目遣いをしながら言ってきた。
流石に私も怒りが上がってくる。
それに気づいたんだろう。
友達の“ミサ”が助けてくれた。
「ルラちゃーん!おはよう!」
「おはよう!」
そのまま私はミサに引っ張られ、自分の席に行くことが出来た。
「ありがとう」
「いえいえ!」
まぁ、そんなこんなで、私の一日が始まるわけですよ。
────────
──────
────
「席替えをします!」
よっしゃ!席替えだ!
これで、隣ともおさらば!
さらば、憂鬱な日々!
私のクラスの席替えは、委員会の班ごとに行うので、同じ班の人としか、隣になれない。
もちろん、私は環境委員会に入っており、同じ委員会の“リクト”は、今のところ気になっている人だ。リクトと隣になる確率はØ。
リクトは野球部と近くになりたいから、出っ張りの部分に向かう。私は、もう隣の通称“タラコ”から解放のため、“ケンジ”が隣に。
そして後ろは…リクト。
常に視線を感じる為か、緊張してしまう自分がいた。情けない。
────────
──────
────
席替えの後は給食。
班になって食事だ。
リクトは私が前を向けば視界に入る場所に。
(大丈夫かな…)
「いただきまーす!」
合唱の合図で、みんなが食べ始める。
リクトとケンジはおかずを増やしに。
私とミサは食べ始めた。
何事もなかった…何もしなかった…はずだった。

リクトは牛乳パックをたたんでいた。
きっと偶然だろう。まだ中に入っていた牛乳がみんなの机に飛び散ったのだ!
「飛んだ!」
真っ先に反応したケンジ。
その声と同時に牛乳がみんなの机に付着。
「ついたんだけどー」
「世界一清潔な牛乳だぞ!」
何が言いたのか知らないけども、はよ吹いてくれんか。
「どこに飛んだ?」
質問されたので私は「ここ」と言いながら、指で指した。すると…
私の手を一瞬握り、牛乳につけようとした。
ギリギリつくことは無かったが、私は手を触られたことを何度も思い返していた。
「ちょっと!」
「くそぉ…」
「クソじゃないし!」
ワハハ、と笑いが起こる中、私はわずかに照れていた。
“手に触れられた”
思い返したらきっと、顔に出てしまう。
────好きなの…かな?
私は馬鹿だ、そう思いながら、すぐにそんなことは忘れた。
────────
──────
────
「えー!?」
手を握られたことを、女卓のみんなに伝える。
あ、もちろんアユミ以外の子。
「まじか!タカちゃんのことが好きなんじゃない?」
“タカちゃん”というのは私のこと。
苗字が“タカリ”だから、そこからとって“タカちゃん”。
「それはないでしょ!」
「いや絶対好きだって!」
好き…かぁ…
私、好きなのかな…?
「まぁまぁ、今はそんなことより…」
ガラガラとドアが開く。
あぁ、体力作りの時間か…
卓球に体力なんて必要ないって、講習会で教わったんだけどなー。
まぁ、ここの顧問は馬鹿だし、ほっとこうか。
私はみんなと走り出した。

外周四周と102階段を五往復。
これは無駄にキツすぎる。
そして私は、膝を痛めてしまった。
「運動は控えた方がいいですね」
「はい…」
このことを友達であり先輩に報告し、一緒に練習することに。
「よろしくね!タカちゃん!」
「あぁ、はい…」
頑張って笑顔を作った。
私の周りにいるのは、美人な先輩だけ…
うぅ、目が痛い…
「タメで全然いいけんね!」
「うちの名前わかる?」
すごく優しくしてくれてるんだろうけど、ちょっと激しい…
私、これから生きていけるだろうか…
心配ながらも先輩と練習した。
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