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まだ死にたくない女の子
しおりを挟む────まだ死にたくない女の子は。
わざとらしいため息を吐いて自分の疲労に浸る。
生まれて17年経ってもなお、毎日何かが少しずつ違っていて新鮮だった。
勝手の解らない日々に不安を覚えて確実なものを探してみたところ、いつか私が消えてなくなることだけは揺るがないものだと知った。
時計を見て数秒、人生なんてすぐには終わらないだろうという若気の思考を携えて、私は赤いマニキュアを塗り始めた。
振り返るとマニキュアなんていつの間にか塗り終えていて、しかし時計の針は1時間も進んでいた。
なんてあっけない。
このままわけも分からず時間が経って、その時が来たら私は消えてしまう。
17年という長い月日は名ばかりで、何年生きたところでどうも実感が湧かないといった具合いに死んでいくのだろう。
時計を見て数秒、何十年と生きた私はシワまみれの指でマニキュアを塗り終えていた。
馴染みのベットで横になり、振り返ってもそれほど長い人生を送ったつもりにはならなかったが、体はあちらこちらが痛かった。
今となってはこれまでよりもこれからの方が明確で、たぶんその時はすぐそこにある。
静かな部屋に響く死への足音。
聞くに耐えないこの音を消してしまおうと考えた私は、空になったマニキュアのボトルを時計目掛けて投げつけた。
届く気配すら感じさせなかったそのボトルは、当たり前のように床に転がり、力無く横になる私を見ているかのようだった。
わざとらしいため息をついて目を向けた先では、動かなくなった時計がこちらを見つめていた。
────いつか死ぬ事を受理できないままで。
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